介護福祉士の魅力|資格を取得するメリットとやりがいを解説
- 更新日
「介護福祉士を目指すメリット・デメリットを知りたい」
「介護福祉士の資格を取る意味がないって聞いたけど本当?」
このようなお悩みを解決する記事です。
結論からお伝えすると、介護士としてキャリアアップを目指していく方は介護福祉士の資格取得を強くおすすめします。とはいえ、「介護福祉士の資格を取得する意味がない」と聞いたことのある方にとっては不安に感じる要素も多いでしょう。
本記事では、介護福祉士の魅力や取得するメリット・デメリット、なぜ資格の取得に意味がないと言われるのか理由を解説します。内容を理解すれば、介護福祉士の魅力がわかり、自分が目指すべき資格かどうかわかるようになるでしょう。
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目次
1.介護福祉士の資格を取得するメリット5選
介護福祉士の資格を取得すると、さまざまな面でメリットを享受できます。具体的には以下の5つです。
- 資格手当で収入があがる
- 重要な仕事を任せられる
- 転職に有利
- 介護施設以外でも活躍できる
- 介護サービスの質があがる
一つずつ見ていきましょう。
資格手当で収入があがる
介護福祉士の資格を取得することで資格手当が支給され、収入アップにつながります。実際に、厚生労働省が公表している「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、保有資格別の平均給与額は以下のとおりです。
平均給与額 |
平均年収 |
|
---|---|---|
介護福祉士 |
331,080円 |
3,972,960円 |
実務者研修 |
302,430円 |
3,629,160円 |
介護職員初任者研修 |
300,240円 |
3,602,880円 |
無資格 |
268,680円 |
3,224,160円 |
上表のとおり、無資格と介護福祉士の平均月給を比較すると、約7万円の差があります。年収換算では約80万円の差になるので、大幅な収入アップが期待できるでしょう。
ただし、資格手当の金額は職場によっても大きく異なります。介護福祉士の資格を取得して収入を上げたい方は、就業規則や求人内容をよく確認しておきましょう。
重要な仕事を任せられる
介護福祉士の資格は、介護に関する深い知識や豊富な経験(実務3年以上)がある方が取得できるものです。そのため、取得後は現場のリーダーや主任など、重要な仕事を任せられることが増えます。
現場のリーダーを担当すれば、介護業務以外にもスタッフへの教育や指導、研修の企画、利用者ご家族への連絡など幅広い仕事を任せられます。これらの経験を積んでいけば、介護士として大きく成長し、将来的には管理者などのキャリアアップも期待できるでしょう。
転職に有利
介護福祉士の資格は、介護系唯一の国家資格です。介護に関する深い知識や高い技術をもった介護士として転職で有利になります。
介護業界は深刻な人手不足に加えて、「経験豊富な介護士」も足りていません。そのため、ブランクがあってしばらく介護現場から離れていた方も、即戦力として働ける人材として採用されやすい傾向にあります。
また、高待遇の職場へ転職する際も介護福祉士の資格が役立ち、収入アップを期待できるでしょう。
介護施設以外でも活躍できる
介護福祉士の資格を取得すると、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの介護施設以外にも活躍の場を広げられます。介護福祉士は介護分野における豊富な知識と経験があり、生活のプロとして幅広い現場で求められているからです。
例えば、以下のような仕事が挙げられます。
- 行政
- 病院などの医療機関
- 介護福祉士養成校
- 福祉用具専門員
- 福祉系高校の教員 など
福祉用具専門員は、利用者さんに最適な福祉用具の選定や取り扱いの説明を行う職種です。福祉用具専門員や教員などは介護業務がないため、介護以外の仕事に興味のある方におすすめできます。
ただし、求人によっては求められる資格や実務経験が異なるため、転職する際にはよく確認しておきましょう。
介護サービスの質があがる
介護福祉士の資格を取得するためには、医療・福祉に関する全11科目の試験や実務経験3年以上などの条件をクリアしなければなりません。介護福祉士になる過程で、介護分野における深い知識と豊富な経験が身につき、介護サービスの質が向上する結果につながります。
また、介護のプロとして後輩や新人に教育・指導を行う機会も増え、自分だけでなく施設全体の介護の質向上に貢献できます。利用者さんに質の高い介護サービスを提供すれば、利用者満足度も向上し、やりがいをもって仕事をできるようになるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら2.介護福祉士になってよかったこと
ここでは、実際に介護福祉士として働く方が、「介護福祉士になってよかった」と思う場面をご紹介します。
施設利用者から感謝される
介護福祉士になってよかったことに多いのが、「利用者さんからありがとうと感謝される」ことです。介護サービスを提供して直接「ありがとう」と言われると、日々の仕事に達成感ややりがいを感じ、モチベーション維持や向上につながります。
また、介護サービスを受ける利用者さんだけでなく、ご家族からも感謝される機会が多いです。自分が提供したサービスによって多くの人を笑顔にできるということは、仕事をするうえで大きなやりがいになるでしょう。
患者が回復したときの喜びを分かち合える
介護サービスを提供する中で、利用者さんの症状が回復するケースがあります。「以前できなかったことができるようになった」「杖なしで歩けるようになった」など、利用者さんの回復を共に喜び合えることに介護福祉士になってよかったと思う方も多いです。
特に在宅復帰を目指している方にとっては、症状が回復することに大きな喜びを感じます。その喜びを間近で感じ、一緒に喜び合えるのは介護福祉士になってよかった大きな理由になるでしょう。
身内の介護の際に役立つ
身近な方に介護が必要になった時に、これまで培ってきた知識や経験が大いに役立ちます。体位変換や移乗介助、入浴介助などの介護を安全に行うためには、正しい知識と技術が必要です。
介護経験がない方にとっては、何から始めればよいのかわからない状態でしょう。介護福祉士の経験があれば、大切な身内や友人などの役に立ち、相談や的確なアドバイスも行えます。仕事以外でも人の役に立てることに、喜びを感じる方も多いです。
健康な状態のありがたみを知れる
介護福祉士として働く中で、「健康な状態であることがいかに幸せなことか」を感じるようになる機会があります。例えば、加齢とともに歯が衰え、ある程度食事が制限されたり、筋力が低下して自力で歩くことができなくなったりします。
そういった光景を目にすると、当たり前のことを当たり前に行えている状態、環境へのありがたみを感じる方も多いです。できるだけ健康な状態でいれるように、生活習慣を見直す方もいらっしゃいます。
人の最期から学べる
介護施設の中には看取り介護を提供している施設もあり、人の最期に携わる機会があります。利用者さんとのお別れは悲しいことですが、利用者さんがどのような最期を迎えるかは重要な課題です。
介護士は利用者さんやご家族の意思を尊重しながら、その人らしい最期を迎えるためにケアを行います。利用者さんの看取り介護をする中で、自身の最期を考えることもあるでしょう。
「自分も最期は家族に囲まれたい」「後悔ない人生を送りたい」など、人の最期から学べることも多いです。
スカウトサービス登録はこちら3.介護福祉の事業所加算は収入が増える?
特定事業所加算を事業所が取得すれば、事業所の収益が上がり、結果として働くスタッフの収入も上がりやすくなります。ここでは、訪問介護における特定事業所加算について見ていきましょう。
特定事業所加算とは
特定事業所加算とは、専門性の高いスタッフを多く配置し、質の高い介護サービスを提供している事業所に対して評価する加算のことです。国が定めている要件を満たし、事業所所在地の都道府県・市区町村などに届け出を行うことで適用されます。
介護保険法において適用されるのは、訪問介護サービスと居宅介護支援サービスだけです。それぞれに加算の区分・要件が設けられており、以下では訪問介護の区分と加算率をまとめます。
区分 | 加算率 |
---|---|
特定事業所加算Ⅰ | 所定単位数のプラス20% |
特定事業所加算Ⅱ | 所定単位数のプラス10% |
特定事業所加算Ⅲ | 所定単位数のプラス10% |
特定事業所加算Ⅳ | 所定単位数のプラス3% |
特定事業所加算V | 所定単位数のプラス3%(Ⅰ~Ⅳと併算定が可能) |
なお、上表の加算率や区分は、2024年4月1日に改定される点を反映したものです。従来では特定事業所加算Ⅳの加算率が5%だったものが3%になり、特定事業所加算Vが新設されます。
手当収入を把握し収入をアップさせる
前述したとおり、訪問介護の特定事業所加算は要件に応じて3%〜20%の加算を受けられます。特定事業所加算は、スタッフの処遇改善にかかる加算の増額に直結するものです。
例えば、特定事業所加算Ⅰまたは特定事業所加算Ⅱを受ければ、介護職員等特定処遇改善加算の上位区分の算定が可能になります。現在の職場や転職先の職場の手当収入を把握できれば、さらなる収入アップも期待できるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら4.介護福祉士資格が意味ないと言われる本当の理由4選
「介護福祉士の資格を取得しても意味がない」
このようなことを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。その理由として、「資格がなくても介護士になれる」「資格取得が簡単」「業務量が増える」「資格取得にお金と時間がかかる」などが挙げられます。
しかし、介護士としてキャリアを積んでいくのであれば、介護福祉士の資格取得を目指すのがおすすめです。ここでは、介護福祉士の資格を取得する意味がないと言われる理由について解説します。
資格がなくても介護現場に就労できる
介護福祉士の資格がなくても介護の現場で働けるため、「お金と時間をかけて資格を取得する必要はない」と思う方がいらっしゃるようです。たしかに、身体介護などの介護業務は、介護職員初任者研修や実務者研修などの資格があれば行えます。
しかし、介護福祉士は介護系唯一の国家資格であり、介護に関する深い知識や技術を持っている者として証明できる資格です。また、高待遇の求人の中には必須条件に、「介護福祉士資格保有者」を設定しているケースもあります。
そのため、介護業界で長く勤める方は介護福祉士の資格を取得した方がよいでしょう。
資格取得に時間と労力がかかる
介護福祉士の資格を取得するためには、3年以上の実務経験や試験を受ける費用などがかかります。かかる費用に関しては、どのルートで資格を取得するかによって異なります。
一般的には、以下の3つのルートから資格取得を目指すことが多いです。
- 実務経験ルート:約10〜20万円
- 養成学校卒業ルート:約100〜500万円
- 福祉系高校修了ルート:約100万円
また、上記に加えて受験手数料18,380円、登録免許税9,000+登録手数料3,320円もかかります。試験に合格するために学習する時間を考えると、かなりの費用と労力が必要といえます。
そのため、介護福祉士の資格を取得しても待遇が変わらない職場の場合、「お金や時間をかけて取る意味がない」と考える方も多いようです。
資格取得は簡単だと思われている
介護福祉士の資格取得は比較的簡単だと思われているため、「資格を取得しても意味がない」と思う方もいらっしゃいます。実際に、令和5年に行われた介護福祉士試験の合格率は84.3%でした。
同じく福祉系の資格であるケアマネ試験は、令和5年の合格率で21.0%なので、介護福祉士試験の合格率が高いことがわかります。そのことから、介護福祉士試験は簡単に取得できると思われがちです。
しかし、実務経験3年以上や実務者研修の修了条件など、さまざまな要件が定められています。また、介護福祉士の試験科目は広範囲にわたって出題されるため、誰でも合格できる簡単な試験ではないと言えるでしょう。
業務量が増える
介護福祉士の資格を取得すると、フロアリーダーや主任など重要なポジションを任される場合があります。会議に出席したり後輩への教育や指導をしたりなど、業務量が増える一方で、「収入があまり上がらない」といった声も多いです。
こうした背景から、「介護福祉士の資格を取得しても業務量が増えるだけで意味がない」と考える方もいらっしゃいます。介護福祉士の資格手当を十分に支給してくれるなどの職場選びも大切です。
スカウトサービス登録はこちら5.介護福祉士のデメリット
介護福祉士含め介護士の給料はまだまだ安く、福祉系の資格の中でも収入が低い点はデメリットです。厚生労働省が公表している「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」を参考に、介護福祉士と他の福祉系資格とでは以下のような差があります。
平均給与額 |
平均年収 |
|
---|---|---|
介護福祉士 |
331,080円 |
3,972,960円 |
社会福祉士 |
350,120円 |
4,201,440円 |
介護支援専門員 |
376,770円 |
4,521,240円 |
上表のとおり、介護福祉士と他2つの資格の年収差は20〜50万円ほどです。加えて介護福祉士は、夜勤があり体力的・精神的にも負担がかかります。そのため、業務内容と給料が見合っていないと感じる方も多いのが現状です。
スカウトサービス登録はこちら6.介護福祉士取得後|おすすめの資格
ここでは、介護福祉士を取得した後、キャリアアップとしておすすめの資格をご紹介します。
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士は、レクリエーションを通じて利用者さんに喜びや生きがいを与えるために、企画・実施する人材を育成するための資格です。レクリエーション介護士の役割は、利用者さんにレクリエーションを提供し、健康の促進・維持に努めることです。
介護福祉士資格の取得過程では、レクリエーションについては深く学ばないため、さらなるスキルアップを目指す方におすすめできます。レクリエーション介護士は2級と1級があり、取得に必要な時間は2級が通学で2日間程度、1級は3ヶ月〜6ヶ月程度の期間が必要です。
認定介護福祉士
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置付けられています。介護福祉士よりも高い知識と技術を持つ者に与えられる資格です。
認定介護福祉士は介護福祉士のように国家資格ではありませんが、取得過程で質の高い介護ケアについて学ぶことができます。高い専門性を持っていることの証明にもなり、チームリーダーとして人材育成に携わることも可能です。
認定介護福祉士の資格を取得するためには、
- 介護福祉士としての実務経験が5年以上
- 介護スタッフを対象にした研修を100時間以上受けている
- 研修実施団体が課したレポート課題、または試験で一定水準の成績を修めている
などの厳しい条件が設けられています。資格取得は簡単ではありませんが、マネジメント能力や介護の専門的なスキルなど、広範囲なスキルの獲得が期待できるでしょう。
ケアマネージャー
ケアマネージャー資格の正式名称は「介護支援専門員」で、介護保険制度を利用している方が適切な介護サービスを受けられるように、ケアプランの作成などを行う仕事です。資格を取得すれば利用者さんに最適なケアプランの作成や、介護事業所と利用者さんのパイプ役を担い、連絡・調整を行えるようになります。
ケアマネージャー資格を取得するためには、指定業務を5年以上かつ900日以上経験し、試験合格後に研修を受講して修了すれば取得可能です。介護福祉士よりも収入が高い傾向にあるため、キャリアアップを目指す方におすすめできる資格の一つです。
スカウトサービス登録はこちら7.まとめ
介護福祉士の資格を取得するメリットは多く、今後介護士を続けていく方は目指すべき資格です。介護福祉士の資格を取得するメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- 資格手当で収入があがる
- 重要な仕事を任せられる
- 転職に有利
- 介護施設以外でも活躍できる
- 介護サービスの質があがる
資格取得までにはお金や時間がかかりますが、それを上回るメリットも多いです。これから介護士として活躍していきたい方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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