看護師の給料は?平均年収や手取り、ボーナスのリアルを解説
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世間一般では「看護師は高給」というイメージが強いですが、本当でしょうか。実際の内訳を見ながら、具体的な数字と共に、その詳細に迫ります。
またその情報をもとに、看護師のあなたは自分の環境の良し悪しを判断する一つの目安として使ってみてください。もし不満があるという人のために、昇給のためのヒントも解説します。
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目次
1.看護師の給料は高すぎる?平均年収や月収・手取りはいくら?
実際に働いている看護師の多くは夜勤もあって体力勝負の重労働に対し、給料が少ないのではないかという疑問を感じているようです。
全国的な看護師の平均給料から、年収や月収、ボーナスなどについて自分の給料が適正かどうかチェックしてみましょう。
看護師の平均年収は450~500万円
全体 |
女性 |
男性 |
|
---|---|---|---|
平均年収 |
508.1万円 |
506.1万円 |
525.7万円 |
看護師の年収は年齢や働いている医療機関によって差がありますが、2023年の男性の平均年収が465万円、女性の平均年収が356万円であることを考えると年収450~500万円は比較的高いでしょう。また、看護師はもともと女性の多い職場ということもあり、給料において男女差が少ない職種です。
看護師の年収は、年齢ごとにどのような違いがあるのでしょうか。20232022年度の看護師の年齢層ごとの給与は以下のようになっています。
年齢層別看護師の平均年収(正看護師)
年齢層 |
平均年収 |
20~24歳 |
401.4万円 |
25~29歳 |
474.1万円 |
30~34歳 |
487.1万円 |
35~39歳 |
485.3万円 |
40~44歳 |
521.6万円 |
45~49歳 |
551.8万円 |
50~54歳 |
566.6万円 |
55~59歳 |
585.9万円 |
60~64歳 |
477.86万円 |
65~69歳 |
450.1万円 |
70歳~ |
407.2万円 |
年収の上がり幅として最も大きいのは20~24歳から25~29歳で、約70万円上がっています。その後は一般的な定年である60歳まで、年齢が上がるごとに年収も上がっていきます。定年を迎えて退職するまで、続けるほどキャリアアップしていける職業であるといえそうです。
また看護師の年収は、働いている地域によっても多少の変化があります。年収の地域差・高い地域や低い地域の傾向はあるのでしょうか。ここでは、都道府県別の看護師平均年収を以下の表にまとめました。
都道府県別看護師の平均年収TOP10(正看護師)
順位 |
都道府県 |
平均年収 |
1位 |
大阪府 |
568.1万円 |
2位 |
神奈川県 |
545.6万円 |
3位 |
静岡県 |
545.1万円 |
4位 |
山梨県 |
544.9万円 |
5位 |
山形県 |
539.4万円 |
6位 |
富山県 |
539.1万円 |
7位 |
福井県 |
537.3万円 |
8位 |
山口県 |
536.0万円 |
9位 |
宮城県 |
535.8万円 |
10位 |
岡山県 |
535.8万円 |
令和4年の調査によると、看護師の都道府県別年収トップは大阪府の568.1万円という結果になりました。47位は416.3万円の宮崎県で、大阪府と比較すると約150万円もの差があります。ちなみに全国平均は508.1万円です。
ランキングは調査の年によっても変動はしますが、東京・大阪などの大都市圏の方が地方より高い傾向があり、都道府県による地域差は少なからずあると言えるのではないでしょうか。
看護師の給料は全国的にみるとやや男性が高い傾向にはありますが、扶養家族やキャリアの年数といった部分であとはほとんど変わりません。 高い給料をもらっているのに、実際に働いている看護師の多くは自分の給料が仕事量に合っているのか違和感を抱えたことがあるはずです。
特に、仕事に慣れてバリバリ仕事ができるようになった中堅ナースは、仕事と給料のバランスに悩むことが多くなります。
看護師の平均月収・手取りはいくら?
全体 |
女性 |
男性 |
|
平均月収 |
352,100円 |
350,600円 |
365,100円 |
平均ボーナス |
856,500円 |
854,200円 |
875,800円 |
令和5年賃金構造基本統計調査によると日本の平均月収は318,300円です。月収で比較しても看護師の給料は高いと言えるでしょう。
月収とは、社会保険料などを引かれる前の支給額のことを言います。社会保険料や所得税、住民税、その他を引かれた後の実際に振り込まれる額を手取りと言います。一般的な給与明細では「総支給金額」の欄に記載される金額が手取りとなります。
控除される金額は扶養する家族の有無などで異なるため額面から正確に計算することはできませんが、額面の75%~85%がおおよその手取りと言われています。看護師の月々の手取りは28万円前後が相場と言えるでしょう。
総支給額から控除されるものを一覧にまとめました。
社会保険料 |
健康保険料 厚生年金保険料 雇用保険料 介護保険料(40歳以上) |
---|---|
税金 |
所得税 住民税(2年目の6月から課税) |
その他 |
財形貯蓄など |
新卒看護師の給料はいくら?初任給や手取りは?
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、新卒看護師の初任給は高卒+3年課程卒が約26.6万円、大卒が約27.4万円です。初任給の時点では、学歴による大きな違いはないことが分かります。
基本給与額 | 給与総額(税込) | |
高卒+3年課程卒 | 204,950円 | 266,558円 |
大卒 | 210,963円 | 274,752円 |
給与総額は社会保険料などが控除される前の金額です。実際に振り込まれる「手取り」は21万~22万円程度となります。さらに上記の給与総額には夜勤手当が含まれていることも注意してください。
新卒看護師の場合、仕事に慣れるまで夜勤がありません。給与総額が21万円程度とすると手元に残る手取りは17万円ほどとなります。
スカウトサービス登録はこちら2.看護師の給料・年収の内訳は、基本給・夜勤手手当・超過勤務手当・ボーナス
看護師の給料は、他職種と比較して夜勤手当や残業手当など基本給以外の所定外給与の支給額が高くある傾向にあります。
看護師の給料・年収の内訳- 基本給
- 超過勤務手当
- 夜勤手当
- ボーナス
上記の4つが看護師の給料・年収の内訳となります。他にも通勤手当や住宅手当、家族手当などの手当が付いたり、資格手当や危険手当のような看護師特有の手当が付くこともあります。
看護師特有の手当の例- 資格手当
- 危険手当
- 特殊業務手当
- 休日手当
- 拘束手当
- オンコール手当
- 役職手当 など
看護師の基本給は平均20万円~25万円
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の基本給は新卒で20万~21万円、勤続10年の非管理職で24.7万円となっています。病院の規模や都道府県によって多少異なりますが、看護師の基本給の平均は20万~25万円程度と言えるでしょう。
看護師の残業代は決して高くない
多忙というイメージの強い看護師ですが、看護師の残業代は高くありません。2023年に日本看護協会が実施した調査によると看護師の月平均超過勤務時間は5.2時間と報告されています。そのため、1ヵ月あたりの看護師の残業代は1万~2万円程度となるでしょう。
一般的に、外来よりも病棟勤務の方が残業が多い傾向にありますが、電子カルテの導入や業務手順の見直しなど、業務の効率化を図ることで看護師の残業時間は年々削減されています。
看護師の夜勤手当はいくら?夜勤回数ごとに紹介
夜勤手当は看護師の給料・年収の中で比較的大きな割合を占めます。日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の平日1回あたりの夜勤手当額の平均は以下の表の通りです。
夜勤形態 |
平日1回あたりの夜勤手当額 |
---|---|
2交代制(夜勤) |
11,368円 |
3交代制(準夜勤) |
4,234円 |
3交代制(深夜勤) |
5,199円 |
夜勤に入ることで1ヵ月の収入が3.5万~5万円程度アップすることになります。年収で見ると42万〜60万円が夜勤手当という計算になります。

看護師夜勤の基礎知識|2交替制と3交替制それぞれの勤務時間とタイムスケジュール
多くの看護師につきものの、夜勤。日々の業務や転職で求人を探す際など、何気なく捉えていませんか?ここで今一度、夜勤の実態についておさらいしてみましょう。
詳細を見る看護師のボーナスは70万円以上が多い
年齢 | 女性 | 男性 |
20~24歳 | 46.8万円 | 42.2万円 |
25~29歳 | 73.3万円 | 75.3万円 |
30~34歳 | 80.5万円 | 89.4万円 |
35~39歳 | 79.7万円 | 92.3万円 |
40~44歳 | 92.1万円 | 93.3万円 |
45~49歳 | 101.2万円 | 110.3万円 |
50~54歳 | 101万円 | 96.9万円 |
55~59歳 | 111.8万円 | 117.5万円 |
60~64歳 | 74.8万円 | 90.1万円 |
65~69歳 | 53.1万円 | 61.6万円 |
70歳~ | 44万円 | 63.2万円 |
看護師としての経験が浅い20~24歳の場合ボーナスは40万円代ですが、25~29歳では男女ともに70万円を超えています。年齢とともにボーナスの支給額が上がり、45〜59歳では100万円に達しています。
看護師の場合、年次を重ねるごとに一律で給料が上がっていくことが多いので転職を繰り返すより、ひとつの職場で働き続ける方がボーナスの支給額も上がっていくことが多いです。

【看護師のボーナス大公開】都道府県ランキングや勤続年数での平均、モデルケースも
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詳細を見る3.年代ごとの看護師の平均年収はいくら?
20代看護師の平均年収は400万円~470万円
20代は年収の伸びしろが一番大きい時期です。20代前半は1年目が含まれることもあり、平均年収は400万円程度と少ないですが、戦力となる20代後半で一気に年収がアップします。
先述した通り、看護師は年次を重ねるごとに給料が一律で上がっていきますが、20代後半になると新人看護師の指導やリーダー業務、委員会でのリーダーなど、通常業務以外の役割を任される機会が多くなります。そのため、20代前半から20代後半にかけて年収が約70万円と大幅にアップしていると考えられます。
30代看護師の平均年収は480万円~485万円
20代から30代では年収が10万円ほどアップしますが、30代前半か30代後半では年収がほとんどアップしていません。
30代は結婚や出産などライフステージの変化が多い時期です。基本給は上がっていても、夜勤をセーブしたり、夜勤のない職場に移動するケースが増えるため年収で見るとあまり変化が出なかったと考えられます。
40代看護師の平均年収は520万円~550万円
40代で看護師の平均年収は500万円を超えることがわかります。40代になると看護師長などの管理職になる看護師の割合も増加します。さらに、子育てが落ち着きフルタイムで働き始める看護師の方も戻ってくることも年収に影響している可能性があります。
50代看護師の平均年収は560万円~585万円
看護師の年収が最も高いのは50代です。特に50代後半が585万円でピークとなります。看護部長などの役職者がこの世代に多いことが要因のひとつではありますが、年齢とともに積み重ねてきた経験と頑張りが年収に反映される看護師は非常にやりがいのある職業と言えるでしょう。
60代~70代看護師の平均年収は445万円
60歳あるいは65歳を定年としている病院が多いです。そのため60代以降は雇用形態が変わるケースが多くなり平均年収は下がっていきます。年齢的に夜勤をバリバリこなすことも難しくなってくるでしょう。
ですが、一般的な職業に比べると看護師の年収は非常に高いことがわかります。心身が健康であれば70歳を超えても平均年収が400万円を超えるという結果には驚きです。
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4.病院?クリニック?看護師の平均年収が高いのはどこ?
病院勤務の看護師の平均年収は総合病院で465万円、大学病院で490万円
病床数が多い病院ではナースコールの対応や入退院の対応など業務が多くなります。また、診療科の数や救急医療、先進医療など幅広い知識やスキルが求められるのも特徴です。
-勤務体制、労働時間-夜勤や残業が多いうえに勉強会やカンファレンス、委員会など勤務時間外の呼び出しも多くあります。全体的に看護業務量も多く、労働時間も長い傾向にあります。
-業務内容、量-自力で動けない等、重症度が高い患者が多く、療養上の世話などの直接的な看護が多くなり、身体的負担や責任感といったストレスも多くなります。
クリニック勤務の看護師の平均年収は390万円
多くのクリニックは入院ベッドがなく外来のみの勤務で夜勤がありません。診療科が限定されていると求められる知識はより専門的になりますが、比較的余裕のある勤務が可能です。
-勤務体制、労働時間-外来のみであれば夜勤がなく、開院している間に仕事が終わる一方で、受付終了と閉院が同じであったり、15分しか無かったりすると残業が起きる事もしばしば・・・。基本的には日曜・祝祭日は休みで休日中の呼び出しもほぼありません。委員会や勉強会など業務以外にうばわれる時間は少なく、プライベートの時間は確保しやすいと言えます。
-業務内容、量-外来は診療の補助がメインになり、医師が常駐しているので看護師に直接的な責任がかかる業務は少ないはずです。病床があっても予測できない事態が起きることは少なく、重症度は高くないので負担が大きいケアはほとんどありません。
介護施設勤務の看護師の平均年収は375万円
生活介助が主な仕事で病院に比べると医療行為の頻度は少ないです。実際に療養上の世話を行うのは介護スタッフのことが多く、医療的な判断をゆだねられることがあります。
-勤務体制、労働時間-交代勤務や夜勤はあるものの、急変のリスクは病院に比べると少なめです。残業はほとんどない所が多い傾向にありますが、研修会や勉強会、レクリエーションやイベントなどの企画・運営のため、勤務外の業務がある場合も。
-業務内容、量-健康観察や投薬、処置、緊急時の対応など看護師の役割を意識して業務に集中できるので、身体的な負担は少ないです。その反面、認知症の対応や寝たきりの人が多いので、精神的な負担を感じやすく、緊急時などでは人命にかかわる判断力が問われるので大きな責任が伴います。
スカウトサービス登録はこちら5.看護師の給料は高い?病院で働くあの人たちの月収と比較
-薬剤師-経験0年目 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
32.3万円 | 23.8万円 | 36.3万円 | 38.1万円 | 44.4万円 |
-診療放射線技師-
経験0年目 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
25.8万円 | 25.7万円 | 28.5万円 | 30.5万円 | 39.1万円 |
経験0年目 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
25.8万円 | 28.3万円 | 30.1万円 | 31.4万円 | 34.9万円 |
経験0年目からしばらくは給料にそれほど大きな差はありません。ところが年数が5年を過ぎたあたりから給料がどんどん上がるほかの職種に比べて、看護師は10年を過ぎても手取り30万円に届きません。
看護師は給料の上がり方がダントツ低いという結果に……。
スカウトサービス登録はこちら6.昇給額が伸び悩むのも特徴の一つ。年収アップを目指すには?
昇給額が伸び悩むのも特徴の一つ。年収アップを目指すには? 看護師の給料は初任給こそ高く感じますが、そのあとはどんなに経験を積んでもなかなか上がりません。5年以上はなれた先輩後輩でも、給料額はそれほど変わらないのが現実です。
この先も看護師を続けたいけど収入の面で悩んでいるのであれば、手取りの給料をあげる方法をいくつかご紹介します。
- 夜勤を増やす
- 資格取得に挑戦する
- 管理職への昇進を目指す
- 転職する
①夜勤を増やす
上述した通り、看護師の給与において「夜勤手当」の割合が大きいのが事実です。現在、夜勤のある施設で勤務している場合は、夜勤の回数を増やせないか相談してみるのも1つの手です。
中には、夜勤のないクリニックで勤務している方も多いと思いますが、 その場合は、「夜勤専従」として病院でアルバイトを行うことで収入アップが期待できます。
②資格取得に挑戦する
新たに資格を取得することで収入が増える場合もあります。看護師は広い知識を持つジェネラリストと専門性を高めた認定看護師や専門看護師に分かれています。
資格を持っているということは、スキルの証明になります。どちらも決して簡単な資格ではないですが、長い目で見てもキャリアアップに繋がるので、収入というポイント以外にもメリットは多くあると言えるでしょう。
まずは一度相談してみることがおすすめです。また、看護師は助産師や保健師の資格をとることも可能です。働き方次第ではさらなる収入アップも目指せるので気になる方は合わせてチェックしてみてください。

看護師のスキルアップならこれがオススメ!資格・検定・研修を一挙解説
看護師のスキルアップはモチベーションの維持や自己実現においてとても重要です。
詳細を見る③管理職への昇進を目指す
看護師の世界でも役職や管理職になると給料が上がるのは言うまでもありません。看護にたずさわる時間が少なくなり、環境改善・業務改善のような仕事がメインになりますが、基本給に加えて役職手当がつくため、収入アップが見込めます。
管理職とは具体的に、主任、看護師長、看護部長とひとつずつ昇格していくことがほとんどです。規模の大きい病院やクリニックでは、管理職に昇進するために研修の受講や資格取得、試験などの条件を設けているところも多くあります。そのため、昇進までの道のりは決して簡単なものではありません。
また、管理職になると、より責任も大きくなるため負担に感じる方もいます。昇進による収入アップを目指す方は、自分がどのようなキャリアを理想としているか、一度しっかり考えることがおすすめです。

【看護師管理職の基礎知識】メリット・デメリットや必要なスキルを紹介!
看護師で「管理職」と聞くとどんなイメージを持っていますか?「自分にはできそうにないし、とにかく大変そう」「なってみたいけどどんなスキルが必要なの?」と反応は様々かと思います。
詳細を見る④転職する
手取りの給料を上げる手段としては転職を視野に入れても良いでしょう。資格取得や管理職への昇進は時間も労力もかかる上に、努力しても試験に合格するかどうかは不確実で、仕事を続けながらのキャリアアップはよっぽどの熱意がなければ難しいという側面もあります。
確実に給与を上げたい、早く収入アップしたいという方には転職が特におすすめです。
今よりも給与が高い所と言っても、応募要件が狭かったり、業務内容がハードだったり、とマイナスな側面が存在しうることも確かです。求人を検索する際は給与面だけではなく、業務内容や休日休暇の項目、福利厚生などもしっかりチェックするようにしましょう。
また、上記で紹介した、夜勤手当などのポイントも確認しながら求人情報を確認してみましょう。
スカウトサービス登録はこちら7.看護師で年収600万円以上の高収入が得られる職場の特徴とは?
看護師の給料は初任給こそ高く感じますが、そのあとはどんなに経験を積んでもなかなか上がりません。5年以上はなれた先輩後輩でも、給料額はそれほど変わらないのが現実です。
この先も看護師を続けたいけど収入の面で悩んでいるのであれば、手取りの給料をあげる方法をご紹介します。
経験加算がある職場
看護師としての経験がある場合は、給料に「経験加算」を導入している病院などへ転職することで高収入を目指すことができます。経験加算制度は、例えば新卒と経験年数10年の看護師との間では、スキルや業務内容に違いがあります。そこで経験年数のある看護師を評価するために、経験年数に応じて給料に差を付けている場合があります。
夜勤手当が高い職場
看護師で高収入を目指すには、夜勤を避けて通ることはできません。また、夜勤手当をはじめ、各種手当は職場によって異なりますので、それであれば、夜勤手当の高い職場を探すことが年収アップへの近道になるでしょう。一般的に夜勤手当の平均相場は、3交代順夜勤で約4,500円、3交代深夜勤で約5,500円、2交代夜勤で約10,000円と言われています。この金額を目安としてみると良いでしょう。
美容クリニック
病院以外で高収入を目指すことができる職場として、美容外科・美容クリニックが候補に挙げられます。脱毛やフェイシャルなどの施術を行う美容クリニックは基本給も高めに設定されており、また個人の成績によってインセンティブがあるケースがほとんどです。その分、ノルマなど仕事にプレッシャーを感じることもありますが、インセンティブ制度をモチベーションに繋げることができる人であれば、間違いなく年収アップに繋がることができるでしょう。
高い技術レベルが必要な職場
救急救命病棟(ER)や集中治療室(ICU)など高度な医療技術が求められる職場では、「危険手当」「特殊業務手当」など手当がつきますので、年収を上げることができるでしょう。またこれらの高い技術レベルが必要な職場は規模の大きな病院であることが多く、年収アップに加えて今後看護師のスペシャリストとして必要なスキルも同時に身に付けることができるでしょう。
規模の大きい病院
病床数が多い大病院ほど年収は高い傾向にあると言われています。一般的に規模が大きくなるほど、人事の評価・昇給制度がキッチリと整備されていることが多いというのが大きな理由になります。また、各種手当の金額も中小規模の病院より高く設定されており、役職手当などキャリアアップを目指すこともできるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら8.動き出すならしっかりと考えてから!給料だけで仕事を考えるのは危険!
仕事を続けていくためにも給与は大切ですが、それを基準にして安易に転職すれば「激務で耐えられない」「やりがいがない」と悩むことも。
自分の思っていた看護師像と大きく違った職場で働くのは精神的にきつくなります。もし転職を考えているとしたら、どのようなことに注意しておくべきでしょうか。
基本給
基本給に関してはすでに分かった状態で就職していることがほとんどだと思いますが、結局仕事とのバランスがどれだけとれているかということろは実際に働いてみないとわかりません。
労働内容や量は決して給料には直結しません。手当がつきやすいのは夜勤や残業、危険手当のような部分なので、それが発生しにくい職場であれば基本給をしっかり見ておきましょう。
人間関係
看護師はまだまだ女性の多い職場です。家族の体調や子どもの行事などで休み申請の希望や急遽欠勤・交代することも多いはず。気兼ねなく頼れる仲間や、スタッフへのしわ寄せが行きにくい体制が整っていると、人間関係が良好なことが多いでしょう。
今働いている職場でコミュニケーションが円滑にできるのであれば、決して今すぐに転職を決断する必要はないかもしれません。
通勤
通勤は働き続けるために考えておきたいことのひとつ。距離が近くても満員電車や渋滞でストレスが溜まる可能性も。入職時は良くても何年も同じ生活を続けるのであれば出来るだけ負担が少ない方が良いでしょう。
やりがい
看護師をしていると感謝の言葉を聞くことも多く、仕事に自信ややりがいを感じます。看護師として理想の姿になれるような働き方ができる職場を探すことも大切。希望の診療科だけでなく、そこで働いている看護師の動きや表情は未来のあなたの姿です。面接時に職場見学は欠かさずに行うようにしましょう。
スカウトサービス登録はこちら9.看護師の年収に関するよくある質問
看護師で年収1,000万は目指せますか?
看護師で年収1,000万円を目指すのは不可能ではないが非常に難しいでしょう。看護部長や副院長クラスの役職に就けば職場次第では1,000万円以上支給される可能性も0ではありません。
また、ICUのように専門性の高い職場や美容外科クリニックのようにインセンティブが発生する職場では高収入が期待できます。他にも医療系のコンサルタントや医療ライターのような副業を行う方法で収入をアップさせることもできるでしょう。
大卒の看護師の平均年収はいくらですか?
大卒の新卒看護師の初任給は274,752円、一方で高卒+3年課程卒の場合は266,558円でした。約8千円の差があり、年収にすると約10万円の差があることになります。さらに、一般的に大卒の方が修得した知識が豊富のため昇給のスピードも早い傾向にあります。
大卒の場合、看護師だけ出なく、保健師や助産師などの資格も取得しやすいため、働き方次第では大卒か高卒+3年課程卒かで生涯年収にすると数百万円以上の開きが出てくることもあるようです。
夜勤なしの看護師の平均年収はいくらですか?
看護師の1回あたりの夜勤手当は11,368円です。1ヵ月あたりの夜勤手当は約45,000円で年収にすると約54万円。夜勤に入る看護師の平均年収が450万~500万円なので、夜勤なしの看護師の平均年収は単純計算で400万~450万円程度と考えられます。
夜勤なしという働き方は多少収入が下がっていまいますが、子育て中の看護師さんやプライベートを大事にしたい方、夜勤が体力的にきついという方に人気の働き方です。夜勤なしで働ける勤務先には、病院の外来部門やクリニック、健診センターなどが挙げられます。
スカウトサービス登録はこちら10.まとめ|看護師の年収は450万円~500万円が平均
看護師に実は「やりがいを感じて続けたい」と考える人も多くいます。今働いている職場に給与面で不満があるのなら、転職して新しい環境で働くのも選択肢のひとつです。
病院や施設で働く以外にも、訪問看護ステーションや一般企業などその活躍の場は多岐にわたります。自分がどんな看護をしたいのか、挑戦してみたいことや仕事へのやりがいなども含めて、給与や業務内容、労働環境を検討すると良いかもしれません。
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よくある質問
令和4年の厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の都道府県別年収トップは東京都の564.1万円という結果になりました。47位は396.4万円の鹿児島県で、東京都と比較すると約170万円もの差があります。全国平均は508.1万円です。
ランキングは調査の年によっても変動はしますが、東京・大阪などの大都市圏の方が地方より高い傾向があり、都道府県による地域差は少なからずあると言えるのではないでしょうか。
①資格取得
看護師は広い知識を持つジェネラリストと専門性を高めた認定看護師や専門看護師に分かれます。資格をとれば確実に給料の底上げにつながり、プロフェッショナルに広く活躍できるようになります。専門看護師や認定看護師がいる病院は診療報酬で加算がもらえるので、必要な費用や勤務への配慮など資格取得を後押ししてくれるはずです。
②管理職への昇進
看護師の世界でも役職や管理職になると給料が上がるのは言うまでもありません。看護にたずさわる時間が少なくなり、環境改善・業務改善のような仕事がメインになりますが、基本給に加えて役職手当がつくようになります。管理職になるには研修や試験を受けて主任、看護師長、看護部長とひとつひとつ昇格します。
③転職
手取りの給料を上げる手段としては転職が1番簡単です。資格取得や管理職への昇進は時間も労力もかかります。努力しても試験に合格するかどうかは不確実で、仕事を続けながらのキャリアアップはよっぽどの熱意がなければ難しいでしょう。それよりも給料の高い職場や、負担の少ない働きやすい職場を探す方が確実に収入アップできます。