診療放射線技師の平均年収は?手取りや初任給など、給料のリアルを徹底解説
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診療放射線技師の年収について解説します。他の医療系資格との比較や、働く事業所の形態別の平均年収について紹介しながら、様々な視点で診療放射線技師の年収の実態を解説します。
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目次
診療放射線技師の平均年収|他の医療系資格と比べて低い?高い?
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、診療放射線技師の平均年収は537万円です。内訳は月給36,7万円、年間賞与は96.1万円です。他の医療職の平均年収と比較してみましょう。
診療放射線技師 | 537万円 |
---|---|
薬剤師 | 578万円 |
看護師 | 508万円 |
臨床検査技師 | 508万円 |
表で見たところ、診療放射線技師の平均年収は、コメディカル職の中では薬剤師についで2位、また看護師や臨床検査技師と比べても診療放射線技師の平均年収が高いことがうかがえます。
診療放射線技師の平均年収は男性・女性でどう違う?
男性の放射線技師の平均年収が約557万円なのに対して、女性の平均年収は約477万円となっており、約80万円の差があります。
診療放射線技師において、男女の平均年収に差がある大きな理由として、男女間の平均年齢の違いが挙げられます。
男性の平均年齢が42.3歳なのに対して、女性の平均年齢が37.4歳と約5歳の差があります。 診療放射線技師に限らず、多くの職業が経験年数を積むほど昇給し、年収が高くなる傾向にあるため、平均年齢が低い女性の方が男性に比べて低水準になっていると考えられるでしょう。
平均年齢に差が生じる理由として、男性は定年後の再就職で勤続するケースが多いですが、女性は結婚や出産を機に退職することも多いことがあげられるでしょう。
また、夜勤のある病院の場合は男性の方が夜勤勤務になる機会が多い為、夜勤手当の分が年収に上乗せされているともいえます。
このように平均年齢の違いや夜勤手当などが、男女間の平均年収の差につながっています。ただし、性別の違いが給与の差につながっているわけではないので、女性でも夜勤に積極的に取り組んだり、長く務めたりすることで年収アップを目指すことは可能でしょう。
診療放射線技師の初任給はいくら?新卒の年収・手取りは?
公益社団法人日本診療放射線技師会による調査によると、大卒の初任給は平均約19万円~20万円程度といわれており、短大・専修大卒で平均約18万円~19万円程度、大学院卒で平均約20万円~21万円程度という結果が出ています。
出典:公益社団法人日本診療放射線技師会「日本診療放射線技師会誌 2017」
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正社員として働く場合の平均年収
診療放射線技師が正社員として働いた場合の年収は上の項目で述べた通り、537万円です。診療放射線技師に限らず正社員は他の修行形態と比べて業務内容や役割が幅広く、新人の研修や事故防止対策が求められ、管理職などに昇進する場合もあります。
契約社員として働く場合の平均年収
診療放射線技師が契約社員として働く場合は、正社員と比べて下がります。おおよそ年収300万から350万円と言われています。正社員と勤務時間や役割が似ていますが、正社員のように賞与がないため、どうしても正社員と比べると年収が低くなります。
アルバイト・パートで働く場合の平均年収
アルバイトやパートとして診療放射線技師が働く場合は、契約社員より低めです。それは勤務時間が少ない場合が多く、非常勤で週に2・3日という募集というのもあるからです。とはいえ特殊な技術を持つ診療放射線技師の時給は高めに設定されており、仮に以下のような勤務形態だと平均年収は200万円程度になります。
労働日数 | 11.1日 |
---|---|
1日の所定労働時間数 | 6.0時間 |
時給 | 2,450円 |
賞与 | 5.2万円 |
公務員として働く診療放射線技師の平均年収
診療放射線技師が公務員として働く場合の平均年収は、約500万円〜560万円となります。国立・公立病院や国立がんセンター、保健所や健康福祉センターなどに加えて、疾病対策研究所や原子力災害対策本部が該当し、勤務する会社の事業形態によって平均年収は変動します。
参考:内閣人事局「令和4年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
参考:内閣人事局「令和5年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
スカウトサービス登録はこちら診療放射線技師の平均年収を年齢別に比較【20代も稼げる?】
次に年齢別にみた場合の年収の違いを見てみましょう。
年齢層 | 平均年収(万円) |
---|---|
20歳から24歳 | 386万円 |
25歳から29歳 | 425万円 |
30歳から34歳 | 461万円 |
35歳から39歳 | 526万円 |
40歳から44歳 | 601万円 |
45歳から49歳 | 608万円 |
50歳から54歳 | 673万円 |
55歳から59歳 | 702万円 |
60歳から64歳 | 510万円 |
65歳から69歳 | 516万円 |
70歳以上 | 358万円 |
全年齢平均 | 544万円 |
年齢別でみた場合、20歳代から年々年収が上がっていき、ピークは55歳から59歳であることがわかります。60歳以上からは下がり気味なのは定年退職後の再雇用による年収減少が原因と考えられます。
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診療放射線技師は、勤務地によっても年収の差が出てきます。平均どのくらいか勤務地賀との違いを見ていきましょう。
国立・公立病院
国立や公立の病院で診療放射線技師の年収をみると、400万から450万円と言われています。国立や公立病院は公務員としての扱いになるため、公務員としての給与や福利厚生、待遇などがあります。年収は大学病院などと比べて低めですが、残業が少ないのが特徴で、教育体制が充実しています。安定性が最も高いのも特徴です。
大学病院
診療放射線技師が大学病院で働く場合は400万円から600万円が平均月収です。担当領域が細かく分かれていると言われる大学病院は、担当分野は限られていることが多いです。また他の職場と比べて残業が多いかもしれません。その理由は学会発表が行なわれる際に、研究や準備に時間が割かれることがあるためです。
民間病院
民間病院で診療放射線技師が働く場合は370万円から450万円が平均的な年収と言われていますが、民間病院の場合は病院の規模によって異なるため、実際の年収は就職した病院によって変わってきます。大きい病院のほうが給与高めなのは確かですが、例外もあるので、求人情報で年収を確認しましょう。
医療機器メーカー
X線を発生させる医療機器を制作している医療機器メーカーに診療放射線技師が就職する場合があります。メーカーが製造を手掛けている画像診断装置や超音波検査装置、放射線治療装置を医療機関に提案して、持っている技術力や知識をもとに、導入時のサポートを行う「アプリケーションスペシャリスト」としての立場として働く場合です。
放射能を発する医療機器を検査用に使用するのではなく機器の良さを提案し、導入の手助けをする立場なので年収も少し高い目になっており、400万円から多いところでは700万円ととても高額です。理由として出張や残業が多い職種のため手当が加算されるからです。
クリニック・健診センター
病院では無く小さな医療機関であるクリニックや検針センターで診療放射線技師が働く場合は350万円から400万円程度が平均年収です。但し、診療放射線技師がひとりだけしかいないような職場の場合は、職務や責任が高い分給与が高く設定されており450万円くらいまで年収が上がっている場合があります。一般的に病院系と比べて賞与が低めな場合が多いのが理由です。
スカウトサービス登録はこちら診療療放射線技師の年収は地域によって差がある
診療放射線技師を地域別でみると、地域によって多少の差があります。
北海道・東北地方
北海道や東北地方の各県を見ていきましょう。
北海道 | 540万円程度 |
---|---|
青森県 | 600万円程度 |
岩手県 | 455万円程度 |
宮城県 | 655万円程度 |
秋田県 | 514万円程度 |
山形県 | 513万円程度 |
福島県 | 437万円程度 |
表で見ると、宮城県の平均年収が655万円と高く、逆に福島県が437万円と低めの年収になっています
関東地方
関東地方の診療放射線技師の年収を見ると次の通りです。
茨城県 | 501万円程度 |
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栃木県 | 544万円程度 |
群馬県 | 503万円程度 |
埼玉県 | 598万円程度 |
千葉県 | 592万円程度 |
東京都 | 590万円程度 |
神奈川県 | 562万円程度 |
意外にも東京都よりも埼玉県や千葉県のほうが年収が高くなっています。逆に低い年収は群馬県や茨城県になっています。
信越・北陸地
信越や北陸地方での診療放射線技師の平均年収はどのくらいでしょうか?
新潟県 | 542万円程度 |
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富山県 | 471万円程度 |
石川県 | 515万円程度 |
福井県 | 593万円程度 |
山梨県 | 525万円程度 |
長野県 | 482万円程度 |
統計によると福井県が593万円と高くなっており、これは全国平均も上回っています。低い方は長野県や富山県で500万円を切っています。
東海地方
東海地方の4県での診療放射線技師の平均年収はどのくらいでしょう。
岐阜県 | 494万円程度 |
---|---|
静岡県 | 449万円程度 |
愛知県 | 606万円程度 |
三重県 | 492万円程度 |
東海地方ではやはり愛知県が600万を超える高い平均年収となっています。逆に低いのは静岡県で449万円程度しかありません。
関西地方
関西地方で見た場合、診療放射線技師の平均年収はどうなっているでしょうか
滋賀県 | 588万円程度 |
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京都府 | 527万円程度 |
大阪府 | 563万円程度 |
兵庫県 | 531万円程度 |
奈良県 | 547万円程度 |
和歌山県 | 578万円程度 |
関西地域では滋賀県が最も多くの年収となっており、次に和歌山県と大阪府を上回っています。最も低いのは京都府ですが、それでも527万円程度と高い水準を保っています。
中国・四国地方
中国・四国地方での診療放射線技師の平均年収はどのくらいなのでしょう。
鳥取県 | 419万円程度 |
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島根県 | 521万円程度 |
岡山県 | 449万円程度 |
広島県 | 536万円程度 |
山口県 | 596万円程度 |
徳島県 | 473万円程度 |
香川県 | 665万円程度 |
愛媛県 | 503万円程度 |
高知県 | 585万円程度 |
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方を見ると診療放射線技師の平均年収にどのような違いがあるでしょう。
福岡県 | 541万円程度 |
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佐賀県 | 509万円程度 |
長崎県 | 493万円程度 |
熊本県 | 533万円程度 |
大分県 | 458万円程度 |
宮崎県 | 438万円程度 |
鹿児島県 | 460万円程度 |
沖縄県 | 470万円程度 |
九州・沖縄地域で最も平均年収が高いのは福岡県でした。低いのは宮崎県となっています。多くの県で500万円を切っており、診療放射線技師にとっては年収の低い地域のようです。
スカウトサービス登録はこちら診療放射線技師は年収1,000を目指せる?給料アップのためにできること
診療放射線技師が年収を上げることは原則可能です。診療放射線技師は50歳代が最も年収が高く、経験を積めば年収は上がっていく傾向にあります。
診療放射線技師の関連資格をとると仕事の幅が広がる
診療放射線技師国家試験を合格すれば、診療放射線技師として医療機関などで働けますが、できればほかの資格も取得しておくと仕事の幅が広がり、医療現場で高いレベルの仕事が任されることになるため、結果的に年収が上がることにつながります。
認定資格 | 認定団体 |
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胃がん検診専門技師 | 一般社団法人日本消化器がん検診学会 |
医用画像情報専門技師 | 日本医用画像情報専門技師共同認定機構 |
放射線管理士 | 日本放射線技師会 |
救急撮影認定技師 | 日本救急撮影認定技師機構 |
放射線治療専門放射線技師 | 日本放射線治療専門放射線技師認定機構 |
X線CT認定技師 | NPO法人X線CT専門技師認定機構 |
磁気共鳴専門技術者 | 日本磁気共鳴専門技師認定機構 |
検診マンモグラフィ撮影認定技師 | NPO法人マンモグラフィ検診制度管理中央委員会 |
一つの病院で長く勤務して管理職を目指す
また今の医療現場で頑張って管理職となって若い診療放射線技師を指導する立場になれば年収が大幅に上がる可能性があります。長年勤めたあとに管理職を務めるケースがメジャーな為、ある程度昇給して、かつ役職手当も上乗せされ、結果、給料が高い傾向にあるようです。
診療放射線技師が少ない病院・施設で働く
例えば療養型・精神科など、一定層の病院やクリニックでは放射線技師が1人しかいない場合があります。こういった場合、1人で全ての検査・撮影を行ったうえで、周囲の質問にも対応し、放射線技師としての高い能力や責任が求められるため、結果として給与が高いことが多いようです。
医療機器メーカーなど資格を生かせる企業に転職する
診療放射線技師で年収1000万円を稼げる可能性が一番高いのは、医療機関ではなく企業で働くことです。とくに外資系の医療機器メーカーは「成果主義」で結果を残した分だけ、給料をあげていくことができる環境です。
放射線技師の資格を企業で生かす場合、アプリケーションスペシャリスト職が一般的で、結果を残して管理職へとキャリアを伸ばしていけば、将来的に年収1000万円の可能性が考えられます。
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診療放射線技師は医師や歯科医師しか扱えないX線などの放射線機器を扱って検査や治療ができる職種です。取得するためには国家資格を取らなければいけませんが、だれでも取れるわけではなく3年以上の関連する養成機関で学び卒業しなければなりません。
年収は医師を除いた他の医療関係者のと比べて高く、経験とともに上昇する傾向があります。都道府県によって年収の差があるので注意してください。年収を上げるには関連資格を取って仕事の幅を広げたり管理職を目指したりする方法と転職の方法があり、自分に合った方法で年収アップを目指しましょう。
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