会計年度任用職員はどんな職業?概要や勤務条件などを徹底解説!
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「会計年度任用職員ってなに?」
「何年も働ける仕事?」
「会計年度任用職員は公務員なの?」
このような悩みを解決する記事です。
会計年度任用職員は、地方公務員の改正により2020度に創設された、非常勤の地方公務員です。これまでの非常勤とは異なる運用がされています。
本記事では、会計年度任用職員の概要や勤務条件について詳しく解説します。この記事を読めば、会計年度任用職員がどのような制度で勤務条件があるのか、実態がわかるようになるでしょう。
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1.会計年度任用職員とは?
会計年度任用職員とは、2020年度の地方公務員法の改正により新たに制度化された、非常勤の地方公務員のことです。従来の非常勤職員や臨時職員、パート職員が会計年度任用職員に移行されました。
会計年度任用職員には、任期が定められています。一般的には4月1日〜3月31日の1年間です。この期間、常勤職員の業務を補助する役割があります。
会計年度任用職員の職種は、一般事務や土木、保育士、教員、看護師などさまざまです。求人に応募したい場合は、自治体・ハローワークのHPなどから行えます。
会計年度任用職員は地方公務員と異なる?
会計年度任用職員は、地方公務員法に基づいた地方公務員です。非常勤ではありますが、採用の基準や人事評価、服務規定などは常勤職員と同様に適用されます。
また、これまで非常勤の地方公務員には支給されなかったボーナスも、フルタイム・パートタイム問わず支給となりました。この制度により、常勤職員との賃金格差が解消されつつあります。
ただし、会計年度任用職員には、常勤職員が受ける公務員試験はありません。各自治体やハローワークの求人に応募し、書類審査や個人面接をクリアする必要があります。
会計年度任用職員制度が導入された背景
会計年度任用職員制度は、正規職員との待遇格差を解消する目的で導入されました。非正規職員の地方公務員には、一般事務や看護師、保育士、図書館職員、ケースワーカー、消費生活相談員など、さまざまな職種が活躍しています。
しかし、法改正以前は自治体ごとの解釈で給料やボーナス、採用基準が決められており、グレーな運用も見受けられていました。たとえば、「給料は正規職員の3分の1程度」「ボーナスの支給なし」「適切な任用がされない」など、正規職員との待遇格差が問題になっています。
こういった問題を解決すべく導入されたのが、会計年度任用職員制度です。
スカウトサービス登録はこちら2.会計年度任用職員の勤務条件は?
ここでは、会計年度任用職員で定められている勤務条件について解説します。
種類はパートタイムとフルタイムの2種
会計年度任用職員には、パートタイムとフルタイムの2種類があります。パートタイムは常勤よりも短い勤務時間で、フルタイムは常勤職員と同じ勤務時間です。およそ9割がパートタイムで働いています。
勤務条件の主な違いを表にまとめました。ただし、自治体によっては内容が異なる場合があります。
フルタイム |
パートタイム |
|
勤務時間 |
38時間45分 |
週38時間45分未満の勤務 |
給与 |
給料・旅費・手当を支給可能 |
報酬・費用弁償・期末手当を支給可能 |
時間外勤務手当(宿日直手当、休日勤務手当、夜勤手当服務) |
支給 |
支給 ※報酬として支給 |
通勤手当 |
支給 |
支給 ※費用弁償として支給 |
任期 |
最長1年(更新2回まで) |
最長1年(更新2回まで) |
年次休暇 |
取得可能 |
取得可能 |
ボーナス |
支給(6月以上の勤務が目安) |
支給(6月以上の勤務が目安) |
退職手当 |
支給(6ヶ月以上の勤務) |
支給なし |
各種保険 |
地方公務員共済組合 |
勤務時間や契約期間による |
副業 |
不可 |
可能 |
任期は最長1年で更新は2回可能
会計年度任用職員の任期は、原則、4月1日〜翌年3月31日までの最長1年間です。勤務成績に応じて、最大2回まで更新ができ、最長3年間働けます。ルールとして労働者には、手続きなく更新したり、長期にわたって勤務できると誤解を与えたりしないように注意しなければなりません。
更新2回の任期を終えてからも、会計年度任用職員として働きたい場合は、再度求人に応募し、選考試験をクリアする必要があります。
また、会計年度任用職員は立場上、地方公務員です。したがって、労働契約法の「5年以上働けば、労働者からの申し出により無期限労働契約に切り替えられる」いわゆる5年ルールは適用されません。
待遇は勤務形態で異なる
待遇はフルタイムとパートタイムで異なります。フルタイムは「給料」として支払われ、パートは「報酬」としての支給です。給与額は、常勤職員の初任給月額を基準に、勤務実績や責任に応じて計算されます。
また、フルタイム・パート問わず、期末手当(ボーナス)が支給されます。支給条件は週15時間30分以上かつ任期6ヶ月以上の勤務です。
退職金については、6ヶ月以上勤務したフルタイムの会計年度任用職員のみ支給されます。
2024年度から、パートタイムの会計年度任用職員に勤勉手当が支給されることになりました。支給対象は、期末手当の支給対象と同様です。
年次有給休暇などの休暇が取得できる
フルタイム・パートタイム問わず、年次有給休暇や産休育休などの休暇が取得できます。年次有給休暇などは、労働基準法に基づいて付与されます。
【年次有給休暇の要件】
- 勤務してから6ヶ月経過していること
- 全労働日の8割以上出勤していること
【育児休業の要件】
- 子が1歳6ヶ月に達する日まで任期が継続し、任用の終了が明らかでない
- 週の勤務日が3日以上または1年間の勤務日が121日以上
なお、夏季休暇や年末年始休暇などの長期休暇は、各自治体や勤務先によって異なるため確認するようにしましょう。
パートタイムでも共済組合の対象
地方公務員等共済組合法の改正により、2022年10月1日からパートタイムでも「共済組合」の対象となりました。以下の要件を満たす方は、共済組合の短期組合員となります。
【共済組合(社会保険)の要件】
〇週の所定勤務時間および月の所定勤務日数が常勤職員の4分の3以上かつ、2ヵ月を超えて勤務の見込みがある方
または
〇週の所定勤務時間および月の所定勤務日数が常勤職員の4分の3未満で、次の条件をすべて満たしている方
- 週の所定勤務時間が20時間以上
- 2ヵ月以上勤務する見込みがある
- 月額賃金が8.8万円以上
- 学生ではない
パートタイムのみ副業や兼業が可能
服務規定の「営利企業への従事等の制限」にあるとおり、副業や兼業は禁止されています。ただし、パートタイムは副業や兼業が可能です。その際に、任命権者の許可が必要となります。
また、自治体によってはパートタイムであっても、「営利企業従事等に関する届出書」の提出が求められる場合があるため確認が必要です。
服務規定の適用
地方公務員法により、フルタイム・パートタイムの会計年度任用職員制度には、服務規定が定められています。主な服務規定は以下のとおりです。
- 法令等及び上司の職務上の命令に従う義務
- 服務の宣誓
- 争議行為等の禁止
- 信用失墜行為の禁止
- 秘密を守る義務
- 営利企業への従事等の制限(パートタイムは対象外)
- 政治的行為の制限
- 職務に専念する義務
これらに違反した場合は、懲戒処分の対象となります。
スカウトサービス登録はこちら3.会計年度任用職員制度の課題
会計年度任用職員制度は、2020年度に創設された新しい制度です。まだまだ課題が多くあります。ここでは、会計年度任用職員制度の課題を解説します。
フルタイムとパートタイムに格差がまだある
会計年度任用職員制度には、フルタイムとパートタイムの間に依然として格差があります。たとえば、フルタイムには退職手当が支給されますが、パートタイムには支給されないなどです。
また、総務省が2022年に行った調査結果によると、フルタイム勤務の勤務時間とわずかな差しかないにもかかわらず、パートタイムとして任用されるケースがあると報告されています。フルタイム勤務と同様の業務量でも、パートタイムとして位置付ける目的で勤務時間をわずかに短くすることは適切ではないと指摘する声があがっています。
そのため、今後も会計年度任用職員制度の待遇や制度の見直しが進むと考えられるでしょう。
出典:総務省|令和4年度 会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果 (概要)
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