知的障がい者の生活施設を運営 介護職員の処遇改善加算で、事務職員や調理員の給与もアップ|社会福祉法人 山の子会
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東京都西多摩郡日の出町で、知的障がいのある方が暮らす生活施設を運営している「社会福祉法人 山の子会」は、事務職員や調理員などを募集しています。事務室や厨房で、知的障がいのある方の生活を支える仕事ですが、生活支援員や利用者とのコミュニケーションも頻繁にあり、やりがいを感じられるといいます。法人として、職員全員の頑張りに報いる姿勢を打ち出し、国の処遇改善加算を事務職員や調理員の給与にも反映させています。
「社会福祉法人 山の子会」は、知的障がいのある方の生活を24時間365日、サポートしています。職員は部署の垣根を越えて障がいや虐待防止などについて学び合い、よりよい支援を目指しています。アットホームな職場で、他の職員と相談したり、意見を出し合ったりしやすい環境が魅力です。
目次
1.「人が好き」な職員が長く活躍できる、明るい職場
――山の子会と、運営している施設について教えてください。
山の子会は、知的障がいのあるお子さんを持つ親御さんが、お子さんの入所施設を自分たちで建てようと立ち上げた社会福祉法人です。立ち上げに向けて動き出した1988年当時、都内の障がい者向け施設は空きがなく、親御さんが亡くなった後にお子さんたちが安心して暮らせる場所がないことを案じたことがきっかけでした。
現在、山の子会は、知的障がいのある方たちの「家」となる生活施設3つを運営しています。障がい者支援施設「山の子の家」(入所定員40名・通所定員46名)のほか、女性向けグループホーム「未来」(定員8名)、男性向けグループホーム「あかしでの家」(定員8名)があります。
「山の子の家」は東京都西多摩郡日の出町の山の上に位置し、自然豊かな環境です。職員全員が車通勤をしていますが、慣れると電車通勤より楽だという職員が多いです。青梅市・羽村市・福生市・昭島市・立川市・八王子市・あきる野市・檜原村など近隣から通っている職員ばかりです。
――利用者さんは施設でどのような生活を送っていますか。
24時間365日、利用者さんと職員がともに生活しています。
利用者さんは平日の日中、手工芸・農園芸・リサイクル回収・割りばしの製造などの作業をします。私たちは、働くことは人間らしく生きるための基本的なことだと考えており、利用者さんがいくつかの作業種の中から自分に合った仕事を選べるようにしています。
そして土日祝日は、ダンスや料理などのクラブ活動に参加したり、外出したりします。こうした生活を支えるため、職員は早番、日勤、遅番、夜勤のシフトを組んで勤務しています。私たちが利用者さんに寄り添い、身の回りのサポートをすることで、利用者さんの人生がより豊かになることを感じられるので、やりがいのある仕事だと思います。
――職場の雰囲気はいかがでしょうか。
医務部2名、栄養部・給食部7名、事務部3名、生活支援部33名と管理職を合わせ計48名の職員が、利用者さんの生活をより充実したものにするため、それぞれの仕事に取り組んでいます。職員規模は大きくないので、事業所・部署の垣根を越えて良好な人間関係づくりに努めています。雑談から仕事に関することまで、コミュニケーションは密にとっており、ざっくばらんに話し合える雰囲気があります。
職員は24時間365日、利用者さんの人生、生活全体をサポートしますので、責任の重さや難しさを感じることも多いですが、楽しいこともたくさんあります。知的に障がいのある方は、言葉でのコミュニケーションが難しかったり、身の回りのことに周囲のサポートが必要だったりはしますが、私たちと同じように楽しいことやおいしい食事が好きです。施設は、職員と利用者さんが一緒に冗談を言い合ったり、笑いあったりと、明るい雰囲気です。
人が好き、利用者さんに喜んでもらうことが好き、といった方が比較的長く活躍している現場です。生活支援員も、事務職員も、調理員も、利用者さんの生活をより豊かにしようという思いで利用者さんと関わっていますし、部署にかかわらず職員一同、その思いを共有しています。
――どんな施設を目指していますか。
法人としては「人権の尊重」「生涯の発達」「社会的自立」という経営理念を打ち出しています。そして、「障がい者を主人公として、その権利を守り、人間らしい豊かな生活を保障する施設」「障がい者・職員・家族の正しい要求が尊重され、合意の上で運営がなされる施設」「施設の中だけで考えるのでなく、地域との交流を広げ、相互理解をはかる施設」という3つの目標を掲げ、利用者さん1人ひとりが安心できるアットホームな施設づくりを心がけています。
――目指す施設づくりのため、どんな工夫をしていますか。
利用者さんと直接関わる生活支援員や世話人はもちろん、事務職員、看護師、調理員も交えた部署同士の連携を大切にしています。
日常的に、現場の生活支援員だけでなく、事務職員が利用者さんのお小遣い管理、看護師が健康面のサポート、調理員が食事の提供、といったように利用者さんを多角的にサポートしていますので、様々な立場の職員が利用者さんの生活面に関して情報共有を密にしています。
――法人全体での交流や研修の機会もありますか。
法人として虐待防止や自閉症に関する研修、救命救急講習を開催し、「山の子の家」やグループホームの職員、事務職員や調理師も参加しています。
こうした研修は積極的に行っています。福祉業界以外から転職してきた職員が多いこともあり、「参考になった」「日々の支援でわからなかったことがクリアになった」という声を聞きます。
2.国の処遇改善加算を事務員や調理員にも
――今回、募集している職種を教えてください。
事務職員、直接利用者さんと関わる生活支援員、そして調理員(山の子の家・あかしでの家)を主に募集しています。
事務職員には、和気あいあいとした現場の業務を、事務室からサポートしていただきます。調理員には、利用者さんにおいしく食べてもらえる食事を提供していただきます。それぞれの立場、ポジションでの役回りがあります。
――事務職員や調理員も利用者さんと触れ合う機会はあるのですか。
調理員は厨房で仕事をしますが、カウンター越しに利用者さんとの接点はあります。利用者さんが食事の後片付けのときに「おいしかったです」と言ってくれますし、事務職員も事務室から廊下に出れば、すぐ利用者さんと交流できます。利用者さんも事務職員のことが好きなので、挨拶しに来てくれたり、やり取りしたりすることも多いです。
――職員のみなさんのワークライフバランスはいかがでしょうか。
法人規模が大きいわけではありませんが、労働組合があるなど、働きやすい職場作りに努めてきた法人風土があります。実際に、ワークライフバランスを大切にしている職員が多い印象です。年間休日数は常勤で123日、非常勤で118日となっており、多めです。休みの希望も月4日まで出すことができ、希望はかないやすいです。有休も取りやすいと思います。
また、福祉業界は給与水準が高くなく、離職する人が多いというイメージが強いかもしれませんが、当法人では、国が介護職員の待遇向上のため、介護報酬に上乗せして施設に支給している「処遇改善加算」を、事務職員や調理員の月給にも充てています。こうした処遇改善には、部署に関わらず職員が一体となって全員野球で取り組むという法人の意向が反映されています。
当法人は求める職員像として「長く勤めてもらえる方」と打ち出していますが、そのためにも「長く勤めてもらえる職場環境づくり」を意識しています。
3.福祉施設等の事務職員経験者、集団調理経験のある方を歓迎
――求める人材像を教えてください。
人と接することが好きで、社会的に弱い立場の人たちの人権を尊重できる方、責任をもって業務をこなせる方、自ら積極的にコミュニケーションをとることができる方、チームで目標に向かって努力することが好きな方のご応募をお待ちしています。
わからないことは質問、確認する姿勢、自ら気づいて業務に取り組める姿勢も大切だと思います。
――求めるスキルはありますか。
事務部は、法人全体の縁の下の力持ち的な存在で、業務は多岐に渡ります。多くの職員さんとの接点が多い役回りで、数字の取り扱いやPCと向き合う仕事が中心にはなりますが、いろんな業務に主体的に臨んでくださる方を求めています。
特に福祉施設等の事務職員の経験者を歓迎しています。さらに、請求・給与・財務・処遇改善手当申請業務などの何か一つでも経験のある方や、役職経験など事業運営のマネジメント経験のある方は大歓迎です。場合によっては、将来、事務長などの管理職のポジションに登用する可能性もあります。
調理員に関しては、お料理が好きな方、特に施設での集団調理業務経験のある方を歓迎しています。
――入職を考えている方へのメッセージをお願いします。
まずは見学をしてみたいという方がいらっしゃったら、ぜひお声掛けください。社会福祉法人 山の子会には、職員全員で意見を出し合い、ボトムアップで施設を運営する風土があります。
入職していただいたら、今までのご経験を生かし、積極的に意見を言っていただいて、一緒により良い施設をつくっていきましょう。