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豆知識 17view

ケアプランとは?その目的や種類、作成方法などを解説

  • 更新日
投稿者:堀内 花音

「ケアプランの知識を身につけたい」
「ケアプラン上手な立て方を知りたい」

このような悩みはありませんか?

本記事では、ケアプランの基礎知識や作成方法、基本的な流れなどを解説します。この記事を読めば、ケアプランについての理解が深まり、仕事や日常生活に役立つ知識が得られるでしょう。

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1.ケアプランの基礎知識

まずはケアプランの基礎知識について解説します。

ケアプランの目的

ケアプラン(介護サービス計画書)とは、介護を必要とする方の生活状況や環境を考慮し、支援すべき内容と目標をまとめた計画書のことです。適切な介護保険サービスを受けられるように作成します。

作成した内容に基づいて、介護保険サービスの提供や給付管理が行われます。作成にかかる費用は、介護保険でまかなわれるため利用者負担はありません。

介護サービスを受けたい場合はケアプランが必要

介護保険サービスを受けるためには、要介護者は「ケアプラン」、要支援者は「介護予防ケアプラン」が必要です。ケアプランは、ケアマネージャー(介護支援専門員)が本人・ご家族と相談しながら決定していきます。

一方で介護予防ケアプランは、地域包括支援センターまたは、市の指定を受けた居宅介護支援事業所が作成します。介護保険の被保険者が適切な介護サービスを受けるために、欠かせないものです。

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2.ケアプランの種類

ここでは、ケアプランの種類について解説します。

居宅サービス計画書

主に、自宅で過ごす要介護1〜5の認定を受けた方に対して作成されるものです。以下のサービスを利用できます。

サービスの種類 サービスの内容
訪問サービス 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
通所サービス 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)
短期入所サービス 短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護
その他のサービス 福祉用具のレンタルや購入、住宅改修

居宅介護支援事業所のケアマネージャーによって作成されることが一般的です。

施設サービス計画書

要介護1〜5の認定を受けた方が施設サービスを利用するために必要なものです。以下の施設に入所するために必要となります。

施設の種類 サービス内容
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 身体介護、生活援助、機能訓練、健康管理など
介護老人保健施設 リハビリ、身体介護、生活援助、医療ケアなど
介護療養型医療施設 医師による診療、医療ケア、リハビリ、身体介護など

なお、特別養護老人ホームに入所可能なのは、原則、要介護3以上の認定を受けた方です。施設のケアマネージャーが作成します。

介護予防サービス計画書

要支援1〜2の認定を受けた方が対象です。生活機能の維持・向上を重視した内容になります。作成者は、地域包括支援センターに務める保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーです。

種類 内容
訪問サービス 介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅管理指導
通所サービス 介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
短期入所サービス 介護予防短期入所生活介護(福祉施設などのショートステイ)、介護予防短期入所療養介護(医療施設などのショートステイ)
その他のサービス 介護予防福祉用具貸与、介護予防住宅改修
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3.ケアプランの作成方法

ケアプランは、ケアマネジメントに精通しているケアマネージャーが作成する場合が多いです。ただし、要介護者のご家族が作成する場合もあります。それぞれ見ていきましょう。

ケアマネージャーが作成する場合

ケアマネージャーは、本人の身体状況や生活状況などを把握し、ケアプランの原案を作成します。そして、本人・ご家族、多職種が集まり、具体的なケア内容や目標などを確認しながら完成させます。

以下では居宅サービス計画書を例に、作成される計画書を見ていきましょう。

名称 内容
【第1表】居宅サービス計画書(1) 利用者さんの基本情報、支援計画の全体方針など
【第2表】居宅サービス計画書(2) 利用者さんのニーズ、目標、具体的な支援内容
【第3表】週間サービス計画表 週単位スケジュール
【第4表】サービス担当者会議の要点 サービス担当者会議で検討した内容や結論
【第5表】居宅介護支援経過 利用者さんからの相談内容、事業所との連絡内容、事業所との調整事項、モニタリングの内容
【第6表】サービス利用表 介護サービス提供する事業者の情報、月間スケジュール
【第7表】サービス利用票別表 利用単位数、費用

上記のとおり、居宅サービス計画書は7枚綴りになっています。計画書の作成や給付管理といったサービスは介護保険でまかなわれるため、利用者は無料で利用可能です。

要介護者の家族が作成する場合

要介護者のご家族が作成することを「セルフケアプラン」といいます。基本的にはケアマネが作成する流れと同じです。セルフケアプランのメリットは、要介護者本人の意思や意向を直接プランに反映できる点です。

しかし、必要書類の準備・作成、事業所とのやり取り、給付手続きなどをすべて自分で行わなければならないデメリットもあります。また、要支援の方が総合事業を利用する場合、自治体によっては認められないケースもあるため確認が必要です。

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4.ケアプランを作成する基本的な流れ

基本的な流れは以下のとおりです。

  • インテーク
  • アセスメント
  • ケアプランの原案を作る
  • ケアの方向性を確かめる
  • 原案の修正
  • ケアプランの交付・運用

この一連の流れを「ケアマネジメントプロセス」といいます。一つずつ解説します。

インテーク

本人とご家族、ケアマネが最初に行う面談のことです。面談は対面や電話で行われます。本人やご家族の困りごと、希望などをヒアリングし、信頼関係を築く段階です。ヒアリングした結果をもとにケアプランの原案が作成されるため、具体的に何に困っているのかをしっかり共有することが大切です。

アセスメント

利用者さんの自宅を訪問し、情報収集して課題を分析するプロセスです。本人の希望はなにか、それを実現するためには何が必要か、課題は何なのかを明確にします。

ケアマネ個人の価値観による偏りを避けるため、厚生労働省が示す「課題分析標準項目」を用いて行うのが一般的です。

ケアプランの原案を作る

得られた情報や主治医の意見書をもとに、原案をつくります。課題を解決するうえで適切な目標や支援内容、達成時期の目安などをまとめ、段階的に支援するための計画書です。作成する際は、専門用語をできるだけ使用せず、十分に説明して理解を得られる内容にする必要があります。

ケアの方向性を確かめる

ケアの方向性を確かめる「サービス担当者会議」を実施します。この会議は、本人やご家族のほか、ケアマネ、他職種など関係者が集まって意見交換する場です。本人や関係者と話し合い、内容を精査します。

ケアプラン原案の修正

得られた意見や希望などをもとに、必要に応じて原案の修正を行います。修正した内容を再度提案し、本人やご家族から同意を得ます。

ケアプランの交付・運用

次に、本人や介護サービスを提供する事業所への交付が必要です。その後、契約した介護事業所が個別援助計画を作成し、利用者さんからの同意と契約の締結が済めば、サービスの利用が開始されます。

サービス開始後は、ケアプランに基づいた内容がきちんと提供されているか確認します。そのため、ケアマネは最低でも月1回(要支援者は3ヶ月に1回)、本人の自宅を訪問し、再評価を行わなければなりません。

修正点があればケアプランを見直します。提供するサービスが最適なものになるように、適宜内容を更新していくことが重要です。

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5.満足いくケアプランを作成するポイント

ここでは、ケアプラン作成のポイントを解説します。

家族・利用者の意見をしっかり聞く

まずは、ご家族と本人の意見をしっかり聞くことが大切です。ケアプランはあくまで、利用者さんのために作成するものです。したがって、ケアマネの主張を反映したものであってはなりません。

また、経済状況など相手が話しづらい内容もあります。単に聞かれたことだけに答えるのではなく、話しやすい・相談しやすい雰囲気づくりも意識しましょう。最適なケアプランを提案するためには、知識だけでなくコミュニケーション力とヒアリング力が欠かせません。

アセスメントを基に利用者のニーズ・課題を明確にする

ケアプラン作成のプロセスのなかでも、アセスメントは非常に大切な作業です。単に利用者さんの「要望」や「意向」を書くだけでは、より良いものにはなりません。

本人が何を大切にしたいのか、実現するためには何が必要か、実現するための課題は何かなど、ニーズや課題を明確にする必要があります。それらを明確にしたうえで分析を行い、その結果をケアプランに記載すれば、最適なサービスの提供につながるでしょう。

家族・利用者の希望に優先順位をつける

利用者さんが納得するケアプランを作成するためには、ニーズの優先順位を考慮することも大切です。一人ひとり生活の中で優先したいことは異なります。利用者さんやご家族の意見を参考にしながら、優先順位をつけていくことが大切です。

ときには、利用者さんとご家族の意見が一致しないこともあるでしょう。利用者さんの意見を尊重しつつ、双方が納得するまで話し合い、相談しながら優先順位をつけるのが重要です。

定期的にケアプランは見直す

ケアプランは1回作って終わりではありません。利用者の状況は、変化しやすいため、定期的にケアプランを見直す必要があります。原則、6ヶ月ごとに見直します。

また、以下のような状況でも、ケアプランの見直しが必要です。

  • 利用者さんやご家族の状況や希望に変化があったとき
  • 設定した目標を達成したとき、新たな目標を設定するとき
  • ケアプランの内容と合わなくなったとき など

介護サービスを提供した後も月1回以上、ケアマネが利用者さん宅を訪問し、適切な介護サービスが提供されているかを確認します。

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6.まとめ:ケアプランの作成の流れや目的を把握しよう

ケアプランは、介護保険の被験者が介護サービスを受けるために必要な計画書です。ケアプランの内容に基づいて介護サービスが提供されるため、利用者さんやご家族の生活に大きく関わります。

ご家族・利用者さんの意見をしっかり聞き、ニーズや課題を明確にしなければなりません。介護サービスを提供した後も、定期的にケアプランの見直しを行う必要があります。いかにその人に合ったケアプランを作れるかが、よりよい介護を提供するための重要なポイントとなります。

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2022年4月よりセカンドラボ株式会社に入社。主にクリニックを中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の採用課題のサポートを行う。

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