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OTC医薬品とは何か|種類と販売方法について解説

  • 更新日
投稿者:小松 和貴

OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアで医師の処方箋なしで購入できる「一般用医薬品」のことです。ドラッグストアの求人に「OTC販売」という言葉がでてくるため、気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、OTC医薬品の基礎知識や販売方法について解説します。ドラッグストアへの転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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1.OTC医薬品の基礎知識

ここでは、OTC医薬品の基礎知識や他の医薬品との違い、注意点などを解説します。

処方箋なしで購入できる医薬品

OTC医薬品とは、医師の処方箋なしでも調剤薬局やドラッグストアなどで購入できる「一般用医薬品」と「要指導医薬品」のことです。OTCは「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で、薬を対面販売することを意味しています。

調剤薬局やドラッグストアの登録販売者や薬剤師などから適切な情報提供を受け、本人が自己責任・自己判断で購入する薬です。
現在、一般用医薬品に関してはインターネットなどの通信販売が認められています。

医療用医薬品との違い

医療用医薬品は、病院やクリニックなどで医師が診断したうえで処方する医薬品です。OTC医薬品は薬局やドラッグストアで、購入者が自己責任で購入・使用する医薬品をいいます。

OTC医薬品は幅広い年齢層・性別・症状の方が使用することを前提として製造や承認、販売されているのが特徴です。
厚生労働省の資料によると、医療用医薬品と一般用医薬品の比較について下表のように記載されています。

医療用医薬品

一般用医薬品

定義

医師もしくは歯科医師が使用・指示によって使用されることを目的とした医薬品

薬局などで購入し、本人の判断で使用する医薬品

承認審査上の違い

医師の管理が必要な治療・予防に使用されることを前提に有効性・安全性を比較考慮して審査される

一般の人が購入することを前提に、有効性、特に安全性を重視して審査される

効能・効果

胃潰瘍や胃炎など、医師の診断・治療による疾患名

胃痛や胸やけなど、一般の人が自ら判断できる症状

用法・用量、剤型

用法や剤型に特に制限はない

・一般の人が使いやすい剤型
・用量は、医療用の範囲内

使用上の注意

医療関係者が見やすく、わかりやすいもの

一般の人に理解しやすいもの。症状の改善がみられない場合は服用の中止、医師などに相談することを記載する

出典:厚生労働省|医療用医薬品と一般用医薬品の比較について

サプリメントとの違い

サプリメントとの大きな違いは、医薬品は主に病気の方が使用し、サプリメントは健康を意識した方を想定して販売されている点です。薬機法でも、医薬品(医薬部外品含む)以外の飲食物を「食品」と区別しています。

そのため、OTC医薬品は「医薬品」、サプリメントは「食品」です。OTC医薬品は症状の緩和や肉体疲労時の栄養補給などを目的としており、サプリメントは食生活における栄養を補うために使用されるものとされています。
それぞれ摂取する目的が異なる点には注意しましょう。

OTC医薬品の必要性

OTC医薬品の存在により、医師の診療や待ち時間がなくても、身近な場所で薬を購入できます。病院に行く手間や費用を抑えられる点もメリットです。

WHOの定義では、自分自身の健康に責任をもち、軽度な症状は自分で手当することを推奨しています。そのため、軽度の症状に対処するために、OTC医薬品は便利に活用できるのです。

OTC医薬品の注意点

OTC医薬品は安全性が重視された医薬品ですが、副作用がないわけではありません。配合剤など複数の有効成分が配合されている場合は、薬の重複が起こりやすく、相互作用に注意する必要があります。

医師から処方された薬を服用している方は、飲み合わせの問題や使用してはいけない薬もあるでしょう。特に持病がある方や妊婦、授乳中の方、治療中の方などは薬を購入する際には注意しなければなりません。

そのため薬剤師には、正しい知識や情報が得られるような「気軽に相談できる環境づくり」が求められています。

セルフメディケーションの観点からも重要

セルフメディケーションとは、世界保健機関(WHO)において「自分自身の健康に責任をもち、軽度な症状は自分で手当すること」と定義されています。
つまり、軽度の症状はOTC医薬品を利用しながら体調管理を行い、自分の健康は自分で守るということです。

2017年からは「セルフメディケーション税制」が導入され、特定成分を含むOTC医薬品が控除の対象となっています。一部のOTC医薬品の購入費用については、所得控除を受けられる制度です。

今後もOTC医薬品の市場規模は拡大していくと予想されており、セルフメディケーションの観点からも重要になるといえるでしょう。

スイッチOTCとの違いとは?

スイッチOTCとは、これまで医師の処方で使用されてきた医療用医薬品のうち、副作用が少なく安全性の高いものをOTC医薬品に転用したものをいいます。医療用医薬品と同じ成分なので、より効果の高い薬が購入できるようになっています。

スイッチOTC医薬品の登場により、医療機関を受診せずに購入できるようになり、忙しい方にとってはメリットです。
また、スイッチOTC医薬品などの市販薬を利用してセルフメディケーションを行うことにより、医療費の削減にもつながります。

ただし、スイッチOTCはもともと医療用として使われていたものなので、正しく使用しなければ副作用などの健康被害が発生する可能性もあります。
使用時の注意点や正しく使用するように、薬剤師などは購入者にしっかり説明しましょう。

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2.OTC医薬品の4タイプについて解説

OTC医薬品には、以下の4種類に分類できます。

  • 要指導医薬品
  • 第1類医薬品
  • 第2類医薬品
  • 第3類医薬品

それぞれの特徴についてみていきましょう。

要指導医薬品と一般用医薬品の違い

OTC医薬品は大きく「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分類され、さらに一般用医薬品は第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品の区分があります。

要指導医薬品は、医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの医薬品のことです。市販薬として転用されたばかりの要指導医薬品は、取り扱いに十分な注意が必要なので、必ず薬剤師から対面での指導や情報提供を受ける決まりになっています。

要指導医薬品として販売してから原則、3年経過して安全性に問題がなければ一般用医薬品に移行されます。
一般用医薬品は、医療用医薬品よりも薬の有効成分が少なく、効果を抑えめに製造されているのが特徴です。

一般用医薬品はインターネットでも購入できますが、要指導医薬品は薬局やドラッグストアで薬剤師からの対面でしか購入できません。

OTC医薬品が4タイプに分類されている理由

OTC医薬品が4タイプに分類されている理由は、薬をより安全・適切に使用できるようにするためです。OTC医薬品は医師の処方なく本人が選んで購入できるため、服用上の注意度合いをランク付けして分類しています。

薬剤師のみが扱える「要指導医薬品」「第1類医薬品」と、登録販売者でも販売できる「第2類医薬品」「第3類医薬品」です。
それぞれの分類によって、販売時のルールや情報提供の必要性が異なります。

要指導医薬品

要指導医薬品は、OTC医薬品として初めて市場で販売されるものです。OTC医薬品の中で最も使用方法の難しさ、副作用の注意度が高いといえます。

その取り扱いには十分に注意する必要があることから、薬剤師が需要者の提供する情報を聞くとともに、対面による書面での説明義務があります。

そのため、インターネットなどでの販売は行われていません。生活者が薬局などで購入する場合も、すぐには手の届かない場所に陳列されるようになっています。

第1類医薬品

第1類医薬品は一般用医薬品のなかで、最も副作用が生じる可能性の高い医薬品のことです。効果が期待できる分、副作用の恐れもあるため、特に取り扱いに注意しなければなりません。

第1類医薬品を販売できるのは原則、薬剤師のみです。販売時には購入者に対して、書面による薬の情報提供を行う必要があります。

ただし例外として、「薬剤師の管理・指導のもと」という条件下に限っては登録販売者や一般従事者でも第1類医薬品の販売が可能です。

第2類医薬品

一般用医薬品のなかで、日常生活に支障が出るほどの副作用の恐れがある医薬品のことを指します。市販されている一般用医薬品のうち、多くが第2類医薬品です。

また、第2類医薬品の中でも特に取り扱いに注意が必要なものは「指定第2類医薬品」となっています。
指定第2類医薬品の販売方法に関しては、してはいけないことの確認や薬剤師へ相談を促す掲示などを行わなければなりません。

第2類医薬品の販売条件は、薬剤師または登録販売者が常駐している薬局などであれば、販売できます。生活者が購入する際の情報提供は努力義務となっています。

第3類医薬品

第3類医薬品は、前述した第1類・第2類医薬品以外の一般用医薬品のことです。副作用の危険性は最も低い分類になります。

そのため、第3類医薬品には置く場所の指定もなく、インターネット販売も可能です。
販売時に薬の説明をする法的義務も存在しません。

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3.OTC医薬品の販売方法について解説

OTC医薬品の分類によって、販売方法は異なります。ここでは、OTC医薬品の販売方法や販売できる資格者についてみていきましょう。

要指導医薬品と第1類医薬品の販売方法

要指導医薬品と第1類医薬品は、生活者が気軽に購入できる薬ではありません。製品はレジの後ろにある棚や鍵のかかったケースなどに陳列されています。

店頭には空箱が陳列されていることが多く、薬剤師からの対面による書面にて、使用方法や注意点などを受けてから購入する必要があります。要指導医薬品はインターネットで販売できませんが、第1類医薬品はインターネット販売が可能です。

なお、要指導医薬品を購入できるのは、使用者本人のみです。

第2類医薬品と第3類医薬品の販売方法

第2類医薬品と第3類医薬品は、店頭で直接手に取って購入できます。薬剤師だけでなく登録販売者も販売でき、インターネットでも販売できるのが特徴です。

第2類医薬品は販売者からお客様への説明は努力義務ですが、第3類医薬品は法律上の規定はありません。
ただし、副作用が全く起こらないわけではないため、薬剤師や登録販売者へ相談を促すことは大切でしょう。

販売できるのは薬剤師もしくは登録販売者資格保有者

医薬品の販売ができるのは、薬剤師もしくは登録販売者の資格を保有している者だけです。薬剤師はすべての薬を調剤・販売が可能ですが、登録販売者に関しては第2類医薬品と第3類医薬品のみ取り扱うことができます。

日本の医薬品の約9割は第2類医薬品と第3類医薬品なので、登録販売者の資格があれば医薬品の約9割を販売できることになります。
薬剤師と登録販売者の違いについては、下表を参考にしてください。

薬剤師

登録販売者

薬の専門家

国家資格を保有した薬の専門家

都道府県知事が資格認定した薬の専門家

扱える薬の範囲

全ての医薬品を取り扱える

第二類医薬品、第三類医薬品のみ取り扱える

調剤業務

できる

できない

資格取得の条件

薬学系の大学に入学して6年間専門知識を学び、薬剤師国家試験に合格する必要がある

各都道府県で行われている試験に合格する必要がある

商品があっても資格保有者がいなければ販売不可

医薬品の中には、資格保有者がいない時に購入できない商品があります。それが、生活者の手の届く範囲に商品を置くことができない「要指導医薬品」と「第1類医薬品」です。

これらの医薬品は副作用や飲み合わせなどの安全上、薬剤師からの説明を受けたうえで購入することが義務付けられています。
また、薬剤師からの説明義務がない第2類・第3類医薬品でも、薬剤師・登録販売者がいなければ販売できません。

OTC医薬品を販売する店舗が守るべきルール

OTC医薬品を販売する店舗では、以下のようなルールを守って営業しています。

  • 薬剤師などの専門家が関与した上で販売する
  • 医薬品を販売している店舗だと明確にわかるようにする
  • 販売許可証を提示する
  • 購入者から対面での相談があった場合は必ず対応する
  • 店舗の所在が明確にされていること
  • 名札などで誰が専門家かわかるようにする
  • 分類ごとに分けて陳列する
  • 要指導医薬品と第1類医薬品は手の届かない範囲に置く

このように、購入者が混乱しないような配慮が必要です。また、インターネット販売を行う店舗は、原則、実店舗を週30時間以上、午後10時から午前5時以外の時間帯に週15時間以上、医薬品の販売を行うために開店することを目安とします。

OTC医薬品を販売するポイント

OTC医薬品を販売するにあたって確認すべきポイントは以下のとおりです。

お客さんの情報を確認する

OTC医薬品を販売する際、適切な商品をお客様に選んでもらうためには、お客様の基本情報を把握する必要があります。
例えば、以下のような情報です。

  • 年齢
  • 他の医薬品の使用状況
  • 妊娠の有無・授乳の有無など
  • 現在かかっている疾病名
  • 医療機関の受診有無
  • アレルギーの有無
  • 薬剤・医薬品による副作用の経験 など

医薬品によっては飲み合わせが禁止されているものや、妊娠中は使用できない医薬品などがあります。そのため、医薬品を販売するうえで、お客様の基本情報は確認しておかなければなりません。

出典:厚生労働省|医薬品の販売区分及び販売方法について

販売するOTC医薬品に関する情報

お客様の基本情報を確認したあとは、適切な医薬品を選び、情報提供しましょう。
例えば、以下のような医薬品の情報を伝える必要があります。

  • 医薬品の名称
  • 用法・用量
  • 効能・効果
  • 有効成分の名称や分量
  • 使用上の注意
  • その他、必要事項

これらの情報を薬剤師や登録販売者は、わかりやすく説明することが大切です。間違った飲み方を防ぐためにも、用法・用量や使用上の注意点などは理解してもらいましょう。

出典:厚生労働省|医薬品の販売区分及び販売方法について

要指導医薬品は1回1箱

要指導医薬品は、使用者の症状に対して適切な薬を提供するために、必要最小限の量(原則1人1箱)を販売することが決められています。要指導医薬品は副作用や飲み合わせの危険性が高いため、購入する際は必ず薬剤師からの書面による説明が必須です。

薬剤師は使用者の基本情報を確認し、症状に合った適切な医薬品を勧める必要があります。購入した医薬品を使用しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診するよう勧めることも大切です。

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4.まとめ

OTC医薬品は、医師の処方箋なしでも販売できる「一般用医薬品」「要指導医薬品」のことです。医療機関に受診に行く必要がないため、待ち時間なく身近な場所で薬を購入できます。

ただし、副作用や飲み合わせの問題もあるため、薬剤師や登録販売者などは適切な情報を提供できるように、医薬品に関する知識が必要です。
OTC医薬品を取り扱う薬局やドラッグストアに転職を検討する際は、本記事で解説した注意点などを理解しておくとよいでしょう。

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