働くなら認可保育園?認可外保育園との違いや働くメリット・デメリットも解説
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「保育として働く場合、認可保育園と認可外保育園のどちらがいいか迷う」
「そもそも認可保育園・認可外保育園ってなに?」
「自分に合った環境で保育士を続けたい」
保育士として働く方の中には、このような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。
保育園にも「認可保育園」と「認可外保育園」の2種類があり、2つは運営方針や働き方が異なります。
本記事では、それぞれの保育園の違いに触れながら、保育士として働くうえでのメリット/デメリットなどを解説していきます。
別の保育園へ転職を検討している方はもちろん、そもそも認可保育園と認可外保育園、どちらが自分に合っているか分からないという方もぜひ参考にしてください。
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目次
2.認可保育園・認可外保育園の具体的な違い
3.保育士が認可保育園で働くメリット・デメリット
4.保育士が認可外保育園で働くメリット・デメリット
5.保育士の給与は?認可保育園・認可外保育園の比較
6.まとめ 施設についてしっかり調べることが大切!
1.認可保育園・認可外保育園とは?
ここでは、認可保育園と認可外保育園の特徴や主な施設について解説します。
認可保育園は児童福祉法で定められた設置基準を満たし、国や自治体から認可された保育園のことです。施設の広さや在籍する保育士の数、給食設備などは、国の基準が定められています。子どもの入園可否についても、自治体の選考で決定されます。
運営費に関しては、国から補助金を受けることが可能です。そのため、比較的安定した運営が行えます。
認可外保育園は、認可保育園以外の保育園を指します。国の基準を満たしていませんが、各都道府県が定める基準を満たし、都道府県知事からの認可は受けている保育園のことです。
民間企業が運営していることもあり、入園時の審査は自治体ではなく、保護者が直接保育園に申し込みを行います。保育園が保育料や教育内容を設定できるため、認可保育園と比較すると保育料は高めです。
しかし、病気の子どもを預かったり、夜間の預かり対応をしていたり、保護者のニーズに応えやすい保育園といえるでしょう。
認可保育園、認可外保育園の主な施設
認可保育園と認可外保育園の主な施設は以下のとおりです。
認可保育園 | 認可外保育園 | |
種類 | ・公立 ・私立 ・認定こども園 ・認定保育園 ・地域型保育事業 |
・企業主導型保育所 ・院内保育園 ・事業所内保育施設 ・ベビーホテル ・ベビーシッター ・認証保育園 |
主な施設の特徴を以下で詳しく解説します。
同じ認可保育園でも、「公立」「私立」の2つに分けられます。どちらも同じ基準に沿って運営されていますが、運営方針に違いがあるので注意が必要です。それぞれの運営方針は以下のとおりです。
- 公立:運営方針や保育計画は自治体の基準に沿って設定される
- 私立:運営母体によって自由に設定されるため、それぞれの園で違いがある
少し特殊なのが「認定こども園」です。保育園としての機能を持ちながら、3歳児以上が入園できる幼稚園の機能も兼ね備えています。つまり、教育・保育をまとめて行っている園です。その中でも、地域や保護者のニーズに合わせてタイプが分かれています。
認可外保育園の主な施設の特徴は以下のとおりです。
①事業所内保育施設・院内保育園
従業員が就業中に子どもを預けることができる施設
※院内保育園は病院勤めの従業員向け
②企業主導型保育所
従業員の保育を支援するため、企業が国から助成金を受けて施設の設置と運営を行っている。
③ベビーシッター(居宅訪問型保育事業)
保育士や看護師が、自宅へ訪問しマンツーマンで保育を行う。
乳幼児に加え、12歳までが対象となることが多い。
④ベビーホテル
・宿泊を伴う保育
・20時以降の保育
・利用児童の半数以上が一時預かり
上記3つのいずれか1つに該当する施設。
認可外保育園に該当する「認証保育園」とは、東京都が定めた「東京都認証保育所事業実施要綱」を満たして認証を得た保育園のことです。A型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)の2種類があります。東京都の認可はあるものの、国からの認可は受けていないため、認可外保育園の分類として扱われます。
国が定める認可保育園の基準では大都市で対応するのが困難になってきたため、都の特性に応じて独自の基準を設けた、というのが認証保育園が設置された背景です。認証保育園は保育士不足が深刻になっている東京都で、認可保育園ではカバーできない保護者のニーズに対応するため独自に設けられた施設であり、非常に重要な役割を果たしています。
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2.認可保育園・認可外保育園の具体的な違い
認可保育園と認可外保育園では、事業目的や設置・運営基準、保育料など複数の点で違いがあります。具体的な違いは以下のとおりです。
認可保育園 | |
事業目的 | 日々、保育を必要とする児童を保育 |
配置基準 | (児童:保育者) 0歳児 3:1 1,2歳児 6:1 3歳児 20:1 4歳児以上 30:1 ※3歳児については15:1で実施の場合、加算あり ※ただし、保育士は最低2名以上配置 |
職員の必須資格 | 保育士のみ |
設備 | 【2歳未満】 ・乳児室の面積 1.65㎡以上/人 ・ほふく室の面積 3.3㎡以上/人 ・医務室、調理室、便所 【2歳児以上】 ・保育室または遊戯室 1.98㎡以上/人 ・屋外遊戯場 3.3㎡以上/人 ・調理室、便所 |
保育料 | 自治体が設定する |
認可外保育園 | |
事業目的 | 日々、保護者の委託を受けて児童を保育 |
配置基準 | 【主たる保育時間(11時間)】 児童福祉施設設備運営基準に規定されている数以上を配置 【11時間を超える保育時間】 現に保育されている児童が1人である場合を除き、常時2人以上を配置 |
職員の必須資格 | 保育者の3分の1以上が、保育士または看護師資格が必要 |
設備 | 全年齢共通 ・保育室 1.65㎡以上/人 ・調理室、便所 |
保育料 | 施設が独自に設定する |
上記のとおり、基本的には認可保育園よりも認可外保育園の方が基準は柔軟です。
また、認可外保育園によっては、英語教育に力を入れていたり、リトミック保育を積極的に実施したりするなど、保護者のニーズに対応した特徴的な保育を行っているという点に違いがあります。
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3.保育士が認可保育園で働くメリット・デメリット
ここでは、保育士が認可保育園で働くメリット・デメリットについて解説します。
認可保育園で働くメリット
まずは認可保育園で働くメリットを3つ見ていきましょう。
- 運営が安定している
- 保育士のスキルアップに力を入れている施設が多い
- 保育士が働きやすい環境が整っている
認可保育園は国や自治体の補助金を受けることができるため、運営が安定しています。給与や待遇が安定していることもあり、保育士にとっては働きやすい環境でしょう。
園児募集も園自体が行うのではなく、各自治体の選考によって決められます。そのため、運営者や保育士が、園児募集のための業務を行う必要もありません。
認可保育園では、保育士の配置人数など設置基準が厳しく定められているため、人手不足や残業が発生しにくいといえます。そのため、保育士の人材育成をする余裕があり、スキルを学べる環境がしっかり整っている施設が多いです。
また、認可外保育園と比較して季節行事や誕生日会などの行事が多く、幅広いスキルを身につけられるでしょう。
認可保育園では、開園・閉園時間が定められているので、保育士は決まった時間での勤務ができます。そのため、認可外保育園と比較しても残業が少なく、働きやすい環境といえるでしょう。
また、厳しい基準のもと運営している認可保育園は、設備や環境が整っていることが多いです。設備や環境が整った保育園は働きやすいだけでなく、スキルアップを図るにもメリットがあるでしょう。
認可保育園で働くデメリット
続いて、認可保育園で働くデメリットを解説します。
- 求人倍率が高い
- 行事などによる仕事量の多さ
特に公立保育園の保育士は「公務員」扱いになることもあり、離職率が低く、求人倍率も高い傾向にあります。毎年一定数の募集をかけているわけではないので、時期によっては高倍率になる可能性もあるでしょう。公立保育園を希望する場合は、早めに準備しておくことが必要です。
メリットでもお伝えしたように、認可保育園では季節行事や誕生日会など行事が多く、保育士のスキルアップには繋がります。
しかし、それは仕事量が多くなることを意味し、保育士の業務負担も大きくなるでしょう。認可保育では比較的定員が多く、1年を通して行事やイベントを頻繁に実施する傾向にあります。イベントの時期によっては、残業や持ち帰りの仕事が発生する点はデメリットといえるでしょう。
認可保育園はこんな人におすすめ
認可保育園で働くことがおすすめな人は、「給与面や福利厚生を重視する人」です。特に公立の場合は「公務員」扱いとなるため、給与や福利厚生などの待遇面が優遇されています。
私立保育の場合は、公立と比べて運営方針が園ごとに異なるため、自分の希望に合わせて職場を探すことが可能です。長期間安定して働きたい人には、認可保育園がおすすめといえるでしょう。
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4.保育士が認可外保育園で働くメリット・デメリット
ここでは、保育士が認可外保育園で働くメリット・デメリットを解説します。
認可外保育園で働くメリット
認可外保育園は、園によって勤務時間・業務内容・待遇の幅が異なるため、自分の希望に合った職場を探しやすい点が最大のメリットです。その点を踏まえて、認可外保育園で働くメリットを以下の3つから解説します。
- 好待遇な施設もある
- 保育方針がさまざま
- 園児が少ない傾向にある
認可外保育園は「経営が不安定」というイメージもあるかと思いますが、経営母体によっては環境や待遇も安定している施設が多いです。例えば、院内保育園であれば病院、企業主導型保育園は企業が経営していることがほとんどです。
そのため、給与や福利厚生などの待遇がよく、残業がないなどの働きやすい環境が整っている可能性もあります。園によっては認可保育園よりも給与が高いケースもあるため、探してみると良いでしょう。
認可外保育園の中には、あえて国から認可を受けないケースもあります。その理由は、独自の教育プログラムを実施するためです。例えば、英語教育やリトミック保育、ダンスなどさまざまな分野に力を入れています。自分が希望する保育内容がある方は、やりがいをもって働けるのではないでしょうか。
認可保育園と違って施設の広さや園児の数に規定がないため、認可外保育園では園児が少ない傾向にあります。そのため、園児と保育士との距離も近く、一人ひとりの園児とじっくり関わることが可能です。園児が少ないため、行事の開催頻度も低く、その準備にかかる負担や勤務時間も少ないといえるでしょう。
認可外保育園で働くデメリット
続いて、認可外保育園で働くデメリットを2つ解説します。
- シフト制勤務が多い
- 残業や持ち帰りの業務が発生する場合がある
認可外保育園は園ごとに保育時間が決められているので、シフト制を設けている場合が多いです。例えば、「休日保育」や「夜間保育」、「宿泊ありの保育」などさまざまです。園によっては長時間の勤務になることもあるため、求人票や面接時など事前に確認しておきましょう。
認可外保育園は、英語教育やリトミック保育など独自の教育プログラムを取り入れている点が魅力の一つではありますが、園によってはそのために残業や持ち帰りの業務が発生するケースもあります。こちらも面接時などで確認すると良いでしょう。
認可外保育園はこんな人におすすめ
認可外保育園は、自分が携わりたい保育内容が決まっている人、そのスキルを伸ばしたい人に向いています。また、夜間や土日保育など、シフト制に抵抗がなく、自分の生活スタイルに合わせた雇用形態を選びたい方にもおすすめです。
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5.保育士の給与は?認可保育園・認可外保育園の比較
認可保育園と認可外保育園を選ぶうえで、給与体系も気になるポイントの一つかと思います。一般的には、「認可保育園」の方が給与は高い傾向にあります。ここでは、認可保育園と認可外保育園の給与比較を見ていきましょう。
認可保育園・認可外保育園の給与比較
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東京都 |
神奈川県 |
東京都 |
神奈川県 |
|
雇用形態 |
常勤 |
常勤 |
常勤 |
常勤 |
シフト |
7時半~20時半 |
7時~20時 |
7時~19時 |
8時半~17時半 |
月給 |
264,000円~ |
190,000円~ |
219,800円 |
230,000円 |
認可保育園の中でも、公立で働く場合は「公務員」扱いになるため、給与は安定しているといえます。
認可外保育園は補助金が出ないため、認可保育園と比較すると給与が比較的低い傾向にありますが、事業所によって差があるため、一概に認可外保育園の給与が低いとはいえません。さらに認可外保育園では、英語など専門知識を求めている施設もあり、スキルに応じて手当が支給される場合も多いです。
上記で挙げた給与はほんの一例なので、具体的な給与が気になる場合は、求人サイトでチェックしてみてください。
処遇改善手当が支給されるのは認可保育園だけ?
「保育士処遇改善手当」とは、保育士の賃金をアップさせ、保育士の人手不足を改善するために導入された補助金制度です。平成23年からスタートし、月収の3%(約9,000円)が支給されました。平成30年には12%(約38,000円)まで上がっています。
ただし、支給対象は認可保育園のみなので、認可外保育園で働く場合は処遇改善手当を受け取ることができません。認可外保育園への転職を検討している方は、この点をチェックしておきましょう。
保育士の給料について徹底解説!私の給料って低い?給料を上げるには?
保育士の給料について、様々な観点から解説します。
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6.まとめ 施設についてしっかり調べることが大切!
認可保育園・認可外保育園それぞれにメリット・デメリットがあるので、まずは情報収集することが大切です。同じ認可保育園、認可外保育園でも、園ごとに特徴は変わるため、求人を検索する際は比較検討しながら見ると良いでしょう。
特に認可外保育園は国から認可されていないこともあり、ネガティブなイメージを持たれがちですが、保護者の多様なニーズに沿った運営方針が可能になります。英語教育やリトミック保育、ダンスなど保育士の得意分野を活かすこともできるでしょう。
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