未経験から病院で働く医療事務になるには?仕事内容から給与、なり方まで解説!
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「未経験からでも医療事務になれる?」
「病院で働く医療事務の給与を知りたい」
「自分が医療事務の仕事に向いているか知りたい」
このような悩みや疑問はありませんか?病院の医療事務と聞くと、電話応対や会計などの受付業務の印象が強いですが、実はその他にもさまざまな業務を行います。
今回は医療事務の仕事内容から給与、未経験でも採用されるためのポイントまで徹底解説します。特に病院で働く医療事務に絞って解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
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目次
2.病院で働く医療事務の1日のスケジュールは?クリニックとの違いも解説!
3.病院で働く医療事務の給与は?クリニックとの比較も解説!
4.病院の医療事務として働くメリット、デメリットは?
5.病院の医療事務に向いている人は?
6.未経験でも採用されるためには?
7.まとめ
1.医療事務とは?よく混同されがちな職種と併せて解説!
ここでは、医療事務について解説します。よく混同されがちな職種についても解説しているので、この機会にしっかりと理解しましょう。
医療事務とは?
医療事務とは、医療機関(病院、クリニックなど)で受付や会計、レセプト業務を行う職業です。レセプトは医療機関が保険者(全国健康保険協会や健康保険組合)に請求する月ごとの診療報酬明細書のことで、医療費のレシートのようなものです。
医療事務はレセプトを保険者に提出し、診療報酬を請求します。レセプト業務は、医療機関の収入を支える重要な仕事です。また、医療機関の顔として、患者様に応対する接遇スキルや正確かつスピーディな処理能力が求められます。
医療事務と混同されがちな職種の1つ目は、受付事務です。受付事務とは、来院された患者様の受付対応全般に特化した仕事のことです。そのため、医療事務で行う「レセプト業務」はありません。
医療事務も受付業務を行いますが、大学病院などの大規模な医療機関では業務が分かれていることが多いです。
よく混同されがちな職種の2つ目は、医療クラーク(医師事務作業補助者)です。主な業務内容は、医師や看護師がスムーズに業務が行えるように、事務的な面からサポートすることです。具体的には、医師が診断した際の診断書や処方箋などの代行作成、カルテの代行入力があります。
医療クラークは医療事務と混同されがちですが、、医療事務はレセプトメインで、医療クラークは医師や看護師の事務作業のサポートがメインという位置付けになります。また、医療クラークがレセプト業務を行うことは厚生労働省からの通知で認められていません。
よく混同されがちな職種の3つ目は、医療秘書です。主な仕事内容は、役員や医師のスケジュール管理、会議・学会に関連する資料作成を行います。
医療秘書と医療事務の違いは、医療事務は病院やクリニックの受付対応やレセプト・電子カルテ業務がメインなのに対して、医療秘書は医師や役員のサポート業務がメインであることです。病院によっては、受付業務や事務作業のサポートなど、医療事務や医療クラークと一部業務が被る場合もあるでしょう。
これら3つの職種に関しては、仕事の内容に明確な線引きがないため、各病院で仕事内容や呼び方が異なります。ミスマッチを防ぐために、応募前に求人の仕事内容をしっかりと確認することが重要です。
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2.病院で働く医療事務の1日のスケジュールは?クリニックとの違いも解説!
ここでは、病院で働く医療事務の1日のスケジュール例を紹介します。
病院の規模によっては、医療クラークや医療秘書の業務を兼務することもありますが、基本的な業務内容は受付業務、会計業務、レセプト業務の3つです。
出勤したら、まずは着替えや院内の清掃、レジ開けなどの開院準備をします。病院はクリニックに比べると1日の患者数が多いため、開院も早いです。患者様の待ち時間を考えて医療事務も早めに出勤します。
開院時間になったら、来院患者の対応です。主に以下の業務を行います。
- 診察券・保険証の預かり
- 問診票の記入案内
- カルテに住所や氏名・保険証の情報など基本情報を入力
- 受付番号を発行し順番ごとに診察室に案内
- 診察を終えた方の会計
上記以外にも、予約やお問い合わせなどの電話応対や合間でレセプト業務をこなすため、医療事務の仕事は多岐にわたります。
最後の患者様を見送れば、午前中の診療終了です。会計の確認や待合室の清掃を行い、昼休憩に入ります。
大きな病院の場合は、常に窓口対応をしているため、医療事務スタッフは交代で休憩を取ることが多いです。クリニックの場合は、午前診察後と午後の診察開始までに2時間ほど時間があるため、その時間で休憩を取ったり、事務作業を行ったりします。
休憩が終了したら、午後診療の受付開始です。基本的に仕事内容は午前中と同様ですが、スキマ時間で書類やデータ管理をする場合もあります。
最後の患者様を見送って業務終了です。締め作業では、お金を金庫にしまったり、受付・待合室の清掃を行ったりします。業務時間中にレセプト業務やレセプトの提出期限が迫っている忙しい時期は、残業する場合もあります。
病院はクリニックに比べて人数が多いため、これらの業務を分業制にしている場合が多いです。大規模病院になると、専属の受付係を配置している場合もあります。しかし、クリニックの場合は少人数なので、スタッフ一人ひとりが医療事務の業務を全て行います。
医療事務の仕事内容の詳細については、こちらをチェックしてみてください。
医療事務の仕事内容を徹底解説!給与事情、1日のスケジュール、働く魅力まで
本記事では、医療事務の具体的な仕事内容から、1日の流れ、平均給与、やりがいなど詳しく紹介していきます。
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3.病院で働く医療事務の給与は?クリニックとの比較も解説!
厚生労働省が公表している「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」によると、病院・クリニック事務職員の平均年収は以下のとおりです。
施設形態 | 平均年収 (賞与含む) |
賞与 |
病院 (公立) |
500万円 | 114万円 |
病院 (医療法人) |
380万円 | 63万円 |
クリニック (個人) |
294万円 | 46万円 |
クリニック (医療法人) |
300万円 | 43万円 |
クリニックと比べると病院の方が管理職の人数が多いため、クリニックよりも病院の方が平均年収が高くでています。
クリニックは入職時の年収は高いものの、その後は横ばいになるケースが多いです。一方で病院は、入職時の年収は低い傾向にありますが、勤続年数に応じて徐々に上がっていく傾向にあります。公立病院の正社員は公務員になるので、賞与も高く、勤続年数に応じて年収が高くなるのが特徴です。
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4.病院の医療事務として働くメリット、デメリットは?
ここでは、病院の医療事務として働くメリット・デメリットについて解説します。
病院で働く医療事務のメリットは以下の3点です。
- スキルが身につきやすい環境が整っている
- 休みが取りやすい
- 困った時に上司に頼りやすい
スキルが身につきやすい環境が整っている
病院はクリニックと比べて、医療事務のスタッフが充実しているため、人員的な余裕があり、仕事を教えてもらえる環境が整っています。また、研修や勉強会など、教育制度がしっかり整っているのも病院勤務の特徴です。
新卒から入社している職員も多く、「何年目でこれくらいになる」といった目標が立てやすくなります。病院はクリニックに比べて幅広い診療科があるので、さまざまな診療科の知識を身につけられるのも魅力です。
休みが取りやすい
病院はスタッフの人数が多く、休みが取りやすいも魅力の1つです。また、日曜・祝日休みの病院も多いため、平日にもう1日休みを取る勤務先もあります。
病院、クリニックともにシフト制を設けていますが、病院は人手が多いので融通がききやすいことが多いです。子どもが発熱などの体調不良になり、急な休みが必要になった場合でも対応しやすいといえます。
困った時に上司に頼りやすい
病院では、基本的に医事課長や事務長が上司にあたりますが、その業務を何年も続けてきた人なので、困った時は適切なアドバイスをくれます。また、病院はスタッフの数が多いため、スタッフ同士の助け合いも発生しやすい環境といえるでしょう。
クリニックの場合は院長が上司にあたることが多いですが、診療や経営をメインにしているため非常に忙しく時間が取れない可能性があります。
一方で、病院で働く医療事務のデメリットは以下の2点です。
- スキルが偏る
- スピードが求められる
スキルが偏る
病院の医療事務は業務を分担しているケースが多く、経験やスキルが偏ってしまう点がデメリットにあげられます。一つの業務の知識・スキルを向上させたい方にとってはメリットになる反面、幅広い知識やスキルを獲得したい方にはデメリットに感じるかもしれません。
勤務先の病院によっては一定期間ごとに業務をローテーションし、スキルに偏りがないようにするケースもあります。
スピードが求められる
病院の医療事務はクリニックに比べ、1日の患者数が多いので、スピーディな業務が求められます。人によっては、スピード感ある業務が苦手に感じるかもしれません。
特にレセプト業務では、病院やクリニックの収入の大部分を占める診療報酬が関わってくるため、正確性かつスピードが必要です。慣れない業務に対してスピードを求められると、人によっては辛いと感じる場合があるでしょう。
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5.病院の医療事務に向いている人は?
では、実際に病院の医療事務にはどのような人が向いているのでしょうか?
以下の項目に当てはまる人は、病院の医療事務に向いているといえます。
- 着実にスキルアップしたい方
- テキパキと仕事をこなせる方
- 子育て中の方
着実にスキルアップしたい方
「着実にスキルアップがしたい」という向上心のある方は、病院の医療事務に向いているでしょう。病院は教育制度をしっかり設けており、スキルアップできる機会が多いです。
分業制を設けている病院では、1つ1つの業務に関してスペシャリストになることができます。レセプトスキルを高めたいなど特定のスキルを伸ばしたい方にはオススメです。
テキパキと仕事をこなせる方
スピーディーな業務を求められる病院においては、テキパキと仕事をこなせる方も病院の医療事務に向いています。病院の医療事務は業務が分担されており、患者数も多いため、スピーディーに業務をこなさなければなりません。
スタッフが多い点では安心ですが、自分一人では業務が完結しないケースもあり、一人の遅れが全体に影響を及ぼす可能性があります。また、毎月の月末月初にはレセプト業務があるため、業務が終わらなければ残業になるケースも多いです。
子育て中の方
医療事務は仕事と子育ての両立がしやすい職場環境のため、子育て中の方も働きやすいです。院内保育所や時短勤務など、クリニックに比べて病院の方が子育てに関する制度が充実しています。なお、院内保育所については、利用できる職種が限定されているケースがあるため注意が必要です。
もちろん勤務先によって異なりますが、医療事務スタッフも多いので、子どもの発熱など急な休みにも柔軟に対応してもらえます。実際に子育て中の職員も多く在籍しているため、病院の医療事務は子育て中の方も働きやすいといえるでしょう。
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6.未経験でも採用されるためには?
未経験でも病院の医療事務として採用されるためには、以下の3点が重要です。
- 資格を所有している
- パソコンが難なく扱える
- 対人コミュニケーションスキルが高い
資格を所有している
未経験で病院の医療事務として採用される近道は、医療事務の資格を持つことです。未経験が資格を所有していることで、「医療事務になりたい」という意欲を示せます。
医療事務は常に新しい知識を学ぶ必要があり、決して楽な仕事ではありません。採用側も長く続けられる人材を求めているため、資格所有が熱意を示せる大きなアピールポイントになります。
医療事務の資格で代表的なものが以下の4つです。
- 医療事務検定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務資格の種類や難易度について詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください!
医療事務に資格って必要?医療事務資格をまとめてご紹介!
本記事では、代表的な医療事務の資格と難易度、勉強方法を解説します。
詳細を見るパソコンが難なく扱える
最低限のパソコンスキルがある点も、医療事務が未経験でも採用されるポイントです。レセプト業務には、専用のレセコン(レセプトコンピューター)を使用したり、その他事務作業でWordやExcelを使用したりします。
とはいえ、特殊なパソコンスキルが必要というわけではなく、最低限のタイピングスキルやWord、Excelの基本操作ができれば問題ありません。Excelでマクロを組めるなど、他者との差別化を図れる場合は大きな強みになるでしょう。
対人コミュニケーションスキルが高い
医療事務は、病院やクリニックの顔ともいえる立場で患者様と接します。そのため、対人コミュニケーションのスキルが高ければ、未経験でも採用される可能性があります。
前職で接客業に従事していれば、前職での経験がアピール材料になり、面接時などで好印象を残せるでしょう。ただし、前述した資格やパソコンスキルと比較すると、アピールとしては弱いため、最低限必要なスキルとして認識しておくことが大切です。
7.まとめ
病院の医療事務は、未経験OKの求人も多数あり、非常に人気の職業の一つです。特に病院は福利厚生がしっかりしているため、就職・転職先に選ぶ方も多い傾向にあります。また、クリニックに比べて年収・賞与ともに高いのも病院勤務の特徴です。
ただし、「幅広い知識・スキルを習得したい」「ゆっくり仕事をしたい」という方は、クリニックや他の医療機関が向いているでしょう。未経験でも採用されやすいのが病院なので、気になった方は一度、求人を確認してみてはいかがでしょうか?
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小松 和貴
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URL:https://note.com/2ndlabo/n/n6565a29f667f
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