看護師が円満退職するための6ステップ|退職理由や切り出し方、注意点を解説
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「今の職場を転職したい」「転職しようか迷っている」という看護師さんも多いはず。
本記事では看護師が辞めたいと思う理由や、円満に退職するまでの流れをご紹介します。切り出し方・その際の注意点まで細かく解説していくのでぜひ参考にしてください。
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1.看護師の退職・転職状況は?
まずは、実際に看護師がどのくらい退職・転職をしているのか、について解説します。
看護師の離職率は10%前後
日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査」によると、看護師の離職率はここ数年、10%前後で推移しています。つまり、毎年10人に1人の看護師が退職していることになります。※ここでは、保健師・助産師・准看護師を含みます。
出典:日本看護協会調査研究報告「2022 年 病院看護・助産実態調査 報告書」
さらに、「2021 年 看護職員実態調査」によれば、看護師の約半数が転職経験があると回答しているそうです。年代別に見ると20代で約20%、30代で約50%、40代で約60%でした。また、転職経験がある看護師の中で、これまでに所属した勤務先数が1,2箇所と回答したのは約50%、3,4箇所と回答したのが約35%でした。
看護師にとって転職は決して珍しいことではなく、人によっては複数転職していることが分かります。
出典:日本看護協会調査研究報告「2021 年 看護職員実態調査」
看護師に多い退職理由は業務量・給与・責任感に関するものが多い
では、看護師の退職理由にはどのようなものがあるのでしょうか。よくある理由として挙げられるのは「業務量の多さによる残業」です。
看護師の人数が少なく一人あたりの業務量が増えてしまったり、通常の業務以外にも勉強会に参加する必要があったりと、業務量の多さにストレスを感じている看護師がいるようです。
また、外来が混んでなかなか退勤できなかったり、午前の診療が長引いて休憩時間を十分に取れない、など残業の多さによる不満もあります。 こちらに関連する悩みとして、休みの取りづらさという声もあります。希望休が通らなかったり、有給をとれる雰囲気ではなく躊躇してしまうなど、このような理由で退職を決意する看護師も多いようです。その他にも、「給与の低さ」「責任感・プレッシャーがストレス」「人間関係」などが理由として挙げられます。
スカウトサービス登録はこちら2.看護師が円満退職する流れ
ここでは、退職する流れを解説します。具体的には以下のような流れです。
- ①就業規則を確認
- ②直属の上司に退職意思を伝える
- ③病院側と調整し、正式な退職日を決める
- ④退職届を上司に提出する
- ⑤業務の引き継ぎを行う
- ⑥患者さんや職員にあいさつ
①就業規則を確認
民法627条では、雇用期間の定めがない場合「退職申し出の日から2週間経過することで終了となる」と定められています。法律上は、退職希望日の2週間前までに退職の意思を伝えれば、退職は可能です。
しかし、勤務先とのトラブルに発展しかねないので、退職を申し出るタイミングは就業規則に従いましょう。就業規則には、「退職予定日の〇日前までに申告すること」などと記載されています。
一般的には、退職の申し出は1〜3ヶ月前としている職場が多いです。職場と相談しながら退職日を決めることで、トラブルなく円満退職ができるでしょう。
②直属の上司に退職意思を伝える直属の上司に相談
就業規則を確認し期日を把握したら、余裕をもって直属の上司に退職の意思を伝えます。退職の旨を伝える際は、メールや電話ではなく、直接伝えるのが大切です。メールや電話では、「なかなか退職手続きが進まない」といったトラブルもあるからです。
相談する際は、できるだけ上司の忙しいタイミングを避けるようにしましょう。退職について、引き止められることもあります。引き止められた時のために、事前にどう伝えるか準備しておくのが大切です。
上司に相談してから退職手続きを進めることで、円満退社に繋がります。
③病院側と調整し、正式な退職日を決める
上司と相談し、正式な退職日を決定します。業務の引継ぎや他のスタッフのシフトの調整が必要となる場合もあります。 退職希望日を聞かれると思いますが、上述した通り、最低でも1ヶ月以上先の日付を伝えるのが無難です。あまりに退職までの期間が短いと、引継ぎやシフト調整が間に合わずに迷惑をかけてしまうこともあります。
余裕を持った退職日を伝え、退職までの大まかなスケジュールを決めておくと、病院側も安心して送り出せるでしょう。
④退職届を上司に提出する退職届を出す
上司に相談して退職日が決まったら、退職届を提出します。退職日は1人で決めず、上司と相談して決めるとトラブルなくスムーズに退職手続きが進むでしょう。後述する業務の引き継ぎや人員調整などがあれば、退職日は1ヶ月後に設定されることが多いです。
退職届は職場から指定がない限り、パソコンで作成しても問題ありません。前述したとおり、退職届を出してもすぐに辞められるわけでないため、引き継ぎのスケジュールなども考慮してなるべく早く伝えましょう。
⑤業務の引き継ぎを行う
自身の担当業務があれば、しっかりと責任をもって引き継ぎを行います。退職日までのスケジュールから逆算して、後任者が業務をしやすいように確実に完了させておきましょう。
引き継ぎが完了していない状態で退職すると、残されたスタッフや患者さんに迷惑がかかります。退職日を迎えるまでは仕事に責任をもって引き継ぎを行いましょう。
⑥患者さんや職員にあいさつ
最後に、退職日を迎えたら患者さんや職員にあいさつをします。あいさつをする際は、退職理由を端的に伝え、感謝の気持ちも伝えておくとお互い気持ちよく別れられます。
担当している患者さんがいた場合、混乱しないように後任のスタッフを紹介しておきましょう。職員によって忙しい時間帯は異なるため、あいさつのタイミングを逃す前に各職員のスケジュールは確認しておくのが大切です。
スカウトサービス登録はこちら3.看護師が円満退職するための4つのコツ
続いて、看護師さんが円満に職場を退職するためのコツを4つ紹介します。
①業務の引き継ぎを考慮して退職日を設定する
退職する際は、その後任となる職員にしっかり引継ぎを行う必要があります。自分しかやっていない業務がある場合は、後任者が困らないよう丁寧に説明しましょう。 業務の内容と量にもよりますが、引継ぎ期間は最低でも1ヶ月は必要です。退職した後も後任者が問題なく業務ができるよう、丁寧に引継ぎを行うよう心がけましょう。
②強い意志を持って退職意志を伝える
退職を切り出す際、説明が曖昧だと引き止められたりすることもあります。気持ちよく退職できるようにするには、しっかり説明することも大切です。ここでは、上司に伝える際の退職理由についてご紹介します。
失敗しない看護師の退職理由・NGな例は?
失敗しない退職理由として、以下が挙げられます。- 出産や育児
- 配偶者の転勤
- 家族の介護や病気
- 他分野への興味
- スキルアップ
自身のライフイベントや家族の問題などはやむを得ない理由なので、正直に説明しましょう。引き止められる可能性は低いと言えます。>他分野への興味や、スキルアップのため、という理由も前向きな理由なので不利に働くことは少ないです。具体的に質問される可能性もあるので、準備しておきましょう。
一方で、人間関係や給与の問題などのネガティブな理由は、正直に説明してしまうと退職までの期間に気まずい思いをしてしまう場合もあります。
また、新しい職場の面接で前職の退職理由を聞かれた時も、ネガティブな理由は話さないようにしましょう。同じ理由で辞められてしまうのではないかと、マイナスな印象を与えてしまいます。
ネガティブな理由も言い換えて説明することで、印象を変えることができます。
以下の記事で、具体例を紹介しているので参考にしてください。
看護師がスムーズに辞められる退職理由|ホンネと上手な書き方の違いを例文付きで紹介
転職時のポジティブな言い方はもちろん、退職がスムーズに進むような例文も紹介します。
詳細を見る③すでに辞めた先輩にアドバイスをもらう
既に退職した先輩が身近にいれば、ぜひその人に相談してみましょう。 上司に切り出したタイミングや伝え方、引き止めにあったか・どうやって切り抜けたかなど、当時と状況が変わっていることもありますが、経験談を聞くとイメージがしやすいのでおすすめです。
④奨学金規約はあらかじめ確認しておく
最後にご紹介するのは、奨学金返済について。退職する際は、奨学金の返済に関する規約を改めて確認しておくことが大切です。
いわゆる「お礼奉公」の期間中に退職すると、「お礼奉公の期間は退職できない」「途中で退職すると違約金が発生する」などの理由から退職を引き止められることがあります。 これらは労働基準法違反なので、退職すること自体は可能です。 ですが、奨学金の返還義務そのものがなくなるわけではありません。返済期間が残っている場合は、退職時にある程度のお金が必要になりますので注意しましょう。
スカウトサービス登録はこちら4.看護師が退職する際の注意点
こちらの章では、退職する際に注意すべきポイントを紹介していきます。
退職日や退職に関する決めごとは書面に残す
トラブルを防止するため、退職日や最終出社日など退職に関する内容は書面に残しておきましょう。法的には退職を申し出る方法に決まりがないため、口頭でのやり取りでも退職交渉は成立します。しかし、病院側との認識違いや、トラブルを防ぐためにも重要な内容は書面で残すことをおすすめします。
備品や書類の受け取り、返却を忘れず行う
退職時には、自分が使った備品の返却や、重要書類の受取をすることになります。あらかじめ、何を返却する必要があるのかチェックしておきましょう。 また、書類は退職日当日に受け取る場合もあれば、退職後に郵送される場合もあります。郵送の場合は、どのぐらい時間がかかるかも確認しておきましょう。
以下、それぞれの例をご紹介します。
- 職場に返却するもの:健康保険証、名札、制服や靴、機密資料、ロッカーの鍵 など
- 職場から受け取るもの:離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、年金手帳 など
お世話になった人には必ず挨拶をする
当たり前のことではありますが、直属の上司はもちろん、その他お世話になった人には退職の挨拶をしておきましょう。病院業界は狭い業界でもあるため、今後のことも考えて挨拶は丁寧に行っておくことがおすすめです。
引き止められたときに備えておくのも大事
人手不足などが原因で、上司から引き止めにあうケースがあります。 強く引き止められてしまいなかなか退職の話が進まない、というその場合の対処法についてご紹介します。
まずは、上司に退職の話がしっかり進んでいるか確認しましょう。
はぐらかされてそのままにならないよう、進捗がなさそうであれば繰り返し確認すると良いです。
それでもなかなか動いてもらえない場合は、さらに上の上司の名前を出したり、労働基準監督署を引き合いに出すという手もあります。
最終手段として、退職届を内容証明郵便で提出するという方法もあります。 内容証明郵便とは、郵便局がいつ誰に何を送ったかを証明してくれるサービスです。退職意思を示した証拠になり、職場に到着してから2週間で法的に退職が成立します。 ただし、これは退職の意思を一方的に突きつける形になるため、基本的には使用しないようにしましょう。病院側が違法な引き止めをしてくる場合の手段として頭においておくと安心です。
スカウトサービス登録はこちら5.看護師の退職でよくある質問
看護師は試用期間でも退職できますか?
看護師が試用期間に退職することは問題ありません。「試用期間中に辞めてはならない」という法律もないからです。
ただし、試用期間中であっても社員と同じ扱いなので、退職手続きは必要になります。試用期間は一般的に3〜6ヶ月ほどです。この期間中も雇用契約は結ばれているため、「退職したい」と申し出た日に辞められるわけではありません。 民法627条では、退職日の14日前までに退職の申し出をするように定められています。勤務先の就業規則によって申告時期が定められていることがあるため、必ず確認しておきましょう。
看護師の退職は何カ月前に言うのがよいですか?
退職を申し出る時期は基本的に就業規則によって決められています。
勤務先によっても異なりますが、一般的には「退職希望日の1~3カ月前まで」と定めていることが多いようです。上述の通り、民法上では、期間の定めのない雇用契約の場合、「退職希望日の2週間前まで」に退職届を出せば退職できると定められています。
ですが、円満退職をするためにも就業規則で定められた期限を守ることをおすすめします。
看護師の退職はどう切り出すのがよいですか?
退職の話を切り出すときは、直属の上司が忙しくないタイミングを狙い、「少しお時間よろしいですか」と伺いましょう。あらかじめ上司にアポイントメントをとっておくとより良いです。落ち着いて話ができるときに時間を取ってもらえば、退職を受け入れてもらいやすくなります。患者さんや同僚に聞こえないよう、会議室など静かな場所で相談するのがおすすめです。
スカウトサービス登録はこちら6.まとめ
ここまで、看護師が円満退職するための方法を紹介しました。 退職を決意したら、勤務先の就業規則に書かれている申告時期を確認し、余裕をもって退職意思を伝えるようにしましょう。 その際には退職理由を自分の言葉でしっかり説明できるよう、あらかじめ準備しておくとよいです。
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