潜在看護師の現状は?復職に向けて準備するべきポイントも紹介!
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「潜在看護師」という言葉をご存知でしょうか。
コロナウイルスの流行から、耳にする機会が急激に増加しました。「潜在看護師」とは、65歳以下看護師免許を所有している人のうち現在看護師として勤務していない人を指します。本記事では潜在看護師を取り巻く現状と、復職に向けて準備するポイントを紹介します。
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目次
1.潜在看護師とは?
潜在看護師とは、65歳以下で看護師免許を所有している人のうち、現在看護師として勤務していない人のことです。厚生労働省の調査によると、2018年末の潜在看護師は、正看護師・准看護師合わせて、全国70万人近くいるとされています。
これは、看護師免許を保有している者のうち、3分の1以上を占める結果です。潜在看護師の人数は年々増加しており、今後も増えていくと言われています。
出典:新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究(令和2年度)
どんな人が多いの?
潜在看護師の割合は下表のとおり、年齢ごとによっても大きく異なります。
【看護職員(看護師、准看護師)の潜在数】
年齢 |
潜在数 |
潜在率 |
---|---|---|
25歳未満 |
33,206人 |
22.38% |
25〜29歳 |
66,819人 |
27.63% |
30〜34歳 |
97,950人 |
36.91% |
35〜39歳 |
109,610人 |
36.01% |
40〜44歳 |
73,321人 |
23.90% |
45〜49歳 |
71,428人 |
25.25% |
50〜54歳 |
66,383人 |
26.05% |
55〜59歳 |
77,318人 |
33.17% |
60〜64歳 |
99,426人 |
50.30% |
年代別で見ると、潜在率が最も高いのは60〜64歳、次いで35〜39歳という結果になっています。35〜39歳が多い理由としては、結婚・出産・育児をする方が多い年代だからです。
出典:新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究(令和2年度)
スカウトサービス登録はこちら2.なぜ潜在看護師の復職が進まないの?
前述したように潜在看護師の数は年々増えており、今後も増加していくと言われています。なぜ潜在看護師が増加していくのか、復職できない理由や復職しない要因を見ていきましょう。
病院・施設側受け入れ体制が整っていない
潜在看護師の復職が進まない理由の一つとして、病院・施設の受け入れ体制が整っていないことが挙げられます。医療業界は深刻な人手不足ですが、求めているのは即戦力として活躍してくれる人です。
看護師不足によって教育担当者をつけることができず、新人スタッフを教える時間がありません。多くの病院や施設で、復職支援体制(勉強会・セミナーなど)が整っていないのが現状です。
病院や施設では早朝・夜勤シフトが必須であることや、託児所がないなど、特に結婚・出産・育児で現場から離れた人が復帰しづらい職場環境だといえます。
潜在看護師が抱える不安は?
復職しない潜在看護師が多いのは、以下のような不安を抱えていることが原因です。
- 知識・スキルに自信がない
- 子育て、介護といった家庭との両立が不安
- 体力が落ちていないか心配
医療現場からしばらく離れていると、自分の知識やスキルに不安を感じるようになります。医療技術は日々進歩しており、現場での働き方も変わっていきます。法改正によって、知識のアップデートも必要になるでしょう。
新人看護師に対しては十分な教育制度が用意されていても、経験者である潜在看護師には教育制度が整っていない場合も多いです。「これまで培ってきた経験やスキルが現場で通用するのだろうか」とハードルが高いように感じるようになり、復職になかなか踏み出せないのです。
子育てや介護といった家庭の事情と仕事の両立が不安材料となり、潜在看護師が復職しない要因となっています。看護師という職業柄、女性の割合が圧倒的に多く、出産・育児で現場から離れる人が多いです。
「勤務中に子どもを預ける場所が見つからない」、「平日の日勤のみといった希望条件に合った求人がない」などから復職を諦めるケースもあります。また、子どもの急病や学校行事でシフトに穴を空けてしまう可能性があることを心配して、復職に踏み切れない方も多いです。
ブランクがある看護師は、現場業務についていけるか心配する傾向にあります。たしかに看護師として働くには、体力は必要不可欠です。現場によっては患者さんの移乗介助で体を支えたり、不規則な勤務形態であったりします。
実際に、一度現場から離れて「体力が落ちた」と感じる方もいらっしゃるでしょう。年齢を重ねれば体力もなくなっていくため、以前のように重労働・夜勤に対応できるか不安に思う方も多いです。
スカウトサービス登録はこちら3.スムーズな復職のためには何から始めるべき?
ここでは、潜在看護師が復職をするために必要なことを解説します。
復職支援研修に参加
ブランクが長く、現場の業務についていけるか心配な方は、各自治体が開催している「復職支援研修」に参加するのがおすすめです。復職支援研修では、採血・注射といった手技の実践、電子カルテ等のIT関連知識、医療機器の取り扱いなどを復習できます。
例えば、東京都では受講料無料で「病院体験コース」や「施設体験コース」「学校に戻って体験コース」など、さまざまな研修を受けることが可能です。これらの研修に参加して、あらかじめ復習しておくことで、安心して復職できるようになります。
また、復職支援研修では、自分以外の潜在看護師と出会うこともできます。そこが情報交換の場になったり、仲間づくりができたりするでしょう。
アプリでスキマ時間に知識を取り入れよう
復職に向けて勉強したい方は、スキマ時間を利用してアプリで勉強するのもおすすめです。スマホにアプリをインストールすれば、いつでもどこでも学習ができます。
潜在看護師の学び直しにおすすめのアプリは、以下の3つです。アプリを利用する際は、情報が最新であるかどうかチェックしましょう。
MSDマニュアルプロフェッショナル版は、内科系・外科系全ての主要専門領域における数千の病態を幅広く解説しているアプリです。病因、病態生理、予後、検査、治療の選択肢を網羅しています。
医学情報は定期的に更新されるので、常に新しい情報を入手できる点も魅力です。また、診察や手技はわかりやすく動画で確認できます。現場での高度な知識を学ぶことができるので、医学知識の復習におすすめです。
出典:MSDマニュアルプロフェッショナル版 on the App Store
看護のニュースは、医療や看護に関する最新ニュースをまとめて閲覧できるニュースアプリです。自分好みのニュースだけを選択して情報を得られるので、知りたいニュースだけ得られるのはメリットといえます。
看護師の基礎知識コンテンツだけでなく、看護師の転職情報などが充実しています。看護学生や現役看護師、ブランクがある潜在看護師にとっても使いやすいアプリといえるでしょう。
出典:看護師や医療のブログと転職のニュースアプリ」をApp Storeで
心電図シミュレーターは、心電図モニターの勉強用アプリです。クイズ形式で問題が出題され、全国ランキング対応で自分の実力がわかります。特に病棟への復帰を考えている方におすすめできるアプリです。
家族や周囲の人の理解を得る
出産・育児・介護で職場から離れていた方は、家族の理解や協力を得ておきましょう。家族や周囲の理解や協力がなければ、生活リズムが合わなくなった時にトラブルが発生します。
例えば、家事はどうやって分担するのか、勤務中は子どもをどこに預けて誰がお迎えするかなどを話し合っておきましょう。勤務開始後の1日のスケジュールをシミュレーションしておくとイメージがつきやすく、家族や周囲の人の理解を得やすいです。
情報収集をしよう
スムーズな復職を実現するためには、情報収集をしておくことも大切です。気になる求人があれば、職場の雰囲気や働いている看護師の年齢層、教育制度の充実度など、復職時に知っておきたい情報を集めます。
現役看護師として現場で働いている方の声を聞いておくと、仕事のイメージがつきやすくなります。特に、同じ潜在看護師から復職した方の意見を聞くと、復職時の参考になるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら4.潜在看護師はどんな職場なら働きやすい?
ここでは、潜在看護師が復職時でも働きやすい職場を紹介します。
まずはパートから入職できる場所を
潜在看護師としての期間が長い方(ブランクがある方)は、体力に自信がなかったり、育児中だったりする場合も多いです。そのような場合は、短時間勤務が可能なパート勤務から始めてみるのもおすすめです。
いきなり正社員で復職しても不規則な勤務時間に慣れず、心身に大きな負担がかかるかもしれません。パートであれば希望の日数や曜日で働くことができるため、ブランク期間が長い看護師は働きやすい選択肢といえるでしょう。
ブランク歓迎
「ブランク歓迎」「ブランク可」などの記載がある看護師求人があります。このような求人は、ブランクがある看護師を受け入れる体制が整っていることが多いです。
例えば、勤務時間の希望を聞いてもらえたり、研修やサポートを受けられたりする場合があります。ブランク明けで知識やスキルに自信がない方におすすめです。教育制度が充実している事業所であれば、スキルを上げながら復職できるでしょう。
託児所完備
お子さんがいらっしゃる方で、仕事と子育ての両立が不安な方は、託児所完備の事業所がおすすめです。託児所完備の事業所であれば、子どもの体調不良にすぐ対応できたり、勤務時間に配慮してもらえたりする可能性があります。
託児所完備の事業所を探す際は、託児所の対象年齢、料金、利用可能時間の情報も収集し、利用するにあたって問題がないか確認しておきましょう。
5.潜在看護師が復職先を探す際にやるべきこと
これから復職しようと検討している方は、まず何から始めればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、潜在看護師が復職先を探す際にやるべきことを解説します。
転職の軸や希望条件を整理する
まずは、復職にあたって転職の軸や希望条件を洗い出しましょう。転職の軸とは、復職先を選ぶときに重視する条件のことです。
転職の軸を明確にしておけば、入職後のミスマッチを防げたり、転職活動がスムーズに進んだりします。転職の軸の例を挙げると、「夜勤なし・託児所あり」「パートで週4日勤務が可能」「教育制度が充実している事業所」などです。
また、転職の軸や希望条件を整理すれば、面接対策もしやすくなります。自分の強みや退職理由、志望動機などをスラスラと書けるようにもなるでしょう。
利用する転職サービスを決める|転職エージェントと求人サイトの違いとは?
復職先を決める条件を整理したら、転職サービスを利用しましょう。主な転職サービスには、以下の2種類があります。どちらも一長一短なので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
転職エージェントは、求職者と採用側の間に立ってサポートしてくれるサービスです。希望条件のヒアリングを行い、求職者に最適な求人を紹介してくれます。
応募先とのスケジュール調整・連絡、履歴書の添削、面接対策をサポートしてくれるのが大きな特徴です。求人紹介してくれますが、中には希望条件にマッチしない求人を紹介することもあります。
転職エージェントは、「明確なビジョンが無い」「転職活動で何をすればよいかわからない人」におすすめです。
求人情報が掲載されているWebサイトから、自分で求人を探して応募する方法です。病院・施設に直接応募するので、自分のペースで転職活動が行えます。
前述の転職エージェントのように、履歴書の添削やスケジュール調整、面接対策などのサポートはありません。また、求人数が多いため「ブランク可」「ブランク歓迎」などの求人も見つけやすいのがメリットです。
採用側が求人サイトの運営会社に払う手数料は、紹介会社に比べて格安であることが多いです。採用費用を抑えられる分、経験が浅い方・ブランクがある方でも、採用されやすいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら6.まとめ
潜在看護師は、看護師免許を所有しながら看護師として現場に勤務していない65歳以下の人のことです。看護師・准看護師合わせて、全国に70万人存在するといわれています。
潜在看護師が医療業界に復職しない理由として、ブランクに対する不安や病院・施設側の受け入れ体制が整っていないことが原因です。復職を実現するためには、家族の理解を得ながら自己学習や復職支援研修に参加することをおすすめします。
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