保育士の給料について徹底解説!私の給料って低い?給料を上げるには?
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「保育士の給料は安い」
保育に携わる方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。実際、保育士の方でも「自分の給料は安い」と思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、保育士の給料について徹底解説していきます。世間から見て保育士の給料はどうなのか?保育士同士で比べて自身の給料はどうなのか?など、色々な観点から自身を客観視できるような内容になっているので今後のキャリアを決めていく上での参考にしてください。
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目次
1.保育士の平均給与は?手取りはいくら?
ここでは、保育士の平均給与・手取りを解説していきます。厚生労働省が出した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は下記の通りです。
- 平均年齢:38.8歳
- 平均勤続年数:8.8年
- 平均月給:26.68万円
(男性27.79万円、女性26.61万円) - 平均賞与:71.21万円
- 平均年収:391.37万円
(26.68万円×12ヶ月+71.21万円)
全産業の平均賃金は31.18万円で、男女別で見ると男性平均は34.20万円、女性平均は25.89万円となっています。男性保育士は全産業平均より低めとなっていますが、女性保育士は高めです。
また、一般的に手取りは月給の75~85%といわれているため、保育士の手取りの平均は約20万円となります。
スカウトサービス登録はこちら2.保育士の給与水準は?
ここでは保育士の給与水準について、都道府県や年齢・施設形態別に解説していきます。転職先や勤務先を決めるうえで、参考にしてみてください。
都道府県別の平均給与
コメディカルドットコム内の2023年7月掲載求人における、各都道府県ごとでの保育士の平均月給は以下の通りです。
都道府県 | 平均月給 | |
第1位 | 神奈川県 | 26.9万円 |
第2位 | 東京都 | 26.7万円 |
第3位 | 兵庫県 | 25.6万円 |
第4位 | 千葉県 | 25.4万円 |
第5位 | 埼玉県 | 24.6万円 |
あくまで平均数値のため、平均月給が低い都道府県であっても、給料の高い求人が全くない訳ではありません。住んでいる地域で実際に出されている求人を検索すると、さらにイメージがつきやすいです。
年齢別の平均給与
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、年齢別の平均給与は以下の通りです。
年齢 | 平均月給 | 平均賞与 | 平均年収 |
20~24歳 | 22.3万円 | 47.4万円 | 315.7万円 |
25~29歳 | 24.2万円 | 68.4万円 | 359.8万円 |
30~34歳 | 25.2万円 | 66.6万円 | 369.6万円 |
35~39歳 | 26.6万円 | 76.4万円 | 395.7万円 |
40~44歳 | 29.2万円 | 85.4万円 | 436.7万円 |
45~49歳 | 27.4万円 | 88.6万円 | 418.5万円 |
50~54歳 | 28.0万円 | 80.0万円 | 416.5万円 |
55~59歳 | 28.2万円 | 70.9万円 | 410.3万円 |
60~64歳 | 26.2万円 | 67.0万円 | 382.2万円 |
65~69歳 | 26.7万円 | 66.0万円 | 387.0万円 |
基本的に、年功序列である保育士の給料は25歳から上がり続け、役職がつく年齢でピークを迎えます。
ここ数年は、50~54歳で年収のピークを迎えていましたが、今回の調査では40~44歳で年収のピークを迎えています。このことから、役職がつく年齢が徐々に早くなっていることがわかります。
施設形態別の平均給与
内閣府が出した「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、施設形態別の平均給与は以下の通りです。
施設形態 | 月収(賞与込み) | 年収(賞与込み) | 平均勤続年数 |
私立保育園 | 30.1万円 | 362.1万円 | 11.2年 |
公立保育園 | 30.3万円 | 363.7万円 | 11.0年 |
認定こども園(私立) | 27.9万円 | 335.8万円 | 8.2年 |
小規模保育事業A型(私立) | 26.8万円 | 322.4万円 | 8.1年 |
事業所内保育(私立) | 26.9万円 | 323.6万円 | 8.0年 |
出典:内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」
勤続年数を加味すると、施設形態によって大きな差はありません。なお、公立保育園の保育士は地方公務員になるため、給与体系が異なります。
スカウトサービス登録はこちら3.保育士の給料は上がっている?年収の推移について解説!
ここでは、実際に保育士の給料は上がっているのか?年収の推移について解説していきます。
直近5年間で保育士の平均年収は約30万円ほど、増加しています。保育士の給料は、2013年を境に年々増加しており、これは保育士の処遇改善施策を国が行っていることが主な要因です。具体的な施策としては、保育士確保や保育の質向上のため、「保育士処遇改善加算」の導入などが挙げられます。
スカウトサービス登録はこちら4.保育士の処遇改善は?キャリアアップしていくには?
では、実際に給料を上げるにはどうしたらいいのか?先で取り上げた「保育士処遇改善加算」を交えて解説していきます。
保育士には、処遇改善手当(処遇改善加算)がついています。これは、保育士の定着を目的とした政策で、簡単に言うと保育士の給料をアップさせる制度です。
処遇改善加算Ⅰと処遇改善加算Ⅱがありますが、認可保育園を対象とした手当のため、それ以外で働く場合は受けられません。また、受けるためには保育園側が受給手続きを行う必要があります。
処遇改善加算Ⅰとは?
処遇改善加算Ⅰは「基礎分」「賃金改善要件分」「キャリアパス要件分」3つの配分構成で成り立っています。なお、パートや派遣の保育士も対象です。
各施設の職員1人当たりの平均勤続年数に応じて加算されます。施設の平均勤続年数は、「対象職員の勤続年数の合計」÷「対象職員の数」で算出可能です。
もともとの賃金に対して2~12%上乗せされ、具体的には1年未満で2%・1年で3%・2年で4%と1年ごとに1%ずつ増加し、10年を超えると一律12%になります。
これは保育士に対しての賃金改善を実施している施設に加算される仕組みです。平均勤続年数によって加算率が決まり、11年未満の場合は6%、11年以上では一律7%が加算されます。
保育士のキャリアアップに力を入れている施設に対して実施される処遇改善です。職務内容・役職・賃金体系の設定をはじめ、保育士の資質向上に向けて研修の実施をおこなった場合に加算されます。保育園によって手当の額が異なることを覚えておきましょう。
処遇改善加算Ⅱとは?
処遇改善加算Ⅱは、保育士のキャリアアップを目的とした制度です。導入前は園長や主任といった役職しかありませんでしたが、新たに導入された役職には「副主任」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」があります。
副主任になれるのは、経験年数がおおむね7年以上で職務分野別リーダーを経験した人です。マネジメント研修+3つ以上の分野研修を修了する必要があり、副主任としての発令を受けている人が対象になります。
上記の条件を満たしていれば、月額40,000円の処遇改善を受けられる仕組みです。
専門リーダーになれるのは、経験年数がおおむね7年以上で職務分野別リーダーを経験した人です。4つ以上の分野研修を修了する必要があり、専門リーダーとしての発令を受けている人が対象になります。
上記の条件を満たしていれば、月額40,000円の処遇改善を受けられる仕組みです。
職務分野リーダーは、経験年数がおおむね3年以上の人です。6分野のうち、担当する職務分野の研修を修了する必要があり、職務分野別リーダーとしての発令を受けている人が対象になります。
上記の条件を満たしていれば、月額5,000円の処遇改善を受けられる仕組みです。
キャリアアップ研修とは、上記の役職に就くために必要な分野研修です。具体的な分野は以下の通りです。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- マネジメント研修
- 保育実践研修
※1分野で15時間以上の受講が必須
また、加算Ⅱでは、そのほかにも、役職のついた保育士を含む全職員に対して2%(月6,000円程度)の処遇改善をしています。
出典:内閣府「施設型給付費等に係る処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱについて」
キャリアアップ研修についてさらに詳しく知りたい方はこちらをチェック!
保育士のキャリア形成|キャリアアップ研修や取得したい民間資格を紹介
保育士の処遇改善と専門性の向上を図るために、「保育士等キャリアアップ研修」の受講が令和5年度より必須となります。
詳細を見る処遇改善等加算Ⅲとは?
処遇改善等加算Ⅲは、2022年4~9月まで行われていた「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」が、10月以降は処遇改善等加算Ⅲとして継続された形です。
保育士だけでなく調理師や栄養士・事務職員など、対象施設や事業所で勤務するすべての職員が対象になり、毎月約9,000円(収入の約3%)が賃金に上乗せされます。
スカウトサービス登録はこちら5.給料を上げるには?保育士のキャリアアップ例
ここでは、保育士として給料を上げるための方法を解説していきますので、参考にしてください。
役職に就く
内閣府が出した「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、役職に就いている保育士とそうでない保育士との給料の差は以下の通りです。
私立保育園 |
||
役職 | 月収(賞与込み) | 年収(賞与込み) |
施設長(園長) | 56.5万円 | 679.0万円 |
主任保育士 | 42.2万円 | 507.5万円 |
保育士 | 30.1万円 | 362.1万円 |
公立保育園 |
||
役職 | 月収(賞与込み) | 年収(賞与込み) |
施設長(園長) | 63.2万円 | 759.5万円 |
主任保育士 | 56.1万円 | 674.0万円 |
保育士 | 30.3万円 | 363.7万円 |
役職が上がるごとに10万円前後の月収アップが見込めます。いずれも経験年数が重要になってくるので、長く勤めていくのは一つの手でしょう。
また前述の通り、処遇改善加算Ⅱによって保育士が就くことができる役職が増えました。新たに増えた役職では、月額5,000~40,000円アップします。
転職する
即効性があるのは、高収入の職場に転職することでしょう。施設によって待遇も異なるので、すぐに転職する気がなくても一度求人を見てみるのもおすすめです。タイミングがよければ、好条件の求人に出会えるかもしれません。
6.まとめ
ここまで解説してきたように、保育士の給料は年々上がってきています。処遇改善制度についても年々改定されているので、今後も内閣府の動向に注目しましょう。
今回の記事の内容を参考に、改めて自身の給料やキャリアについて考えてみてください。
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