介護福祉士の仕事がきついと言われる理由|原因と改善策を追求
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「介護福祉士の仕事がきついから辞めたい」
「介護福祉士の仕事がつらいときの改善策を知りたい」
このようなお悩みはありませんか?
介護福祉士のイメージを聞かれると、「きつい」「汚い」「危険」の3Kを思い浮かべる方も多いかもしれません。たしかに、きつい場面も多い仕事ですが、メリットも多い職種です。
本記事では、介護福祉士の仕事がきついと言われる理由やその改善策、仕事の魅力を解説します。内容を読めば、介護福祉士の仕事がきつい理由がわかり、自分が介護福祉士に向いているか見直すことができるでしょう。
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目次
1.介護福祉士の仕事がきついと言われる理由5選
介護福祉士の仕事がきついと言われてしまう理由はさまざまあります。ここでは、その理由を5つみていきましょう。
人材不足で忙しい
介護業界は慢性的な人手不足の状況にあり、長年この問題に悩まされています。人手不足の施設では、介護士1人あたりの業務量が多くなってしまい、仕事に辛さを感じる方も多いです。
実際に、介護労働安定センターが公表している調査結果によると、仕事の悩みや不満について「人手が足りない」が最も多い回答になっています。特に施設系で働いている方は、7割以上が「人手不足」を感じているようです。
人手不足の労働環境では、業務量が増えるだけでなく、休みが取りづらくなったり新人教育に割く時間なども減ったりします。このような労働環境から、介護福祉士の仕事がきついと言われているのです。
心身の負荷が大きい
介護福祉士が勤める介護現場は、身体的・精神的負担が大きい仕事です。利用者さんの移乗介助や入浴介助、排泄介助などの介護業務は体力を使います。中には、介助中に腰を痛めるケースもあるほどです。
また、24時間365日運営している施設形態では夜勤もあり、健康面での不安を抱えている方も少なくありません。利用者さんのほとんどは高齢者のため、さまざまな症状を抱えた方が利用しており、その対応に精神的な負担を感じる方も多いです。
給料が安い
前述したとおり、介護の仕事は心身ともに負担がかかる仕事です。しかし、その業務量と責任ある仕事の割に給料が安いと感じる方も少なくありません。
実際に、介護労働安定センターが公表している調査結果によれば、労働条件の悩みや不安は「人手が足りない」が最も高く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」と答えた方が多い結果となっています。
こうした結果を受けて政府も介護職の給料アップに努めており、年々増加しています。しかし、業務量や責任の重さからすれば、まだまだ給料が安いと感じる方も多いのが現状です。
人間関係が疲れる
介護の現場はさまざまな職種のスタッフと連携したり、幅広い年代の方が在籍していたりなど、人間関係の構築が難しい環境ともいえます。その中で、自分の考えと合わないスタッフと意見が衝突し、精神的にきついと感じる方も多いです。
前述した資料「令和4年度介護労働実態調査結果」でも、前職を辞めた理由に「職場の人間関係に問題があった」と回答した方が最も多い結果となっています。また、利用者さんの中には、介護拒否や認知症など対応が難しいケースもあり、円滑にコミュニケーションが取れないことでストレスを抱える方も少なくありません。
不規則な労働環境で生活リズムが乱れる
介護士が働く施設の多くは、シフト制が組まれます。日勤のみで働く方もいらっしゃいますが、基本的には早出・遅出・夜勤の変則的なシフトがほとんどです。
特に夜勤は拘束時間が長く、少数の介護士で多くの利用者さんに対応するため、体力的に負担も大きくなってしまいます。生活リズムも乱れがちになるため、体調を悪くする方も少なくなく、介護士の仕事をきついと感じる方も多いです。
スカウトサービス登録はこちら2.介護福祉士は人手不足が解消しない|3Kが揃っている実情
介護福祉士の慢性的な人手不足を受けて、政府も処遇改善加算など待遇をよくする取り組みを行っています。しかし、介護士の仕事は、3K(きつい、汚い、危険の頭文字をとったもの)といった労働環境のイメージも強く、なかなか人手不足が解消しないのが現状です。ここでは、3Kがどういったものか具体的に解説します。
きつい|体力・精神的にきつい
介護福祉士は要介護者の排泄介助や入浴介助、移乗介助など多くの場面で体力を使い、その負担は非常に大きいです。中には、自分よりも体重が重い利用者さんを抱えることもあり、腰を痛めるケースも少なくありません。
特に新人介護士は、仕事に慣れるまでに不安やキツさを感じ、「仕事を辞めたい」と思うこともあるでしょう。さらに、夜勤勤務がある職場では、生活リズムが乱れやすくなるため、体調を崩してしまう可能性もあります。
このような実態があり介護職は、「きつい」というイメージが強いのです。
きたない|排泄介護など慣れるまで割りきれない
介護業務の中には、おむつ交換やトイレ誘導などの排泄介助があります。この排泄介助は利用者さんをケアしていくうえで欠かせないものですが、「排泄物」に慣れない方が多いのも事実です。
排泄介助をこなして慣れる方もいらっしゃれば、何度やっても慣れず介護職から離れていく方もいらっしゃいます。また、排泄物だけでなく、食べこぼしや嘔吐物なども掃除しなければならないので、「汚い」というイメージがついているのです。
きけん|集団感染など避けられない場合がある
介護施設には、身体の抵抗力が弱い高齢者が多く生活しています。閉鎖的な環境でもあるため、インフルエンザやコロナウイルスなどの感染力の強い病気が発生しやすいです。
利用者さんの中に感染者が出れば、当然ながら介護を行うスタッフも感染するリスクは高まります。マスクや手洗いなどの対策を十分に行ったとしても感染するリスクがあるため、介護の仕事は「きけん」と言われるのです。
また、体重差のある利用者さんの介助をした際に、腰痛などの怪我を負ってしまうリスクも懸念されています。
スカウトサービス登録はこちら3.介護福祉士のメリット
前述したとおり、介護福祉士の仕事はデメリットが目立っていますが、働くメリットも多いです。ここでは、介護福祉士として働くことのメリットを5つ解説します。
未経験者でも求人案件が豊富
介護福祉士になるためには実務経験3年以上必要ですが、未経験でも働くことができる職種です。もちろん、介護福祉士の方が求人案件は豊富ですが、介護の未経験者にも求人は多数あります。
未経験の状態で入職し、働きながら初任者研修や実務者研修、その後に介護福祉士の資格を取得する方も多いです。ただし、無資格の方が介護施設に入職し、身体介護をする場合は、事業所に所属している介護福祉士の指示のもと介護を行わなければなりません。
また、訪問介護では基本的に1人で介護を行うため、無資格者は身体介護を行うことができないようになっています。施設形態にもよりますが、未経験者でも求人案件が豊富な点はメリットといえるでしょう。
介護の知識やスキルが身につく
国家資格でもある介護福祉士になるためには、介護の専門的な知識と高いスキルが必要です。前述したとおり、未経験の方でも働ける職種なので、働きながら介護の知識やスキルを身につけられる点はメリットといえます。
また、身につけた介護の知識やスキルは、介護施設の利用者さんだけでなく、家族や友人たちが困った時にも役立ちます。将来的に身近な方に介護が必要になった時、介護福祉士としての経験が大いに役立つでしょう。
やりがいがある
介護福祉士の仕事は、他の仕事では味わえないような経験ができます。人と直接関わりを持つ介護の仕事は、多くの人の笑顔や喜びを共有できる仕事です。きつい場面も多々ありますが、利用者さんやそのご家族から「ありがとう」と直接感謝されることもあるでしょう。
要介護者の方が自立して生活できるように一生懸命ケアしていると、「今までできなかったことができるようになった」という瞬間にも立ち会えます。要介護者の回復を一緒に喜び合えるのも、介護福祉士の大きなメリットです。
資格取得でキャリアアップが狙える
介護福祉士は、比較的キャリアアップしやすい仕事といえます。介護福祉士は、介護のプロとして証明できる資格でもあるので、現場リーダーや主任、管理者などのキャリアアップも狙いやすいです。
介護福祉士の資格を取得すると、多くの施設で資格手当が支給されます。無資格者と介護福祉士保有者では年収の差も大きいです。
実際に、厚生労働省が発表している「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、資格別の給与額は以下のようになっています。
平均給与額 |
平均年収 |
|
---|---|---|
介護福祉士 |
331,080円 |
3,972,960円 |
実務者研修 |
302,430円 |
3,629,160円 |
介護職員初任者研修 |
300,240円 |
3,602,880円 |
無資格 |
268,680円 |
3,224,160円 |
上表のとおり、無資格者と介護福祉士の年収の差は、70万円ほどです。資格を取得するだけでこれだけの年収アップが期待できるのは、介護福祉士のメリットといえるでしょう。
年齢に関係なく働き続けることができる
介護福祉士の資格を持っていれば、年齢に関係なく働き続けられます。60歳以上の介護士がいらっしゃるほどです。それほど人手不足な業界ともいえますが、介護福祉士の資格は介護の深い知識と高い技術がある証明なので、年齢関係なく採用されます。
また、介護施設の形態には、日勤だけのデイサービスや夜勤がある有料老人ホームなど、自分の体力や生活リズムに合わせた職場を選ぶことが可能です。そのため、年齢を重ねても長く介護業界で働き続けられる点がメリットといえます。
スカウトサービス登録はこちら4.介護福祉士がきついときの改善策
介護福祉士の仕事がきついと感じる場面もあるでしょう。どうしても辛い場合は、無理せず上司や同僚などに相談することが大切です。それでも解決しない場合は、条件の良い職場に転職する策もあります。ここでは、介護福祉士の仕事がきついときの改善策を5つ解説します。
上司や同僚に相談する
介護福祉士の仕事がきついと感じたら、まずは上司や同僚に相談しましょう。多くの人がやりがちなのは、問題を1人で抱えることです。頼りになる上司や同僚がいれば、自分の悩みをすぐに解決できる場合もあります。
また、介護福祉士がきついことを話すだけでも気持ちが楽になったり、なぜ仕事が辛いのかを改めて整理できたりします。相談できる上司や同僚がいない場合は、家族や友人でもよいでしょう。大切なのは問題を1人で抱えず、誰かに相談してアドバイスをもらうことが大切です。
職場における自分の行動を振り返る
介護福祉士の仕事がきついと思ったら、職場での自分の行動を客観的に振り返ることも大切です。そうすれば、自分が仕事で何にキツさを感じているのか、反省点はないかなどが明確になります。
反省点を改善するように行動すれば、仕事のキツさが軽減する結果になるかもしれません。少しずつ職場環境を改善することで、仕事に対するモチベーションも維持でき、介護福祉士の仕事のストレスも軽減できるでしょう。
資格を取得しスキルアップする
給料面できつさを感じている方は、資格取得で手当額を上げて給料アップを狙うのも1つの方法です。先にもお伝えしたように、介護福祉士の平均年収は約400万円です。全職種と比較しても低い金額になります。
介護福祉士の上位資格である「認定介護福祉士」や「ケアマネージャー」「社会福祉士」などを取得することで、給料アップが期待できます。
厚生労働省の資料を参考に、介護福祉士とケアマネージャー、社会福祉士の年収は以下のとおりです。
平均給与額 |
平均年収 |
|
---|---|---|
介護福祉士 |
331,080円 |
3,972,960円 |
社会福祉士 |
350,120円 |
4,201,440円 |
ケアマネージャー(介護支援専門員) |
376,770円 |
4,521,240円 |
介護福祉士が社会福祉士やケアマネージャーの資格を取得してスキルアップすれば、給料アップはもちろん、条件の良い職場へ転職する際にも有利に働くでしょう。
配置変えや勤務帯を変更してもらう
介護福祉士の仕事をする中で、人間関係の悩みや体力的な問題などを感じている場合は、配置変えや勤務帯を変更してもらうことで解決できる場合があります。例えば、夜勤がどうしてもきつい場合は、「夜勤の回数を減らしてもらう」「日勤帯のみの勤務に変更してもらう」などです。
人間関係で悩みを抱えている場合は、その悩みの原因になっているスタッフとは違う所属に配置してもらうのも1つの手です。ただし、職場によっては人手不足などの理由から、配置変えや勤務帯の変更ができない場合もあるでしょう。
条件の良い職場に転職する
前述した方法でも解決できない場合は、条件の良い職場に転職するのがおすすめです。介護福祉士の資格は、介護分野における深い知識と高い技術がある証明になるので、多くの施設から求められています。
そのため、現在の職場よりも条件の良い職場への転職もしやすいです。
転職する際は、まず自分が何にキツさを感じているのかを明確にし、その悩みを解決できる職場を選ぶようにしましょう。
5.介護福祉士に向いている人の特徴3選
これから介護福祉士を目指す方にとっては、自分が本当に向いているのか不安になっている方も多いかと思います。自分が介護福祉士に適正があるのかを知ることで、キャリア選択で失敗しないようになるでしょう。ここでは、介護福祉士に向いている人の特徴を3つ解説します。
人とのコミュニケーションが好き
介護福祉士は直接利用者さんと接する仕事なので、コミュニケーション能力は欠かせません。利用者さんだけでなく、そのご家族や他のスタッフとの連携でもコミュニケーションを取る機会はあります。
そのため、人とのコミュニケーションが好きな方は、利用者さん、ご家族との関係構築もスムーズに行えるでしょう。1人で黙々と作業するよりも、常にコミュニケーションを取りながら仕事を行いたい方に向いています。
明るく元気
介護施設などを利用している方は、ご家族から離れて生活しているため、日々不安を抱えている方が多いです。また、心身に何らかの不調を抱えている方もいらっしゃいます。
そのような環境の中で明るく元気に対応できる方は、利用者さんに親近感や安心感を与える存在になるでしょう。例えば、「おはようございます!」と元気に挨拶ができたり、「体調はいかがですか?」と気にかけたりできると良いです。
責任感がある
介護福祉士は人の命を預かる仕事とも言えるため、責任感があるかは非常に重要な要素です。介護の仕事は、小さなミスから利用者さんの命が危険になる可能性もあります。以下のような事例から事故が発生しています。
- 服薬介助を行う際、確認を怠ったため別の利用者さんの薬を投薬してしまった
- 見守りが不十分だったために歩行のサポートが必要な利用者さんが1人で歩行して転倒した
- 体位変換を怠ったことで褥瘡ができた
避けられない事故もありますが、介護福祉士の不注意で事故が発生するケースも多いです。そのため、どのような場面でも責任感を持って仕事ができる方は介護福祉士に向いているでしょう。
スカウトサービス登録はこちら6.まとめ
介護福祉士がきついと言われる理由は、「人材不足で忙しい」「心身の負荷が大きい」「給料が低い」「人間関係が疲れる」「不規則な労働環境で生活リズムが乱れる」などが挙げられます。介護福祉士の慢性的な人手不足を受けて、政府は処遇改善加算を設けるなど、待遇改善に努めています。
しかし、世間では3K(きつい・きたない・きけん)といったイメージがまだまだ強く、人手不足の解消には至っていないのが現状です。 介護福祉士はデメリットが目立ちますが、メリットも多い職種です。利用者さんから直接感謝されたり、年齢に関係なく働き続けることができたり、他の仕事にはないメリットもあります。
介護福祉士の仕事がきつい方は、今より条件の良い職場へ転職するのも1つの手です。 コメディカルドットコムでは、福祉・医療の求人を多数取り扱っています。高待遇の求人も掲載しているので、ぜひ一度利用してみてください。
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