ブランクのある看護師の再就職ノウハウ!準備の仕方、オススメの職場などを紹介
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看護師へ復職しようにも、ブランクがあることに不安を感じている方も多いのでは?子育てや介護、出産など、家庭の事情はさまざま。自分にあった働き方をしたいものです。今回は、看護職への復帰方法、ブランクを埋める勉強法や注意点、復帰しやすい勤務先についてお話します。
目次
2. 看護師がブランクを埋めるためにできる勉強方法4つ
・セミナーを受講する
・通信制講座を受講する
・独学で勉強する
・「とどけるん」で看護師の復職情報を見る
3.看護師が復職する際の2つの注意点
・復職に対する家族の理解を得ているか
・復職先に自分の状況の理解を得ているか
4.ブランクがあっても復帰しやすい条件3つ
・ブランク可
・パート、時短勤務
・託児所完備
5.ブランクがあっても復職しやすいおすすめ勤務先5つ
・診療所(クリニック、医院)
・健診センター
・介護施設のデイサービス
・慢性期病棟
・保育園
6. 看護師への復職を目指す方は、様々な復職支援サポートを活用してみましょう
1.看護師はブランクがあっても復職できる?取り巻く環境について
看護師が潜在看護師として現場を離れる大きな理由は育児や結婚など、ライフスタイルの変化によります。その後、看護師として復職をする方も多くいる中、そのまま潜在看護師として復職を諦める方も多数いらっしゃいます。
そんな潜在看護師の多くが理由に挙げる復職出来ない理由が、「ブランクによる不安」と「医療技術の進歩に対応が出来ない」という点です。しかし、近年では人手不足もあり、無料のセミナーや就職支援、実際の現場での体験会など看護師が復職するためのサポート環境が充実しています。
それでは、看護師が復職するためには、具体的に何をしていけばいいのか?以下で詳しく見ていきましょう。
2.看護師がブランクを埋めるためにできる勉強方法4つ
日本では看護師への復職を目指す方のために、各種サービスが用意されています。看護師への復職に向けて、どんな勉強方法があるのか、4つ紹介します。
- セミナーを受講する
- 通信制講座を受講する
- 独学で勉強する
- 「とどけるん」で看護師の復職情報を見る
セミナーを受講する
公的機関や民間企業が、看護師への復職志望者を技術面・精神面双方からサポートするためにセミナーを開いています。中には無料で受講できるものも。
厚生労働省指定日本看護協会主催の研修、県知事指定都道府県ナースセンターによる就業支援、大学病院での復職支援セミナーなど、信頼のおけるセミナーも充実しているのでぜひ調べてみましょう。
セミナーでは、復職までのカウンセリングやブランクを埋める技術研修、同じ復職を目指す仲間たちとの交流が行われます。また、復職する際、特に不安要素となるであろう、採血・注射、吸引、膀胱留置カテーテル、摘便、一次救命処置(BLS)などの処置も、セミナーで研修可能です。人体模型を使うなどし、安心して復習することができます。
通信制講座を受講する
セミナーに毎回足を運ぶ時間が取れない場合は、復職支援をしている通信制講座での勉強がおすすめです。通信制での勉強は、自宅に送られてくる教材やネット経由の動画視聴で学べるため、自分のペースで復職の準備ができるでしょう。
また、離職前に准看護師として働いていた方は、看護師資格を取得することもできます。
独学で勉強する
看護師の仕事は独学の場合でも、たくさんの勉強方法があります。例えば日本看護協会が行っているインターネットの配信研修。研修内容はキャリア開発向けとなっていますが、今の医療業界を知る手段として利用できます。
また、近年ではアプリを使った学習ツールや学習サイトもあります。隙間時間を使ってブランクを埋めていきましょう。
しかし、これらのツール、サイトは無数に存在するため、信憑性に注意です。自分で情報の正誤判断をするのが難しい場合は、看護大学の教授、総合病院の部長など、権威ある人が監修しているかをチェック。出版社の校正・校閲を経ている書物を利用するのもおすすめです。
「とどけるん」で看護師の復職情報を見る
2015年10月より看護師は都道府県の「ナースセンター」へ離職届を出すことが努力義務になりました。離職届を出すと、看護師等の届出サイト「とどけるん」にて、看護師復職支援の情報が見られるようになります。情報収集程度に利用してみてはいかがでしょうか。
3.看護師が復職する際の2つの注意点
看護師として復職するには、知識を随時アップデートすることが重要です。しかし、復職に必要なのは知識だけではありません。家庭の事情など技術面以外でも、復職を妨げる要因はたくさんあるのです。
次に看護の職場に復帰する際の2つの注意点についてお話をします。
復職に対する家族の理解を得ているか
家庭の事情で離職した人は、復職前に家族に相談しましょう。早朝出勤や夜勤を行う可能性のある看護職では、家族全体の協力を得ることが不可欠。家族の理解を得られないまま復職すると、思わぬトラブルが起きてしまうことも考えられるので注意しましょう。
復職先に自分の状況の理解を得ているか
看護職への復帰には家族の理解だけでなく、復職先の理解を得ることも必要です。例えば育児中に復職するのであれば、なるべく育児に理解のある職場で働くのが好ましいでしょう。復帰をする際には、離職時の理由や現在の状況を説明して、ある程度こちらの都合にも合わせてもらえる職場を選択できると長く続けやすいです。
ブランクがあっても復職しやすい条件3つ
- ブランク可
- パート、時短勤務
- 託児所完備
ブランク可
そもそも、募集する段階で「ブランク可」としている求人も多々あります。こういった求人の場合、十分な教育体制が整っていることや、必要とされる技術が高くないなどの条件であることが多いです。また「ブランク可」の記載がなくとも採用可能な場合があります。あくまで人柄や経歴などから総合的に判断されるため、気になっている求人があればまずは応募してみることがおすすめです。
パート、時短勤務
何年ものブランクによって知識や技術が低下することはもちろんですが、忘れてはいけないことが体力の低下です。いきなりフルタイム勤務に復職しても、週5日や4週8休といった働き方に体がついていくでしょうか。勤務先によってはパートからの正社員登用制度が整備されていたり、週5日出勤でも時短勤務が可能な職場が多くあります。まずはパートや時短勤務で徐々に体を慣らしていってはいかがでしょうか?
託児所完備
出産・育児によって離職していた方には、託児所完備の職場がおすすめです。復職する意欲はあっても育児によって一定以上の勤務が難しく、ブランクからの復帰を諦めるケースがあります。病院や保育園、産婦人科では託児所が完備されていることが多く、育児との両立が可能です。またある程度の規模以上の法人が運営する事業所では、託児所と提携している場合もあります。気になる求人があれば、まずは託児所があるか聞いてみてもいいですね。
5.ブランクがあっても復職しやすいおすすめ勤務先5つ
ブランクを経て復帰する際には、職場選びも重要です。ここでは、復帰の際におすすめしたい職場を5つ紹介します。
- 診療所(クリニック、医院)
- 健診センター
- 介護施設のデイサービス
- 慢性期病棟
- 保育園
診療所(クリニック、医院)
診療所は大きな医療施設に比べると、難しい医療行為が比較的少なく、技術的なブランクがあっても復帰しやすいでしょう。また、基本的に夜勤がないので、ワークライフバランスを重視する人にもおすすめです。しかし、人数が少ない職場が多く、時期によっては多忙になってしまう場合も。
健診センター
健康センターは健康診断や人間ドックなどを行います。決まった業務が多いため、復帰しやすい職場と言えるでしょう。また、土日休みが多いのも魅力のひとつ。しかし、復帰にとどまらず、キャリアアップを目指している人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
介護施設のデイサービス
デイサービスは専門性の高い業務が比較的少ないのが特徴です。バイタル測定など、介護士側のお手伝いが多いため、無理なく仕事に馴染むことができるでしょう。またデイサービスを行う介護施設は数多く存在するため、自宅近くの職場を選びやすいのもメリットです。
慢性期病棟
慢性期病棟は、激務になりにくいところが特徴です。余裕をもってお仕事が行えるので、昔の知識を少しずつ思い出していくには最適です。病棟は24時間体制で患者を見守るスタッフが必要です。そのため、復職サポートの面だけでなく、シフトや夜勤回数など勤務時間についても確認しておきましょう。
保育園
保育園は土日休みの施設が多く、医療機関ほど頻繁に医療行為が求められません。そのため少しずつ自信を取り戻していきたいと考える方におすすめです。しかし、保育園の場合は看護師が1人ということがほとんど。サポートしてくれる他の看護師がいないというデメリットがあるので注意しましょう。
6.看護師への復職を目指す方は、様々な復職支援サポートを活用してみましょう
今回はブランクのある看護師の復職事情について紹介しました。ブランクに不安を感じる方も多いかと思いますが、そんな方のために公的機関では積極的な復職サポートを実施しています。あまり不安にならず、まずはこうした様々なサポートを利用してみるのがおすすめです。試しに一度、復職を検討してみてはいかがでしょうか。
小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。