精神保健福祉士の受験資格とは?学歴や実務経験の内容を詳しく解説
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「自分に合った方法で精神保健福祉士の資格を取得したい」
「社会人から精神保健福祉士の資格を取得する方法を知りたい」
このような悩みはありませんか?
精神保健福祉士の資格を取得するには、国家試験に合格する必要があります。しかし、精神保健福祉士国家資格は、誰でも受験できるわけではありません。
本記事では、精神保健福祉士国家資格の受験資格について詳しく解説します。また、社会人の方が取得できる受験ルートも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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1.精神保健福祉士の受験資格とは?
精神保健福祉士の主な受験資格は、大きく分けると次のいずれかに該当する方です。
- 4年制大学で指定科目を修めて卒業した方
- 2年制(または3年制)短期大学などで指定科目を修めて卒業し、指定施設で2年以上(または1年以上)相談援助の実務経験がある方
- 精神保健福祉士短期養成施設(6ヶ月以上)を卒業(修了)した方
- 精神保健福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方
引用:[精神保健福祉士国家試験]受験資格(資格取得ルート図)
上図のとおり、精神保健福祉士の受験資格を得るルートは11個もあります。一見複雑に見えますが、「学歴」と「実務経験」に注目すれば簡単に整理できます。以下で詳しく見ていきましょう。
福祉系大学・短大卒業ルート
4年制福祉系大学を卒業する場合、受験資格を得るためには以下の2ルートに分かれます。
【4年制福祉系大学】
指定科目を履修している場合 | 基礎科目を履修している場合 |
---|---|
卒業後、国家試験の受験資格を得られる | 卒業後、短期養成施設などで6ヶ月以上指定カリキュラムの履修が必要 |
次に、福祉系短大(2年制・3年制)を卒業した場合の受験ルートを紹介します。
【2年制】
指定科目を履修している場合 | 基礎科目を履修している場合 |
---|---|
相談援助の実務経験が2年以上必要 | 相談援助の実務経験が2年以上かつ、卒業後、短期養成施設などで6ヶ月以上指定カリキュラムの履修が必要 |
【3年制】
指定科目を履修している場合 | 基礎科目を履修している場合 |
---|---|
相談援助の実務経験が1年以上必要 | 相談援助の実務経験が1年以上かつ、卒業後、短期養成施設などで6ヶ月以上指定カリキュラムの履修が必要 |
短期養成施設とは、福祉系大学・短大で基礎科目を履修した人を対象とする学校です。福祉系大学の基礎科目を履修した方以外にも、社会福祉士登録をしている方が入学します。短期養成施設の期間は最短6ヶ月で、通信制の学校がほとんどです。
全国にある短期養成施設については、公益財団法人|社会福祉振興・試験センターのホームページを参考にしてください。
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|短期養成施設・一般養成施設
一般大学・短大卒業ルート
4年制の一般大学を卒業する場合は、一般養成施設で1年以上指定カリキュラムを学ぶことで精神保健福祉士の受験資格を得られます。
2年制・3年制の一般短大を卒業する場合は、以下のルートで受験資格の取得が可能です。
2年制の一般短大を卒業する場合 | 3年制の一般短大を卒業する場合 |
---|---|
相談援助の実務経験が2年以上かつ、卒業後、一般養成施設などで1年以上指定カリキュラムの履修が必要 | 相談援助の実務経験が1年以上かつ、卒業後、一般養成施設などで1年以上指定カリキュラムの履修が必要 |
一般養成施設では、医学や福祉に関する基礎知識や、精神保健福祉士に必要な知識・スキルを学べる学校です。福祉系以外の学校を卒業した方は、一般養成施設で1年以上指定のカリキュラムを履修することで、国家試験の受験資格を得られます。
一般養成施設は最短1年で卒業でき、通信・夜間・昼間の課程があります。
全国にある一般養成施設は、公益財団法人|社会福祉振興・試験センターのホームページを参考にしてください。
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|短期養成施設・一般養成施設
相談援助実務経験ルート
相談援助実務経験ルートは、指定の施設で4年以上相談援助の実務経験があり、一般養成施設などで指定カリキュラムを履修すると受験資格を得られます。唯一学歴制限がなく、高卒でも受験資格を得られるルートです。
ただし、実際のところは高卒で受験資格を得ることは難しいといえます。なぜなら、高卒かつ無資格で指定施設の相談援助業務に就くことが難しいからです。さらには一般養成施設などでは、高卒の方を受け入れていない場合も少なくありません。
社会福祉士保有ルート
社会福祉士の資格を持っている人が精神保健福祉士の国家試験を目指す場合は、短期養成施設などで指定カリキュラムを履修しなければなりません。国家試験を受験する際は、社会福祉士との共通科目は免除されますが、以下の精神保健福祉士の専門科目は受験必須です。
- 精神医学と精神医療
- 現代の精神保健の課題と支援
- 精神保健福祉の原理
- ソーシャルワークの理論と方法(専門)
- 精神障害とリハビリテーション論
- 精神保健福祉制度論
社会福祉士資格を保有している方は、最短6ヶ月で国家試験の受験資格を得られます。
スカウトサービス登録はこちら2.相談援助業務(実務経験)の内容とは?
前述したとおり、精神保健福祉士の受験資格を得るためには、指定の施設で相談援助業務を経験しなければならないルートがあります。受験資格を得られる相談援助業務は、主に以下の5つです。
- 精神障害者の相談
精神障害者の精神疾患の状態に配慮しつつ、円滑に社会復帰できるように情報収集を行う - 精神障害者への助言・指導
精神障害者の精神疾患の状態にも配慮しつつ、退院後の住居や仕事の選択について提案、誘導する - 精神障害者が日常生活に適応するために必要な訓練
社会復帰を目指す精神障害者に対し、時間を決めて洗面させたり、清掃・洗濯などの習慣を身につけさせたりなど、生活技能を身につけるための訓練を行う - その他の援助
精神障害者が難しいと感じる手続きを代行し、社会復帰を目指す本人を受け入れる家族、学校、会社などに精神障害に関する理解を求めるためにサポートする - 援助を行うために必要な関係機関との連絡・調整など
・ケースカンファレンス等の会議への出席
・ケース記録等の関係書類の整理
・職員間の申し送り、連絡、調整
・関係機関との連絡、調整
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|相談援助業務(実務経験)
病棟勤務での食事介助や入浴介助などは実務経験として認められません。また、児童施設では、精神障害のある児童やその保護者への相談援助業務も実務経験の対象となります。
ただし、乳児院では、精神障害のある保護者への相談援助のみが実務経験となり、乳児への相談援助は対象外です。
具体的な就業先と職種名
相談援助業務を行える施設と職種名は、以下のとおりです。
施設の種類 | 職種名 |
---|---|
精神科病院 | 精神科ソーシャルワーカー、医療ソーシャルワーカー |
生活介護、自立訓練を行う施設 | 生活支援員、サービス管理責任者 |
就労移行支援施設 | 就労支援員、サービス管理責任者、職業指導員 |
就労継続支援(A型B型)施設 | 生活支援員、サービス管理責任者、職業指導員 |
グループホーム | 相談援助業務に従事する職員 |
相談援助業務の範囲は他にも、行政機関や司法機関なども挙げられます。詳しくは公益財団法人のホームページを確認してください。
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|対象となる施設(事業)・職種
判断が難しい場合はどうする?
これまでの実務経験が、相談援助業務に当てはまるか判断できない場合もあるかと思います。短期養成施設・一般養成施設に入学する方は、各養成施設が相談援助実務の審査を行うため、進学を希望する養成施設に問い合わせるのが確実です。
指定科目を履修済で養成施設に入学しない場合は、受験申込に必要な実務経験証明書によって審査されます。実務経験証明書は、実務を経験した施設や事業所に記入を依頼します。
もしくは公益財団法人社会福祉振興・試験センターに問い合わせるとよいでしょう。
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|国家試験情報専用電話案内
スカウトサービス登録はこちら3.社会人から精神保健福祉士になるには?
社会人から精神保健福祉士になるには、本記事で紹介したように複数のルートがあります。一般大学を卒業した方でも、一般養成施設などに通えば最短1年で受験資格を得ることが可能です。
働きながら精神保健福祉士を目指す場合は、一般養成施設の「通信制」または「夜間コース」をおすすめします。通信制といっても、指定された2カ所の施設での実習が必要です。
ただし、厚生労働省が指定する施設において、1年以上の相談援助業務またはサービス提供の業務に1年以上従事した方は実習免除制度が適用されます。上記のルート以外にも、複数のルートがあるため、自分の学歴と経験と照らし合わせながら検討するとよいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら4.まとめ
精神保健福祉士国家試験の受験資格を得るためのルートは、11通りあります。どのルートに決めるかは、自身の学歴や相談援助業務の実務経験、社会福祉士の資格の有無によっても異なります。
大学などを卒業していない場合は、指定の施設で4年以上の相談援助の実務経験を積み、一般養成施設などで指定カリキュラムを履修すると受験資格の取得が可能です。そのため社会人でも、一般大学や短大に入学する必要はなく、1年程度の一般養成施設の卒業と実務経験で受験資格を得られます。
本記事を参考に、自身の学歴と経歴を照らし合わせながら、受験ルートを検討してみてください。
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