保育士試験|試験の流れや受験資格、難易度について解説
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保育士になるために、保育士試験を受験して国家資格である「保育士資格」を取得しようと考えている方は多いでしょう。
今回の記事では、保育士試験の日程や受験資格などの基本情報を詳しく解説していきます。令和5年より新たに加わるオンライン申請についてや、保育士試験の合格率、勉強方法などにも触れていくので参考にしてください。
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目次
1.保育士試験とは?
ここでは、保育士試験の基本情報を解説していきます。保育士試験とは、国家資格である「保育士資格」を取得するための試験です。
「保育士資格」は、児童福祉法第18条において「保育士とは、保育士の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。(児童福祉法第18条の4)」と規定されています。
保育士試験は、受験資格を満たせば誰でも受験することが可能です。(受験資格については6.保育士試験の受験資格で詳しく解説します)
保育士試験は、社会人から保育士資格取得を目指す場合、必ず突破しなければなりません。また、保育士試験は前期・後期の年2回開催されているので、そのあたりのことは次の項で解説します。
スカウトサービス登録はこちら2.保育士試験の概要
ここでは、日程・申込方法・受験料・試験会場・受付期間・合格発表・合格基準などの保育士試験の詳細を解説していきます。
令和5年保育士試験の日程
保育士試験は年2回行われています。令和5年の保育士試験の日程は以下の通りです。
- 前期試験:筆記 4月22日(土)・23日(日) 実技 7月2日(日)
- 後期試験:筆記 10月21日(土)・22日(日) 実技 12月10日(日)
※ 自然災害などにより試験が中止となった場合、再試験は行われません。
※各都道府県における地域限定保育士試験実施などの情報は「受験申請の手引き」に掲載されます。
※「受験申請の手引き」請求方法・受験申請期間などの詳細は、前期試験については令和4年12月頃、後期試験については令和5年6月頃掲載予定です。
筆記試験日程
筆記試験は、出題科目ごとに2日間に分けて実施されます。以下が、令和5年に行われる保育士試験の日程です。
試験日 | 試験科目 | 試験時間 |
前期:4月22日(土)後期:10月21日(土) | 1科目目保育の心理学 | 11:00~12:00 |
2科目目保育原理 | 13:00~14:00 | |
3科目目子ども家庭福祉 | 14:30~15:30 | |
4科目目社会福祉 | 16:00~17:00 | |
前期:4月23日(日)後期:10月22日(日) | 5科目目教育原理 | 10:00~10:30 |
6科目目社会的養護 | 11:00~11:30 | |
7科目目子どもの保険 | 12:00~13:00 | |
8科目目子どもの食と栄養 | 14:00~15:00 | |
9科目目保育実習理論 | 15:30~16:30 |
実技試験日程
実技試験は幼稚園教諭免許所有者などを除く、筆記試験全科目合格者のみ実施します。集合時間については実技試験受験票に記載されているので、しっかりと確認しておきましょう。以下の①②③のなかから、自分で2分野選んで受験します。
前期:7月2日(日)後期:12月10日(日) | ①音楽に関する技術②造形に関する技術③言語に関する技術 |
令和5年から変更になる申込方法
令和5年の受験申請では「オンライン申請」が可能です。「受験申請の手引き」を取り寄せる必要はなく、スマートフォンやパソコンから直接受験申請手続きが行えます。申請期間内であれば、24時間いつでもオンラインから申請可能です。
受験手数料は、クレジットカードまたはコンビニエンスストアにて支払いができます。証明写真はスマートフォンで撮影したものをアップロード可能です。そのため、従来より受験申請に掛かる費用を抑えられます。
受験申請後は、マイページにて申請受付状況や、受験票発送などの状況を確認可能です。平成28年以降に受験申請した方は、過去合格した科目の免除期間もマイページで確認できます。
マイページは令和5年1月中旬頃より全国保育士養成協議会ホームページにて案内予定です。試験結果もマイページで確認でき、これまで郵送していた「結果通知書」「合格通知書」も電子化され、ダウンロードが可能になっています。
1.マイページ登録(初回のみ)
2.スマートフォンで顔写真を撮影してアップロード
3.受験申請地選択
4.実技試験2分野選択(幼稚園教論免許状所有者などは選択不要)
5.受験手数料の支払い(クレジットカード決済またはコンビニエンストア決済)
※初めて受験申請する方は、上記に加えて受験資格を証明できる書類(卒業証明書・幼稚園教論免許状など)をスマートフォンで撮影(スキャン)し、アップロードする必要があります。
オンライン申請の所要時間は5~10分程度で、申請完了後は受験申請受付完了メールが届き、マイページにて受付状況が確認可能です。
1.封筒2通を用意し、郵送分の切手を貼って投函します。
2.受験申請書(手引き)が到着した後、申請書などに必要事項を記入しましょう。証明写真を忘れずに貼付します。
3.郵便局窓口にて受験手数料の払い込みと受験申請書の簡易書留発送手続きを行います。
※受験申請書(手引き)の請求日から到着まで約5日から10日かかるので注意してください。
効率的に申請を進めるためにもオンライン申請の利用をおすすめします。
受験料
保育士試験を受験するにあたっての受験手数料などは、以下の通りです。
項目 | オンライン申請 | 郵送申請 |
受験手数料 | 12,700円 | |
振込に掛かる手数料 | 350円 | 313円 |
手引き請求郵送料など | 不要 | 370円 |
受験申請書 簡易書留郵送料 | 不要 | 440円 |
合計 | 13,050円 | 13,823円 |
※振込に掛かる手数料は、オンライン申請は「クレジットカード支払」の際に掛かる事務手数料など、 郵送申請は「現金での払い込み」の際に掛かる手数料を表記しています。
試験会場
令和5年の試験会場(後期)は現在調整中で確定次第、順次発表されます。試験会場は各都道府県に1会場以上設置される予定です。現住所以外の都道府県での受験も可能ですが、受験申請後は、受験申請地(試験会場)の変更はできないので注意しましょう。
受付期間
令和5年後期受付期間は下記の通りです。
- オンライン申請
- 郵送申請
令和5年7月6日(木)午前10時 ~令和5年7月26日(水)午後5時
令和5年7月6日(木) ~令和5年7月26日(水) ※当日消印有効
合格発表
令和5年後期の合格発表の日程は現段階では決まっていません。(2023年5月時点)
以下は、例年の合格発表日程です。
- 前期
(筆記)6月上旬~中旬
(実技)8月上旬~中旬
- 後期
(筆記)11~12月頃
(実技)1月頃
合格基準
- 筆記試験:マークシート形式による実施で、100点満点のうち、60点(6割)以上の得点で合格。
- 筆記試験で合格した科目についてはその年を含め、3年間の有効期間が認められている。
- 実技試験:実技試験には明確な合格基準が公表されていないが、1分野50点満点中両分野で30点以上(6割以上)得点することで合格。
実技試験は、指定保育士養成施設におけるカリキュラムとの均衡に配慮し実施されます。また、実技試験は、保育所保育指針「保育の内容」の5領域における「ねらい」および「内容」を達成するために、保育士として実践上必要な知識・技能・資質の観点から評価されるので覚えておきましょう。
スカウトサービス登録はこちら3.地域限定保育士について
ここでは、地域限定保育士について詳しく解説していきます。
地域限定保育士とは?
地域限定保育士は、2015年に成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」によって設けられた資格です。
地域限定保育士とは、一定期間特定の地域でのみ働ける保育士のことを言います。正式名称は「国家戦略特別区域限定保育士」です。
通常の保育士は地域問わず働けますが、地域限定保育士は一定期間(3年間)特定の地域のみでしか働けません。ただし、地域限定保育士として自治体に登録してから3年経過すれば、4年目以降からは全国で働けるようになります。
地域限定保育士試験
現在(2022年時点)試験を実施している自治体は以下の通りです。
- 神奈川県
- 千葉県成田市
- 大阪府
- 沖縄県
- 宮城県仙台市
試験を実施する自治体は、年度ごとに異なります。受験資格は通常の保育士試験と同じです。(詳しくは6.保育士試験の受験資格で詳しく紹介しています)筆記試験内容も、通常の保育士試験と難易度は変わりません。
実技講習会
地域限定保育士試験の場合、保育実技講習会を受講することで実技試験が免除されます。開催する自治体にもよりますが、実技講習会は5日間程度の日程です。
行われる講習は以下の通りです。
- 音楽表現
- 造形表現
- 言語表現
- 事前指導
- 保育実践見学実習
- 事後指導
保育士になりたい気持ちはあるが、実技試験に抵抗がある方には有効な制度でしょう。地域限定保育士試験の実技が免除されることで、保育士試験受験のハードルが下がるのではないかと期待されています。
スカウトサービス登録はこちら4.筆記試験について
ここでは、保育士試験の筆記試験について詳しく解説していきます。
筆記試験は全部で9科目あり、マークシート方式で出題され、合格基準は100点満点のうち60点以上です。(「教育原理」と「社会的養護」は50点満点で合格基準は30点以上)
全科目で合格基準を突破しなければなりませんが、合格した科目については3年間有効なので、有効期間内であれば再受験する必要はありません。
出題科目・出題範囲・問題数・配点
【出題範囲】
- 保育の意義
- 保育所保育指針における保育の基本
- 保育の目標と方法
- 保育の思想と歴史的変遷
- 保育の現状と課題
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 教育の意義、目的及び児童福祉などとの関連性
- 教育の思想と歴史的変遷
- 教育の制度
- 教育の実践
- 生涯学習社会における教育の現状と課題
【問題数】
10問(配点50点満点)
【出題範囲】
- 現代社会における社会的養護の意義と歴史的変遷
- 社会的養護の基本
- 社会的養護の制度と実施体系
- 施設養護の実際
- 社会的養護の現状と課題
【問題数】
10問(配点50点満点)
【出題範囲】
- 現代社会における子ども家庭福祉の意義と歴史的変遷
- 子どもの人権擁護
- 子ども家庭福祉の制度と実施体系
- 子ども家庭福祉の現状と課題
- 子ども家庭福祉の動向と展望
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 現代社会における社会福祉の意義と歴史的変遷
- 社会福祉の制度と実施体系
- 社会福祉における相談援助
- 社会福祉における利用者の保護にかかわる仕組み
- 社会福祉の動向と課題
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 保育と心理学
- 子どもの発達理解
- 人との相互的かかわりと子どもの発達
- 生涯発達と初期経験の重要性
- 子どもの発達と保育実践
- 生活や遊びを通した学びの過程
- 保育における発達援助
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 子どもの健康と保健の意義
- 子どもの発育・発達と保健
- 子どもの疾病と保育
- 子どもの精神保健
- 環境及び衛生管理並びに安全管理
- 健康及び安全の実施体制
- 保健活動の計画及び評価
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 子どもの健康と食生活の意義
- 栄養に関する基本的知識
- 子どもの発育・発達と食生活
- 食育の基本と内容
- 家庭や児童福祉施設における食事と栄養
- 特別な配慮を要する子どもの食と栄養
【問題数】
20問(配点100点満点)
【出題範囲】
- 保育実習理論
- 保育実習実技
【問題数】
20問(配点100点満点)
スカウトサービス登録はこちら5.実技試験について
ここでは、保育士試験の実技試験について詳細を紹介していきます。
実技試験は、一次試験である筆記試験9科目をすべて合格することで受験することが可能です。実技試験は、3つの出題科目のなかから、自分で受験する2科目を選択しましょう。受験申請書提出後の受験科目変更はできないので注意してください。
試験は試験当日に、試験官の前で実際に実技を披露して採点されます。試験会場内では、音や声を出す練習はできないので、事前にしっかり準備しておかなければなりません。
配点は1分野:50点満点で、合格基準は1分野30点以上です。両分野とも満点の6割以上得点した者が合格となります。
音楽に関する技術
「音楽に関する技術」の詳細は以下の通りです。
幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いします。
保育士として必要な歌・伴奏の技術・リズムなど、総合的に豊かな表現ができる力が求められます。
課題曲は試験ごとに異なります。令和4年後期の課題曲は以下の2曲でした。
- 「小鳥のうた」(作詞:与田凖一 作曲:芥川也寸志)
- 「びわ」(作詞:まど・みちお 作曲:磯部俶)
課題曲は、1曲だけではなく両方弾き歌いしなければなりません。
ピアノ・ギター・アコーディオンから選択して演奏します。紙の楽譜の持ち込みは可能です。ピアノの伴奏には市販の楽譜を使用するか、添付楽譜のコードネームを参照して編曲したものを使いましょう。
ギター・アコーディオンで伴奏する場合には、添付楽譜のコードネームを尊重して演奏します。どちらの楽器も前奏・後奏を付けても問題ありません。歌詞は1番のみで、移調も認められています。
- 注意点①:ピアノ以外の楽器は持参し、持参楽器の不具合(弦切れなど)がないように注意する。
- 注意点②:ギターはアンプの使用を認められていないためアコースティックギターを用いる。カポタストの使用は可能です。
- 注意点③:アコーディオンは独奏用を使用する。
造形に関する技術
「造形に関する技術」の詳細は以下の通りです。
保育の一場面を絵画で表現します。
保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物の描写や色使いなど)ができる力が求められます。
表現に関する問題文と条件は、試験当日に提示。当日示される問題文で設定された一場面を、条件を満たして表現することが求められます。
試験時間は45分間です。
解答用紙の大きさはA4判です。絵を描く枠の大きさは縦横19cmとなっています。(紙の種類は試験の当日に提示される)
鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)・色鉛筆(12~24色程度)・消しゴム・腕時計(※人物の形をしたイラスト入りものは机上に置くことも使用することもできません)
- 注意点①:クレヨン・パス・マーカーペンなどの使用は不可
- 注意点②:水溶性色鉛筆の使用も可能だが、水分を塗布するのは不可。
- 注意点③:摩擦熱で消える色鉛筆の使用は不可。
- 注意点④:色鉛筆ケース(筆箱など)を机上におくのは可。(ただし「人物の形をしたイラスト入りのもの」は不可)
- 注意点⑤:携帯用鉛筆削りを会場内に持ち込むことは可能。試験時間中に使用する際は試験監督員の了解を得る必要があります。
- 注意点⑥:受験者の間での用具の貸し借りは認められないので、忘れないように注意しなければなりません。
言語に関する技術
「言語に関する技術」の詳細は以下の通りです。
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、指定される4つのお話のうち1つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行います。(指定される4つのお話は試験によって異なる)
保育士として必要な基本的な声の出し方・表現上の技術・幼児に対する話し方ができる力が求められます。
課題とされるお話は試験ごとに異なります。指定された4つのお話のうち、1つを選びましょう。令和4年後期の課題は以下の4つでした。
- 「ももたろう」(日本の昔話)
- 「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
- 「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)
- 「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
15人程度の子どもが自分の前にいることを想定します。一般的なあらすじを交えて、3歳の子どもがお話の世界を楽しめるように、3分にまとめましょう。
お話の内容を想像できるよう適切な身振り・手振りを加え、絵本を持つことを想定せず、お話をします。
- 注意①:お話をする際は立ってでも座ってでも問題ありません。
- 注意②:題名は開始合図の後、一番最初に子どもに向けて言います。
- 注意③:絵本や道具などの使用は一切禁止です。
- 注意④:3分間は退出できません。時間はタイマーで計られています。
- 注意⑤:子どもがいることを想定した椅子などが用意されています。
6.保育士試験の受験資格
ここでは、保育士試験の受験資格について詳しく解説していきます。
保育士試験を受験するには、受験資格を満たしていることが必須条件です。受験資格は最終学歴によって異なるので、詳細は一般社団法人全国保育士養成協議会:受験資格詳細で確認してみてください。
最終学歴ごとの受験資格
ここでは、保育士とは関係ない学校が最終学歴となる方の受験資格を紹介していきます。
保育士と関連のない学部・学科であっても、国内の4年制大学・短大を卒業していれば保育士試験の受験資格があります。教育基本法に基づいていない学校、たとえば海外の学校を卒業した方については確認が必要となるので注意が必要です。
在学中の場合は、2年以上在学し、62単位以上修得済みであれば受験資格があります。受験年度中に2年以上在学していない、または62単位以上修得できなかった場合は、合格しても無効になるので注意してください。
大学中退の場合でも、2年以上在学し、62単位以上修得済みであれば受験資格があります。
在学中の場合は、大学と同じく2年以上在学し、62単位以上修得していることが条件です。年度中に卒業できることが条件で、卒業できなかった場合は合格が無効になります。
「学校教育法に基づいた専修学校であること」「卒業した課程が修業年限2年以上専修課程であること」の両方を満たしていれば受験可能です。
どちらか一方でも満たしていない方は、高校を卒業した年月日が平成3年3月31日より以前か、もしくは保育科の高校で、平成8年3月31日より以前に卒業していれば受験資格を得られます。
また、保育とは関係のない学部・学科であっても、専門学校卒業と同時に受験資格を得ることが可能です。
在学中でも「学校教育法に基づいた専修学校であること」「卒業した課程が修業年限2年以上専修課程であること」の両方の条件を満たした学校への在籍であれば、受験資格があります。
在学中の場合は、年度中に卒業できることが条件で、卒業できなかった場合は合格が無効になるので注意しましょう。
1991年3月31日以前に高校を卒業した方は、無条件で受験資格を得られます。1991年4月1日以降に高校を卒業した方は、「児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上の実務経験」が別途必要です。
高校の保育科を1996年3月31日以前に卒業した方は、実務経験なしで受験資格を得られます。
「児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上の実務経験」が別途必要となります。(※高卒の場合と勤務期間と総勤務時間が異なるので注意してください)
- 児童福祉法の第7条に基づく児童福祉施設
(保育所、保育所型認定こども園、幼保連携型認定こども園、児童館、児童養護施設など)
- 認定基準に該当する施設・事業(認可外保育施設、小規模保育事業、幼稚園型認定こども園、幼稚園、学童クラブ、一時預かり、放課後デイサービスなど)での実務経験がある場合は、都道府県知事による受験資格認定が必要です。
7.保育士試験の難易度
ここでは、保育士試験の難易度を合格率などを用いて紹介していきますので、受験する際の参考にしてください。
過去5年間の受験者数・合格者数の推移
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2017年 | 62,555人 | 13,511人 | 21.60% |
2018年 | 68,388人 | 13,500人 | 19.74% |
2019年 | 77,076人 | 18,330人 | 23.78% |
2020年 | 44,914人 | 10,890人 | 24.25% |
2021年 | 83,175人 | 16,600人 | 19.95% |
上記の表を見てわかるとおり、合格率は20%台で誰でも簡単に取得できる資格ではないことが分かります。
なぜ合格率が低い?
筆記試験9科目をすべて6割以上の得点をとらなければ合格できないというのが、一番の理由と考えられます。実際、一発で合格するよりも、2~3回受験して合格する人の割合の方が高いです。
参照:厚生労働省「平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業」
実技試験の合格率は例年80〜90%前後と高いので、筆記試験が大きな壁になっていることがわかります。筆記試験で一度合格した科目は3年間は合格期間とされるため、一発で合格しなくても2~3回ほど受験して合格できればと、余裕を持って試験に挑む人も一定数いるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら8.保育士試験の勉強方法
ここでは、保育士試験の勉強方法を紹介していきます。試験に向けて勉強する際の参考にしてください。
保育士試験合格のために必要な勉強時間
個人差がありますが、おおよそ100~150時間程度の勉強時間が必要と言われています。1日あたりの勉強時間を1時間とした場合、4ヶ月~5ヶ月程度は継続的に勉強しなければなりません。1日あたりの勉強時間を2時間確保できれば、2ヶ月~3ヶ月程度で取得できる可能性もあります。
勉強期間は、2~5ヶ月を目安にスケジュールをしっかり組んで取り組むのがおすすめです。勉強時間はあくまでも目安ですが、長期にわたり勉強するのはモチベーションの維持が難しいため、できるだけ短期間で集中的に勉強するほうが効率的でしょう。
独学?通信講座?スクール?
保育士試験の勉強法としては、①独学②通信講座③スクールの3パターンがあります。
独学のメリットとしては、費用を安く抑えられるという点です。市販のテキストに沿って自己学習を行うだけですので、費用として掛かるのはテキスト代のみです。
ただ、以下でも説明しますが、自分でスケジュール管理しながら取り組む必要があるので、徹底的な自己管理が必要です。
通信講座のメリットは、オンラインの環境さえ整っていれば、いつでもどこでも自分の好きなタイミング・場所で学習を進めていくことが可能です。定められたカリキュラムの通りに進めていく形になるので、無駄なく勉強することが可能です。特に仕事をしながら「資格を取りたい」という方にはおすすめの勉強法です。
なお、通学に時間が取られる、費用が他の2つに比べて高額などのデメリットもあるので、注意が必要です。
スクールのメリットは、試験までのカリキュラムの設計がしっかりしていること、疑問点などあればスクールの先生に気軽に質問をできる環境であることです。自己管理が難しいという方はスクールが一番おすすめです。
ただ、こちらもある程度自己管理していく必要はあるので、「通信講座に申し込んで満足」ということにならないように気をつけましょう。
勉強の進め方
以下では、独学の場合の保育士試験に向けての勉強の進め方について解説していきます。
独学で勉強する際は、スケジュールを組むことが重要です。どれくらいの期間で合格を目指すか決めて、1日あたりの勉強時間を設定しましょう。期間や勉強時間を決めたら、スケジュールを組みます。
書店に行けば保育士試験合格向けの参考書が並んでいるので、一度見てみましょう。参考書やテキストによって特徴はさまざまなので、自分にとって一番わかりやすいものを選ぶといいです。参考書は、保育士試験に向けた知識をインプットするためのツールとして使用します。
ただし、インプットするツールは参考書だけではありません。アプリ・電子書籍・YouTube動画などでも勉強できるので、参考書にとらわれる必要はないです。科目は「保育原理」から始めると、前提となる保育の知識が身につくので、その後の科目を理解しやすくなると言われています。
なかには、費用を抑えるために古本を活用しようと考える人もいますが、法改正の影響で出題内容が異なっている可能性があるので、できるだけ最新版を購入するのがおすすめです。
知識をインプットできたら、ひたすら過去問を解いてアウトプットしていきましょう。過去問は、インターネットで公開されており、書店でも問題集が売られています。
最近は、アプリで過去問を解くことも可能です。アプリであれば隙間時間に手軽に解くことができるので、状況に応じて使い分けると効率的にアウトプットできます。
過去問を解くことで実際の試験をイメージできるので、量をこなすのが重要です。多くの過去問を解いて、少しずつ出題形式などがわかってきたら実際の試験をイメージして模擬試験を行いましょう。その際は、時間配分などを意識するといいです。
9.まとめ
保育士試験は、年に2回しか開催されません。合格率は、例年20%前後で合格するのは決して簡単ではないです。筆記試験でつまずく人が多いので、しっかり勉強して試験に挑む必要があります。
一発合格を目指さなくても、合格科目は3年間有効なので少し余裕を持って資格取得を目指すのも一つの手段です。一発合格を目指す場合は、9科目すべて6割以上を取得できるよう勉強しなければなりません。
保育士資格を手にして、保育士として新たなスタートを目指しましょう。
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