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公認心理師と臨床心理士の違いとは?仕事内容や資格、ダブルライセンスについて解説

  • 更新日
投稿者:堀尾 健太

「公認心理師・臨床心理士のどちらが自分に向いているか知りたい」
「それぞれの違いってなんだろう」
「公認心理師と臨床心理士のダブルライセンスは可能?」

このような悩みを解決する記事です。
精神疾患・障がいを抱える方が増加傾向にある日本において、公認心理師や臨床心理士の需要が高まっています。

国内最大級の医療・福祉の転職サイト「コメディカルドットコム」に蓄積されたデータをもとに、公認心理師と臨床心理士の違いについて解説します。
この記事を読めば、自分がどちらの心理支援職を目指すべきか判断できるようになるでしょう。

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1.公認心理師と臨床心理士とは?

公認心理師は2017年にできた比較的新しい国家資格

公認心理師とは、保健医療、福祉、教育などの分野において、心理学に関する専門的知識と技術を持ち、相談、指導、助言や援助を行います。

2024年9月時点での登録者は全国で73,628名です。心理系資格では唯一の国家資格ということもあり、今後も登録者数は増加していくでしょう。

参考:公認心理師 |厚生労働省

参考:公認心理師の都道府県別登録者数 2024年度

臨床心理士は心理系資格の中でも最高峰の民間資格

臨床心理士は人々が抱える心の問題に寄り添い、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、問題解決や援助を通し自分らしく生きることを支えます。2017年に公認心理師が誕生するまでは、心理系資格の最高峰とされていました。

1988年に誕生した民間資格であり、2024年4月時点で41,883名が認定されています。


参考:臨床心理士とは

公認心理師と臨床心理士の違い【比較表付き】

公認心理師と臨床心理士の大まかな違いは下表のとおりです。

公認心理師(CPP)

臨床心理士(CP)

登録者数

71,987人(令和6年時点)

41,883人(令和5年時点)

資格の分類

国家資格

民間資格

必要な学歴

大卒必須

大学院修了必須

試験の合格率

76.2%(令和6年実施)

66.5%(令和5年実施)

資格の更新

なし

あり(5年毎)

主な仕事

カウンセリング

カウンセリング

誰に

精神障害者、健常者

精神障害者、健常者

求人数(ハローワーク)
※2024/10/23時点

414件

1,707件

参考:公認心理師の都道府県別登録者数 2023年度

参考:日本臨床心理士資格認定協会|「臨床心理士」資格取得者の推移

ここからは、公認心理師と臨床心理士の具体的な違いを解説します。


役割と仕事内容、就業先の違い

公認心理師と臨床心理士の役割や仕事内容、就業先の違いは以下のとおりです。

公認心理師(CPP)

臨床心理士(CP)

役割

心理的問題を抱える方やその周囲の人に対し、相談・アドバイスを行う

臨床心理技法を用いて相談者の心の問題を解決する

業務内容

・心理査定(アセスメント)
・心理面接(カウンセリング)
・地域援助
・心の健康に関する教育・情報提供活動 など

・臨床心理学的査定(アセスメント)
・臨床心理学的面接(カウンセリング)
・地域援助
・研究(臨床心理学)など

就業先

・学校
・一般企業
・医療機関
・福祉施設 など

・医療施設
・学校
・福祉施設
・一般企業
・司法関係 など

現状、就業先や対象となる人に大きな違いはありません。人の心に寄り添い支援する点では、どちらの資格も共通しているといえるでしょう。

現在は診療報酬上、公認心理師を持たずに心理職として勤務していた者も、公認心理師としてみなすというみなし規定が取り決められています。しかしこれは公認心理師が育成されるまでの一時的な措置であるため、今後医療機関で心理職として勤務する場合には公認心理師資格が必須となる可能性があります。

資格の取得難度の違い

公認心理師と臨床心理士の資格難易度は以下のとおりです。

公認心理師(CPP)

臨床心理士(CP)

資格の分類

国家資格

民間資格

必要な学歴

大卒必須

大学院修了必須

主な受験要件

・指定大学院を修了
・大学卒業+2年以上の実務経験

指定大学院または専門職大学院を修了

試験の合格率

76.2%

66.5%

資格の更新

なし

あり(5年毎)

大きく異なるのは、資格の種類です。公認心理師は国家資格ですが、臨床心理士は「日本臨床心理士資格認定協会」が認定した民間資格になります。
資格の価値や社会的な信用性が高いのは、国家資格である公認心理師といえるでしょう。

また、資格を取得するまでのルートも異なります。

公認心理師の場合は、4年制大学卒業後に大学院修了もしくは実務経験2年以上が必要になります。そのため、最短6年はかかる計算です。
臨床心理士は大学院(2年制)の修了が必須です。こちらも受験資格は最短6年で得ることができます。

求人数の違い

前述したハローワークの求人数の違いに加えて、コメディカルドットコムの求人数データも見てみましょう。

【コメディカルドットコムの求人数(2024/10/28時点)】

  • 公認心理師:698件
  • 臨床心理士:653件

求人数に大きな差はありません。公認心理師は2017年に誕生した国家資格ということもあり、ここ数年で求人数が伸びています。

これは診療報酬改定により、公認心理師の評価が高まっているのが背景です。2024年の診療報酬改定でも、公認心理師の支援に対して心理支援加算250点が新設されています。今後も公認心理師の求人数が、さらに増加すると考えられるでしょう。

3.公認心理師と臨床心理士、目指すならどっちがいい?

ここでは、公認心理師と臨床心理士に向いている人の特徴を解説します。

公認心理師に向いている人の特徴

  • 心理に興味がある人
  • 他者の気持ちに寄り添える人
  • 学習を続けられる人

公認心理師は、心の問題に対して広い視点でサポートする仕事なので、心理に興味がある人が向いていると言えるでしょう。また、公認心理師の仕事に就いてからも、専門性を高めていく努力を続けなければなりません。

臨床心理士に向いている人の特徴

  • 他人に興味関心を示せる人
  • 精神的にタフな人
  • 観察力が高い人

臨床心理士は、カウンセリングに来た人の話を深く理解する仕事なので、他人に興味関心がある人が向いていると言えるでしょう。また、相談内容の中には重い話題も多いため、精神的にタフな人が求められます。

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公認心理師と臨床心理士はダブルライセンスも可能?

公認心理師と臨床心理士のダブルライセンスについて、公認心理師の視点で見ると、9割以上の方がダブルライセンスを取得していることがわかっています。日本心理研修センターが公表している「令和5年度公認心理師活動状況等調査」によると、公認心理師のみを取得している人は2,541人です。

これは全回答数に対して6.5%なので、9割以上の公認心理師がダブルライセンス以上といえます。中には、公認心理師と 臨床心理士、精神保健福祉士のトリプルライセンスという事例も珍しくありません。

主要な資格とのダブルライセンスを見ると以下の通りです。

公認心理師のみ 2,541人
公認心理師×臨床心理士 15,088人
公認心理師×精神保健福祉士 4,508人
公認心理師×社会福祉士 4,729人

出典:一般財団法人 公認心理師試験研修センター|令和5年度公認心理師活動状況等調査_報告書〔最終版〕

以下では、ダブルライセンスを取得するメリットとデメリットについて解説します。

ダブルライセンスのメリット

ダブルライセンスを取得するメリットは、「視点が増えることでアプローチの幅が広がる」「キャリアの選択肢を広げることができる」の2点です。それぞれ解説します。

視点が増えることでアプローチの幅が広がる

ダブルライセンスを取得することで、心のプロフェッショナルとして専門的な知識や技術の視点が増えるため、クライエントへのアプローチの幅が広がる点がメリットです。

公認心理師は保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働など、幅広い分野で心理学の知識を活用することを目的として、発達心理学、学習心理学、社会心理学、産業心理学など、様々な領域をカバーします。対して臨床心理士は、心理査定、心理療法、カウンセリングなど、臨床心理学の専門的な分野に重点が置かれます。

両方の資格を取ることで、より広く・より深く心理職としての専門性を磨くことができます。

キャリアの選択肢を広げることができる

ダブルライセンスを取得することで、キャリアの選択肢を広げられます。

特に公認心理師は医療分野との連携が重視されるため、医学的な知識や、精神疾患に関する知識を深く身につけることができます。精神科病院はもちろん、最近ではがん診療に力を入れる病院や一般的な疾患を扱う病院でも公認心理師のニーズが高まっています。

ダブルライセンスを取得することで、心理学に関する幅広い知識と専門性を証明できます。転職の際には、より高待遇の職場や独立開業を目指した働き方など、自分の理想のキャリアを選択できるようになります。

ダブルライセンスのデメリット

ダブルライセンスのデメリットは、「資格取得までの時間的・金銭的コストが高い」「両方の資格の専門性を維持する必要がある」などです。それぞれ解説します。

資格取得までの時間的・金銭的コストが高い

ダブルライセンスのデメリットは、資格取得までに時間・コストがかかる点です。臨床心理士であれば、大学院を修了する必要があります。

心理学という点では共通した部分も多いですが、新しい知識を学ぶために時間も必要です。ダブルライセンスは時間や費用に余裕がある方におすすめします。

両方の資格の専門性を維持する必要がある

ダブルライセンスの専門性の高さを維持しなければならない点は見方によればデメリットです。そのためには、定期的な学習や研修への参加、学会での発表など自発的な行動と時間的なコストが求められます。また臨床心理士には5年毎の更新があります。

この点をデメリットと感じない人が、ダブルライセンスを取得して活躍できると言えるでしょう。

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5.公認心理師と臨床心理士の違いに関するよくある質問

違いやダブルライセンスについても明確になったところで、公認心理師と臨床心理士に関する質問を紹介します。

公認心理師と臨床心理士はどちらが難しいですか?

2024年3月に実施された公認心理師試験の合格率は76.2%、2023年に実施された臨床心理士試験の合格率は66.5%と、公認心理師の試験の方がやや難易度が高いと考えられます。

臨床心理士から公認心理師になれますか?

臨床心理士、公認心理師の受験資格はそれぞれ異なります。臨床心理士は指定大学院での修了で受験資格が資格が得られますが、公認心理師はそれに加えて4年制大学での指定科目の履修が必要となります。現時点で新たに両方の資格を取得する場合は、同時に取得を目指す方法が最短ルートと言えるでしょう。

臨床心理士と公認心理師を両方目指せる大学はありますか?

臨床心理士、公認心理師いずれも4年制大学で指定科目を修了するだけでは、受験資格は得られません。

受験資格を得るために臨床心理士は指定大学院を修了、公認心理師も4年制大学にて指定の科目を履修することに加えて指定大学院を修了または指定の施設での2年以上の実務経験が必要となります。ダブルライセンスを取得する為には、学士課程で指定科目を通じてしっかりと基礎を固め、大学院への進学を目指しましょう。

3.まとめ

公認心理師と臨床心理士は、人の心の問題にアプローチする仕事です。

公認心理師は2017年にできたばかりの職業なので、今後さらに求人数も増えると予想できます。本記事で解説した内容を踏まえて、自分がどの職種に向いているのか、またはダブルライセンスを目指すべきか、自分に合った方法でキャリア形成していきましょう。

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セカンドラボ株式会社

URL:https://note.com/2ndlabo/n/nf2f063102266

神奈川県鎌倉市生まれ。2019年4月にセカンドラボ株式会社に入社。
2025年1月にコンテンツチームのリーダーに就任。
統計資料に基づく分析や求人作成の知識・経験を活かした記事づくりが得意です。
休日は所属するオーケストラでの活動や登山、旅行とアクティブに過ごしています。