介護施設・有料老人ホームの看護師を辞めたい理由は?本音と対処法・おすすめ転職先
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有料老人ホームで働く看護師はやりがいを感じて仕事をしている方が大多数である一方、辞めたいと悩んでいる方も少なくありません。看護師を辞めたい理由にはいろいろあります。医師が常駐していないため責任が重いこと、担当利用者が多すぎること、看護業務だけではなく介護業務を行わなければならないことなど、現状に悩み、続けるべきか迷ってしまう場合もあります。
この記事では、ふと退職について考えてしまった有料老人ホームで働く看護師の辞めたい理由や、本音と対処法、おすすめの転職先などについて詳しく解説します。
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目次
1.有料老人ホームの看護師は大変?辞めたい理由とは
有料老人ホームで働く看護師の勤務は周りが想像する以上に大変なことも多く、仕事を辞めたいと思っている看護師もいるのが実情です。
この章では、有料老人ホームで働く看護師が仕事を辞めたいと考えてしまう理由について具体的に見ていきます。
医師が常駐していないため責任が重い
有料老人ホームは医師が常駐していない場合がほとんどです。高齢者の多くは複数の疾患を抱えており、体調が悪化したり、症状が急変したりすることも珍しくありません。
対応の遅れや判断の誤りは命に関わりますが、医師がいない場合にはその判断は看護師にゆだねられます。経験豊富な看護師にとっても重大な判断をしなければならないことは心の負担になりますが、経験の浅い看護師にとってはより重い責任とプレッシャーになり、大きなストレスを感じる方も多いです。
たくさんの入居者を担当する必要がある
有料老人ホームで働いている看護師の数は、施設の規模にもよりますが一人、もしくは数人であることがほとんどです。そのため、一人が担当する入居者の数が非常に多く、負担に感じる場合があります。
自ら積極的に健康状態を伝えることが難しい入居者も多い状況で、多くの入居者の健康状態を把握し管理していくのは想像以上に大変で、責任を伴う仕事です。介護士から報告を受けて対処が必要か判断する場合も、毎回判断する責任を迫られているようで苦しく感じてしまう方もいます。
介護業務を行う場合がある
有料老人ホームで働く看護師は、場合によっては介護業務を行う必要があります。施設で働く人員の配置状況によっても変わりますが、人の少ない施設、人の少ない時間帯には看護師が介護業務を行うことがあるので、人によっては疑問に感じてしまう場合もあるでしょう。
国家資格である看護師資格を持っているにもかかわらず、医療行為ではなく介護業務を行うことで、そもそもなぜ看護師になったのかといったことまで考えてしまい、もやもやを募らせてしまうことがあるようです。
医療行為が少なくスキルが磨けない
有料老人ホームの看護師の業務は、主に入居者の健康管理です。医療行為は病院と比べると少なく、高度医療に携わる機会は皆無です。そのため、スキルや知識を身に付けたい人にとっては物足りなさを感じる職場となります。
残業やオンコールが負担
有料老人ホームでは、突然体調の悪い入居者場合などには看護師の対応が必要です。そのため、突発的な事態が起きた時間帯によってはどうしても残業が発生します。
夜勤や当直はありませんが、オンコール体制を取っているところがほとんどです。有料老人ホームで医療行為ができるのは看護師だけなので、何かあると夜間や明け方でも出勤しなければなりません。
また、オンコール対応の担当の日にはいつでも電話が取れるようにしておく必要があります。夜間に呼び出され、徹夜のまま日勤に入らなければならないこともあり、緊張感や疲労感から働き続けることがつらくなってしまう方も多いです。
給与が低い
介護施設で働く看護師の給与は、一般的な看護師の給与よりも低めの水準になっています。病院勤務に比べるとハードな職場環境ではありませんが、さまざまな種類の業務や緊急時の医療判断など、精神的、肉体的にかかる負担に対して給与が安いと感じてしまう看護師もいます。
施設の規模や経験年数、夜勤回数、経営主体によっても異なりますが、「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、常勤換算一人当たりの給与費は以下の通りです。※1か月あたりの平均給与は賞与を含む金額です。
施設形態 | 1か月あたりの平均給与 |
---|---|
特定施設入居者生活介護 | 438,206円 |
介護老人福祉施設 | 455,491円 |
介護老人保健施設 | 469,573円 |
通所介護 | 375,327円 |
訪問看護 | 463,927円 |
グループホーム | 379,127円 |
入居者・その家族との人間関係がストレス
病院やクリニックなどの医療施設で働く場合、入院患者やその家族との人間関係はごく限られた期間のものであることがほとんどです。
しかし有料老人ホームで働く場合、一人の入居者と過ごす時間は医療施設に比べて非常に長く、入居者家族に対して連絡や報告を行う機会も多くなります。医療行為をしている時間よりも、コミュニケーションのために費やす時間や労力が増え、人間関係の構築や維持が苦手な方にとっては大きなストレスとなります。
介護スタッフとの連携が難しい
本来、介護施設で働く看護師は介護士のサポート的立場なので上下関係はありません。しかし、どうしても業務の中では看護師から介護士に対して指示をする場面が多いため、指示を出すばかりで介護に手を貸さない看護師に対して不満を持つ介護士も一定数います。
一方で看護師も、経験や知識の浅い介護士に対してもどかしさや不満を感じることも多く、それがストレスになってしまう場合があります。
今の職場が合わない
病院から有料老人ホームへ転職すると、その働き方の違いにギャップを感じる看護師が多いです。有料老人ホームでは、入居者の健康管理以外の業務として介護士と共に介護業務をしたり、レクリエーションへの参加といった業務もあり戸惑う看護師もいます。
病院での勤務に比べて医療行為を行う機会も少なく、持っているスキルや知識を十分に活かせない点に不満を感じたり、有料老人ホームでの業務では今以上のスキルアップが見込めないことに不安を感じる看護師も多いです。
スカウトサービス登録はこちら2.有料老人ホームの看護師を辞めるかどうかの判断基準
さまざまな理由から有料老人ホームで働くことに疑問を感じている看護師の中には、実際に辞めるべきか悩んでいる方も少なくないでしょう。
疑問を抱きつつ働き続けることで、心身の健康に害を及ぼす場合もあります。時間と労力を無駄にしてしまわないよう、辞めるべきタイミングを見誤らないようにすることが大切です。
この章では有料老人ホームで働く看護師が、職場を辞めるかどうかの判断基準について紹介します。
改善が難しい問題に悩んでいる
休日が少ない、有給が取りにくい、パワハラにあっている、サービス残業が多いなど、自分の力では改善が難しい問題に悩んでいる場合は職場を変えることで問題が解決することがあります。特に劣悪な人間関係への悩みは仕事のやりにくさはもちろん、精神的に大きな負担です。
新しい職場でまた新しく人間関係を構築する大変さもあるかもしれませんが、どうしても相性の合わない人とうまくやろうとするストレスよりは長い目で見ると有意義な場合が多いと言えるでしょう。
体調を崩している
業務の性質が合わなかったり大きなストレスを抱えていることが原因で心身の健康を崩してしまっている場合には、転職や休職が一つの解決策になることがあります。
一時的にではなく、半月、1か月と体調が悪い状態が続くようであれば、それは体や心からのSOSかもしれません。信頼できる上司に相談したり、医療機関にかかって専門家からアドバイスをもらったりしても改善が見込めない場合は、転職について考えてみるタイミングです。
業務内容が合わないと感じる
有料老人ホーム働く看護師は入居者の健康管理が主な仕事ですが、レクリエーションへの参加や入居者のメンタルケアなどといった介護施設特有の業務があります。医療行為を行うために看護師になり自分のスキルを磨きたいと思っている人にとっては、そういった業務を負担を感じ、合わないと感じてしまいます。
看護師として今後も長く働くことを考えている方にとっては、業務内容が自分に合っていないと思いながらも働き続けることは時間とチャンスのロスになるので、転職について積極的に考えるタイミングだと言えるでしょう。
人生設計からかけ離れている
看護師の資格を持っていても介護施設で勤務する場合には、勤務年数が長くなるからと言って必ずしも給与が上がるわけではありません。給与額に上限があり長年勤務したベテランでも給与額が上がらないことで、働くモチベーションが保てなくなることがあります。
給与面が自分の人生設計に合っていない他、勤務形態が合わないと感じることもあります。結婚、子育てによって、急な呼び出しや命に係わる勤務に負担を感じることも一つの要因です。プライベートの時間の確保が難しいなど、自分のこれからの人生設計を考えた上でそれに即していない場合には、自分に合う職場を新しく探す必要があります。
スカウトサービス登録はこちら3.円満に現在の職場を退職する方法
退職することを決心したら、次は現在の職場を円満に退社することについて考えなければなりません。円満に退社するために気を付けるべきポイントについて見ていきましょう。
早めに伝えるのがポイント
介護業界は現在人手不足が深刻化しており、新しい人材を確保するには時間がかかる場合がほとんどです。特に看護師の場合は入居者の健康管理などといった重要な役割があるので、看護師がいない期間ができてしまうことは極力避ける必要があります。
退職を決意したら、職場には一日でも早く伝えることが大切です。就業規則で辞める際に申告するタイミングは決められていますが、できればそれよりも早めに、余裕を持って伝えることが好ましいでしょう。
一般的には、少なくとも退職の1~2か月前には職場側に意志を伝えるのがよいとされています。民法では退職の14日前までに意思表示することで退職できるとされていますが、就業規則内に期限が定められている場合には、最低でもその期限までに伝えることが大切です。
退職理由の伝え方
退職の理由は待遇や人間関係への不満といったネガティブな理由であることが多いですが、職場に伝える際には退職理由を正直に言わなければならない決まりはありません。正直に伝えることで、退職日まで職場に居づらくなってしまうこともあるので、退職理由はなるべくポジティブな理由にしましょう。
例えば、スキルアップするため、新しく挑戦したいことがあるといった前向きな理由がおすすめです。実際のネガティブな退職理由に触れる場合にもただそれらを伝えるだけではなく、前向きな理由と合わせて伝えることで、退職日まで円滑に働ける環境の確保につながります。
退職願・退職届の書き方|退職の意思を上手く伝える方法とは
円満に今の職場を退職する為の、退職願・退職届の正しい書き方と注意すべきポイントを解説します。
詳細を見る4.有料老人ホームの看護師を続ける場合にできること
有料老人ホームを辞めたいと一度は考えたものの、思い直してもう一度頑張ってみることを決めた場合には、少しでもその辞めたい状況を改善することが賢明です。今の状況変えるためにできることをいくつか紹介します。
上司へ相談する
まずは直属の上司へ相談することをおすすめします。どのようなことが自分に合っていないと感じるのか、業務内容やシフト面など、上司が動ける範囲の内容であれば改善に向けて積極的に動いてくれることがあります。
こういう点に大きな不満を持っている、こんな点にストレスを感じているということを意思表示し、改善されない場合には辞めるという選択肢もあるという真剣な気持ちを伝えましょう。
研修へ参加してみる
辞めたい理由が業務に関する不安である場合、外部の研修に参加してスキルアップを目指すのも一つの方法です。研修は、各都道府県の看護協会や企業で開催している物などさまざまな研修があり、高齢者介護や興味ある研修に参加することで不安が軽減したり刺激をもらえ、やる気につながる場合があります。
経験を重ねて自信に
辞めたいと思っているタイミングがまだ入職して1~2年目という場合は、単に業務になれていない可能性があります。業務への不安、体が慣れなくてつらいといったことは誰にでもあることです。無理のない範囲内で続けていくことで、自分なりのやりがいを見いだせる場合もあります。
同じように有料老人ホームや高齢者介護をしている先輩や同期生に思いを打ち明け、自分だけが悩んでいるわけではないということを知るのも一つの方法です。
今一度やりがいを考えてみる
有料老人ホームでの仕事を一度は辞めたいと考えてしまった方でも、仕事にやりがいを感じている部分が必ずあるはずです。入居者との信頼関係や、入居者の生活の質を高める手伝いができたこと、入居者の健康を守っている自負など、今一度自分が感じているやりがいについて見直してみましょう。
スカウトサービス登録はこちら5.有料老人ホームからのおすすめの転職先
それでもやはり転職することに決めて転職先を検討していく際には、その転職が自分が希望する働き方に即しているかが非常に重要なポイントです。ここからは有料老人ホームを退職したい看護師にとって働きやすい施設や病院について紹介します。
老人保健施設
老人保健施設は在宅支援がメインの施設です。
老人保健施設で働く看護師の業務内容は以下の通りです。
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医療ケアやリハビリテーションに重点が置かれているため、介護施設では医療ケア、リハビリのスキルを磨きやすい点がポイントになります。
デイサービス
デイサービスは介護保険制度が適用されているサービスの一つです。要介護1~5の方が利用します。デイサービスの目的は自立支援であり、日常生活の援助や機能訓練、レクリエーションを行う施設です。
デイサービスで働く看護師の業務内容は以下の通りです。
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デイサービスでの勤務には夜勤やオンコールはありません。医療行為も少なめで、精神的な負担は軽い職場だと言えるでしょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、訪問看護を行う事業所で、看護師や保健師、リハビリ専門職が働いています。地域に暮らしている小児から高齢者まですべての年代の人を対象にしていて、一人一人に合わせた支援を行います。利用者の主治医からの指示を受けて訪問する点が特徴です。
訪問看護士の主な業務内容は以下のようなものです。
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訪問看護ステーションは年々増加傾向にあります。通常は採用条件として数年の臨床経験が求められていましたが、近年では需要の高まりから新卒者の採用に力を入れている事業所もあります。
訪問看護は看護師が一人で訪問するのが基本です。医療行為や緊急時の対応も一人で行うため、その点については理解しておくことが必要です。
無床クリニック
無床クリニックとは、症状が軽い病気やけがに対応する医療機関のことです。
クリニックで働く看護師の主な業務内容は以下の通りです。
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クリニックでの勤務は基本的に日勤のみで、勤務するクリニックの規模によっては看護師の数が1~2名と少ないこともあります。また、休診日として日祝や平日1日がお休みの場合が多いのが特徴です。診療科によっては業務内容の幅が広く、医療スキルを磨くことができます。
スカウトサービス登録はこちら6.看護師以外の転職先
看護師としての責任の重さが原因で転職を希望する方の中には、看護師以外の仕事に就く方もいます。この章では、看護師以外の転職先として選ばれることの多い医療関連の職と、看護師としての経験を生かせる医療関連以外の職をご紹介します。
医療福祉の現場で別の職種に転職する
看護師を辞めて医療福祉現場で働く場合の職種には、以下のようなものがあります。
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医療福祉の現場を離れる
医療福祉現場を離れても、看護師時代に身に付けた知識と技術、経験を生かして働くことは可能です。医療福祉現場以外で看護師のスキルを活かして働ける職種の例は以下の通りです。
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看護師以外のオススメ転職先20選!看護師以外の道がここにある!
看護師以外でおすすめの転職先20選を紹介します。転職のポイントやメリットデメリットを合わせて解説しています。
詳細を見る7.看護師が転職で失敗しないために
有料老人ホームを辞めて他の医療介護施設に転職する場合も、医療介護以外の他の職種に転職する場合も、転職に失敗しないよう次のポイントを押さえるようにしましょう。
希望給与を明確にしておく
転職活動をする前には、まず希望の給与額を明確にしておきましょう。求人を見る際に、その希望の給与額の求人かどうか実際に確認することが大切です。求人票に好条件が書いてあったにもかかわらず、実際に働くと条件が異なっていることもまれにあります。
転職サイトに掲載されている給与額は転職サイト側が確認してあることが多いので、転職サイトの給与額を参考にするのも一つの方法です。
どんな働き方をしたいか考えておく
職業の中にはさまざまな勤務形態、さまざまな業務内容の仕事があります。業務内容としては、医療ケアのスキルを伸ばしたい、直接の医療行為になるべく関わりたくないといった希望をしっかり自分の中で確認しておきましょう。また、夜勤はやりたくない、日勤のみがいいといった勤務体系の希望も、自分の中で明確にしておくことが転職に失敗しない秘訣の一つです。
自身のスキル・経験を再確認する
有料老人ホームで働いてきた看護師の方の中には、病院看護師ほどいろいろな種類の医療行為を行わずに来たため、看護師としての自信を無くしてしまう方もいるようです。
しかし、有料老人ホームで働いてきた看護師は日常的な医療行為を行い、高齢者への対応にも慣れているはずです。そういったご自身のスキルや経験を軽視せず客観的に再確認し、長所になる点を生かして積極的な転職活動を行いましょう。
スカウトサービス登録はこちら8.まとめ
有料老人ホームでの仕事は責任が重く、オンコールでの呼び出しや担当利用者の多さからストレスを感じ、辞めたいと感じることもあるかもしれません。
まずはご自身が今辞めるべきタイミングなのかどうか判断基準を基によく考え、上司に相談したり、研修を受けることによって環境を改善したりモチベーションを回復できるか模索してみましょう。それでも辞めると決めた場合は、円満に今の職場を退職できるよう早めに退職の意思を伝え、ポジティブな退職理由で理解を得ることが大切です。
有料老人ホームで働く看護師の転職先は、デイサービスや訪問看護ステーションといった医療施設、無床クリニックなどが一般的です。しかし、看護師以外にも看護師として働いてきた知識や経験、スキルを活かせる仕事はたくさんあります。医療福祉の現場で看護師以外の職種に転職したり、医療福祉現場以外にも看護師スキルを活かすことはできます。
まずはご自身の給与面や待遇面での希望は何なのか、何が嫌で何が不安で今の職場を辞めたいと思ったのかを明確にしましょう。自分が求めている理想の転職先を見つけるために、本当の自分の気持ちに向き合って対話することが大切です。
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