精神科医療のパイオニアとして55年。こころに寄り添い続ける病院で、やりがいのある働き方を|医療法人社団全生会 江戸川病院
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精神科医療において最も大切なことは、患者さま一人ひとりの心に寄り添い、その方らしい生活を取り戻すためのサポートです。近年、社会構造の変化やストレス社会の深刻化に伴い、メンタルヘルスケアの重要性が急速に高まっています。厚生労働省の調査によれば、精神疾患の患者数は年々増加傾向にあり、今や精神疾患は国民の健康における重要な課題の一つです。
こうした状況を背景に、質の高い精神科医療の提供とそれを支える医療従事者の育成は、社会的にも非常に重要な課題となっています。特に、認知症患者の増加やうつ病をはじめとする気分障害の多様化など、精神科医療に求められるニーズは年々変化し、より専門的で細やかな対応が必要とされています。
このような医療ニーズの高まりの中、50年以上もの間、地域の精神医療を支え続けてきたのが医療法人社団全生会 江戸川病院です。開院以来、「こころを病む人の生命および人権の尊重」を基本理念に掲げ、患者一人ひとりの尊厳を大切にした医療を実践してきました。また、チーム医療の実践や、職員が働きやすい環境づくりにも力を入れ、地域の精神医療の中核を担う医療機関として、着実に実績を重ねています。
そこで今回は、事務長の間中様と看護部長の小貫様に、江戸川病院の特徴や働く環境について詳しくお話を伺いました。精神科医療の専門病院として大切にしている理念から、実際の治療とケアの現場、そして働く環境まで、様々な角度から江戸川病院の魅力に迫ります。
目次
2.チーム医療の実践と、充実した教育体制
3.ワークライフバランスを重視した働きやすい環境
4.職員一人ひとりの成長をサポート
5.未来の仲間へのメッセージ
1.精神科専門病院として、人権を尊重した医療を提供
―まず、江戸川病院の特徴と、大切にされている理念について教えていただけますでしょうか。
間中:
はい。当院は半世紀以上の歴史を持つ精神科専門病院として、地域の精神医療に大きく貢献してまいりました。特に大きな特徴は、県下で最初に認知症病棟を開設したパイオニア的な存在だということです。高齢化社会の進展に伴い認知症患者が増加する中、いち早くその重要性に着目し、専門的な治療とケアの体制を整えてきました。また、統合失調症や気分障害など、さまざまな精神疾患に対する包括的な医療サービスも提供しています。
小貫:
看護部では、「こころを病む人の生命および人権の尊重」を基本理念に掲げています。精神疾患を抱える方々の中には、社会や家族との関係に悩みを抱えている方も少なくありません。そのため私たちは、患者さまの症状の改善だけでなく、その人らしい生活の実現や、社会復帰に向けた支援にも力を入れています。患者さまやご家族のお気持ちに寄り添い、専門的な立場からニーズを理解し適切なケアを提供することで、一日も早い回復と社会復帰を目指しています。
間中:
また、当院では早くから患者さまの権利擁護にも注力してきました。精神科医療においては、患者さまの人権や尊厳を守ることが特に重要です。職員全員がこの認識を共有し、患者さま一人ひとりの意思を尊重した医療の提供に努めています。
2.チーム医療の実践と、充実した教育体制
―実際の治療やケアについて、具体的に教えていただけますか?
小貫:
当院では主に認知症、統合失調症、双極性障害などの患者さまを診療しています。精神科医療では、薬物療法だけでなく、心理社会的なアプローチも重要です。そのため、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士などの多職種が密に連携を取り、包括的なチーム医療を実践しています。
特に看護部門では、患者さまの日常生活支援から服薬管理、そして退院に向けた支援まで、多岐にわたるケアを提供しています。例えば、患者さまの生活リズムを整えるための支援や服薬自己管理に向けた指導、社会復帰に向けたコミュニケーション訓練など、細かいケアを心がけています。また、ご家族への支援も重要な役割の一つと考えており、ご家族の不安や悩みに耳を傾け、必要な情報提供や相談支援を行っています。
間中:
人材育成面では、特に教育体制の充実に力を入れています。精神科での勤務が初めての方でも安心してスキルアップできるよう、慣れるまでは経験豊富な先輩職員がマンツーマンで指導しています。入職後は段階的な研修プログラムに沿って、基礎から専門的なスキルまで、しっかりと学んでいただきます。
小貫:
最初は不安を感じる方もいらっしゃいますが、先輩たちの丁寧な指導と支援的な職場環境のもと、みなさんが着実に成長していると感じます。チーム全体で新人を育てる文化が根付いているのも、当院の特徴と言えるでしょう。
―病棟の特徴や、患者さまとの関わり方について教えていただけますか?
小貫:
当院には複数の専門病棟があり、それぞれの特性に応じたケア環境を整えています。認知症病棟では、患者さまの見当識障害に配慮した環境づくりを行い、できるだけ自然な生活リズムを保てるよう支援しています。一方で急性期病棟では、症状の早期改善と再発防止に重点を置いています。
私たちが特に大切にしているのは、患者さまの「その時」の状態に合わせた柔軟な対応です。たとえば、不安が強い時期にはより頻繁に声かけを行い、安心感を持っていただけるよう心がけています。一方で、回復期に入られた患者さまに対しては、自主性を尊重しながらも、社会復帰に向けた具体的な支援を行っています。
間中:
また、当院では季節の行事やレクリエーション活動も大切にしています。これらの活動は、患者さまの日々の生活に潤いを与えるだけでなく、社会性の維持・回復にも重要な役割を果たしています。
3.ワークライフバランスを重視した働きやすい環境
―職場環境について、特徴的な点を教えていただけますか?
間中:
医療現場では長時間労働が課題となることも多いですが、当院では勤務体制を適切に整備し、「残業ほぼゼロ」を実現しています。これは、日々の業務の効率化はもちろん、各部署での適切な人員配置、そして職員の希望も考慮したシフト管理の工夫など、様々な取り組みの成果だと自負しています。特に、定期的に行うミーティングでは、通常の連絡事項だけでなく、業務改善のアイデアや意見も積極的に話し合っています。その結果、現在の「定時で帰れることが当たり前の職場」となり、ワークライフバランスの取れた環境が維持できているのだと思います。
また、週休2日制はもちろん、年間休日は122日を確保しています。これは他の医療機関と比べても優れた水準ではないでしょうか。職員には有給休暇の取得も積極的に推進しておりますので、休日は家族で過ごし、心身ともにリフレッシュして欲しいですね。
小貫:
看護部門では、ライフステージに応じた柔軟な勤務調整も行っています。育児や介護との両立支援制度もあり、実際に多くの職員が活用しています。例えば、育児中の職員には可能な限り希望に沿った勤務シフトを組むなど、個々の事情に配慮した対応を心がけています。
間中:
楽しく働くためには、職場の明るい雰囲気も大切ですね。働きやすい環境のために意識しているのは、定期的に職員の意見を聞く機会を設けることです。また、一部の職員だけのコミュニケーションとならぬよう、部署を越えた交流も意識しています。
4.職員一人ひとりの成長をサポート
―人材育成についての取り組みを詳しく教えていただけますか?
小貫:
看護部では、経験やスキルレベルに応じた段階的な教育プログラムを用意しています。新人教育では基礎的な看護技術の習得から、精神科特有のケア方法、リスクマネジメントまで、体系的に学べる研修を実施しています。特に重要な部分についてはシミュレーション研修も取り入れ、実践的な学びの機会を提供しています。
また、精神科看護のスペシャリストを目指す方向けには、より専門的な研修の機会も用意しています。認知症看護や精神科急性期看護などの専門分野に関する研修や、専門看護師・認定看護師の資格取得支援なども行っています。院内での研修に加えて、学会や外部研修への参加も積極的に支援しており、最新の知識やスキルを学ぶ機会を提供しています。
間中:
当院では、職員一人ひとりのキャリアプランも大切にしています。面談では個々の目標や希望を確認し、それぞれに応じた成長の機会を提供しています。また、資格取得のための支援制度も充実しており、受験費用の補助はもちろん柔軟な勤務調整など、意欲的な職員に対するサポートはかなり手厚いと思います。
さらには、院内での研究活動も推進しており、日々の実践で得られた知見を研究としてまとめ、学会で発表する機会も設けています。このような活動を通じて、職員の専門性向上と、病院全体の医療の質の向上を図っているのです。
5.未来の仲間へのメッセージ
―最後に、これから江戸川病院での就職を考えている方へメッセージをお願いします。
小貫:
精神科看護は、患者さまの心に寄り添いその方らしい生活を支援していく、非常にやりがいのある仕事です。時には困難に直面することもありますが、患者さまの小さな変化や回復に立ち会えた時の喜びは何物にも代えがたいものがあります。
特に当院では、充実した教育体制のもと着実にスキルアップを図ることができますので、精神科病院での経験の有無に関わらず、「患者さまの回復を支えたい」「こころの看護に携わりたい」という想いをお持ちの方でしたら大歓迎です。入職後は先輩たちが丁寧にサポートしますので、あまり心配なさらないでいただければと思います。
また、ワークライフバランスを重視した働き方ができることも、当院の大きな特徴です。プライベートも大切にしながら、専門職として成長できる環境が整っています。ぜひ、私たちと一緒に、患者さまの心に寄り添う看護を実践していきませんか。
間中:
当院には、職員一人ひとりを大切にする風土があります。年齢や経験に関係なく、それぞれの意見や提案に耳を傾け、より良い医療とより働きやすい職場づくりを目指しています。ワークライフバランスを重視しながらも、専門性が高められますので、きっとやりがいを持って働けるはずです。
精神科医療に興味をお持ちの方、あるいは新しいチャレンジをお考えの方、まずは一度、病院見学にいらしてください。実際の職場の雰囲気を感じていただくことで、きっと当院での働き方のイメージが具体的に湧くはずです。見学では、現場で活躍する職員との対話の機会も設けますので、率直な質問やご相談をしていただければと思います。
共に患者さまの心に寄り添い、地域の精神医療を支えていける仲間との出会いを、心より楽しみにしています。皆様からのご連絡をお待ちしております。