薬剤師を辞めて違う仕事をするなら┃資格を活かせる業種、転職タイミングはいつ?
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「今の仕事が辛いから、薬剤師を辞めて違う仕事に就きたい」
「薬剤師の資格を活かした転職をしたい」
「薬剤師に向いていないのかな…」
このような悩みはありませんか?
同じ思いで薬剤師の仕事を辞めている方は多いです。しかし、いざ転職しても「思っていた仕事と違った」「新しい職場でもストレスが減らない」と感じる方も少なくありません。
本記事では、数多くの薬剤師の転職を見てきた転職サイト「コメディカルドットコム」が、
薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む理由
薬局・病院以外で薬剤師資格を活かせる仕事
薬剤師が転職を成功させるためのポイント
などを解説します。この記事を読めば、自分に合った職場を見つけるためのヒントが得られ、転職の準備ができるでしょう。
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目次
1.薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む理由
薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む理由は、以下の3つです。
- 職場環境・人間関係への不満
- 薬剤師の仕事内容への不満
- 薬剤師の将来性についての不安
ここでは、上記3つの不満や不安に対しての対策方法も紹介しています。同じように悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
職場環境・人間関係への不満
職場環境や人間関係に対する不満を抱えている薬剤師は非常に多いです。具体的には、以下のような不満があります。
- 人手不足で残業や業務量が多い
- 長時間労働が辛い
- 人手不足で休む暇がない
- 嫌な上司がいる
- 多職種とのコミュニケーションがうまくとれない
これらのストレスが「この職場が嫌」という思いから、「薬剤師として働きたくない」という感情に変わってしまうことも珍しくありません。職場環境・人間関係の不満は、「職場環境の改善」や「転職」で解決できることもあります。
まずは、上司に相談し、自分の悩みを共有することが大切です。それでも改善されない場合は、転職を検討するのも一つの選択肢でしょう。ただし、自分の行動や思考に原因がないかを振り返ることも重要です。自分にも原因がある場合は、転職先でも同じ悩みを抱えることになってしまいます。
薬剤師の仕事内容への不満
「想像していた業務と違った」「業務量が多い」などの仕事内容への不満も、薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む理由のひとつです。特に人手不足の病院や薬局は、業務量が多く、残業する日が増えることがあります。
「のんびり働けるイメージがあった」という方にとっては、入職後のギャップに苦しむでしょう。のんびり働きたいという方は、処方箋枚数が少ない職場に転職することをおすすめします。
薬剤師1人あたりの処方せん応需枚数の目安は1日40枚までとされています。1人あたり1日の応需枚数が25枚以下の薬局では、のんびり働くことが可能です。良いか悪いかは別として、他の薬剤師と会話したり、スマホを触ったりしていることがあります。
薬剤師の将来性についての不安
将来的に「薬剤師が余る」というネガティブな声を聞いて、薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む方も珍しくありません。事実として、厚生労働省が2021年に公表した「薬剤師の需給推計」によると、2045年に最大12万6千人、少なくとも2万4千人の薬剤師が過剰になると予測しています。
これを受けてネットでは、「薬剤師はやめたほうがいい」という意見を伝えている方も多いです。現状は、2030年までは需要が伸び続けると予測されており、しばらくは売り手市場の状態が続くと考えられます。
また、「AIに仕事を奪われる」という意見もみられます。しかし、相手の気持ちに寄り添って問題を解決する仕事は人間にしかできないため、薬剤師の仕事がAIに奪われる心配はありません。
将来に不安を感じる方は、コミュニケーション能力を高めたり、薬剤師の上位資格をとったりして自身を高める努力が必要です。
「今の職場を辞めたい」と「薬剤師を辞めたい」は別物
注意すべきなのが、「今の職場を辞めたいだけなのか」「薬剤師という仕事を辞めたい」のかです。後悔しない働き方を選ぶためには、ここを間違えないことが大切になります。自分の悩みと向き合い、どのような働き方をすれば解決できるかを明確にしておきましょう。
スカウトサービス登録はこちら2.薬局・病院以外で薬剤師資格を活かせる仕事
薬剤師資格を持っている方は、さまざまな場所で活躍しています。厚生労働省の統計調査によると、2022年12月31日時点の薬剤師数は約32万人です。そのうち、薬局で働く人は約6割、医療機関で働く人は約2割を占めます。
では残りの人たちはどこで働いているのでしょうか?
ここでは、医療関係以外の業種や薬剤師資格を活かした珍しい仕事を紹介します。薬局や病院以外で薬剤師資格を活かしたい方は、ぜひ参考にしてください。
出典:令和4(2022)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
医療情報担当者(MR)
医療情報担当者(MR)は、医薬品情報の提供と収集を行う製薬会社の営業担当者のことです。医師や看護師、薬剤師などに対し、自社の医薬品の有効性や安全性に関する情報を提供し、医療現場から情報収集を行います。
一般的な営業職とは違い、直接製品を販売することはありません。あくまで、自社の医薬品の適正な使用と普及につなげる役割を担います。
MRになるために資格は必要ありませんが、MR認定資格を求める企業がほとんどです。
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーター(CRC)は、医療機関に勤務し、治験が安全で円滑に行われるように調整する仕事です。後述する臨床開発モニター(CRA)や、治験に関わる医師や看護師などと協力し、被験者となる患者さんをサポートします。
CRCになるために資格は必要ありませんが、薬剤師の経験があると優遇されやすくなります。また、「日本臨床薬理学会認定CRC」や「日本SMO協会公認CRC」などの認定資格を取得していると、CRCへの転職で有利になる場合が多いです。
出典:日本臨床薬理学会
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニター(CRA)は、新薬の有効性や安全性を確かめる治験を、安全かつ円滑に進めるためのサポートを行う仕事です。前述のCRCは医療機関で活躍するのに対し、CRAは製薬会社の立場から治験の進捗状況を管理します。
CRAは治験を実施する医療機関や責任医師の選定を行うため、病院組織についてある程度の理解が必要です。そのため、病院薬剤師の経験がある方は、採用で有利になりやすいです。また、外資の製薬会社に転職する場合は、ビジネスレベルの英語力が求められることがあります。
大学、大学院の教員
薬剤師の資格を活かして、大学や大学院の薬学部の教員を目指すことも可能です。実際の現場で培われた知識や経験は、薬剤師や薬の研究者などを育成する際に役立つでしょう。なかには、薬学部の教員と病院薬剤師を両立している方もいらっしゃいます。
大学や大学院の教員は、「教員免許」がなくてもなることが可能です。一般的には、博士号の取得が求められます。教員に就くことができれば、助教→講師→准教授→教授という順にステップアップしていきます。
研究職(製薬会社、食品メーカー、化粧品メーカー)
研究職は製薬会社や食品メーカー、化粧品メーカーに所属し、新薬の開発や動物実験の研究などに携わる仕事です。創薬研究は、大学と共同研究する機会が多く、コミュニケーション力が求められます。
薬剤師資格を活かして転職できますが、中途採用の求人数は多くありません。また、研究の実務経験や博士号の取得を必須条件とする企業も多いです。そのため、一般の薬局薬剤師から研究職への転職は、かなり難易度が高いといえるでしょう。
公務員(自衛隊、麻薬取締官、保健所、刑務所)
薬剤師資格を活かして、国家公務員や地方公務員として働く道もあります。公務員は収入の安定や福利厚生が充実している点が魅力です。公務員の薬剤師は、以下のような職務が存在します。
- 自衛隊薬剤師:自衛隊員の健康管理、有事の際の医療支援、救護活動、医薬品管理を行う
- 麻薬取締官:麻薬犯罪に関わる取締や捜査・逮捕などを行う
- 保健所:担当地域の薬局や飲食店などに立ち入り検査、指導監督などを行う
- 刑務所薬剤師:受刑者を対象とした調剤業務や薬剤事務などを行う
公務員薬剤師になるには、公務員試験への合格が必要です。ただし、自衛隊、麻薬取締官、刑務所の場合は選考方法が異なるので注意してください。
医療ライター
医療ライターは、医療や介護、医薬品などの情報をわかりやすく伝える文筆業のことです。医療や健康に関する記事は、正確性と信頼性が非常に大切なので、薬剤師の資格を活かすことができます。一般的には、副業やフリーランスとして働くことが多いです。
医療ライターに似ている職業に、「メディカルライター」があります。メディカルライターは、医療や医薬品に関する資料や論文の作成を行う仕事です。医療ライターよりも専門性の高い知識や経験が求められることが多く、会社や組織に所属する場合が多いです。
医療コンサルタント
医療コンサルタントは、医療機関や介護施設、製薬会社などに対して、経営や医療提供体制、人材育成などの課題を解決に導く仕事を指します。医療や福祉などの分野では、経営に精通した人が少ないため、外部の医療コンサルタントに経営のアドバイスを依頼するケースがあります。
医療業界に理解が深い薬剤師の知識と経験を活かすことができるでしょう。医療コンサルタントになるために必要な資格はありませんが、中小企業診断士やMBAの資格を持っていると、優遇されやすいです。
スポーツファーマシスト
スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピングに関する知識を持つ薬剤師のことを指します。主な仕事内容は、スポーツ競技者や指導者に薬の使用方法についてアドバイスすることです。学校などで啓発活動を行うこともあります。
スポーツファーマシストになるためには、日本アンチ・ドーピング機構のカリキュラムを修了し、試験に合格しなければなりません。薬剤師資格が必須なので、薬剤師の知識と経験を活かすことができるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら3.薬剤師がキャリアチェンジする時の注意点
薬剤師に限らず、異なる業界へのキャリアチェンジは難しいものです。「せっかく転職活動を始めたのに、いつまで経っても採用されない」ということもあります。薬剤師がキャリアチェンジするときの注意点は以下の3つです。
- 職場によっては転職の難易度が高い
- 転職後に給料が下がることも
- 全く新しい知識やスキルを学ぶ必要がある
それぞれ解説します。
職場によっては転職の難易度が高い
キャリアチェンジする業界によっては、転職の難易度が高くなる場合があります。特に中途採用の場合、その業界の経験者が優遇されることが多いです。募集枠の少ない転職先であれば、さらに転職の難易度は上がります。
専門性の高い業界の場合、未経験者は書類選考で足切りされることも珍しくありません。企業側も、新たな教育やトレーニングに時間や費用をかけたくないためです。薬剤師の知識や経験が活かせない業界の場合、転職の難易度が高くなることを理解しておきましょう。
転職後に給料が下がることも
薬剤師がキャリアチェンジした場合、転職後に給料が下がる可能性があります。病院や薬局での経験が、異業種では評価されにくいためです。薬剤師の平均年収は全産業の平均よりも高いと言われているため、転職後、給料のギャップに苦しむ可能性があります。
生活水準を下げられない方にとっては、慎重に検討する必要があるでしょう。大切なのは、長期的な視点です。転職後に給料が下がるかもしれませんが、キャリアを積んでいくことで高年収を得られる可能性もあります。
一時的な収入だけでなく、長期的な視点をもってキャリアチェンジすることが重要です。
全く新しい知識やスキルを学ぶ必要がある
薬剤師からキャリアチェンジする場合、その分野の新しい知識やスキルを学ぶ必要があります。たとえば、MRにキャリアチェンジする場合は、プレゼン能力やコミュニケーション能力、論理的に情報を伝えられる力などが求められるでしょう。
公務員であれば公務員試験に合格するための勉強が必要です。キャリアチェンジによって、調剤以外のスキルが身についたり、キャリアの幅が広がったりする反面、知識やスキルが定着するまでに時間と労力がかかります。
薬剤師のキャリアチェンジを成功させるためには、積極的な学びの姿勢や継続的な努力が必要となるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら4.薬剤師の転職タイミングはいつが良い?
薬剤師の転職タイミングは、第二新卒や結婚・出産・育児などのライフステージの変化によって転職する方が多いです。第二新卒とは、大学を卒業して1〜3年目の社会人を指します。第二新卒はある程度の社会人経験がありながらも、若い人材ならではの柔軟性が評価されるため、転職で有利になりやすいです。
また、転職活動は「今の職場を辞めてから始めたほうがいいのか」という疑問があるかと思います。結論、在職中に転職活動を行うのがおすすめです。
在職中に転職活動を行うことで、収入面で余裕が生まれ、自分が納得いくまで続けられます。仕事が忙しく、どうしても時間が取れない場合は、今の職場を辞めてから転職活動を始めるのがよいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.薬剤師が転職を成功させるためには?
薬剤師が転職を成功させるためのポイントは以下のとおりです。
- 徹底的に自己分析を行う
- 企業研究・業界研究を行う
- 薬剤師で培ってきた強みをアピールする
まずは、自分の性格や強み・弱み、価値観、これまでの経験などを明確にしましょう。自己分析を徹底的に行えば、おのずと転職の軸が見えてきます。
たとえば、「患者さんから感謝されるときが最もやりがいを感じる瞬間」だとわかれば、病院薬剤師よりも薬局や在宅医療に関わる薬剤師が向いていることがわかります。
次に、転職の軸が明確になれば、企業研究・業界研究を行いましょう。転職先への理解を深めることは、転職成功に不可欠です。会社の基本情報はもちろんのこと、業界の規模やトレンド、将来性など徹底的に調査しましょう。その会社と業界を知ることで、転職後のミスマッチを減らせます。
最後のポイントとして、薬剤師の強みをアピールすることが大切です。面接では、薬学に関する専門知識や調剤業務の正確さ、医療チームの一員として培ってきたコミュニケーション能力などを強調しましょう。
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スカウトサービス登録はこちら6.まとめ
薬剤師を辞めて違う仕事をしたいと悩む理由は、
- 職場環境・人間関係への不満
- 薬剤師の仕事内容への不満
- 薬剤師の将来性についての不安
などさまざまあります。転職を検討する際は、「職場を変えたいだけなのか」「薬剤師を辞めて違う職種にキャリアチェンジしたいのか」を明確にしておくべきです。
薬剤師資格を活かせる仕事は数多くあります。まずは自己分析からはじめて、将来のキャリアや理想の条件を検討してみてください。
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