新人介護士必見!覚えておきたい基本的な略語・専門用語を解説
- 更新日
「介護現場でよく使われる専門用語や略語を理解しておきたい」
「介護の勉強はしてきたはずなのに、略語の意味がわからなくて困っている」
「略語や専門用語について、先輩や同僚にわざわざ聞きにくい」
このような悩みはありませんか?
新人介護士の頃は、先輩介護士が使う専門用語や略語の意味がわからず、指示の内容が理解できないことがあります。早めに覚えておくことで、業務を円滑に進められるようになるでしょう。
本記事では、介護現場でよく使われる基本的な略語や専門用語について解説します。この記事で紹介する略語や専門用語を理解すれば、先輩や他の職種と円滑にコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
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1.施設・サービスの略語
まずは、介護施設やサービスの略語と専門用語を解説します。
正式名称(略語) |
特徴 |
特別養護老人ホーム(特養) |
原則、要介護3以上の高齢者を対象とした介護保険施設 |
介護老人保健施設(老健) |
要介護者の在宅復帰を目指し、介護や看護、リハビリを提供する介護保険施設 |
通所介護(デイサービス) |
入居せずに通いで介護サービスを提供する施設 |
通所リハビリテーション(デイケア) |
通いで専門的なリハビリを受け、身体機能の回復・維持を目指す施設 |
短期入所生活介護(ショートステイ) |
在宅生活の人が短期間施設に宿泊できるサービス |
訪問介護 |
ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護を提供する介護サービス |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) |
バリアフリーや安否確認、生活相談に対応した高齢者住宅 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
認知症高齢者を専門とした、最大9人の小規模入所施設 |
小規模多機能型居宅介護(小多機) |
1つの事業所で訪問介護、通い、宿泊に対応した介護保険サービス |
看護小規模多機能型居宅介護(看多機) |
1つの事業所で訪問介護・看護、通い、宿泊に対応した介護保険サービス |
ユニットケア |
1ユニット10名以下を生活単位とし、一人ひとりに合った介護を提供する施設 |
特養
特養は、特別養護老人ホームの略語です。原則、在宅生活が困難な要介護3以上の高齢者を対象としています。公的な施設なので、民間が運営する施設よりも費用が安いという特徴があります。
介護士の主な仕事内容は、
- 入浴や食事、排泄などの身体介護
- レクリエーション
- 看取り対応
- 夜勤対応
- 記録業務
- ご家族への近況報告
などです。特養は基本的に要介護3〜5の中・重度の方への介護が中心になります。看取り対応も可能で、人生の最期を迎える「終の棲家」として利用される方も多いです。
老健
老健は、介護老人保健施設の略語です。要介護1以上の方を対象とし、在宅復帰を目指して医療や介護、リハビリなどを提供します。老健の特徴は、入居期間が原則3ヶ月であることです。
介護士や看護師、リハビリ技師は3ヶ月を目安に、在宅復帰を意識したサービス提供が求められます。老健で働く介護士の主な仕事内容は、前述の特養と大きく変わりません。ただし、老健では介護サービスだけでなくリハビリを実施しているため、看護師やリハビリ技師との連携が重要です。
デイサービス
デイサービスとは、通所介護の略語です。要介護1以上の方が施設に通い、食事や入浴、排泄、機能訓練などの介護サービスを提供します。多くの施設では日曜日がお休みとなり、通いなので夜勤もありません。
デイサービスは、利用者さんが他者と交流を持つことによる社会的孤立感の解消、介護をするご家族の休息の時間になるメリットがあります。
介護士の主な仕事内容は身体介護やレクリエーション、機能訓練に加え、送迎業務があります。カラオケやおやつ作り、生花などのレクリエーションに力を入れている施設です。
デイケア
デイケアは、通所リハビリテーションの略語です。要支援1〜要介護5の方が病院や老健、介護医療院などでリハビリを受け、身体機能の回復や維持を目指します。
前述したデイサービスとの違いは、デイケアはリハビリを重視していることです。そのため、医師や理学療法士・作業療法士の配置が義務付けられています。
デイケア介護士の仕事内容はデイサービスと共通する部分が多いです。しかし、デイケアは比較的介護度の低い方が多いため、リハビリの補助やレクリエーションなど、介護業務以外の内容が多い傾向にあります。
ショートステイ
ショートステイは、短期入所生活介護施設の略語です。在宅生活している方が施設に短期間宿泊し、介護サービスや機能訓練などを受けられます。要支援または要介護認定された方が利用でき、最短1泊から最大30日連続の利用が可能です。
ショートステイは、普段介護を行っているご家族に息抜きを与える役割があります。また、利用者さんの身体機能の維持や回復、生活環境の活性化を促す目的もあります。 ショートステイで働く介護士の主な仕事内容は、介護サービスや送迎、夜勤業務です。
訪問介護
訪問介護は、ホームヘルパー(訪問介護員)や介護福祉士が自宅に訪問し、食事や排泄、入浴などの身体介護、掃除や洗濯、調理などの生活援助を行う介護サービスです。事業所によっては、夜間に対応している場合もあります。
訪問介護では、介護士1人で自宅に訪問し介護サービスを提供します。1人で状況判断・対処しなければならないため、訪問介護で働くには「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。
サ高住
サ高住は、サービス付き高齢者向け住宅の略語です。60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けている方が入居できる賃貸住宅を指します。サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類あり、一般型は自立した生活ができる方を対象とし、介護型は要介護5までの方や認知症の方も利用可能な住宅です。
サ高住は介護度が低い方が多いため、介護業務は少ない傾向にあります。安否確認や生活相談、生活援助、夜勤などが主な業務内容です。
グループホーム
グループホームは、認知症対応型共同生活介護の略語です。認知症の診断を受けた、要支援2以上の高齢者を対象としています。1ユニット5〜9名までの少人数制を採用し、共同生活を送りながら自分らしい自立した生活を目指す施設です。
グループホームで働く介護士の業務内容は、見守りや身体介護、夜勤など一般的な施設と変わりません。認知症に特化しているため、入居さん一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取りながらサポートすることが大切です。
小多機
小多機は、小規模多機能型居宅介護の略語です。1つの事業所で「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」を提供している特徴があります。中重度の要介護の方でも、在宅生活が続けられるように支援することが目的です。
とはいえ、要支援・要介護度1〜2の自立した利用者さんも多く、一人ひとりの状態に合わせたサービスを提供できる環境です。小多機で働く介護士は、身体介護やレクリエーション、機能訓練、送迎、夜勤、訪問介護など幅広い業務を担当します。
看多機
看多機は、看護小規模多機能型居宅介護の略語です。小多機の「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」に加え、「訪問看護」の4つのサービスを一体的に提供する事業所です。地域包括ケアシステムの中心的な役割としても注目されています。
小多機では医療依存度が高い方の受け入れは困難でしたが、看多機が創設されたことで、医療依存度の高い人でも在宅生活を続けられるようになりました。介護士の仕事内容は、小多機とほとんど変わりません。
※地域包括ケアシステムとは、要介護状態の方でも住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるように地域一体となって支援する仕組み
ユニットケア
ユニットケアとは、10人程度のグループをひとつの生活単位とし、固定したメンバーとスタッフでケアを行う介護スタイルのことです。これまで従来型では大部屋で4人が生活し、食事や入浴などは施設が決めたスケジュールで管理されていました。
ユニットケアでは個室が用意されており、利用者さんが交流しやすいように中央にリビングが設置されています。個人のプライバシーが尊重されるため、自宅で過ごす感覚で生活できるのが特徴です。
スカウトサービス登録はこちら2.職種の略語
介護業界の職種についても、略語が多く使われています。
正式名称(略語) |
特徴 |
介護支援専門員(ケアマネ・ケアマネジャー) |
ケアプランの作成や各事業所と調整を行う介護保険のスペシャリスト |
医療ソーシャルワーカー(MSW) |
社会福祉士と精神保健福祉士の有資格者の総称 |
精神保健福祉士(PSW) |
心に病気や障がいを抱えた人の日常生活や社会復帰を支援する専門職 |
理学療法士(PT) |
病気や怪我などによって運動機能が低下した人に対し、基本的動作能力の回復を行うリハビリの専門職 |
作業療法士(OT) |
身体や精神に障がいを抱える人に対し、日常生活や社会復帰できるよう作業療法を用いて支援する専門職 |
言語聴覚士(ST) |
話す、聞く、飲食、認知に関わる病気や障がいの支援をする専門職 |
サービス提供責任者(サ責) |
適切な訪問介護サービスを提供できるように管理・調整する職種 |
サービス管理責任者(サビ管) |
適切な障害者福祉サービスを提供できるように管理・調整する職種 |
児童発達支援管理責任者(児発管) |
障がいがある子どもに適切なサービスが行き届くように管理・調整する職種 |
一つずつ見ていきましょう。
ケアマネ・ケアマネジャー
ケアマネ・ケアマネジャーは、介護支援専門員の略語です。介護を必要とする方が、適切な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランの作成や事業所と高齢者の調整などを行います。
ケアマネが活躍する職場は、特養やグループホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所など多岐にわたります。ケアマネになるには、介護支援専門員実務研修受講試験の合格が必要です。指定の国家資格に基づく実務に5年以上、または相談援助業務に5年以上従事することで受験資格を得られます。
MSW
MSWは医療ソーシャルワーカーの略称です。社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格取得者を総称して「ソーシャルワーカー」といいます。その中でも、医療機関で働いている方を「医療ソーシャルワーカー」と呼んでいます。
MSWは、医療機関で患者さんやご家族が抱えるさまざまな悩みについて相談援助を行い、解決するために各機関と調整・連絡を行うのが役割です。MSWになるために法的に義務付けられた資格はありません。しかし、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を条件とする職場がほとんどです。
PSW
PSWは、精神保健福祉士の略語です。心に病気や障がいを抱えた方の相談に応じ、日常生活や社会復帰を支援する専門職を指します。
PSWの主な勤務先は、
- 障害者福祉施設
- 高齢者福祉施設
- 医療機関
- 司法関係
- 行政機関
- 教育機関
などが挙げられます。PSWになるためには、年1回実施される国家試験の合格が必須です。受験資格を得るには、4年制大学の卒業や相談援助業務の実績が4年以上など、ルートはさまざまあります。
PT
PTは理学療法士の略語です。病気や怪我などで身体に障がいのある方に対し、寝返り・起きる・立つ・座る・歩くなどの基本動作の回復や維持を目標にリハビリテーションを提供します。
また、障がいを抱えた方以外に、怪我や病気の予防やスポーツに関連したトレーニングなどを目的としたリハビリもあります。 PTになるには、国家試験に合格しなければなりません。理学療法科の養成校などに通い、必要課程を修了することで受験資格を得られます。
OT
OTは作業療法士の略語です。身体や精神に障がいがある人が日常生活・社会生活に復帰できるように、作業療法を用いて支援する専門職をいいます。作業療法とは、手芸や木工、音楽などの作業活動を通じて治療や訓練などを行うものです。
PTと似通った部分も多いですが、PTは歩く、座るなどの「基本的動作の訓練」に対し、OTは食事や入浴、学習などの日常生活を送るための「応用的動作の訓練」という意味合いがあります。
ST
STは言語聴覚士の略語です。話す・聞く・認知・食べるといった機能に障がいがある人に対し、回復・維持を図るリハビリテーションを提供します。具体的な仕事内容は、検査・評価・訓練・援助などを通じて、生活の質を高めることです。
主な勤務先は医療機関や介護施設、教育機関などが挙げられます。 STになるには、言語聴覚士養成課程のある大学や短大を卒業し、言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
サ責
サ責はサービス提供責任者の略語です。訪問介護を利用する方が質の高いサービスを受けられるように、管理・調整する役割があります。訪問介護事業所には、常勤のサ責を1人以上配置することが義務付けられています。
主な業務内容は、訪問介護計画書の作成やヘルパーの管理・指導、ご家族の連絡・相談業務などです。サ責がヘルパーを兼務することもあるため、幅広い業務を担当します。 サ責になるためには、介護福祉士または介護福祉士実務者研修の資格が必要です。
サビ管
サビ管はサービス管理責任者の略語です。障害者福祉サービスを提供する事業所には、障害者総合福祉法により配置が義務付けられています。障害福祉サービスを提供する事業所で、利用者さんが適切なサービスを受けられるように管理を行います。
主な仕事内容は、個別支援計画書の作成や関係機関との連携、職員への指導などです。サビ管になるためには、実務経験の要件と研修の修了が必要になります。
児発管
児発管は児童発達支援管理責任者の略語です。障がいを抱える子どもに対して、適切な支援や療育を提供できているか管理する職種です。児発管には、児童発達支援を提供する施設に1名以上の配置が義務付けられています。
主な仕事内容は、児童の成長に応じた個別支援計画書の作成やご家族からの相談業務、関係機関との連携などです。児発管になるには、実務経験と研修修了の要件を満たす必要があります。
スカウトサービス登録はこちら3.介護動作の略語
続いて、介護動作に関連した略語を紹介します。
正式名称(略語) |
特徴 |
日常生活動作(ADL) |
食事、排泄、入浴などの日常的な動作 |
手段的日常生活動作(IADL) |
洗い物をする、献立を考えて料理をするなどの複雑な日常生活動作 |
機能的自立度評価(FIM) |
ADLの介助量を評価するための指標 |
バイタルサイン(バイタル) |
生命に関する最も基本的な情報。呼吸、体温、血圧、脈拍の4つが基本 |
ADL
ADLとは「Activities of Daily Living」の略語で、日本語では日常生活動作のことです。日常生活動作は、起床・移乗・移動・食事・入浴・排泄・更衣といった日常生活を送るために必要な最低限の動作を指します。
介護分野以外に、医療やリハビリテーションの分野でもよく使われます。ADLは、自立した生活を送れるかどうかを見極め、介護が必要か否かを判断する際に重要な指標です。
IADL
IADLとは、「Instrumental Activities of Daily Living」の略語で、日本語では「手段的日常生活動作」のことです。前述したADLよりも複雑で応用的な日常生活動作を指します。
例えば、掃除や調理、洗い物などの家事や電話応対のコミュニケーション、電車やバスの利用(交通機関の利用)などです。
医療・介護分野では、ADLだけでなくIADLも重要視されています。IADLを維持することは、生活の質や幸福感に直結する大事な要素です。
FIM
FIMとは「Functional Independence Measure」の略語で、日本語では「機能的自立度評価」といいます。ADLの介助量を評価する際に使われる指標で、ADL評価の中で最も信頼性と妥当性があるとされています。
FIMの主な特徴は以下のとおりです。
- 日常生活上で「できるADL」ではなく「しているADL」を評価する
- 医療従事者以外でも活用できる
- 世界共通のADL評価
介護現場でも活用されており、利用者本人やご家族、他職種と情報共有しやすいメリットがあります。
バイタル
バイタルは「バイタルサイン」の略語で、日本語では生命兆候のことです。生命兆候は、人間が生きていることを表す重要な指標です。「脈拍」「呼吸」「血圧」「体温」の4つを指標とし、これらの数値を測ることで健康状態を把握できます。
たとえば、看護師さんから「バイタルを取ってください」と言われたら、上記の4つの指標を測定すればいいわけです。また、4つの測定項目に「意識レベル」「尿量」を追加してバイタルと呼ぶ場合もあります。
スカウトサービス登録はこちら4.覚えておくと役立つ専門用語
最後に、介護現場でよく耳にする専門用語を紹介します。これらの用語を覚えておくと、必ず介護現場で役に立つのでぜひ参考にしてください。
専門用語 |
特徴 |
生活の質(QOL) |
人が生きるうえでの満足度を表す指標 |
介助 |
要介護者が1人で行えないことを中心にサポートすること |
清拭 |
病気や怪我などで入浴できない場合に、身体を拭くケア |
喀痰吸引 |
自力で痰を出せない方に対し、痰を吸引し取り除くこと |
経管栄養 |
口から食事が取れなくなった人に対し、胃や腸に直接栄養剤を注入する方法 |
高次脳機能障害 |
脳の損傷により、注意力・記憶力・言語・感情などに障害が起きる状態 |
誤嚥性肺炎 |
誤嚥によって口の中の細菌が肺に入り起きる肺炎 |
褥瘡(床ずれ) |
身体の一部が圧迫され続けた結果、その部分の血流が滞り、組織が損傷すること |
ターミナルケア |
病気により余命わずかになった方に対して、QOLの維持・向上を目的とした処置 |
QOL
QOLは「Quality of Life」の略語で、日本語では「生活の質」を意味します。生活の質は、人が生きるうえで欠かせない生きがい、満足度、身体的・精神的な苦痛の軽減や社会参加を含めた総合的な活力などを表す指標のことです。
介護分野におけるQOLは、「自分らしく生きること」が満足度や幸福度につながるとされています。QOLの基準は一人ひとり異なるため、介護の現場では利用者さんのニーズを把握したうえでケアを行うことが大切です。
介助
介助とは、要介護者が日常生活を送るうえで必要な動作をサポートすることです。介助には、さまざまな種類があります。
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 更衣介助
- 移乗介助
- 歩行介助 など
「介助」と「介護」の違いについても知っておきましょう。介助は日常生活をサポートする行為を指しますが、介護は要介護者の自立支援を目指した行為全般のことです。つまり介助は、介護という行為の中の1つとして考えられます。
清拭
清拭とは、病気や怪我などが理由で入浴できない方に対して、蒸しタオルなどで身体を清潔にするケアのことです。清拭には全身を拭く「全身清拭」と一部分を拭く「部分清拭」があります。
清拭には身体を清潔に保つ以外にも、以下のような効果が期待できるでしょう。
- リラックス効果によって安眠効果が期待できる
- 全身の血行を促し、拘縮・褥瘡などを予防する
- 腸の動きを活発にし、便秘を予防する
- 全身チェックにより、異常を早期発見できる
状況によっては足浴や手浴など、身体の一部をお湯につける「部分浴」もあります。
喀痰吸引
喀痰吸引とは、吸引装置と吸引カテーテルを使用して、口腔内、鼻腔内などの痰や唾液、鼻汁を吸引する行為のことです。嚥下機能が低下した方や呼吸器系疾患のある方は、自力で痰を排出できないため、誤嚥や呼吸困難などのリスクがあります。
自力で痰を排出できない方にとっては、喀痰吸引は必要不可欠なのです。喀痰吸引は医療行為なので基本的に医師や看護師のみが行えます。ただし、喀痰吸引等研修を修了すれば、介護職員でも行うことが可能です。
経管栄養
経管栄養とは、自分の口から食事を取れなくなった方に対して、チューブやカテーテルを通して、胃や腸に直接栄養剤を注入する医療行為です。経管栄養には、以下のような方法があります。
- 経鼻経管栄養:鼻にチューブを挿入し、栄養剤を注入する方法
- 胃ろうや腸ろう:手術で頸部や腹部に小さな穴を開け、そこから栄養剤を注入する方法
これらの方法を本人の身体状態や環境に応じて行います。経管栄養は医療行為ですが、「喀痰吸引等研修」を修了すれば、介護士でも経管栄養を行うことが可能です。
高次脳機能障害
高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部が損傷したために、注意力・記憶力・言語・感情に障害が起きる状態のことです。後天性の障害のため、日常生活や社会生活でできていたことができなくなり、周囲から理解されにくい「見えない障害」ともいわれています。
高次脳機能障害のある方は、会話に時間がかかったり、感情をうまくコントロールできなかったりします。介護士はゆっくり、わかりやすく話すことを心がけて、プレッシャーを与えないことが大切です。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液が気管に入ることで生じる肺炎です。口腔内の細菌や食べかすなど、本来入ってはいけないものが気管に入り、細菌が繁殖して発症します。
食べ物を飲み込む力が弱くなる高齢者に発症しやすいのが特徴です。厚生労働省の資料によると、高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎となっています。
特に認知症や寝たきりの方は、口腔内の清潔が十分ではないことが多いです。そのため、介護士は口腔ケアによって食べかすや細菌を減らし、誤嚥性肺炎の発症リスクを少しでも下げることが求められるでしょう。
褥瘡(床ずれ)
褥瘡(じょくそう)とは、寝たきりなどで血流が滞り、皮膚の一部が赤みをおびたり、ただれたり、傷ができたりする症状です。床ずれともいいます。通常は、眠っている間に寝返りをうったり、椅子に座っているときはお尻の位置をズラしたりして、同じ部位に圧力がかからないようにします。
しかし、自分で体位変換ができない方は、長い時間皮膚が圧迫され、十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり褥瘡ができてしまうのです。特に仙骨部やかかとなど、骨が突き出ている部位がなりやすいため、介護士は体位変換などで褥瘡の発症リスクを抑えなければなりません。
ターミナルケア
ターミナルケアとは、余命わずかの方に対して行う医療・介護的ケアです。終末期医療ともいいます。人生の最期まで満足して過ごせるように、苦痛や不快感を緩和し、患者様のQOLを保つことを優先して行います。
ターミナルケアは自宅や病院、介護施設で行われることがほとんどです。近年では、病気の種類を問わずターミナルケアを行っており、介護施設で最期を迎える方も少なくありません。介護施設で行う場合は、医療機関と連携しながら、利用者さんとご家族の希望に沿ったケアを行います。
スカウトサービス登録はこちら5.まとめ
介護現場のコミュニケーションでは、さまざまな専門用語や略語が用いられるため、新人介護士の頃は会話についていけないことも多いです。しかし、介護用語を理解していないと、意思疎通でズレが生じ、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
業務の流れや利用者さんの名前、特徴など覚えることも多く大変かと思います。介護士としてレベルアップするためにも、専門用語や略語も覚えておきましょう。本記事で紹介した専門用語や略語が役に立てれば幸いです。
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