美容看護師について徹底解析！仕事内容、年収、採用条件から面接のポイントまで

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1.美容看護師とは

美容看護師とは、美容を目的とした治療や施術を行っているクリニックで働く看護師を指し、美容ナースと呼ばれることもあります。

美容看護師の働く職場は、美容皮膚科や美容外科が一般的で、美容皮膚科では脱毛や色素沈着、シミ、しわ、ニキビ跡、毛穴などの皮膚に関する処置を行い、美容外科ではフェイスリフトや眼瞼下垂の手術、脂肪吸引などの外科的なオペを行います。

美容を目的にしたサービス業の特性が強い

美容看護師の役割は、施術を通して患者のコンプレックスを軽減させたり、より美しくありたいという願望をかなえるためのサポートをすることです。美容医療は基本的に自由診療のため、保険は適用されません。高額なサービスも多く、美を提供するという側面から、美容看護師は一般診療科の看護師と比べてサービス業としての特性が強いのが特徴です。接客スキルやコミュニケーション能力、提案力など高いレベルの能力が必要とされます。

仕事内容

美容クリニックでの看護師の仕事内容は、悩みや希望に関するカウンセリング、電話受付や予約管理、注射や専用機器による施術、アフターケアなど多岐に渡ります。美容外科クリニックの場合は、整形手術の補助業務も行います。

美容看護師は外科系なら手術関連の業務、皮膚科系なら機械操作や薬剤塗布など、職場や配属先によって行う仕事内容が大きく違います。

美容皮膚科で働く美容看護師が行う業務は下記のようなものです。

• 医療脱毛の施術
• 美容点滴（ビタミン点滴など）、美容注射などの施術
• 色素沈着、シミ、しわ、ニキビ跡など皮膚に関する処置の施術や補助業務

美容外科で働く美容看護師が行う施術は下記のようなものです。

• フェイスリフトや眼瞼下垂の手術の補助業務
• 脂肪吸引の補助業務

美容外科は、クリニックによって行うオペや施術の内容がかなり違ってきます。簡単な二重手術などを中心に行うクリニックから、脂肪吸引、豊胸などを積極的に行うクリニックまでさまざまなので、自分が興味のあるオペや施術を行っているクリニックの方が積極的に仕事に取り組めるでしょう。

個人経営の小規模な美容クリニックの場合、カウンセリング専門のスタッフが在籍していないことがほとんどです。そのため美容看護師がカウンセリングを行ったり、受付や電話対応、予約管理を担当する場合も。

また、美容看護師がドクターズコスメの営業を行うクリニックもあります。医師が開発、監修を行っているドクターズコスメは、厳選された成分が高濃度に配合されており、市販されている基礎化粧品などより上質な美容効果が期待できます。患者の肌質や肌の状態に合った基礎化粧品などを紹介するので、美容や化粧品成分に関する知識も必要です。

美容看護師は基本的に日勤のみの勤務になり、宿直や夜勤はありません。しかし、土日や祝日、お盆休みや年末などに来院する患者が多いため、曜日に関わらないシフト勤務がほとんどです。

美容看護師の1日

美容看護師への転職をお考えの方は、美容看護師がどのようなスケジュールで働いているのか気になるかもしれません。こちらでは、ある美容看護師の1日のスケジュール例をご紹介します。

9:30	出勤 朝ミーティング 予約スケジュールの確認 施術やオペの準備
10:00	午前の診療開始 カウンセリング 施術、片付け 医師の補助業務
12:00〜14:00	交代で休憩
15:00	午後の診療開始 カウンセリング 施術、片付け 医師の補助業務
18:00	片付けや物品補充 明日の予約スケジュール確認
19:00	業務終了

出勤は9時から9時半、退勤は19時から19時半のクリニックがほとんどです。基本的に美容クリニックは完全予約制なので、その日のスケジュール、来院する患者の人数のコントロールができるため、一般的なクリニックに比べると残業は少なく定時に退勤できるというのが特徴の一つです。

仕事をしている人や学生が通いやすいよう土日祝日も営業している美容クリニックが多いので、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休は非常に忙しく、休みは取りにくい傾向にあります。また、看護師が施術も担当するため、勤務する看護師の人数に合わせて予約をいれているという面から、急なシフト変更が難しいことが多いです。

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2.美容看護師として働くことのメリットは？

美容看護師として働くと、臨床看護師にはない様々なメリットがあります。美容看護師として働くことのメリットは、下記のようなものです。

• 美容医療に関する最新の情報や知識が得られる
• ワークライフバランスを保ちやすい
• 社員割引きで施術を受けたり、ドクターズコスメを購入したりすることができる
• 設備がきれいで高級感のある職場が多い
• 美に関する仕事をしているという意識から、美しく変化していく人が多い
• 患者の通いやすさを重視しているため、駅から近い立地のクリニックが多く通勤しやすい
• 一般のクリニックに比べて給与が高い
• 夜勤がない
• 残業が少なく、定時に帰れる場合が多い

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3.美容看護師になるに？

では、美容看護師になるにはどうしたらいいのでしょうか。新卒でもなれるのか、年齢制限や求人選考で重視されることなど一つずつ解説していきます。

新卒でも美容看護師になれる？

一昔前までは、最低3年間は臨床で経験のある看護師が美容看護師へ転職することがほとんどでした。しかし最近では美容クリニックの数も増えたことで美容看護師の需要が高まり、新卒から採用するクリニックも多くなってきました。

大手の美容クリニックでは充実した研修制度があるところがほとんどで、一定期間、新入社員にしっかりと業務知識や接遇を身につけさせてから現場に配属するという流れが一般的です。

ただし、臨床看護師として新人の看護師がはじめに学ぶ看護技術の基礎がない場合は、美容クリニックに入ってから出来る業務が限られる場合も。脱毛のレーザー照射などは新人でもできますが、それ以外の処置では知識と経験が求められる施術が多いのが実情です。

美容皮膚科で行われる美容注射、美容点滴も、病棟での経験があると自信をもって行うことができます。病気での注射、点滴ではなく、美容目的だからこそ余計に失敗に対して厳しい視線が向けられることも。基本的にそれぞれの美容看護師に受け持ちの患者がいるため、先輩などの助けを得にくい環境であることも、新卒看護師にとってはつらく感じる場合があるようです。

年齢制限はある？

平成19年10月に厚生労働省によって雇用対策法が改正され、「事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならない」こととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。

そのため、募集要項に年齢の記載はありませんが、実際の所は35歳程度までなどと噂されています。実際の現場では、40歳を超える美容看護師も存在しているため、採用時に35歳程度であれば問題なさそうです。

一般的に大手のクリニックで働く美容看護師の方が年齢層は低く、個人クリニックの看護師の方が年齢層は高い傾向にあります。大手のクリニックではある程度の年齢を超えると、管理職や本部勤務など、現場で施術をする美容看護師とはまた違ったキャリアの道もあります。

また、美容外科のオペ室付きの看護師は、年齢や容姿よりも技術が重視されるため、病院の手術室から転職してきた40代、50代の看護師が多く働いています。美容クリニックで定年まで働きたい場合は、病棟でオペ室の技術を身に付けるというのも一つの方法です。

倍率は高い？選考で重視されることは？

近頃は美容医療が非常に身近なものになり、美容クリニックの件数の増加に伴って、美容看護師の需要も高まっています。しかし、美容看護師は希望者が多い上にクリニックごとに求める人材のレベルを重視しているところも少なくありません。クリニックの理念や雰囲気を重視できる人材を確保するため、選考が慎重で欠員が出ることも少ないため、求人は「レア求人」といわれており非常に競争率が高いものとなります。

美容クリニックの求職者選考では、容姿が大切だと思う方もいるでしょう。実際、提供するサービスが美であるという特性上、外見も判断材料になるところは多いようです。しかし単純に容姿の良さというよりも、清潔感があり、健康的なこと、また美容に対して関心が高いかどうかが重要視されます。

さらに外見よりも大切なのは、接遇スキルや人に愛される人柄であるかどうか、話し方や雰囲気などです。美容医療は、患者さんというよりもお客様として接しなければならないため、丁寧で品のある接客、接遇が大切です。敬語が正しく使えているか、身のこなしが粗雑ではないかという点もポイントになります。

面接では、何を目標に働きたいのか、美容が好きであるということ、患者がきれいになっていくことへのお手伝いをしたいという気持ち、美意識を高める努力をしていきたいかどうかというところにポイントを置いた受け答えが好印象につながります。

美容看護師になるのに有利な資格

看護師免許があれば、美容看護師になるために他に必要となる資格は特にありません。ただ、高倍率な求人に勝ち残るためには、下記のような美容関連の資格があると美容に対する関心度が評価され転職に有利になります。

日本化粧品検定は、化粧品に関する幅広い知識を身に付けられる検定試験です。美容関係者をはじめ、一般の方々の生涯学習を目的とした化粧品、美容に関する知識の普及と向上を目指した検定で、文部科学省の後援を受けています。

化粧品会社を始めとした多くの企業の社員教育としても導入されており、検定合格が昇給、昇進の1要素になる場合もあるようです。

内容としては、化粧品の基礎知識、皮膚の構造、美容に関連する法律について学ぶことができます。

スキンケアアドバイザーとは、肌トラブルに悩む人や肌を若々しく保ちたい人に向けて、一人一人に適切なスキンケア方法や化粧品選びの正しいアドバイスができるスキンケアのスペシャリストのことです。

肌や化粧品に関する専門的な正しい知識があることで、人それぞれの肌質、肌トラブルに遭った個別のスキンケアに関するアドバイスを行うことができます。美容業界で働くプロの方はもちろん、美容に関心のある一般の人も多く受験しています。

試験方法は、受講と課題レポートとなっており、申し込みは随時受付けされています。

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4.美容看護師の給料

高収入であると思われることが多い美容看護師。実際に働いている方からは、年齢の割に稼ぎも多く、給料には満足しているという声が多く聞こえてきました。一方で、経験年数を重ねていくと、病棟勤務との差は少なくなっていくといった意見もあります。

給料・年収はどのくらい？

多くの美容クリニックでは、「年俸制」が導入されています。年俸制の場合、基本給に賞与（ボーナス）が含まれるので賞与時期に特別にボーナスが支給されるということがありません。

年俸制を取っていないクリニックでは、基本給の金額が多く、ボーナスは少なめな場合が多いようですが、毎月安定して高い給与が支払われるのは美容看護師の大きな魅力の一つです。

売上ノルマはある？

ドクターズコスメの販売、美容施術の契約といった営業ノルマが心配…という声も聞きますが、ノルマの未達成によって減給などのペナルティーのある美容クリニックはほとんどありません。減給、ペナルティーではなく、売上げが良かったことでインセンティブが上乗せされるという方式をとっているクリニックが多いです。

インセンティブ制度って？

美容クリニックによっては、売上額に応じて基本給に「インセンティブ」と呼ばれる上乗せ制度を設けているところがあります。インセンティブについての決まりは美容クリニックによって異なるので、あらかじめ確認が必要です。

個人単位の売上貢献額に対して上乗せにしたり、クリニック全体の売上額の目標があり、その目標額を達成すると全員に上乗せされたり、インセンティブによって収入上乗せが期待できることでモチベーションアップにもつながりやすいでしょう。インセンティブの金額はクリニックによって違いますが、1〜５万円ほどのところが多いようです。

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5.美容看護師のキャリアプラン

美容看護師の仕事内容は臨床看護師のそれとはあまりに違っているため、一度美容看護師になると臨床へは戻れないと噂されていますが、実際の所はどうなのでしょうか。また、結婚出産などを経ても続けられるのかどうかについて見ていきましょう。

美容から臨床へ復職できる？

美容看護師として就職後、また臨床看護師として復帰する方も少数ながら存在します。その理由は、結婚や出産などでライフステージが変化したこと、周囲からの偏見、仕事が単純に向いていなかった、美容に対して思ったほど興味を持てなかった、仕事内容に疑問を持ったなどさまざまです。

特に多いのは、同期として働いていた臨床看護師から見下されているように感じたり、家族や友人から「何で美容看護師？」という偏見にさらされたりすることで臨床看護師に戻るというケース。「そもそも何で看護師になったの？」という素朴な質問も、本人にとっては胸に刺さります。周囲からどう思われているかが気になるタイプの方は、まず周囲からの理解を得られるよう、十分に時間を取って気持ちを分かってもらうことが必要です。

また、一度美容看護師になると、臨床看護師には戻れないんじゃないかと心配される声をよく聞きますが、実際はどこの病院も慢性的な看護師不足のため、その気になれば臨床看護師の仕事を見つけることは難しくありません。

ただし、新卒で美容看護師になった場合は基本的な看護技術が未熟なため、臨床看護師になるには入職後に基本的な技術の習得が必要となります。入職前から自己学習を積極的に進める姿勢が大切です。

臨床看護師の経験がすでにある状態から美容看護師になった場合はさほど問題はありませんが、美容クリニックで働いていた年数は看護師としての経験年数としてカウントされない場合が多いのが実情です。

育児しながら美容看護師として働ける？

美容クリニックのほとんどは完全予約制をとっているため、残業が少ないという点は子育て中のママには嬉しいものです。ただ、土日、祝日、大型連休などは繁忙期となるため、お休みが非常に取りにくいクリニックがほとんどです。

美容専門クリニックではなく、美容施術も行っている皮膚科の場合は土日が休みの場合が多いので、そちらも選択候補に入れてみるのもおすすめです。

美容看護師に将来性はあるか

夜勤も残業もなく、給料も高いことで人気の美容看護師ですが、美容看護師になった後の将来性、年齢を重ねてからのキャリアプランが心配だという方も多いのではないでしょうか。美容として長年美容クリニックで働いた先輩たちは、その後どのような活躍をしているのか、一例をご紹介します。

大手や中規模の美容クリニックには、運営本部という部署が存在します。運営本部は複数のクリニックを中央で管理する部署で、それぞれのクリニックの状況を把握し、人員、物品、収支の流れなどを一括把握し総合的に管理しています。また、クリニックの成長戦略やクレーム処理を行うなどの幅広い業務を行います。

美容看護師として現場での経験を積んだあとは、組織運営やマネジメント業務、成長戦略に関わる運営幹部への昇進を目指すのも良いでしょう。

現場幹部とは、各クリニックでの役職を指します。現場の美容看護師にも、看護師長、看護主任、看護副主任などの役職があります。役職に就くことによって、運営本部と現場との関係性を保つ役割を与えられ、その存在価値から長く働くことが可能になります。

大手のクリニックでは、新人教育を専門とする美容看護師を置いているところがあります。新入社員は全国から研修施設に集められ、美容看護師としての基礎知識や施術技術を身に付けるので、いろいろなスキルを所得したベテラン美容看護師が指導に当たります。

中小クリニックでも、教育担当の看護師を置いているところも。中小クリニックの場合は研修施設ではなく、実際のクリニックで看護師長などを兼務しながら教育係をする形になります。

長い経験と技術を持った美容看護師はクリニックにとっても貴重な存在。後進の教育係として働くことも長く務める一つの方法です。

近年ますます活発になりつつあるSNS。美容の新しい情報を発信し、マーケティング業務を行う美容看護師も増えています。専門知識を持った美容看護師が情報発信することで、美容医療の正しい知識を全国に広めることでクリニックへの集客効果があります。現場で直接働く仕事からは一歩退きつつ、培った技術と経験を活かせる新しい職種です。

フリーランスの美容看護師とは、正社員やパート、アルバイトなどのように、クリニックに雇用されず、個人事業主として、または法人を設立して業務を請け負います。

フリーランスの美容看護師のメリットは、何といっても実力次第で給料がいくらでも上がること。働く日数や時間を自由に決められることもポイントとなります。フリーランスで働く美容看護師として必要なのは、人をひきつける人柄、看護技術の高さ、集客力などです。人脈を活用、口コミでの拡散、SNSで自ら集客することが必要なため、技術力は高くても失敗してしまうケースも。また、フリーランスで行う業種としてはアートメイクが人気ですが、すでに都市部では飽和状態の印象です。

美容看護師の働き口は、美容クリニックだけではありません。美容看護師の人材に関連する企業、美容医療の機器に携わる企業、美容医療の製品開発を行う企業などさまざまな企業でその専門知識が必要とされています。看護師として現場で働くのではなく、その知識を新たな分野での仕事に生かす職場があるということも覚えておいてください。

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6.美容看護師に向き不向きはある？

美容看護師を長くやっている人を見てみると、やはり本当に美容が好きであるという要因が大きいようです。患者との話題は美容に関する内容が多いため、普段から美容に関して興味がありいろいろと情報収集をしているということが大きくプラスになります。新しい知識、新しい技術が求められるため、常に勉強し続けるにはやはり好きであるということが一番大切になります。

ただし、カウンセリングや施術を担当する美容看護師ではなくオペ室で働く看護師の場合は、美容への興味や知識よりも手術の介助に関する経験と知識の方が大切なので、担当する業務によって求められるスキルは変わってきます。

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7.まとめ

美容看護師が勤務する美容皮膚科や美容外科は診療科目が美容を目的としているため、医療保険が適用されない場合がほとんどです。そのため、施術の費用は高額で、美容看護師は高い接客スキルや美容施術の技術や知識などが求められます。また社員割引きで施術を受けられるクリニックも多いので、美容に対して興味関心が高い方にとっては非常に魅力的です。

病気と向きあう臨床看護師とは全く違った要素の多い美容看護師。向き不向きはありますが、その先にまた違ったキャリアの道も広がる可能性がある面白い職種です。