介護実務者研修とは?介護福祉士に必要な資格を徹底解説!
- 更新日
介護実務者研修は、介護福祉士の国家試験を受けるために必須の資格です。今回は介護実務者研修について取得方法や取得にかかる費用、取得するメリット、取得難易度まで徹底解説します。介護福祉士を目指している方は是非最後までご覧ください。
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目次
1.介護実務者研修とは?
介護実務者研修は、介護に関する知識や技術、医療的ケアの演習を通じて、より介護の専門性を高めることを目的とした研修資格です。ここでは、実務者研修について詳しく解説します。
実務者研修の内容
実務者研修のカリキュラムはトータル20科目で450時間あり、通学またはオンラインで受講できる研修です。ただし、介護職員初任者研修を修了している方に関しては、130時間分のカリキュラムが免除されます。
下表では、具体的な研修内容をまとめました。
科目 |
受講時間 |
介護職員初任者研修の免除対象 |
---|---|---|
人間の尊厳と自立 |
5時間 |
対象 |
社会の理解Ⅰ |
5時間 |
対象 |
社会の理解Ⅱ |
30時間 |
対象外 |
介護の基本Ⅰ |
10時間 |
対象 |
介護の基本Ⅱ |
20時間 |
対象外 |
コミュニケーション技術 |
20時間 |
対象外 |
生活支援技術Ⅰ |
20時間 |
対象 |
生活支援技術Ⅱ |
30時間 |
対象 |
介護過程Ⅰ |
20時間 |
対象 |
介護過程Ⅱ |
25時間 |
対象外 |
介護過程Ⅲ |
45時間 |
対象外 |
発達と老化の理解Ⅰ |
10時間 |
対象外 |
発達と老化の理解Ⅱ |
20時間 |
対象外 |
認知症の理解Ⅰ |
10時間 |
対象 |
認知症の理解Ⅱ |
20時間 |
対象外 |
障害の理解Ⅰ |
10時間 |
対象 |
障害の理解Ⅱ |
20時間 |
対象外 |
こころとからだのしくみⅠ |
20時間 |
対象 |
こころとからだのしくみⅡ |
60時間 |
対象外 |
医療的ケア |
50時間 |
対象外 |
合計 |
450時間 |
320時間 |
なお、各演習や時間数、内容については受講する学校によっても異なります。医療的ケアについては「喀痰吸引のケア」「経管栄養のケア」「救急蘇生法」の演習も受けなければなりません。
介護福祉国家試験受験のために必須の研修資格
介護実務者研修は、介護福祉士の国家試験を受けるために必須の資格です。加えて、実務経験3年以上ある方が介護福祉士の国家試験の受講資格を得られます。他にも、福祉学校や養成施設を卒業して取得するなどの方法があります。
介護実務者研修を受けるために必要な資格や条件はなく、誰でも受講できる研修資格です。「初任者研修を受けていないと受講できない」と勘違いする方が多いですが、無資格でも受講できます。
実務者研修を修了している方は、介護福祉士国家試験の実技試験が免除になり、筆記試験のみになります。また、実務者研修で学習する知識や医療的ケアは、現場でも役立つスキルなので、介護福祉士を目指している方は必ず取得しておきましょう。
実務者研修と初任者研修の違い
介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識やスキルを身につけるための研修です。実務者研修との違いは、以下のようになります。
実務者研修 |
初任者研修 |
|
---|---|---|
介護福祉士の受験資格 |
必須資格 |
必須ではない |
科目数・時間 |
20科目・450時間 |
9科目・130時間 |
修了試験 |
スクールによって異なる |
あり |
サービス提供責任者の資格要件 |
対象 |
対象外 |
受講費用 |
約10万円〜20万円 |
約7〜10万円 |
喀痰吸引等研修 |
基本研修は免除 |
免除なし |
実務者研修と初任者研修はどちらも受講資格はありませんが、より基礎的な知識から学びたい方は、初任者研修から受講するのがおすすめです。
スカウトサービス登録はこちら2.介護実務者研修は働きながら受講できる?
介護実務者研修は働きながらでも受講できる資格です。所定のカリキュラムを受講し、修了試験に合格することで取得できます。
また、多くのカリキュラムをオンライン講座で受講できるため、自宅にいながら学習を進めることも可能です。ただし、「介護課程Ⅲ」や「医療的ケア」などの演習は、通学での受講が必須になります。
注意点として、スクールによってオンライン講座と通学講座の区別が異なる場合があります。そのため、スクールの受講スケジュールも確認しながら、自分に合ったスクールを選ぶようにしましょう。
スカウトサービス登録はこちら3.介護者実務研修の費用
介護実務者研修の費用はスクールによっても異なりますが、10万円が相場です。教育訓練給付制度や職業訓練を活用すれば、さらに安い価格で受講できます。
ここでは、実務者研修の費用や安く受講できる方法などを見ていきましょう。
費用相場は10万円ほど
前述したとおり、実務者研修の費用相場は10万円です。しかし、費用はスクールによっても大きく異なり、20万円かかるケースもあります。
費用に差があるのは、スクールによってサポート体制の充実度が異なるからです。サポート内容には、受講日程を自由に選べたり、講師に何度も質問できたりなどさまざまです。
また、介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー1級・2級などの資格を所有していることで、受講料が割引、キャッシュバックされる制度もあります。ただし、価格面だけで判断するとスクール選びに失敗する可能性があるので、自分の学習スタイルに合ったスクールを選ぶことが大切です。
教育訓練給付制度|費用40%OFF
教育訓練給付制度とは、働く方のスキルアップやキャリア形成を支援する国が設けた制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した方には、受講費用の一部が教育訓練給付金として支給されます。
実務者研修や初任者研修などの介護系の資格も対象になっています。教育訓練給付を受けられる対象は、以下のとおりです。
- 在職中または離職から1年以内の方
- 雇用保険に1年以上加入している方
- 過去に同制度を受けていない方、または前回の受講から3年以上の雇用保険の加入期間がある方
ただし、教育訓練給付制度の対象講座や費用は地域によっても異なるので、ハローワークのHPなどを確認・お問い合わせしてください。
職業訓練|受講料無料
職業訓練は、就職するために役立つ知識やスキルを無料で習得できる公的サービスです。職業訓練には、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」があります。どちらも受講料は無料ですが、テキスト代や交通費は自己負担です。
公共職業訓練と求職者支援訓練の違いは、失業保険の受給有無です。失業保険を受給している方は公共職業訓練、失業保険を受給できない・受給期間が終了した方は求職者支援訓練が対象になります。
また、条件を満たした方は職業訓練期間中に、月額10万円の給付が支給されます。
職業訓練は受講する講座に無料で通いながら、失業保険や職業訓練受講給付金を受けられるのが大きな特徴です。
4.介護者実務研修を取得するメリット
実務者研修を取得するメリットは以下のとおりです。
- 資格手当による給与アップ
- 介護福祉国家試験の受講資格を得られる
- サービス提供責任者を目指せる
- 痰吸引や経管栄養など医療知識が増える
- より高待遇な職場への異動や転職を狙える
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
資格手当による給与アップ
実務者研修を修了すれば資格手当がつくようになるので、給与アップが期待できます。資格手当の金額は働く職場によっても異なりますが、7,000円〜15,000円程度です。
初任者研修の場合は5,000円〜7,000円程度と言われているため、無資格や初任者研修よりも給与アップが期待できます。
実際に、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、実務者研修の資格を持っている方の平均給与額は302,430円で、介護職員初任者研修の資格を持っている方の平均給与額は300,240円です。無資格の場合は268,680円となっているため、無資格から実務者研修を取得すると、約3万円の給与アップが見込めるでしょう。
介護福祉国家試験の受講資格を得られる
介護福祉士の国家試験を受講するためには、実務者研修の取得が必須です。養成学校や福祉学校に通わず、働きながら介護福祉を目指す方には欠かせない資格になります。
ただし、実務者研修の資格を取得しただけでは、介護福祉士の国家試験を受けることはできません。3年以上の実務経験が必要です。
介護福祉士の資格を取得すれば、実務者研修よりも資格手当を多く支給され、収入アップも期待できます。実務者研修に受験資格はないため、スケジュールに余裕がある間に取っておくのがおすすめです。
サービス提供責任者を目指せる
実務者研修を修了すれば、訪問介護事業所で「サービス提供責任者」になることができます。サービス提供責任者とは、利用者さんが質の高い介護を受けられるように訪問介護サービスを計画し、管理する仕事です。
ホームヘルパー2級や初任者研修修了者でも、サービス提供責任者になることも可能です。しかし、その場合は実務経験が3年以上必要になります。目指しやすさの観点からも、実務者研修を修了してサービス提供責任者を目指すのがおすすめです。
痰吸引や経管栄養など医療知識が増える
実務者研修のカリキュラムの医学的ケアでは、喀痰吸引や経管栄養の知識と技術が身につけられます。医療的ケアは座学だけでなく演習も行われるため、現場で直接役立つ技術を身につけられる点がメリットです。
ただし、実際の現場で利用者様にたん吸引や経管栄養を行うには、実地研修を受けなければなりません。介護施設では医師や看護師にしかできない医療行為なので、できるようになれば職場で重宝される存在になるでしょう。
より高待遇な職場への異動や転職を狙える
実務者研修を修了すれば、より高待遇の職場に転職する際に有利になります。前述したように、実務者研修を修了することで喀痰吸引や経管栄養などの専門的な知識と技術が身につくためです。
介護施設側としては、より専門的な知識と技術を持った方を採用したいと思っているため、より高待遇の職場に転職できます。また、現在勤めている職場でも、実務者研修を修了することで高待遇の事業所への異動も期待できるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.介護実務者研修は難しい?
介護実務者研修の難易度はスクールによっても異なります。しかし、決められたカリキュラムを修了すれば、基本的には全員合格できる資格です。ここからは、実務者研修の難易度や免除制度について解説します。
実務者研修試験の合格率
実務者研修試験の合格率は、ほぼ100%です。
実務者研修では、介護課程Ⅲと医療的ケアのカリキュラム履修時に、それぞれ修了試験が実施されます。受けるスクールによって出題内容や採点基準が異なるため、難しそうに感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、修了試験はあくまで「研修で学んだ内容をしっかり学習できているか確認する」ことを目的としています。万が一、合格できなかった方でも再試験を受けられるため、合格率はほぼ100%といえるでしょう。
実務者研修の免除制度
介護職員初任者研修やホームヘルパー1級〜3級の資格を持っていると、実務者研修の受講科目が一部免除されます。例えば、介護職員初任者研修の修了者は、450時間ある講義時間のうち130時間が免除され、320時間の講義を受ければ修了できることになります。
本来6ヶ月程度かかる期間が資格を保有していることで4ヶ月程度に短縮することが可能です。下表では、保有資格別で免除される時間をまとめたので参考にしてください。
保有資格 |
免除時間 |
受講時間・期間の目安 |
---|---|---|
無資格 |
0時間 |
450時間・約6ヶ月 |
ホームヘルパー3級 |
30時間 |
420時間・約5ヶ月 |
ホームヘルパー2級 |
130時間 |
320時間・約4ヶ月 |
ホームヘルパー1級 |
355時間 |
95時間・約2ヶ月 |
介護職員初任者研修 |
130時間 |
320時間・約4ヶ月 |
また、上記の介護系の資格を保有していると、受講料も安くなります。現在はホームヘルパー1級〜3級の資格は廃止されたので、無資格の方は基礎的な知識が学べる介護初任者研修から始めてみるのがよいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら6.外国人でも介護福祉士になれる?
外国人でも介護福祉士になることができます。外国人が介護福祉士になるためには、以下の3つのルートが一般的です。
養成施設ルート
大学や短大、専門学校などの介護福祉士養成施設で2年以上学び、国家試験に合格して資格を取得するルートです。養成施設に入学するためには、高等学校などを卒業し、日本語能力試験のN2相当の日本語能力が求められます。
多くの外国人は、日本語学校で1〜2年日本語を学んだ後に養成施設に入学するのが一般的です。養成施設を卒業すれば、介護福祉士国家試験の実技試験が免除されます。そのため、受験する際は筆記試験のみになります。
実務経験ルート
介護施設で3年以上の実務経験があり、実務者研修を修了している方が介護福祉士の国家試験を受講するルートです。日本人と同じく、3年以上の実務経験があるだけでは受験資格は得られません。実務者研修が必須です。
介護施設で3年以上の実務経験があり、実務者研修を修了していれば、実技試験は免除されます。介護福祉士国家試験に合格すると、在留資格の「介護」が取得できます。在留資格「介護」は、介護福祉士として日本国内の介護施設に就労可能になる資格です。
EPAルート
EPA(経済連携協定)ルートは、EPA介護福祉士候補者として入国し、日本の介護施設で3年以上働きながら介護福祉士を目指すルートです。介護福祉士候補者は、EPA(経済連携協定)に基づく資格で、インドネシアやフィリピン、ベトナムから受け入れています。
EPAルートは前述した2ルートとは異なり、実技試験があります。筆記試験の時間に関しては、通常の1.5倍に設定されているのが特徴です。
スカウトサービス登録はこちら7.まとめ
実務者研修は、介護福祉士の国家試験を受験するために必須の資格です。カリキュラムは全20科目、450時間の履修時間があります。
介護職員初任者研修やホームヘルパー1〜3級を保有している方は、一部のカリキュラムの免除と受講料が安くなります。費用相場はスクールによっても異なりますが、10万円程度が一般的です。
また、働く職場によっては資格支援制度を設けている場合もあり、受講費用を負担してくれる場合もあります。コメディカルドットコムでは、資格支援制度を設けている求人も多数掲載しているので、費用を抑えたい方は求人をチェックしてみてください。
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