看護師・准看護師の資格はどうやって取得するの?
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コラムを読まれているみなさんの中で「看護師になって多くの人の役に立ちたい」「これからますますニーズが高まりそう」「親が看護師だから」など、さまざまな理由から看護師を目指されている方がいらっしゃると思います。
看護師の合格率はというと、2022年の看護師国家試験の合格者数は59,344人、合格率は91.3%でした。合格率9割と聞くと、数ある資格試験の中では合格率は高い方だといえます。
本コラムでは実際に看護師になるには、どのような方法があるかをお伝えします。
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目次
2.正看護師になるためには?
3.准看護師になるためには?
4.気になる学費について
5.看護師国家試験・准看護師試験
6.看護師の上位資格
7.看護師に向いている人の特徴
8.まとめ
1.正看護師?准看護師?
看護師には正看護師と准看護師、2種類の資格があります。看護師免許は国家資格、准看護師免許は都道府県知事発行の免許です。(一般的に正看護師のことを「看護師」といいますが、本コラムではあえて区別しやすいよう「正看護師」と記載します。)
正看護師と准看護師では単位取得に必要な履修時間が異なることもあり、准看護師の方が正看護師よりも資格取得にかかる必要期間は短くなります。本コラムでは、最初に正看護師になる方法をお伝えします。ご自分の状況に合わせて6つのコースから選択することができます。続いて准看護師になる方法について、そして最後に、資格取得の費用についてお伝えします。
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2.正看護師になるためには??
正看護師になるためには、学歴と、准看護師の免許を取得されているかによって方法が異なります。
高卒の方の場合
看護大学の場合、学士として認定され、大学院に進学できます。選択制で保健師と助産師の受験資格も得られます。
統合カリキュラム校の場合は、高度専門士として認定され、大学院に進学できます。
こちらのコースで正看護師になると、保健師あるいは助産師になるための養成課程に進学できます。(大学への編入も可能です)
中卒の方の場合
中学校卒業後に5年一貫制の看護高等学校に入学し、受験資格を最短で20歳で得ることができます。3年間で普通教科と並行して看護科の基礎科目を学習し、残り2年間で専門性の高い看護知識を習得します。
すでに准看護師免許を取得者されている場合
卒業後すぐに2年間の看護師課程に進学できます。看護師学校卒業時は、「専門士」、「准学士」となります。正看護師資格を取った後は、「保健師」「助産師」課程の養成校に進学できます。大学への編入もできます。
3年間の准看護師としての実務経験の後に進学となります。高等学校専攻科や短期大学には入学できません。
7年間の准看護師の実務経験の後、2年間の通信制看護学校を修了する必要があります。准看護師として働きながら単位を取るもので、臨地実習が少ないのが特徴です。
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3.准看護師になるためには??
准看護師養成学校に通うこと
2年間の養成学校に通う必要があります。養成所によって通学スタイルが異なり、自身の生活スタイルによって選ぶことが出来ます。入学要件は中学校を卒業していることが入学要件となります。
- 全日制:朝から夕方まで授業を行う
- 半日制:平日の午後や夜間に授業を行う
4.気になる学費について
公益社団法人日本看護協会のデータによると、全国で正看護師・准看護師を含め、看護師を養成する学校は2022年時点で1800ほどあります。2018年を境に学校数は減少傾向にあります。実際に、正看護師と准看護師で費用がどのくらい異なるか見てみましょう。
看護学校の場合
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の調査によると、2022年度の看護系の専門学校の1年の納付金額は1,156,000円となっています。専門学校は3年制のところが多いので、おおよそ340万円ほどかかる試算になります。
引用:公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 学生・生徒納付金調査」
また、看護系大学の場合は、2021年度の1年の納付金額として1,459,612円という結果が出ています。4年間通うとなると卒業までに600万円近くかかる試算です。なお、この金額は実習等の金額が除かれているため、その金額も上乗せされます。
引用:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
准看護学校の場合
公立や医師会立など学校や受講形式によって異なりますが、授業料と入学金、施設利用費、実習費等含め、2年間で100万円~200万程度といわれています。定時制の場合、授業料は年36万円程度と変わらないですが、他の費用が若干安くなっている傾向があります。
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5.看護師国家試験・准看護師試験
正看護師資格・准看護師免許を取得するためには、養成課程のカリキュラムを修了後、それぞれ試験を受験し、合格する必要があります。
看護師国家試験
看護師国家試験は毎年2月頃に実施されています。試験地は12都道府県(北海道・青森県・宮城県・東京都・新潟県・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県)となっています。
試験内容は、基礎的な内容を問われる必修問題が1問1点で50問、出題基準で定められた11科目について一問一答形式で問われる一般問題が1問1点で130問、看護過程を理解したうえで判断する力や、課題を解決する力が問われる状況設定問題が1問2点で60問出題されます。おおよその合格ラインとしては、必修問題は50点中40点以上、一般問題と状況設定問題は合計250点満点中159点以上とされています。
以下は、直近の看護師国家試験の受験者のデータです。受験者数や合格者数は年々増加しており、合格率としては90%前後となっています。試験前に基本的な準備をしていれば合格できる確率が高い試験と言えるでしょう。
実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
第111回(2022年) | 65,684人 | 59,344人 | 91.3% |
第110回(2021年) | 66,124人 | 59,769人 | 90.4% |
第109回(2020年) | 66,250人 | 55,568人 | 89.2% |
第108回(2019年) | 63,603人 | 56,767人 | 89.3% |
第107回(2018年) | 64,488人 | 58,682人 | 91.0% |
出典:厚生労働省
看護師国家試験を受験するためには以下の書類を提出します。また、受験手数料として5,400円が必要です。
・受験願書
・証明写真(高さ6センチ×幅4センチ、出願6ヶ月以内のもの)
・返信用封筒(縦23.5センチ×横12センチのもの、529円分の郵便切手の貼付が必要)
以下は必要な方のみ提出します。
・看護系学校卒業(見込み)の方:卒業判定証明書や卒業見込証明書などの修業や卒業を証明できる書類
・高校卒業者、または実務経験3年以上の准看護師:指定学校の修業証明書もしくは2年課程修了の証明書、卒業見込み証明書のいずれか+准看護師免許証のコピー
これらの書類は、出願受付期間までに看護師国家試験運営本部事務所へ郵送するか、各試験地に設置されている看護師国家試験運営臨時事務所へ直接持参します。手続きが完了すると、受験票が郵送されてきます。
准看護師試験
准看護師試験は各都道府県で実施されています。出題内容や難易度は各都道府県でやや異なるものの、合格率は平均96%以上という高い水準となっています。2021年度は全国で15,198人が受験し、合格者数は15,052人でした。合格率99.0%となっており、基本的な準備ができていれば合格できる確率が高い試験です。ちなみに准看護師試験は、都道府県により試験日が異なるため、複数の県に出願し、複数の県での試験を受験することが可能です。
准看護師として働くメリット
正看護師と比べると働き方や給与水準などで明確な違いがありますが、ここでは准看護師として働くメリットについて、いくつかご紹介いたします。
准看護師は正看護師に比べて資格取得までの期間が2年間と短く、そのため同時に費用も抑えることができます。 准看護師からスタートしてキャリアアップに繋げることも可能なので、「まずは看護師としてはやく働きたい」「はやく資格を取得したい」という方には向いているかもしれません。
准看護師養成学校は、「全日制」「半日制」と自身の生活スタイルに合わせて選択することができます。 夜間に行われるコースを選び、働きながら准看護師の資格取得を目指している方もなかにはいらっしゃるようです。働きながら資格を目指すことができるという点は大きなメリットの一つと言えます。
先ほども少し触れましたが、准看護師の試験の合格率は平均で96%以上と非常に高い水準となっています。准看護師試験は毎年2月の上旬から中旬の間で行われます。准看護師試験は、都道府県によって実施日が異なるため、同じ年に複数回受験することも可能な点もポイントです。
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6.看護師の上位資格
看護師には正看護師、准看護師の上位資格も存在します。資格を無事に取得でき、さらなるキャリアアップを考えている人はぜひ参考にしてみてください。
認定看護師
認定看護師とは、高度化し専門分化が進む医療の現場において、高い水準の看護を実践できると認められた看護師に与えられる資格です。日本看護協会が「認定看護分野」ごとに認定しています。
認定看護師になるためには、看護師として5年以上の実務経験を積み、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を受け、認定看護師認定審査に合格することが必要です。審査に合格した後は認定看護師としての活動と実績を積み、5年ごとに資格を更新しています。
認定看護師は特定の看護分野において、以下の3つの役割を果たすことが求められています。
1.個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
2.看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
3.看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
認定看護師として求められる役割を簡単に言い換えると、「実践・指導・相談」の3つです。この3つの役割を果たしながら、患者さんやそのご家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護分野ごとの専門性を発揮していくことが必要です。
認定看護師は上記で述べた3つの役割を果たしながら看護の向上に努めます。活動場所は、病院の他、訪問看護ステーションやクリニック・診療所、介護保険施設等です。
活動内容の例としては、専門的な治療や看護が必要な患者さんやそのご家族に対して最適な看護とは何かについて、認定看護分野の専門知識に基づいて判断し、実践することなどが挙げられます。いうなれば「看護現場のスペシャリスト」としての活動が求められるので、看護現場でスキルアップしたいと考える人には、おすすめの資格です。
専門看護師
専門看護師とは、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた看護師のことを指します。
専門看護師になるためには、看護師としての実務研修が通算5年以上あり(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)、認定看護師教育機関の教育を修了し、認定審査(筆記試験)に合格することで資格を取得することができます。認定看護師認定証交付・登録後は、更新審査にて5年ごとに更新していきます。
専門看護師は、専門看護分野において以下の6つの役割を果たすことが求められます。
1.個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6.専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
専門看護師として求められる役割を簡単に言い換えると、「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の6つです。この6つの役割を果たしながら、患者さんやその家族、医師や他の医療スタッフなどとの調整や連携、病院内外での看護師や他職種への教育などが求められます。
専門看護師の活動場所は病院のほか大学病院や訪問看護ステーションなど幅広く、看護全体のスペシャリストとして活躍することができます。
活動内容の例としては、「高い水準の看護ケアの実践」・「各種関係機関との連携・調整」・「他の看護師へのケア向上に向けた教育活動」などが挙げられます。
専門看護師の資格を取得することで、より高度な知識や技術が身に付き、活躍できる場所が広がります。「看護のスペシャリスト」と言っても過言ではないので、看護師としてより一層スキルアップしたいと考える人にはおすすめの資格です。
ただ、専門看護師を目指すには、基本的に今の仕事を退職する又は休職するなどして、一定の期間を勉強に集中しなければならないことが一般的です。勤務する病院によっては資格取得後の復帰を前提として大学院通学を支援する場合もあるので、専門看護師の取得を考えている場合は職場を選ぶ際に、その辺りも念頭に入れて置くことをおすすめします。
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7.看護師に向いている人の特徴
他の職種と同様に看護師も人によって向き・不向きがあります。看護師には憧れていたが、そもそも「私に向いているのか」と思う人もいます。ここでは一般的に看護師に向いているとされる人の特徴をご紹介しますので、参考にしてみてください。
- 責任感が強い
- 体力的にも精神的にもタフ
- 向上心や生涯学習の精神がある
- コミュニケーション能力が高い
その他にも看護師に向いていない人の特徴や性格別でオススメの職場について詳しく解説していますので、以下の記事も一緒に確認してみてください。
【看護師向いている人・いない人】性格別のおすすめ職場もご紹介
先輩や同僚に「看護師に向いていない」と言われ、ショックを受けた経験はありませんか?ただ、看護師と一口にいっても
詳細を見る8.まとめ
正看護師・准看護師の資格を得るためには、どうしたらよいかについて解説しました。社会人として働きながら資格を取得しようと考えている方、准看護師からのステップアップで正看護師になろうと考えている方、色々いらっしゃると思います。自分が資格を取得するためにはどのケースなのかについてまずはしっかりと把握し、目指す資格に向けて頑張りましょう。
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よくある質問
・高卒の方の場合
(1)看護大学または統合カリキュラム校に4年間通う
看護大学の場合、学士として認定され、大学院に進学できます。選択制で保健師と助産師の受験資格も得られます。統合カリキュラム校の場合は、高度専門士として認定され、大学院に進学できます。
(2)看護師学校または短期大学に3年間通う
こちらのコースで正看護師になると、保健師あるいは助産師になるための養成課程に進学できます。(大学への編入も可能です)
・中卒の方の場合
(3)高等学校5年一貫教育のコースに通う
中学校卒業後に5年一貫制の看護高等学校に入学し、受験資格を最短で20歳で得ることができます。3年間で普通教科と並行して看護科の基礎科目を学習し、残り2年間で専門性の高い看護知識を習得します。
・すでに准看護師免許を取得者されている場合
(4)最終学歴が高卒の方
卒業後すぐに2年間の看護師課程に進学できます。看護師学校卒業時は、「専門士」、「准学士」となります。正看護師資格を取った後は、「保健師」「助産師」課程の養成校に進学できます。大学への編入もできます。
(5)最終学歴が中卒の方
3年間の准看護師としての実務経験の後に進学となります。高等学校専攻科や短期大学には入学できません。
(6)上記以外の方
7年間の准看護師の実務経験の後、2年間の通信制看護学校を修了する必要があります。准看護師として働きながら単位を取るもので、臨地実習が少ないのが特徴です。
試験内容は、基礎的な内容を問われる必修問題が1問1点で50問、出題基準で定められた11科目について一問一答形式で問われる一般問題が1問1点で130問、看護過程を理解したうえで判断する力や、課題を解決する力が問われる状況設定問題が1問2点で60問出題されます。おおよその合格ラインとしては、必修問題は50点中40点以上、一般問題と状況設定問題は合計250点満点中159点以上とされています。
受験者数や合格者数は年々増加しており、合格率としては90%前後となっています。試験前に基本的な準備をしていれば合格できる確率が高い試験と言えるでしょう。
小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。