ケアマネと生活相談員の違いは?資格要件や仕事内容、給料面を解説!
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「ケアマネと相談員って何が違うの?」
こういった疑問を持つ方も多いと思います。
今回はケアマネと生活相談員の違いを資格要件や仕事内容、給与面から徹底解説します!どちらを目指そうかと悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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目次
1.ケアマネと生活相談員の違いとは?
冒頭でもお伝えしたとおり、ケアマネと生活相談員は似た部分はありますが、全くの別物です。ここでは、それぞれの違いを資格要件、仕事内容、給料、働く場所の観点から解説します。
資格要件の違い
<ケアマネの場合>
ケアマネになるためには、「介護支援専門員」の資格が必須です。介護支援専門員を受験するには、以下のいずれかの条件をクリアしなければなりません。
- 規定の国家資格を保有し5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)
- 生活相談員等の相談援助業務に従事し5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)
介護支援専門員は国家資格ではなく、各都道府県が認定する公的資格です。とはいえ、試験の合格率は19%(令和4年度試験)と介護系資格の中でも難関資格に位置付けられています。
<生活相談員の場合>
生活相談員になるためには、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかの資格が必要です。ただし、自治体によっては「介護福祉士」「介護支援専門員」の有資格者や、無資格でも相談業務の実務経験が一定年数あれば認められるケースがあります。
例えば、東京都の生活相談員の資格要件は以下のとおりです。
- 特養で介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上の実務経験がある
- 老人福祉施設の施設長経験者
- 介護施設や事業所で介護に関する実務経験が通算で1年以上あり、介護福祉士の資格がある
社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格を保有していなくても、上記のうちいずれかの要件を満たしていれば生活相談員になれます。
出典:通所介護及び短期入所生活介護事業所における 生活相談員の資格要件について
仕事内容の違い
<ケアマネの場合>
ケアマネの主な仕事内容は、介護サービスを利用する方のケアプラン作成が専門業務です。利用者さんが最適な介護サービスを受けられるように、利用者さんの状態をアセスメント(評価)し、ケアプランの作成、修正を行います。
ケアマネの業務は他にも、介護保険サービスに関する業務や要介護認定の申請代行など多岐にわたります。デスクワーク中心ですが、利用者さんの自宅や病院、介護施設、自治体などを訪問するのも業務の一部です。
介護施設に勤務するケアマネを「施設ケアマネ」と呼びますが、生活相談員の業務と兼務するケースがあります。このことから、ケアマネと生活相談員の仕事が混同される大きな理由にもなっているのです。
【1日のスケジュール】
08:30 | 出勤 |
---|---|
09:00 | 申し送り、メールチェック、ミーティング(連絡・調整など) |
10:00 | 利用者さんの自宅に訪問(2〜3件:インテーク、モニタリング) |
12:00 | お昼休憩 |
13:00 | 利用者さんの自宅に訪問(2〜3件:モニタリング) |
15:00 | サービス担当者会議 |
16:00 | ケアプラン作成、事務処理、連絡・調整、翌日の準備など |
18:00 | 就業前のミーティングをして退勤 |
<生活相談員の場合>
生活相談員の仕事内容は明確に決められておらず、施設の形態や規模、状況によっても異なります。基本的な役割は「相談・連携・調整」です。利用者さんやそのご家族の相談を受け、適切な介護サービスを利用できるように説明します。
主な仕事内容として挙げられるのは、以下のとおりです。
- 入退所に関わる相談対応、契約書の手続き
- 外部機関(病院や介護施設など)や施設内の各専門職との連絡調整
- 事業所の稼働率管理、利用者獲得のための営業
- 送迎業務や介護業務
【1日のスケジュール】
08:30 | 出勤 |
---|---|
09:00 | 申し送り、メールチェック、1日の予定を確認 |
10:00 | 利用者さんやご家族の相談対応、デスクワーク |
12:00 | お昼休憩 |
13:00 | 利用者さんやご家族の相談対応、デスクワーク |
16:00 | ケアプランについて、ケアマネとプランニング |
17:00 | 今日の振り返りや翌日の連絡事項などについてミーティング |
17:30 | デスクワーク |
18:00 | 退勤 |
給料の違い
厚生労働省が公表している令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、ケアマネと生活相談員の給料は以下のとおりです。
月の平均給与額 |
年収 |
|
---|---|---|
ケアマネ |
362,700円 |
約435万円 |
生活相談員 |
342,810円 |
約411万円 |
※月の平均給与額は一時金(賞与)の1/12を含む金額
上表のとおり、相談員よりもケアマネの方が年収で約20万円ほど多いことがわかります。介護の専門職としてより高年収を狙いたい方は、ケアマネを目指すのもよいでしょう。
働く場所の違い
<ケアマネの場合>
ケアマネの働く場所は大きく分けて「居宅介護支援事業所」と「介護施設」の2種類です。働く場所によっては「居宅ケアマネ」や「施設ケアマネ」と呼ばれます。
ケアマネの主な職場は居宅介護支援事業所ですが、介護施設の場合は、介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・グループホームといった選択肢があります。主任ケアマネの場合は、地域包括センターで働くことも可能です。
介護施設で働く場合は、介護業務と兼務することもあります。働く施設によって業務内容が異なる場合があるため、求人内容をよく確認しておきましょう。
<生活相談員の場合>
生活相談員の働く場所は介護施設です。具体的には、通所介護施設(デイサービス)、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、グループホームなど多岐にわたります。
施設によって異なりますが、相談業務と介護業務を兼務することも多いです。基本的には利用者さんとご家族の相談業務を行います。
ちなみに、介護老人保健施設で働く相談員は「支援相談員」と呼ばれており、生活相談員とは仕事内容が少し異なるのが特徴です。
(参考)相談支援専門員、福祉用具専門相談員との違い
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、相談支援専門員、福祉用具専門相談員と混同されることがあるので違いを紹介します。
<相談支援専門員>
相談支援専門員は、障がいのある方が自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう、相談支援を行う職種です。利用者さんがスムーズな障がい福祉サービスを受けられるように、専門的な知識と情報収集力が求められます。
相談支援専門員になるためには、一定年数以上の経験と相談支援事業者初任者研修を修了する必要があります。試験やサービス管理責任者の受講などを受ける必要はありません。働く場所は、指定相談支援事業所、基幹相談支援センター、市町村など障がい分野です。
給料は、月の平均給与額が364,500円で年収は437.4万円となっています。ケアマネと同程度の給料であることから、比較的給料が高い職種といえるでしょう。
※月の平均給与額は一時金(年間賞与)の1/12が含まれる。
<福祉用具専門相談員>
福祉用具専門相談員は、介護を必要とする高齢者や障がい者が自宅で安心して暮らすことができるように、適切な福祉用具の選び方、使い方をアドバイスする専門職です。介護保険サービスの専門職と連携しながら、福祉用具で高齢者や障がい者をサポートします。
福祉用具専門相談員になるためには、「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラムを修了すると資格の取得が可能です。
※講習の最後に、習熟度を測るための修了評価(筆記の方法による)がある
ただし、福祉用具専門相談員指定講習を修了していない方でも、福祉用具に関する知識を有している国家資格保持者は業務にあたることができます。
主な職場は、福祉用具の貸与サービス・販売を行う福祉系企業や事業所です。
スカウトサービス登録はこちら2.ケアマネと生活相談員の仕事のやりがい
ケアマネと生活相談員に共通しているのは、利用者さんがより良い介護サービスを受けるために働くことです。ここでは、どのようなことにやりがいを感じるのかそれぞれ解説します。
ケアマネの仕事のやりがい
ケアマネの主な仕事はケアプラン作成であり、利用者さんが自立した生活を続けられるかは担当ケアマネの力量次第です。利用者さんが最適な介護サービスを受けられるために、ケアマネの存在は介護業界の中でも大きな存在といえます。
介護保険制度の理解だけでなく、医療分野や各種法律の知識が必要になるため、誰でもできる仕事ではありません。学んだ知識を実務に活かして、より良いサービスを提供できる点はケアマネの醍醐味です。
生活相談員の仕事のやりがい
生活相談員の仕事は、利用者さんやご家族の相談に対応することです。利用者さんやご家族から直接「ありがとう」と感謝の言葉をもらうことも多く、やりがいを感じる瞬間の一つといえます。
また、生活相談員が行う事業所の稼働率管理は、経営の根幹に関わる重要な業務です。事業の運営に携わることで、施設長や管理者へのキャリアアップが狙えます。目標を持ちながら働けるので、高いモチベーションを維持しながら仕事に取り組めるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら3.ケアマネと生活相談員の仕事の大変さ
前述のとおり、ケアマネと生活相談員の仕事はやりがいも多いですが、大変な面もあります。ここでは、それぞれ仕事の大変さを解説します。
ケアマネの仕事の大変さ
ケアマネの仕事の大変さには、主に以下の3つが挙げられます。
- 書類作成が多い
- 事業所と利用者の板挟みになる
- ケアマネ資格の更新の負担が大きい(金額面&研修受講にかかる時間)
ケアマネは、ケアプランの作成やアセスメントシート、モニタリング記録など書類作成が多い仕事です。他にも、外部との連絡・調整や利用者さんの自宅訪問、担当者会議の出席など業務は多岐にわたります。その仕事量の多さから、大変さを感じる方も多いです。
また、ケアマネは利用者さんやご家族、スタッフ、行政などの間に入って業務をこなすため、板挟みになりやすく大変さを感じる部分でもあります。
さらに、ケアマネの資格は5年ごとの更新が必要なため、数十時間の研修と更新費用が負担に感じる方も多いです。
生活相談員の仕事の大変さ
生活相談員の仕事の大変さは、主に以下の3つが挙げられます。
- 業務範囲が広く、体力的精神的にまいってしまう
- 利用者、ご家族の無理な要望やクレームの対応がきつい
- 1人部署のケースがあり、悩みを相談できる人がいない
1つ目は、業務範囲の広さです。生活相談員は相談や連絡、手続き、施設によっては介護業務を兼務する場合があります。業務範囲が明確でない生活相談員に、大変さを感じる方も多いです。
2つ目はクレーム対応です。相談業務が基本のケアマネは、利用者さんやご家族から無理な要望やクレームを受けることがあります。そのような対応に気疲れすることもあるようです。
3つ目は職場内に悩みを相談できる人がいないことです。配置人数が少ない介護施設も多く、「職場内に生活相談員が自分だけ」ということもあります。業務に関して気軽に相談できる人がいないことに、大変さを感じる方も多いです。
スカウトサービス登録はこちら4.ケアマネに向いている人・生活相談員に向いている人
「自分はケアマネと生活相談員のどっちに向いているのだろう」と思っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、ケアマネと生活相談員に向いている人の特徴を解説します。
ケアマネに向いている人
ケアマネに向いている人の特徴は以下の3つです。
- 優先順位をつけてマルチタスクをこなせる人
優先順位を正しくつけて複数業務を要領よくこなせる人が向いています。配置基準上、居宅ケアマネの受け持ちは35件、施設ケアマネは100件と複数の案件を抱えるためです。
- 質問力と傾聴力がある人
利用者さんに最適な介護サービスを提供するために、必要な情報を収集するコミュニケーション力が必要です。具体的には、質問する力と話を聞く力の両方が求められます。
- 座学に抵抗がない人、勉強が好きな人
ケアマネは試験合格後に実務研修(最低87時間)があり、修了後も5年ごとの更新研修があります。また、介護保険制度や法令、医療分野などの法改正に対応するために知識のアップデートが常に必要です。知識の習得が行える方は、ケアマネに向いているといえるでしょう。
生活相談員に向いている人
生活相談員に向いている人の特徴は以下の3つです。
- 介護現場が好きな人
生活相談員は介護施設で勤務するため、相談業務と介護業務を兼務することが多い仕事です。そのため、相談業務をこなしながら介護業務も行う必要があります。介護現場で働くのが好きな方は、生活相談員に向いているといえるでしょう。
- 責任感が強い人
生活相談員は利用者さんの入所相談から契約、入所後の生活まで一貫して関わります。利用者さんの生活や命を守る仕事なので、責任感の強さは必須です。また、トラブルが発生した際でも、迅速に対応できる責任感の強さも生活相談員に向いている人の特徴です。
- 中立的な立場でコミュニケーションが行える人
生活相談員は利用者さんやご家族、施設スタッフ、外部機関など、さまざまな人の間に立って仕事をします。そのため、一方の意見に偏らず中立の立場でコミュニケーションを行わなければなりません。一方の意見に流されず、冷静に対応できる人は向いているでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.介護職からケアマネ、生活相談員へのキャリアアップ方法
介護職からケアマネか生活相談員へのキャリアアップを検討している方もいらっしゃるでしょう。ここでは、介護職からのキャリアアップ方法を解説します。
介護職からケアマネになる方法
ケアマネになるためには、「介護支援専門員研修受験試験」に合格しなければなりません。無資格の介護職からケアマネになるためには、最短でも8年かかります。これは、介護の実務経験3年かつ実務者研修修了で取得できる「介護福祉士」の資格が必須だからです。
介護福祉士の資格を取得後は、介護福祉士として5年以上の実務経験か、生活相談員として5年以上の実務経験を満たす必要があります。無資格の介護職からケアマネになるロードマップは以下のとおりです。
無資格⇒(初任者研修)⇒実務者研修⇒介護福祉士⇒ケアマネ
※実務者研修は初任者研修を修了していなくても受講可能
※介護福祉士取得前の実務経験はカウントされないので注意
介護職から生活相談員になる方法
介護職から生活相談員になる方法には以下の3つが挙げられます。
- 「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用」の資格を取得する
- 介護福祉士を取得し、介護福祉士が資格要件として認められる自治体で働く
- 無資格でも生活相談員として働ける自治体で働く
上記3つのうち、1.の「社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用の資格を取得」する方法が確実です。上記3大資格がなくても、介護福祉士資格を持っていれば応募できる求人はあります。
しかし、無資格の場合は限られた施設・自治体でしか求人がなく、資格の代わりに介護現場での実務経験が必須です。
スカウトサービス登録はこちら6.まとめ
ケアマネと生活相談員は、相談業務など共通する部分もありますが、全く別の職種です。ケアマネになるためには、一定年数の実務経験と難関試験に合格しなければなりません。一方で生活相談員は、自治体によっては資格要件を満たせば無資格でもなれることができます。
そのため、給与もケアマネの方が高い傾向にあります。どちらも責任感がある大変な仕事ですが、やりがいもある仕事です。ケアマネと生活相談員は、今後も需要が高まることが予想されます。
ケアマネと生活相談員の仕事に興味のある方は、一度求人をチェックして働くイメージを掴んでみてはいかがでしょうか。
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