プライマリーナースは新人でもなれる!メリット・デメリットを解説!
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プライマリーナースは、1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで責任を持ち、ケアを提供する看護師です。
本記事では、プライマリーナースの概要やメリット・デメリット、キャリアプランなどを解説します。
プライマリーナースを採用している病院やクリニックへの就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.プライマリーナースとは
プライマリーナースとは、1人の看護師が1人の患者様の入院から退院までを、責任を持って継続的にケアする看護師です。この看護方式は「プライマリーナーシング」と呼ばれています。
最大の利点は、患者様それぞれに適した看護を提供できることです。1人の看護師が患者様を担当することで、個々のニーズに合わせたケアを行うことが可能となります。
また、この方式では看護師が主体性や専門性を活かす機会が増えるため、質の高い医療サービスを提供することが期待されます。
スカウトサービス登録はこちら2.プライマリーナースの役割
プライマリーナースの役割は以下の3つです。
- 看護計画の立案:患者様の状態に適した看護計画の立案
- 看護の実践:看護計画に則って看護を実践
- 看護計画の評価:実践した看護を評価・修正
1人の看護師が24時間ケアするわけにはいかないため、担当が休みの日は、他の看護師が対応しなければなりません。他の者でも適切なケアができるように、立案した看護計画をもとにケアを行います。
スカウトサービス登録はこちら3.新人でもプライマリーナースを担当する
新人の看護師でも、プライマリーナースの役割を果たすことがあります。その際は全てを単独で担当することはありません。ほとんどの病院では、経験豊富な看護師の指導のもとで、患者ケアに関する教育制度が整えられています。
さらに、チームナーシングやPNSなどのシステムを導入している病院では、新人看護師には複数の先輩が支援を行うことがあります。
プライマリーナースが不在の時はアソシエイトナースが受け持つ
1人の看護師が患者様を専任するといっても、24時間体制での対応は不可能です。そのため、担当看護師が不在の際には、「アソシエイトナース」がその役割を引き継ぎます。
アソシエイトナースは、担当看護師の代わりに看護業務を遂行したり、情報を共有したりする責任があります。また、業務を円滑に進めるためには、定期的な患者情報の共有が欠かせません。
スカウトサービス登録はこちら4.プライマリーナースのメリット・デメリット
ここでは、プライマリーナースを採用するメリット・デメリットを解説します。
メリット
主なメリットは以下のとおりです。
- 患者様と信頼関係を築きやすい
- 担当看護師が1人の患者様を入院から退院まで一貫してケアできる
- 看護師のスキルアップにつながる
- 患者様の安心感につながる
- 責任の所在が明確になる
主な利点は、1人の看護師が1人の患者様を入院から退院まで一貫してケアできることです。これにより、患者様との信頼関係が深まり、寄り添ったケアが提供できます。
また、同じ看護師が担当することで、患者様は安心感を得られます。一貫した看護が行われることで、患者様の状態の変化に迅速に対応でき、病気の早期発見が可能となるでしょう。
デメリット
主なデメリットは以下のとおりです。
- 看護師の経験年数や技術によってケアの質に差が出る
- 看護師と患者様の相性が合わない可能性がある
- 看護師1人の責任が大きくなる
入院から退院まで責任をもって対応できる一方で、患者様との相性が合わない可能性があります。
担当する患者様との関わりが多くなる分、人間関係の影響も大きくなる点がデメリットです。
コミュニケーションをうまく取ることができれば信頼関係を築き、悪くなればクレームに繋がってしまうでしょう。
プライマリーナースは他の看護師と情報交換しつつ、看護の質に差がでないようにすることが大切です。
5.プライマリーナースに向いている人・向いていない人
プライマリーナースに向いている人の特徴はどのようなものなのでしょうか。ここでは、向いている人、向いていない人の特徴を解説します。
向いている人
患者様やそのご家族とのコミュニケーションにより、ニーズを把握し、個別性の高いケアを提供しなければなりません。そのため、1人の患者様やご家族の気持ちに寄り添える方は向いています。
また、患者様の入院から退院までを一貫して担当するため、最後まで責任をもって対応できる人が求められます。
患者様やご家族に寄り添ってコミュニケーションを取ることができ、最後まで責任をもって、適切な看護を提供できる方が向いているでしょう。
向いていない人
1人の患者様とじっくり関わるより、幅広く経験を積みたい方には不向きかもしれません。
患者様の入院から退院までを1人で担当するため、経験できる症例が偏る可能性があります。
また、プライマリーナースとして看護を提供するためには、患者様と信頼関係を築いていくことが必要です。
コミュニケーション能力に自信がない方も向いていない人の特徴に当てはまるでしょう。
6.プライマリーナース以外の看護方式
ここでは、プライマリーナース以外の看護方式を解説します。
チームナーシング
病棟に勤務する看護師を複数のチームに分け、1人の患者様の入院から退院までをチームで対応する看護方式です。アメリカで開発された看護方式ですが、現在では日本の病院でも多く採用されています。
チーム分けは看護師の能力や経験、専門分野によって決められることが多く、役割分担をしながら患者様に看護を提供します。
そうすることで、経験が浅い新人看護師でも、チームのフォローを受けながら経験を積むことが可能です。
【チームナーシングのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・患者様に一定水準の看護を提供できる ・新人看護師でも効率的に経験を積める ・チーム制のため、1人にかかる負担を軽減できる |
・リーダーの能力によってチームの良し悪しが分かれやすい ・リーダーの負担が大きい ・情報共有の徹底が不可欠 |
モジュールナーシング
プライマリーナーシングとチームナーシングの良い部分を合わせた日本独自の看護方式です。
1つの病棟の看護師を2つ以上のチームに分け、さらにメンバーを数名ずつの単位(モジュール)に分割し、一定数の患者様の入院から退院までを担当します。
モジュールナーシングは、プライマリーナーシングほど看護師1人あたりの業務負担が大きくなく、チームナーシングよりも1人の患者様のケアに集中できます。
【モジュールナーシングのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・患者様が受ける看護に偏りが少ない ・看護師の能力差をリーダーがカバーしやすい ・患者様の回復過程を一貫してみられる |
・リーダーに負担がかかりやすくなる ・責任の所在が明確ではない ・受け持ちの変更が自由に行えない |
固定チームナーシング
一定期間(半年〜年単位)メンバーやリーダーを固定するチームナーシングです。
チーム内のメンバーが固定されるため、看護師同士の信頼関係も築きやすく、よりチームワークを発揮できます。
1人の患者様に1人の看護師が担当する点は、プライマリーナーシングと同様です。しかし、固定チームナーシングでは、担当看護師が不在のときでもチーム内で支え合うことができます。
【固定チームナーシングのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・協調性を発揮できる ・担当看護師の不在時でもチームで患者様の状況を把握できる ・担当看護師がはっきりしているため、患者様が安心できる |
・メンバー内の看護師が異動や退職した場合、業務に支障が出やすい ・幅広い知識の習得が難しい |
パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)
パートナーシップ・ナーシング・システムとは、2人の看護師が良きパートナーとなり、互いの特性を活かして複数の患者様に看護を提供する看護方式です。
パートナーシップ・ナーシング・システムを単独で採用している病院は少なく、他の看護方式と組み合わせて利用されています。
2人1組のパートナーが基本ですが、新人看護師が加わる場合は先輩看護師2名+新人看護師1名の3人体制で組む医療施設も多いです。
常に2人以上のパートナーで対応するため、新人看護師はもちろん、ブランク明けの看護師にも安心できる看護方式といえるでしょう。
【PNSのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・2人1組なので業務負担が少ない ・新人やブランク明けの看護師でも安心できる ・パートナーから刺激を得やすくなり、モチベーションの維持・向上につながる |
・看護師の増員が必要 ・責任の所在が曖昧になりやすい ・ベテラン看護師の業務負担が大きくなりがち |
セル看護提供システム
セル看護提供システムとは、看護師全員が均等に患者様を担当し、看護業務の無駄を徹底的に排除した病室内で完結させる看護方式です。
つまり、常に患者様のそばに看護師がいる状況であり、患者様はナースコールを押さなくてもその場にいる看護師に伝えることができます。
また、看護師はナースステーションに戻る必要がないため、常に迅速な対応ができる点もメリットです。
セル看護提供システムを採用している病院は少ないですが、働き方改革が重要視されるようになってから徐々に増えつつあります。
【セル看護提供システムのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・患者様の変化にすぐ気づける ・動線の無駄を省き、業務効率化を図れる ・病室に複数の看護師がいる安心感 |
・緊急処置などが発生した場合は業務量に差が出る |
7.プライマリーナーシングとその他の看護方式の違い
前章では、プライマリーナーシング以外の看護方式について解説しました。ここでは、それぞれの特徴をまとめたものを下表で紹介します。
看護方式の種類 | 特徴 |
---|---|
プライマリーナーシング | 1人の看護師が1人の患者様の入院生活を一貫して担当する看護方式 |
チームナーシング | ・複数の看護師が1つのチームを組み、チームで複数の患者様を受け持つ ・リーダーがチームの調整を行い、メンバー間で役割分担や情報共有を行う |
モジュールナーシング | ・病棟内の看護師を2つ以上のチームに分け、さらにそのメンバーで小規模なチームを組み、患者様の入院から退院までを担当 ・チームナーシングとプライマリーナーシングを組み合わせた看護方式 |
固定チームナーシング | ・メンバーとリーダーを一定期間固定し、チーム全体で患者様をケアする看護方式 ・月〜年単位でチームメンバーが固定されている |
パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS) | 2人の看護師がペアを組み、1人の看護様をケアする看護方式 |
セル看護提供システム | ・病室単位で看護師がチームを組み、ケアを担当する看護方式 ・病室に複数の看護師を配置するため、業務の無駄を取り除ける |
看護方式には看護師1人で患者様を担当し、個別的な看護を提供する方式もあれば、チームで患者様を担当する看護方式があります。
病院の中には、それぞれの看護方式のいいとこどりをした独自の看護方式を採用しているところも多いです。
8.プライマリーナーシングとその他の看護方式を併用する
病院によっては、プライマリーナーシングと他の看護方式を併用した方法を採用している場合もあります。ここでは、プライマリーナーシング併用型の例を見ていきましょう。
プライマリーナーシング×チームナーシング
プライマリーナースが勤務している時は担当の患者様を担当し、不在時はチームメンバーが代わって患者様のケアにあたる方法です。固定チームナーシングに似た方式といえます。
ある程度メンバーが固定されていることで、チーム内で情報共有がしやすく、効率的な看護ケアを実践できる点がメリットです。
PNS×プライマリーナーシング
PNS×プライマリーナーシングは、ペアになっている看護師がそれぞれ担当している患者様の看護を2人で行う方法です。2人で業務を進めるため、安心感があります。
基本的にプライマリーナースは、担当患者様をメインで看護を行いますが、ペアの看護師と相談しながら業務を行うことも多いです。
夜勤やその日の勤務状況によっては、担当以外の患者様を受け持つこともあるでしょう。
9.プライマリーナースのキャリアプラン
プライマリーナースとして幅広い経験を積んでいけば、医療業界で重宝されやすくなります。ここでは、プライマリーナースのキャリアプランについて解説します。
1~2年目は看護師としての基礎を身に着ける
プライマリーナースの1〜2年目は、看護師としての基礎知識や技能を身につける期間です。1年目から1人で担当の患者様を受け持つことは少なく、先輩看護師がつきながら経験を積んでいきます。
この期間は、プライマリーナースとして何を求められているのか、何をするべきなのか、どのような知識が必要なのかを考えながら行動することが大切です。
業務の中で周囲からの信頼を得ながら、先輩看護師のアドバイスや行動を参考にして知識を身につけていきましょう。
3~5年目はリーダーとして活躍する
3〜5年目になれば、リーダーとして新人看護師を教育・指導することもあります。リーダーになると自身の業務だけでなく、新人や他の看護師の相談を聞いたり、指示を出したりしなければなりません。
プライマリーナーシングでもチーム力は必要なので、リーダーの能力も問われます。リーダーの経験を積みながら専門性を身につけ、今後のキャリアプランや方向性を考えていく時期といえるでしょう。
5年目以降自身の適性を選ぶ
5年目以降は十分な経験を積んでいるプライマリーナースとして「スペシャリスト」や「ジェネラリスト」の道に進むことになります。
スペシャリストは特定の専門分野を極めた看護師です。「認定看護師」や「専門看護師」などの資格が当てはまります。
一方のジェネラリストは特定の分野や働く場所にとらわれず、幅広い患者様に質の高い看護を提供する者です。
どちらが適性なのかは、「学びたい専門分野があるか」または「幅広い領域で学びたいか」などによって決まります。
プライマリーナースとして経験を積みながら、自身の適性を選ぶとよいでしょう。
10.プライマリーナースの目標
プライマリーナースの目標は、患者様一人ひとりに合わせた看護を提供することです。そのため、看護師1人が受け持つ患者様の人数は多くても5人程度です。
1人の看護師が担当患者様を受け持つことで、より適切な看護を提供できるようになります。
個別性に優れたプライマリーナーシングは、患者様の情報収集を常に行い、看護計画や日々の看護に反映させていくことが大切です。
11.まとめ
プライマリーナースは、1人の看護師が1人の患者様の入院から退院までを受け持つ看護方式のことです。患者様との信頼関係が築きやすいため、一人ひとりに寄り添った看護を提供できます。
その分、責任感ややりがいを感じられる反面、看護師によって看護の差がでやすいデメリットがあります。
プライマリーナースとして働きたい方は、求人情報やホームページなどでプライマリーナーシングを採用しているかを確認しましょう。
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