理学療法とは?|理学療法士の仕事内容・目指し方も徹底解説!
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「理学療法って何?」「どんな現場で行われているの?」「理学療法士がやることは何となくわかるけど詳しくはわからない。」
そんな疑問を抱いている方は多いでしょう。
今回の記事では理学療法とは何か、どのような人を対象に行われるのかを解説した上で、理学療法を行う「理学療法士」の業務内容や目指し方、給与事情も詳しく紹介していきます。
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1.理学療法とは
理学療法とは、病気・けが・高齢・障害などによって運動機能が低下している方に対して、運動・温熱・電気・水・光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。実際に体を動かしてリハビリを行うことで、運動機能の維持・回復を促します。
理学療法の対象となる人
理学療法の対象となる人は以下のような人です。
- 病気やけがにより、身体的な障害・運動機能が低下がある方
- 運動機能低下が予想される高齢者
- スポーツ分野でのパフォーマンス向上
このように、障害を持つ人のみならず、最近は健康な人々も対象となっています。
理学療法の種類
理学療法には大きく分けて「運動療法」と「物理療法」の2種類があります。以下でそれぞれについて解説しますので、しっかりと違いを認識しておきましょう。
運動療法は、運動によって体を動かすことで症状の改善・予防や運動機能の回復・維持を図ります。例としてラジオ体操やウォーキング・ジョギング・つま先立ちや腕の上下運動などが挙げられます。
物理療法は、「温熱」「寒冷」「光線」「電気」など、物理的なエネルギーを利用して、症状の軽減・痛みの回復を促します。「低周波装置」や、水圧によるマッサージが出来る「ウォーターベッド」などが例に挙げられます。
治療に関わるタイミングは?
治療に関わるタイミングとしては、大きく分けて「急性期」「回復期」「維持期」の3つの段階があり、それぞれ目的が異なります。以下で解説していきますので、それぞれの違いをしっかりと認識しておきましょう。
手術後など、発症から出来るだけ早い段階で行われるリハビリテーションを「急性期リハビリテーション」と呼びます。術後低下している体力や筋力を少しでも残し、日常生活に復帰できるように行うもので、1日平均20~30分程度のリハビリを行います。
早いタイミングでリハビリを行うことで、早期離床や寝たきりの防止・後遺症の軽減を目的としています。
「急性期」を抜け出して病状が安定し、回復能力が戻りつつある時期に行うリハビリテーションを「回復期リハビリテーション」と呼びます。病状が安定すると、状態にもよりますが2週間程度での退院や、回復期リハビリテーション病棟へ転院し、1日最大3時間のリハビリに励むことが可能です。
退院後、在宅生活で行うリハビリテーションを「維持期リハビリテーション」と呼びます。在宅生活へと環境が変わっても、「これまでのリハビリの効果が落ちてしまわないようにすること」「以前と同等の生活レベルを取り戻せるようにすること」が主な目的です。
スカウトサービス登録はこちら2.理学療法士の業務内容
理学療法士は、医師の指示に基づいて患者の治療計画を立てます。立てた計画を基に歩行訓練などの「運動療法」や、電気刺激などの「物理療法」を行うのが主な業務です。看護師など他職種のスタッフとも意見交換・連携を行い、患者にとって最善な治療を目指します。
理学療法士とは?仕事内容や給料、作業療法士などとの違いを解説
理学療法士(PT)は、理学療法を用いてリハビリテーションを行う専門職です。人体における基本動作に関してのスペシャリストでも
詳細を見る理学療法士と作業療法士の違い
理学療法士と作業療法士は「リハビリ職」「セラピスト」など、一括りで呼ばれることがありますが、職種としては別です。 以下の項目では、理学療法士と作業療法士の違いを解説していきます。
理学療法士は「からだ」に障害がある人に対して、「起き上がる」「歩く」「座る」などの基本的動作能力の回復・維持をサポートします。身体的な回復・維持がもっとも大きな目的です。
作業療法士は「からだ」と「こころ」に障害がある人に対して、「服を着替える」「風呂に入る」「トイレに行く」など、日常生活を送る上で必要不可欠な応用的動作能力や、社会的適応能力の回復をサポートします。身体的な回復・維持だけでなく「何をどのくらい出来るようになりたいのか」「なぜ出来るようになりたいのか」など、患者の心にアプローチした上でリハビリを行うのが、理学療法士との違いです。
スカウトサービス登録はこちら3.理学療法士になるには?
理学療法士は「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格であり、年1回実施される国家試験を受けるために「養成校で3年以上」学ぶ必要があります。 国家試験の過去5年の合格率は毎年80%前後であり、決して狭き門ではありません。また、新卒の合格率は90%前後とかなり高いです。
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和元年 | 13,253人 | 12,605人 | 10,809人 | 85.8% |
令和元年(新卒のみ) | 11,183人 | 10,608人 | 9,845人 | 92.8% |
令和2年 | 12,831人 | 12,283人 | 10,608人 | 86.4% |
令和2年(新卒のみ) | 11,223人 | 10,749人 | 10,019人 | 93.2% |
令和3年 | 12,503人 | 11,946人 | 9,434人 | 79.0% |
令和3年(新卒のみ) | 11,005人 | 10,522人 | 9,093人 | 86.4% |
令和4年 | 13,377人 | 12,685人 | 10,096人 | 79.6% |
令和4年(新卒のみ) | 11,141人 | 10,549人 | 9,296人 | 88.1% |
令和5年 | 13,648人 | 12,948人 | 11,312人 | 87.4% |
令和5年(新卒のみ) | 11,452人 | 10,824人 | 10,272人 | 94.9% |
合格率データ(厚生労働省):令和5年・令和4年・令和3年・令和2年・令和元年
養成校の種類
養成校には4年制大学・短期大学(3年制)・専門学校(3年制、4年制)・特別支援学校(視覚障害者が対象)があります。より専門的な知識を得たい場合・研究職を目指す場合は、大学院(修士課程・博士課程)という選択肢もあるので覚えておくといいでしょう。 すでに作業療法士の資格を持っている人は、養成校で2年以上学べば受験資格が得られます。
理学療法士になるために|国家試験の内容や受験資格について解説
理学療法士は、日常動作の機能回復をサポートする国家資格保持者です。国家試験に合格する必要があり、
詳細を見る理学療法士の活躍場所
就職先でもっとも多いのは病院で、日本理学療法士協会会員の6割近くが従事しており圧倒的に多いです。その他、クリニック・介護施設・一般企業・行政機関に就職するケースもあります。 以下では、それぞれの特徴を解説しますので参考にしてください。
20床以上の入院設備がある医療機関であり、リハビリ対象は主に入院患者です。 脳血管・運動器・呼吸器・循環器など、幅広い分野のリハビリを行うのが特徴で、多くの経験を積むことができます。
入院設備が19床以下の医療機関であり、理学療法士の在籍数は病院に次いで2番目に多いです。(8%程)多くは整形外科で、腰痛やスポーツ障害など、運動器疾患を有した人がリハビリの対象となっています。運動器に特化したスキルや知識を学ぶことが可能です。
主に介護老人保健施設やデイサービス、デイケアなどが挙げられます。リハビリの対象は、介護認定を受けている高齢者です。 高齢者のリハビリに携わりたい人や、維持期のリハビリを学びたい人には向いているでしょう。
フィットネスクラブやプロスポーツチームでトレーニング指導を行ったり、ハウスメーカーで住環境整備のアドバイスやバリアフリー住宅の営業を行ったりする理学療法士もいます。卒業後すぐに一般企業へ就職するケースは少なく、多くの場合は臨床経験を積んだのちに転職先として選択することがほとんどです。
いずれも、比較的狭き門となっています。
就活はいつ始める?
理学療法士の養成校では、最終学年の実習を終えたタイミングで、本格的に就職活動を始めるのが一般的です。 大規模の病院やリハビリテーション施設、募集の全体数が少ない事業所では、実習が終わるころには応募が締め切られているケースもあるため、実習前にある程度キャリアプランを立てておくといいでしょう。
理学療法士の平均給与は?
厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、以下の表の通りです。 表を見て分かるように、地域によって差はありますが初任給は24万円台が平均となっています。男女差については、20代ではほとんどありません。その後30~40代で一度大きく開いた後、50代で再び同水準に戻っているのが特徴的です。
男 | 女 | |
20-24歳 | 24.1万円 | 24.4万円 |
25-29歳 | 26.6万円 | 25.6万円 |
30-34歳 | 29.1万円 | 26.6万円 |
35-39歳 | 31.9万円 | 28.7万円 |
40-44歳 | 34.9万円 | 30.0万円 |
45-49歳 | 36.1万円 | 31.1万円 |
50-54歳 | 33.7万円 | 33.7万円 |
一般的に大学初任給の相場が21万円程度であるため、平均より上であることがわかります。「認定理学療法士」や「専門理学療法士」など、より専門的な資格を取得しキャリアアップすることで、より高い給与を目指すことが可能です。
理学療法士の給料はいくら?平均年収や年代別給与、給料UPのためにできること
理学療法士は、機能訓練などを担当するいわばリハビリのスペシャリストです。理学療法士の平均年収は約431万円ですが、
詳細を見る4.まとめ
理学療法とは、実際に身体の一部を動かすことで身体機能の向上を目指す治療方法です。近年では身体機能が低下した人はもちろんのこと、病気の予防やスポーツ分野でのパフォーマンス向上も目的に行われています。
理学療法士になるためには国家試験という大きな壁があるものの、合格率は80%前後と決して狭き門ではありません。興味がある方は、1つの選択肢として理学療法士を目指してみてはどうでしょうか。
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