出産に関わる助産師の一日の業務内容|勤務場所や出産時期別の業務まとめ
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「助産師の1日の流れを知って仕事へのイメージを膨らませたい」
「助産師って具体的にどのような仕事を任されるの?」
このような悩みはありませんか?
本記事では、出産に関わる助産師の1日の流れと具体的な業務内容を解説します。
助産師の業務内容を理解しておけば、自分が助産師の仕事に向いているか判断できるようになるでしょう。
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1.助産師の1日の主な業務内容
ここでは、助産師が行う1日の業務内容を解説します。
情報収集・夜勤からの引継ぎ確認
助産師の1日は情報収集、夜勤からの引き継ぎから始まります。自分の担当患者様の情報を整理し、業務に備えなければなりません。この作業を申し送りと言います。
情報収集は、患者様との信頼関係を構築するうえでも大切な業務です。身体的・精神的に負担を抱える患者様に、適切な対応を行うためにも欠かせません。
病院によって申し送りの方法は異なりますが、ナースステーションで行われたり、患者様の前で行ったりします。
病棟・外来業務
助産師の業務内容は「病棟」と「外来」で異なります。
病棟の助産師は、入院中の妊婦さんのサポートや分娩の介助、帝王切開など術後のケアなどが主な業務です。
外来の助産師は、主に妊婦さんの健診や診察などを行います。具体的には、腹部計測や胎児心拍の確認、腹部超音波検査、内診などです。
他にも、妊婦さんの健康管理や妊娠期間中の過ごし方、服装などについてアドバイスもします。
つまり、「病棟の助産師」は入院している患者様のサポートをし、「外来の助産師」は診察や検査が主な業務です。
リーダー業務(リーダーの人の場合)
助産師として経験を積み、ひと通りの業務が行えるようになれば、リーダー業務を任されます。助産師のリーダー業務は、職場によっても異なる場合が多いです。
一般的なリーダー業務では、チームメンバーに業務を振り分けたり、医師や薬剤師などに連絡して必要な検査や処置を依頼したりします。
また、助産師リーダーは積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。時には、チームメンバーが悩んでいるときや困っているときに手助けする役割もあります。
メンバー業務
メンバー業務では、出産介助や産後のケア、赤ちゃんの健康管理が主な業務です。出産介助は、母子ともに健康な出産に導くようにフォローする役割があります。
例えば、妊婦さんの心身のサポートをするために、マッサージや足湯、呼吸法の促しなどを行います。
赤ちゃんにも同様に、呼吸状態は正常か、体温調整が適切に行えているかなどを観察するのも重要な業務です。
産後ケア
出産後の女性は、慣れないことや不安なことが多いうえ、身体が元の状態に戻るまで時間がかかります。そのサポートをするのが「産後ケア」です。
具体的には、以下のようなサポートを行います。
- 授乳支援
- 心のケア
- オムツ替えなどの育児指導
- 赤ちゃんのお世話と育児サポート
- 周囲のご家族やパートナーのサポート
助産師はこれらのサポートを通して、出産後の女性と赤ちゃんが元気に過ごせるように支えるのが役割です。
母乳外来
母乳外来とは、母乳育児に関する悩みや疑問、不安に対してアドバイス・サポートする相談機関です。総合病院や産婦人科クリニック、助産院、母乳相談室などで業務を行います。
具体的には、乳房トラブルや授乳のコツ、母乳の飲ませ方の指導、乳房マッサージなどが主な相談内容です。
母乳外来の助産師は、母乳育児に困っている女性の頼りになる存在といえるでしょう。
業務記録作成・夜勤へ引継ぎ作業
助産師がその日に行った業務をカルテに記録します。その記録をもとに夜勤助産師が情報収集するため、わかりやすく簡潔に記載するのが大切です。
自分の担当患者様の状態や処置の進行状況、夜間時に注意することなどを夜勤助産師に報告します。患者様の状態はその日によっても異なるため、お産の進み具合や入院者の有無などの情報は夜勤助産師にとって重要な情報です。
スカウトサービス登録はこちら2.助産師の一般的な1日の流れ
ここでは、助産師の1日のスケジュールを解説します。
朝(8:30~13:00)
助産師が出勤して最初に行う業務は、情報収集と夜勤スタッフからの引き継ぎの確認です。自分の担当者の健康状態を確認し、前日までとの状況の変化やケア計画について情報を集めます。
助産師の業務は日によって異なるのが一般的です。業務には、リーダー業務やメンバー業務、外来業務などが挙げられます。
昼 (13:00~14:00)
昼休憩後は、日中と同じく担当業務に戻ります。病棟の助産師であれば、入院している母子の産後ケアや出産業務、入院受け入れの業務などが主な業務です。
外来の助産師の場合は、妊婦さんの健診や診察を行います。
夕(14:00~16:00)
夕方の時間帯は、業務の合間30分程度でカンファレンスを行うことも少なくありません。カンファレンスでは、患者様の治療方針や状況を医師や薬剤師、理学療法士などと共有し、意見交換を行います。
記録・引継ぎ (16:00~17:00)
その日に行った業務や得た情報を記録し、夜勤の助産師に患者様の情報や業務を引き継ぎます。病棟の場合、忙しさは日によって異なるため、分娩が多い日や緊急で手術が入った日は残業になることが多いです。
外来の場合は基本的に夜勤がないため、退勤時間になれば翌日の診察の準備をして退勤します。
スカウトサービス登録はこちら3.助産師の1日の業務内容:勤務場所別
ここでは、助産師の1日の業務内容を、勤務場所別で見ていきましょう。
総合病院の場合
総合病院の場合、病院の運営や方針によっても助産師の業務内容が異なり、分娩担当や産褥担当、妊婦担当・新生児担当など仕事が細分化されています。特に、診療所では対応できないようなリスクのある出産ケースを扱うのが特徴です。
例えば、妊娠合併症や妊娠高血圧症候群、切迫早産で入院している妊婦さんのケアなどさまざまなケースに対応します。
また、少子高齢化の影響による分娩数の減少で、出産を終えた方のケアや助言、相談業務をメインとしている病院もあります。
総合病院の1日のスケジュールは以下のとおりです。
08:30 | 情報収集、外来の妊婦さんの診察。病棟の場合は入院している方のケア |
---|---|
12:00 | お昼休み |
13:00 | 出産介助や入院受け入れ業務、カンファレンスなど |
16:30 | 業務記録・夜勤引き継ぎ |
前述したとおり、病院によっても助産師の業務内容は異なるため、自分がどのような助産師を目指しているのかを明確にしておきましょう。そのうえで、目指す助産師と病院の方針に合った場所を選ぶことが大切です。
診療所の場合
診療所は19床以下の医療機関のことで、クリニックともいいます。ベッド数が少ないため、助産師を含めたスタッフ数が少ないのが特徴です。
そのため、診療所の助産師は低リスクの分娩や正常分娩、帝王切開などに対応している場合が多いです。
出産介助がない場合は、乳房のケアや授乳介助、外来業務、相談業務などをこなします。
診療所では、妊婦さん一人ひとりに合った対応が求められ、そのためには豊富な知識と判断力が必要です。スタッフ数が少なく時間に追われることも多いため、比較的経験が豊富な助産師が向いています。
診療所の1日のスケジュール例は以下のとおりです。
9:00 | 情報収集 |
---|---|
9:30 | 診察補助、沐浴指導や授乳指導などを行う |
12:00 | お昼休み |
13:00 | 授乳介助や母親学級の開催など |
16:30 | 業務記録・夜勤引き継ぎ |
助産院の場合
助産院は正常分娩のみに対応している医療施設です。助産師が開業しており、自然なお産ができるようにサポートしたり、食事や生活のアドバイス・相談業務を行います。
助産院では、健診から産後ケアまでを同じ助産師が担当するため、病院や診療所よりもリラックスした雰囲気の中で出産ができることが多いです。
また、出産を取り扱わない助産院の場合は、育児や母乳トラブルのアドバイスや相談、産後ケアなどの業務が多くなります。
助産院の中には、子育ての孤立を防ぐ助産師常駐のカフェラウンジや、産後ショートステイを行っているケースもあります。
助産院の1日のスケジュール例は以下のとおりです。
8:30 | 情報収集 |
---|---|
9:00 | 妊婦さんの健診、入院中の母子のケア |
12:00 | お昼休み |
13:00 | 産後ケアや出産介助 |
16:00 | 業務記録・夜勤引き継ぎ |
4.助産師の1日の業務内容:出産時期別
助産師の業務内容は、以下のような出産時期によっても異なります。
出産前の場合
出産前の妊婦さんは、さまざまな状況の変化によって精神的に不安定な状態です。助産師は、そのような方の心のケアをしたり、相談を受けて不安を取り除いたりする役割があります。
具体的な業務内容は以下のとおりです。
- 妊娠の検査・診断
妊婦さんの問診や尿検査、エコーなどで赤ちゃんが健康に育っているか検査・診断を行います。異常があれば迅速に担当医に報告し、医師との連携を図るのも大切な役割です。 - 保健指導や精神的なケア
安定した妊娠生活を過ごせるように、健康管理や生活指導、運動方法について指導します。精神的に不安定な状態にある妊婦さんの悩みや不安を解消するのも大切な業務です。 - 母親学級
母親学級はこれからママになる妊婦さんに向けて、妊娠・出産・子育てに必要な情報を提供します。例えば、妊娠中の過ごし方や栄養指導、沐浴、育児指導などです。
このような業務を通じて、出産前の妊婦さんに対してサポートする役割があります。
出産時の場合
助産師が出産時に求められる役割は、正常な状態で出産の介助を行うことです。万が一、出産前に異常が発見された場合は、医師と連携し、母子の命を最優先で守らなければなりません。
分娩進行中に異常を発見することは、安全な状態で出産を終えるために非常に重要です。そのため、助産師として働き始めるまでの期間、正常分娩の経過について知識とスキルをしっかり身につけ、助産診断を行えるようにしておきましょう。
出産後の場合
出産後は、母親の身体が元の状態に戻るまで健康管理をしたり、赤ちゃんの成長具合を確認したりします。
育児に関して不安を抱く母親からの相談や、育児に関するアドバイスを行うのも大切な業務の一つです。
また、出産後すぐの2日程度は母乳がほとんど出ない場合もあります。そのため、授乳介助や乳房マッサージを行い、乳房トラブルを防ぐ役割も求められるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.まとめ
本記事では、出産に関わる助産師の1日の業務内容を解説してきました。
具体的な業務内容は、
- 情報収集・夜勤からの引き継ぎ
- 病棟・外来業務
- リーダー業務
- メンバー業務
- 産後ケア
- 母乳外来
- 業務記録の作成
などが挙げられます。出産前後のケアや新生児のケアなどは、専門的な知識やスキルが求められます。
助産師の業務は働く場所や状況によっても異なるため、どういった助産師を目指すのかを明確にしておくのが大切です。
そのうえで実際の業務内容をイメージしつつ、働く場所の方針と目標が合っているかを確認して就職・転職を目指しましょう。
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