ブランクのある理学療法士も大丈夫!抱える不安や解決策、働きやすい職場を紹介
- 更新日
「理学療法士としてのブランクがあるけど復職したい」
「ブランクのせいで不採用になるのではないか?」
「ブランクがあっても働きやすい職場を見つけたい」
このような不安や悩みを持つ方が多いのではないでしょうか。理学療法士として働きたい気持ちはあっても、スキル面や体力面、時代の変化など、不安は尽きないですよね。しかし、理学療法士はブランクがあっても復職しやすい職種だと言われています。
本記事では、なぜブランクがあっても大丈夫なのか、転職に向けて抱える不安や解決策、そんな方にとって働きやすいと言われる職場をご紹介します。ブランクがあって理学療法士として復職したい方はぜひ参考にしてください。
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目次
1.ブランクがあっても大丈夫な理由
冒頭でもお伝えしたように、理学療法士としてブランクがあることは不安要素ではありません。具体的には、以下の理由があるからです。
- 将来的にも必要な職業であるから
- 理学療法士の有効求人倍率は高い傾向にある
- 教育制度・復職制度が充実している
上記の理由を一つずつ解説します。
将来的にも必要な職業であるから
ブランクがあっても理学療法士として復職しやすい理由は、「将来的にも需要がある職業」だからです。
現在、日本においては「少子高齢化」が深刻な社会問題となっています。少子高齢化とは、働き手となる若年層の人口が減少し、同時に高齢者の割合が増加する状態のことです。
どの年代でもリハビリを必要としていますが、特に高齢者は慢性的なリハビリを必要としています。つまり、今後は高齢者の増加に伴って理学療法士の需要も増加するのです。
実際に、厚生労働省から以下のようなデータが発表されています。
①入院医療(一般病棟・療養病棟、精神科病棟)の推計結果
年 |
理学療法士・作業療法士の需要推計 |
2025 |
135,013~135,310人 |
2040 |
141,090~141,529人 |
②外来医療、在宅医療の推計結果
年 |
理学療法士・作業療法士の需要推計 |
2025 |
20,593~23,075人 |
2040 |
29,877~34,411人 |
③介護施設・居住系、在宅サービスによる推計結果
年 |
理学療法士・作業療法士の需要推計 |
2025 |
31,552人 |
2040 |
38,282人 |
上記のとおり、2025年から2040年にかけて入院医療では約5%、外来・在宅医療では約45%、介護・在宅サービスでは約20%増加すると推計されています。
このように、リハビリ職の需要は年々増え、今後も必要とされる職種なのです。理学療法士はブランクがあっても復職しやすい職業といえるでしょう。
理学療法士の有効求人倍率は高い傾向にある
前述したように、少子高齢化の影響により理学療法士の需要が増加傾向にあります。それに伴って、理学療法士は有効求人倍率も高い業種です。
理学療法士の主な職場は病院・クリニック等の医療機関以外にも、障害者福祉施設、老健や通所リハビリテーションといった介護施設、企業や行政など幅広いことが影響しています。
事実、厚生労働省が発表している職業情報提供サイト(jobtag)によると、理学療法士の有効求人倍率は4.21倍です。
同じく厚生労働省が発表している一般職業紹介状況では、全産業平均の有効求人倍率は1.3倍となっています。全産業平均と比較すると、理学療法士の有効求人倍率は3〜4倍と高い数字であることがわかります。
このように理学療法士の転職は、求職者にとって比較的有利な状態が続くといえるでしょう。
教育制度・復職制度が充実している
教育制度や復職制度が充実している点も、理学療法士でブランクがあっても復職しやすい理由です。民間企業や公的機関では、復職後の理学療法士を対象とした以下の制度を設けています。
日本理学療法士協会では、生涯学習制度を実施しています。理学療法士の仕事が誕生してから50年以上が経過し、この間に人々の生活や社会環境が大きく変化しました。多様化するニーズに応えるためにも、理学療法士を育成するために始まった制度です。
生涯学習制度は大きく分けると、全体の基盤になっている「登録理学療法士制度」と「認定・専門理学療法士制度」から構成されています。生涯学習制度では、主に以下のようなポイントが挙げられます。
- まず日本理学療法士協会に入会する
- 入会した理学療法士は、前期研修を履修
- 前期研修の次に、後期研修を履修することで「登録理学療法士」となる
- 「登録理学療法士」になれば、5年ごとの更新を目安に学習を続ける
- 登録理学療法士を基盤とし、より専門性の高い「認定・専門理学療法士」を目指す
日本理学療法士協会は、生涯にわたり知識・スキルを学び続ける体制を整えることで、社会で活躍し続ける理学療法士の育成を図ろうとしているのです。
都道府県によっては、理学療法士協会(県士会)が復職を目指す理学療法士にサポートも提供しています。復職前に最新の保険制度や、リハビリの知識・スキルの向上を支援し、ブランクのある方にとっては嬉しいプログラムです。
例として、神奈川県、大阪府、熊本県で実施している復職制度を紹介します。
神奈川県 |
大阪府 |
熊本県 |
復職支援 |
復職支援相談事業を実施 |
復職支援にかかるキャリア維持を目的とした実地研修を用意 |
職場復帰を支援するための事業を実施 |
目的 |
ブランクがあって自信がない方が、相談を通して就職活動ができる支援を行っている |
出産・育児などで一時離職した方が復職支援にかかるキャリア維持を目的 |
現在休職中で職場復帰を目指す方が、少しでも自信を持って仕事復帰できるように支援する目的 |
相談対象者 |
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|
上記のように、お住まいの都道府県によっても制度内容が多少異なります。各都道府県で実施している復職制度を参考にしてください。
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2.ブランクを抱える理学療法士が抱える不安と今から出来る解決策
「ブランクがあっても大丈夫」と言われても、復職を目指す方の不安は尽きません。ここでは、ブランクを抱える理学療法士の不安要素と、その解決策を見ていきましょう。
体力面の不安
患者さんの移乗介助や動作訓練を行うリハビリ業務は、体力もかなり必要とします。「久しぶりの現場復帰で1日を通して働けるような体力があるか心配」と不安に感じる方も多いです。
体力面で不安を感じる方は、少しずつ体力づくりを始めましょう。具体的には、疲れにくい身体を作るために、短い時間でも有酸素運動などを続けて行うことが大切です。
まずは1日15分の散歩から始め、家でできるトレーニングなどを始めてみるとよいでしょう。大切なのは、今すぐに始められるような手軽なトレーニングからチャレンジしてみることです。
知識・スキル面
長く理学療法士の現場から離れていると、知識やスキル面で不安に感じることもあるかもしれません。制度変更が頻繁に行われているので、新たに覚え直さなければならないことも多いです。例えば、診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに改定されています。
診療ガイドラインが更新されたり、新しい医療技術が導入されたりしていて、戸惑う部分もあるでしょう。以前働いていた環境と大きく変わっていることに、大きな不安を抱えている方も多いです。
新しい知識を取り入れることも大事です。しかし、これまでに学んできた解剖学・生理学・運動学といった理学療法の前提となる考え方は大きく変わることはありません。
雇用側もブランクがあって思い出すまでに時間がかかることは理解しているので、働きながら知識をアップデートしていくことも可能です。
不安な方は、「教育制度・復職制度が充実している」の章でも紹介したように、各都道府県の復職制度を活用してみてはいかがでしょうか。
今の自分に合う職場が分からない
理学療法士として働きたいという気持ちがあっても、「どんな職場が自分に合うのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような状態で膨大な数がある理学療法士の求人を見ても、自分に合う求人を見つけるのは困難です。
まずは自分が希望する条件を書き出してみましょう。例えば、
- 勤務時間
- アクセス
- 給与
- 仕事内容
- 休日
など、働くうえで譲れないポイントを整理することが大切です。希望する条件を挙げることで、働くイメージが浮かびやすくなり、自分に合った求人を見極められます。
面接や見学時に職場の雰囲気を見てから判断しても良いでしょう。理学療法士として復職したいのであれば、まずは1歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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3.ブランクがあっても働きやすい職場とは?
ここでは、ブランクがあっても働きやすい職場の特徴を3つ解説します。具体的には以下の3つです。
- 患者さんがある程度自立できている
- 子育てへの理解がある
- 時短勤務からスタートができる
上記に当てはまる職場はブランクがある方でも働きやすく、安心して理学療法士に復職できるでしょう。
患者さんがある程度自立できている
患者さんへの介助が体力的に不安なのであれば、ある程度自立しているクリニックや自立度の高い介護施設がおすすめです。
介護度が高い患者さんが多い職場では、移乗介助や動作訓練を必要とします。体力面で不安がある方は慣れるまでに時間がかかり、心身ともに疲弊する可能性もあるでしょう。
働く施設・領域によっても患者さんへの対応は異なりますが、クリニックであれば比較的自立度が高い患者さんが多いです。ブランクがあって体力的に不安がある方は、患者さんがある程度自立できている職場を探してみてください。
子育てへの理解がある
出産・育児を理由に現場から離れていた方は、子育てに理解がある職場を選ぶことが大切です。特に子どもが小さいと、学校行事や病気などで急に休まなければならない場合があります。そういったことにも協力的で理解がある職場だと働きやすいです。
応募時や面接時に、子育て中のスタッフがどのくらい在籍しているのかを確認しておきましょう。同じ職場に子育て中のスタッフが多く在籍していることで、不安な気持ちや悩みを理解してもらいやすくなります。
時短勤務からスタートができる
理学療法士のブランクがある方にとって、復職してすぐにフルタイムで働くことに不安を感じる方も多いです。まずは週に2〜4日程度、1日3時間程度などからスタートして、徐々に業務に慣れていくのも良いでしょう。
求人サイトで「時短勤務」「扶養内パート」というワードで検索をかけると、当てはまる求人が出てきます。いずれ正社員での勤務を目指すのであれば、面接時に正社員登用の実績があるかも聞いておきましょう。
時短勤務がある求人を探したい方は、下記の求人サイトを参考にしてください。
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4.実際にはどんな職場なのか
前章では、ブランクがある方でも働きやすい職場の特徴について解説してきました。ここでは、具体的にどのような職場が働きやすいのかを解説します。
以下の2つが働きやすい職場として挙げられます。
- 通所リハ(デイケア)・デイサービス
- 訪問リハビリテーション
通所リハ(デイケア)・デイサービス
通所リハ(デイケア)やデイサービスは、ブランクがある方でも働きやすい職場の一つです。通所リハ(デイケア)では、身体機能の回復や維持、日常生活の訓練といった医療的なケアを提供しています。
デイサービスは、自宅で自立した日常生活を送れるように支援する介護サービスが中心です。2つの施設は利用者さんの自立度が高いため、介護に介入する頻度も少ないといえます。
平成28年に発表された厚生労働省のデータによると、デイケア利用者の平均介護度は要介護1.75となっています。一例としては、排泄や食事は自分で行える状態で、歩行時に杖や歩行器などを必要とするような方です。
通所リハやデイサービスは土日休みの事業所が多く、家庭と仕事との両立もしやすいといえるでしょう。
訪問リハビリテーション
近年事業所数が増加している訪問リハビリテーションも、働きやすい職場としておすすめです。事業所によっては複数名で訪問することもありますが、基本的には1人で訪問して業務を行うことが多いです。
一見すると、1人で業務を行う訪問リハビリテーションは負担が大きいようにも思えます。しかし、その分研修制度が充実しており、短い時間からでも勤務可能な事業所が比較的多い点が魅力です。ブランクがある方でも採用している事業所が多いです。
日本の高齢化は今後も進み続け、今後需要も右肩上がりになっていくため、より働きやすい環境になっていくでしょう。
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5.まとめ
理学療法士としてブランクがある方は、復職したくてもスキルや体力面、制度の変更など不安要素は尽きません。しかし、理学療法士はブランクがあっても復職しやすい職業です。その理由としては、「将来的に需要がある」「有効求人倍率が高い傾向がある」「教育制度・復職制度が充実している」などが挙げられます。
まずは「自分がどのようなことに不安を感じているのか」「どんな働き方が理想なのか」を明確にしておきましょう。そのうえで1つ1つ不安要素を潰して、無理なく自分に合った職場を見つけてみてください。
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後藤 美南
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2021年9月よりセカンドラボ株式会社に入社。主にクリニックを中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の採用課題のサポートを行う。