社会福祉主事任用資格は履歴書に書けるのか?|メリットからおすすめの職場まで解説
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社会福祉主事任用資格は、資格といっても試験に合格する必要はなく、特定の科目を履修する、もしくは指定の講義を受講することで取得できる資格です。国や自治体が発行する「資格証明書」はありません。
こうした性質の資格であるため、就職や転職の際、履歴書に記載していいのかどうか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方に向けて、この記事では社会福祉主事任用資格に関して、履歴書に書くべきかどうか、また書くのであればどのように記載するのか、そして社会福祉主事任用資格が活躍る職場はどのような職場が考えられるかなどについてまとめていきたいと思います。
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目次
1.社会福祉主事任用資格は履歴書に記入できる
社会福祉主事任用資格は、履歴書に記入することができます。資格の特性を考えると、記入すべきか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、転職などの履歴書では、書くことで得られるメリットも多いと思われます。
では実際にどのように記入すべきかという点に関して紹介していきましょう。資格要件を満たした日を資格取得日として記入する
社会福祉主事任用資格という資格は、国家資格や民間資格のような、試験を受験して手にする資格ではありません。「社会福祉主事」として働く要件を満たしているという意味合いの資格であり、資格証や証明証のようなものは存在しません。 そのため、資格取得日の設定が難しいところですが、基本的には資格要件を満たした日が資格取得日となります。
大学卒業と同時に資格を取得した方であれば、大学を卒業した日が資格取得日ですし、別の方法で資格を満たした方は、満たした日が資格取得日となりますので、その通りに履歴書に記入しましょう。
転職活動で有利になるケースもある
履歴書を書くケースを考えると、就職もしくは転職というタイミングでしょう。特に転職のタイミングでは、転職先の業種にもよりますが、有利に働くケースも考えられます。 上記の通り、社会福祉主事任用資格とは、「社会福祉主事」として働くことができる資格ですので、その資格を活かして実際に社会福祉主事として働いていたことが履歴書に書かれていれば、採用担当者の評価も高くなるでしょう。
また、求人の中には、社会福祉主事任用資格の所有が応募条件になっている求人も存在します。こうした求人に応募する場合は、履歴書に資格の有無を記載する必要があります。自分が資格を取得したタイミングを思い出し、その旨を記載するようにしましょう。
スカウトサービス登録はこちら2.社会福祉主事任用資格を履歴書に記入するメリット
社会福祉主事任用資格という資格を、履歴書に書いて応募するにはどのようなメリットがあるのかを考えていきたいと思います。 メリットを感じることができた方は、ぜひ履歴書に書いて求人に応募するようにしましょう。
ネットなどで求人情報を探すと、中には社会福祉主事任用資格が応募条件に含まれている求人があります。こうした求人に申し込むのであれば、当然履歴書に社会福祉主事任用資格をしっかりと記入すべきです。
社会福祉主事任用資格の取得方法に関しては、記事の後半で触れますが、実は取得していることに気づいていないという方も少なくありません。後に紹介する取得方法をチェックして、自分が資格を取得しているかどうかをチェックしてみましょう。
社会福祉主事として働いていた証明となる
社会福祉主事任用資格を持っており、実際に社会福祉主事として働いていたという方は、履歴書の経歴と資格情報で、その経歴を間違いなく伝えることができます。社会福祉主事任用資格を持っている方でも、社会福祉主事として働いた経験があるかないかで、採用担当者の評価も変わります。
社会福祉主事として働いていたことは評価されることが多い経歴となりますので、しっかりアピールしましょう。
場合によっては公務員試験に合格した証明にもなる
社会福祉主事というのは、各自治体の福祉事務所にしかいない職業です。つまり、社会福祉主事任用資格を持ち、社会福祉主事として働いた方の場合、その時点で公務員試験に合格している方ということになります。
公務員試験は、採用試験の中でもある程度の知識や知見を求められる試験ですので、その試験に合格しているということは、転職の際にも高評価される可能性があります。 さらに公務員という安定した仕事を辞めて、ほかの仕事に転職するということになれば、それだけ転職に対して本気であるというアピールにもつながるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら3.社会福祉主事任用資格とは?
社会福祉主事任用資格は、取得しているのであれば履歴書に書くべき資格の一つです。基本的には社会福祉主事として働く権利を持っていることを証明する資格ですが、資格に関して詳しく解説していきましょう。
社会福祉主事として働くための資格
社会福祉主事任用資格とは、都道府県や市町村に設置されている福祉事務所において、社会福祉主事として働くために必要な資格です。 資格とはいえ、その業務に就ける資格というだけであり、試験に合格する必要はありません。社会福祉主事任用資格の取得方法は次の項で説明しますが、自ら積極的に取得する以外にも、自身が意識していなくても資格要件を満たしているというケースもあります。
社会福祉主事任用資格を履歴書に書けるかどうかと聞かれれば、当然書けます。しかし、書くだけのメリットがあるかどうかと聞かれると、資格を取得しているだけの場合は、履歴書に書いても大きなメリットはないでしょう。
社会福祉主事任用資格を履歴書に書いて、それがメリットとなるのは、任用資格を活かして社会福祉主事として働いた経験がある方と考えられます。特に転職の際はそのメリットは大きくなると考えられます。
資格といっても資格証などは発行されない
上記のように社会福祉主事任用資格に関しては、本人が意識していなくても持っているケースがあります。本人が意識しなくとも資格を持っているということは、資格証や資格取得証明証といったものがないということになります。 そのため履歴書に単に社会福祉主事任用資格を取得していると書いても、採用する側としては、確認する術がありません。だからこそ、社会福祉主事任用資格は、持っているだけではあまり意味がないということになります。
社会福祉主事任用資格を持っており、さらに実際に社会福祉主事として働いた経験があれば、確実に資格を持っていることの証明となるため、採用する側としても評価できるということになります。
スカウトサービス登録はこちら4.社会福祉主事任用資格を取得する方法
履歴書に書くことができ、場合によっては転職の際には有利になる可能性もある社会福祉主事任用資格ですが、本人の知らないうちに取得していることもある資格でもあります。 そんな社会福祉主事任用資格の取得方法は5種類です。そんな取得方法に関して解説していきましょう。
社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得している
まずは、社会福祉士と精神保健福祉士の取得です。 この2つの資格はともに国家資格であり、国家試験に合格して初めて取得できる資格となります。どちらも名称独占資格ですので、「社会福祉士」を名乗れるのは社会福祉士資格を持つ方のみです。
社会福祉士は社会福祉業務全般を担当できる資格であり、医療、児童福祉、高齢者福祉、障がい者福祉など、多面的な福祉業務に従事できる資格です。 精神保健福祉士は福祉業務の中でも、精神保健福祉に特化した国家資格です。精神障がい者の相談や、社会復帰支援などが中心となり、すべての方の精神障がいに関するケアなどを行う国家資格となります。
この2つの国家資格取得のためには、社会福祉主事任用資格を満たす以上の知識や知見が必要であり、いわば社会福祉主事任用資格の上位資格です。そのため、この2つの資格のいずれかを取得している時点で、社会福祉主事任用資格を取得していると見做されます。
大学等で指定された3科目を履修した上で卒業
社会福祉主事任用資格は、4年制大学や短期大学において、厚生労働省が指定した3つの科目を履修したうえで卒業した時点で取得できます。対象となる科目に関しては、卒業年度によって指定が変わっていますので、それぞれ確認する必要があります。
自身が取得した科目が、必須科目に置き換えることができるかどうかは、卒業した大学等で確認するか、自身で厚生労働省のHPで確認しましょう。ちなみに、この取得条件で対象となるのは4年制大学や短期大学などです。専門学校などは対象外となりますので、専門学校で指定科目3科目を履修して卒業しても、社会福祉主事任用資格は取得できませんのでご注意ください。
また、こうした大学等の卒業を持って任用資格を得た方が、その資格を証明するためには、卒業証明書と、成績証明書を併せて提出する必要があります。
指定教育機関の通信講座を受講し修了する
大学等で指定された3科目を履修していない方で、働きながら社会福祉主事任用資格を取得する方法としては、指定教育機関の通信講座を受講するという方法があります。指定教育機関は以下の2つです。
- 社会福祉法人 全国社会福祉協議会 中央福祉学院
- 学校法人 日本社会事業大学
それぞれの教育機関にある、社会福祉主事任用資格取得対応の通信講座を受講し、修了することで任用資格を得ることができます。 通信講座の受講期間は1年間ですが、通信講座のため、働きながら空いた時間で受講が可能となっています。
都道府県が開催する講習を受講
すでに働いている方の中で、都道府県や市町村で社会福祉事業に従事している方の場合、都道府県が開講している「社会福祉主事認定講習」を受講することで任用資格を得ることができます。 社会福祉主事認定講習は、19科目279時間の受講が義務付けられており、都道府県によっては通信講座での受講も可能です。
一例として東京都の開講している社会福祉主事認定講習を紹介すると、原則通信講座の受講となり、さらに集合研修が3日間設定されています。 受講時間が279時間ですから、通信講座であれば平日毎日2時間受講すれば、半年程度でクリアできるカリキュラムということになります。
指定養成機関を卒業
社会福祉主事任用資格を取得するために、しっかり勉強したいという方は、指定養成機関において、指定された講習を受講して任用資格を得るという方法もあります。指定養成機関は全国に73校設置されています(2024年5月現在)ので、通学が可能な方は、こうした養成機関で学ぶという方法もあります。
指定養成機関で学ぶ場合、22科目1,500時間の受講が必要です。1,500時間の受講となると、2年以上の就学期間が必要と考えられますので、ある程度時間に余裕がある方が選択できる取得方法といえるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.社会福祉主事任用資格を取得するメリット
社会福祉主事任用資格に関しては、すでに卒業した大学で必要な科目を履修しているというケースを除けば、取得するためにはそれなりの時間と労力が必要になります。 そこまでして取得するだけのメリットがあるのかどうかという点に関して考えていきたいと思います。
福祉事務所で働ける可能性が高い
まずはすでに公務員として働いている方、もしくは公務員を目指している方にとってのメリットを考えると、都道府県や市町村に設置されている福祉事務所で働ける可能性が高くなるというメリットがあります。
公務員の場合、ある程度収入や雇用という面では保障されている立場です。勤めているところが倒産する心配や、リストラに遭う心配も、一般企業のサラリーマンと比較すれば小さいでしょう。また、収入では、高収入ということはありませんが、地道に続けることで確実な収入アップが叶います。
福祉事務所で働きたいと思っている方にとっては、社会福祉主事任用資格があるというのは重要なこととなりますので、公務員であり、福祉事務所での業務を希望している方にとっては、任用資格を取得するメリットは大きいと言えます。
取得しやすい
社会福祉主事任用資格を取得するには、一定程度の時間や労力が必要です。反対に言えば、一定程度の時間と労力を惜しまなければ高い確率で取得できる資格ともいえます。
一般的に資格といえば、ある程度専門分野の勉強を続け、資格試験に合格して初めて取得できるものです。場合によっては取得まで長い時間勉強時間を割く必要もあります。 こうしたほかの資格と比較すると、任用資格は取得しやすい資格ともいえます。特にすでに卒業している大学で、必須科目を履修していれば、なんの苦労もなく取得できると考えれば、非常に取得しやすい資格とも言えるでしょう。
取得しやすいのであれば、ないよりあった方がいいのが資格というもの。取得するメリットは少なくないと考えられます。
転職などでも有利になるケースがある
この記事でも触れていますが、社会福祉主事任用資格を持っていることは、転職においても有利に働くケースが少なくありません。任用資格を持っていることが応募条件になっている求人もありますし、資格があるからこそ採用担当者に信頼してもらえるという部分もあります。
特に任用資格を持っており、かつ福祉事務所で社会福祉主事として働いた経験があるとなれば、福祉の求人では評価が高くなるのは間違いありません。社会福祉主事として働いていたということは、公務員試験にも合格しているという証明にもなります。 後の転職を見据えて、任用資格を取得しておくというのはメリットが大きいともいえるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら6.社会福祉主事の仕事内容
社会福祉主事任用資格を取得することで従事できるのが社会福祉主事という仕事です。ではこの社会福祉主事とはどのような仕事なのでしょうか?
まず、社会福祉主事は公務員です。都道府県や市町村に設置された福祉事務所に勤務し、主に地域住民に対する相談業務などを行います。そんな社会福祉主事の具体的な仕事内容に関して解説していきましょう。
ケースワーカーとして働く
社会福祉主事としての代表的な働き方は2種類。そのひとつがケースワーカーとしての業務です。ケースワーカーとは、実際に現場に出て、行政の福祉の力を必要とする方と直接やり取りをする仕事になります。
ケースワーカーが対応する対象者は幅広く、生活保護受給者、ひとり親世帯、高齢者、障がいを持つ方などになります。こうした方の元に出向き、直接相談に乗る、支援を行うというのが基本的な業務となります。
相談内容によっては、医療機関や介護業者と連携し、支援に当たることもあるため、コミュニケーション能力や調整能力が必要になります。
スーパーバイザーとして働く
主にケースワーカーとして経験を積んだ後に就くのがスーパーバイザーの仕事です。スーパーバイザーは、ケースワーカーの業務の支援をしたり、教育を行うなど、ケースワーカーをまとめる立場の仕事が中心になります。 また、生活保護申請の受理や、申請者に対する個人面談、さらに生活保護受給にふさわしいかどうかの調査などもスーパーバイザーの業務です。
福祉事務所には、ケースワーカー7人に対して1人の割合でスーパーバイザーを設置することが義務付けられているため、ケースワーカーとして経験を積んだ方が選任されるケースがほとんどです。
スカウトサービス登録はこちら7社会福祉主事任用資格が活躍する職場
社会福祉主事任用資格は、社会主事として働くことができるようになる資格です。しかし、社会福祉主事以外の仕事現場でも、この資格を活用することができます。
とはいえ、資格を持っているからできる業務がほかにあるというわけではありません。任用資格を持っていることで、社会福祉に関する業務を行うにあたって基礎的な知識を持っていることの証明となります。 この基礎的な知識があると、転職などの際に有利になるケースがあり、そんな転職先に関して解説していきましょう。
病院の医療相談員
病院には患者やその家族から医療に関する相談を受け付ける医療相談員という仕事があります。社会福祉主事任用資格を持っている方は、特に社会福祉に関する一定以上の知識を持っていますので、こうした医療相談員としても活躍できるケースが多いといえます。 特に社会福祉主事としての実務経験がある方は、いろいろな方の相談に乗り、その問題の解決に寄与してきたということになりますので、多くの病院でも即戦力として活躍できるでしょう。
病院の医療相談員が相談に乗る内容は多岐にわたり、もちろん医療面の問題にも対応しますが、退院した患者の社会復帰に向けての相談や、医療費に関する問題などの相談にも対応する必要があります。
もちろん中には医療相談員個人では解決できないこともあり、そういった場合は医療機関や自治体の担当機関などとも連携していく必要があります。業務内容は社会福祉主事の業務と非常に近く、社会福祉主事任用資格を活かせる仕事といえるでしょう。
デイサービス
デイサービスは要介護者を自宅まで迎えに行き、デイサービス施設でリハビリや入浴、食事などのサービスを提供します。 デイサービスの実務として、入浴介助などを行う場合は、介護士や介護福祉士の専門分野ですが、その要介護者やその家族から話を聞き、不安に覆っていることなどの相談にのるという業務に関しては、社会福祉主事任用資格を持っている方の得意分野ということになります。
デイサービスにはいろいろなサービスの提供の仕方がありますので、要介護者本人や、その家族としっかり話し合い、適切なサービスを提供することが重要になります。 こうした相談業務や、要介護者の要望を反映するための方策を考えるという時には、社会福祉主事任用資格が活躍するでしょう。
高齢者施設の相談員
有料老人ホームや、特別養護老人ホームなど、高齢者が入居する施設の相談員がいるケースが少なくありません。
入居してる高齢者の方やそのご家族から、介護や生活に関する相談を受けるのが中心ですが、適切に対応するにはそれなりの知識が必要になります。特に高齢者の相談の場合、行政による支援やサービスに関わる相談が多く、単に介護の知識があるだけでは対応が難しいケースがあります。
こうしたケースに強いのが社会福祉主事任用資格を持っている方でしょう。特に社会福祉主事として働いた経験がある方であれば、行政による支援やサービスの情報にも詳しく、相談員には最適といえます。 スカウトサービス登録はこちら8.まとめ
社会福祉主事任用資格は、都道府県や市町村が設置する福祉事務所において、社会福祉主事として働くことができるようになる資格です。資格といっても、資格試験に合格する必要はなく、指定された科目を履修していたり、指定の講習を受講することで取得できる資格となります。 国家資格や公的資格とは意味合いの違う資格となりますので、資格証や証明書といったものはないため、履歴書に記載するかどうか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
社会福祉主事任用資格も立派な資格の一つですので、所有している方はしっかりと履歴書に記入して就職・転職活動を行いましょう。 任用資格を持ち、社会福祉主事としての業務に就いた経験がある方は、福祉事務所以外の職場でもその資格と経験を活かした働き方が可能です。
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