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保育士であるメリットとは|幼稚園教諭との違いやデメリットも解説

  • 更新日
投稿者:小松 和貴

なりたい職業ランキングで、常に上位にランクインする保育士。子どもから元気をもらったり、日々成長していく姿を近くで見守ることができる職種であると同時に、就職にも転職にも有利な職種です。ほかにも保育士の魅力はたくさんありますが、その具体的なメリットはご存じでしょうか。

この記事では、保育士のメリット・デメリットや幼稚園教諭との違いも詳しく解説していきます。保育士になりたい方、幼稚園教諭と保育士のどちらの資格を取ろうか迷っている方の参考になれば、幸いです。

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1.保育士であることのメリット

保育士という資格には、どのようなメリットがあるのでしょうか。保育士資格が持つ、具体的なメリットを解説します。

資格職のため就職・転職に強い

保育業界はどこも人手不足なので、まず就職先に困ることはないでしょう。ハローワークや求人サイトでもたくさんの求人情報が掲載されていますし、ご自分の条件に合った勤務先を選びやすいという利点があります。

また、保育士試験の合格率が25%以下ということもあり、資格を持っている人材の希少性が高いことから就職や転職においても有利です。保育士資格は、保育園やこども園だけで需要があるわけではなく、そのほかにも障がい児向け施設などの福祉施設で優遇される傾向にあります。

世間的な評価が高い

保育士は、共働き家庭の子どもの預かりや障がい児の支援など、働いている方や困り事のある方のサポートをするため、その分世間的な評価は高くなります。

また、しっかりと子どもたちと向き合うことで保護者との信頼関係を築きやすく、感謝されることも多いでしょう。この点からも、保育士資格は対外的な印象が良い資格であるといえます。

子育てに理解のある職場

保育所の場合、そもそも共働き世帯が働けるように預けたり子育ての負担を減らすために作られているので、その大変さをよく理解しています。

そのため、一般的な職場より子育てへの理解は必然的に高くなるため、子育て中の職員も配慮を得られやすいのが保育士資格の魅力の一つです。

幅広い年齢の子どもと接し育児の知識を身に付けられる

保育園では幼稚園と異なり、0歳~未就学児まで接する機会があり、育児に関する知識を幅広く身に付けることが可能です。また、放課後等デイサービスなどでは18歳までの子どもを対象としているので、さらに幅広い年齢の子どもたちと接していくことが可能です。

働き方の自由度が高い

保育士資格は、資格の更新義務や都道府県での制限がないため、育休からの復帰や転居による勤務先の変更にも柔軟に対応が可能です。

働き方も選べることが多く、短時間勤務はもちろん、最近では派遣で保育士として働くという方も増加しています。また、正社員でもパートでも自分の希望に合わせて働くことができるので、自由にご自分の望む生活スタイルを叶えられるでしょう。

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2.保育士と幼稚園教諭

保育士

幼稚園教諭

必要な資格

保育士免許

幼稚園教諭免許状
(一種もしくは二種)

資格取得方法

通信教育・独学でも可能
(実務経験2年必要)

大学・短大・専門学校で所定のカリキュラムを修了

取得に必要な期間

最短6か月

最短2年

教育実習

対象年齢

0~3歳

3~6歳

保育時間

7~19時(保育施設による)

原則9~14時

保育士の目的は「保育」であり、メインとなる対象は0〜3歳、勤務先によっては就学前の幼児まで対象となります。

資格取得には専門学校などもありますが、2年の実務経験があれば通信教育や独学でも最短6か月程度で取得可能で、比較的取得しやすい資格です。主な就業先は保育所や認定こども園、児童発達支援事業所などになります。

一方、幼稚園教諭の目的は「教育」であり、対象とするのは3歳〜就学前の子どもが対象です。

大学・短大・専門学校で所定のカリキュラムを修了しなくてはならないため、最短でも2年かかることや、教育実習がある点で違いがあります。主な就業先は、幼稚園や認定こども園などです。

このように保育士と幼稚園教諭では、対象とする子どもの年齢が一部重複するものの、それ以外は資格の取り方も目的とする業務などでも違いがあります。

保育士か幼稚園教諭のどちらを取るべきかは、ご自分が希望する就業先でどの資格が必要とされているか、理解することで見えてきます。

比較した際のメリット・デメリット

保育士と幼稚園教諭を比較したとき、それぞれのメリットデメリットではどのような違いがあるのでしょうか。資格ごとに解説します。

保育士

メリット

  • 接するどもの年齢幅が広い
  • 担当クラスを複数名で分担することもできる
  • 保育園に限らず働けるので求人数が多い

デメリット

  • 休日出勤が発生することがある
  • 保育時間が長く、事務作業の時間は各自で確保する必要がある

保育士は、保育時間が長いことや交替制勤務である場合が多いなどのデメリットがあります。しかし、求人数が多いことから、結婚・出産などでブランクができても働きやすいというのは大きなメリットであるといえるでしょう。

幼稚園教諭

メリット

  • 事務作業の時間があり、子どもを見守る時間も短め
  • 休日がきっちりしていることが多い

デメリット

  • 担当クラスは基本一人で受け持つため負担が大きい
  • 採用試験や求人数自体が少ないため難易度が高い

幼稚園教諭は、保育士と比べると子どもを見守る時間が少なく、休日はきちんと決まっていることが多いなどのメリットがあります。一方、担当クラスを基本的に1人で受け持つことや、保育士と比べて求人数自体が少ない点がデメリットです。

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3.保育園と幼稚園の違い

保育園と幼稚園では、制度的にも明確な違いがあります。幼稚園は学校教育施設に該当し、文部科学省の所管となっていますが、保育園は児童福祉施設であり、厚生労働省の所管です。

下の表にある通り、幼稚園も「幼児を保育」という文言が入りますが、保育園は「保育に欠ける」となっており、保護者の事情で保育できない場合に限ります。

対象年齢や保育時間や教育時間でもはっきりとした違いがありますので、きちんと区別して検討する必要があるでしょう。

保育園

幼稚園

目的

日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること
(保育所入所基準)

幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長すること

対象

保育に欠ける乳児(1歳未満)と幼児(1歳から小学校就学の始期に達するまで)

満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児

設置者

公立は市町村、私立は社会福祉法人等
※設置に当たっては、知事の許可が必要。(ただし、設置者が都道府県の場合は、この限りではない)

公立は市町村、私立は学校法人等
※設置に当たっては、市町村立幼稚園の場合は都道府県教育委員会、私立幼稚園の場合は知事の許可が必要

教育・保育内容の基準

保育所保育指針

幼稚園教育要領

教育・保育時間 (1日あたり)

基準:8時間

基準:4時間

教育・保育日数 (年間)

規定なし

39週以上

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4.資格ごとに勤務できる施設を紹介

保育士資格と幼稚園教諭の資格では、就業先を選ぶ際にも違いがでてきますが、具体的に勤務できる施設についてご説明します。 各施設の特徴についても解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

保育所

  • 保育士…◎
  • 幼稚園教諭…☓

保育所は、認可保育所と認可外保育所の2種類があり、そのなかでも認可保育所は公立と私立に分かれるのが一般的です。

また保育所として認められるためには、面積や職員数、設備や衛生管理、防災管理などの設置基準を満たす必要があるなど、細かい決まりがあります。

認可保育所は比較的に経営状態が安定していることが多く、公立の保育所に勤める場合は地方公務員という形での採用です。公立保育所の場合、着実な給与アップや待遇の改善も望めますが、その分入職のハードルは高くなるでしょう。

認可外保育所はさまざまで、運営母体によって経営方針や待遇などに違いがあり、福利厚生も認可保育所よりも手厚い場合もあるようです。

保育所に勤めたい場合、保育士資格の保有が前提となることが多いため、幼稚園教諭の資格を持っている場合も保育士資格が必要になります。

保育所は、「3歳までの幼児に関わりたい」「保育士の資格をフルに活用したい」「保育に強いあこがれがある」という方にオススメです。

幼稚園

  • 保育士…☓
  • 幼稚園教諭…◎

幼稚園では、幼稚園教諭の資格がないと勤務ができません。3歳〜就学前までの幼児を対象に、小学校入学前に学校教育をおこなうのが目的です。保育所同様、私立と公立に分かれ、公立の場合は地方公務員扱いとなります。

「就学前の幼児教育に興味がある方」「教育機関でもある程度決まったシフト内で働きたい方」などに向いているでしょう。

ただ、免許更新制度があるために継続的な知識や経験の積み重ねが必要であるほか、1人にかかる負担が大きくなる可能性があるので、注意が必要です。

認定こども園

  • 保育士…△
  • 幼稚園教諭…△

認定こども園は、保育所と幼稚園どちらの機能も有しており、教育と保育を一体的におこなう施設です。

幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4種類があり、幼保連携型の場合は両方の資格が必要になります。

幼保連携型以外は保育士か幼稚園教諭のどちらかの資格でも勤務可能ですが、満3歳以下の保育に携わる場合は保育士資格が必須です。

「幼児の教育に興味がある保育士」「保育に興味のある幼稚園教諭が新たなキャリア形成を希望する場合」に、最適な勤務先といえるでしょう。

学童保育施設

  • 保育士…◎
  • 幼稚園教諭…◎

学童保育施設は、放課後や夏休みなど児童が家で一人になるのを防ぐために児童を預かる施設で、公立が8割を占めており原則18時までとなっています。

資格要件がないため、保育士・幼稚園教諭資格のどちらでも勤務可能ですが、場所によっては保育士や放課後児童支援員等の資格が必要です。

「児童と関わる仕事がしたいが、長時間勤務は避けたい」などの希望がある場合に向いています。

児童発達支援事業所・放課後等デイサービス

  • 保育士…◎
  • 幼稚園教諭…◎

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスは、障がいを持った児童に対して療育をおこなう施設で、共に保育士や児童指導員の配置基準が設定されています。

幼稚園教諭は一見関係ないように見えますが、児童指導員の任用資格とみなされますので、問題なく勤務が可能です。

ただし、児童発達支援事業所・放課後等デイサービスは障がいのある児童が対象のため、根気強さや障がいへの理解がある方が望ましいでしょう。

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5.それぞれの資格取得を支援する特例制度もある

厚生労働省や文部科学省は、認定こども園法の改正で幼保連携型の認定こども園を創設するにあたり、認定こども園で勤務する職員を保育教諭と定めています。

この保育教諭は、保育士と幼稚園教諭の両方の免許状を持っていることが条件とされており、それに伴い暫定的に特例制度を設けました。

この特例では、保育士・幼稚園教諭どちらかの資格を持っていた場合、一定の実務経験と大学等での一定の単位取得をもって持たないほうの資格を取得することが可能になっています。

この2つの資格は共通点も多く、両方とも取得することで勤務先の選択肢が増えるというメリットがあり、大きなデメリットはありません。

ただし、2025年3月まで(2022年12月現在)の期限付きの制度のため、どちらの資格もない場合は今後のキャリアをよく考える必要があります。

保育士が幼稚園教諭の資格を取得する場合

免許状

基礎資格

保育士としての実務経験

大学において習得することが必要な最低単位数

幼稚園教諭一種免許状

学士の学位を有すること及び保育士となる資格を有すること

3年かつ4,320時間以上

8単位(左記の実務経験に加え、幼保連携型認定こども園での保育教諭等としての2年かつ2,880時間以上の実務経験を有する場合は、6単位)

幼稚園教諭二種免許状

保育士となる資格を有すること

出典:文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例

幼稚園教諭が保育士の資格を取得する場合

免許状

基礎資格

実務経験

必要な最低単位数

保育士

幼稚園教諭免許

3年かつ4,320時間以上

8単位(指定保育士養成施設において。幼稚園等での実務経験を踏まえて習得すべき科目・単位を設定)

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6.似ているようで異なる資格

保育士と幼稚園教諭は、就学前の幼児を対象とした資格であるということや、勤務先でも共通点があるため違いが分からないこともあるかもしれません。

しかし、保育士は就学前までの「保育」、幼稚園教諭は3歳〜就学前までの「教育」を担当する点で、その目的が異なります。

また、保育士は交替勤務や給与が低めであることがデメリットですが、求人数が多く条件を選べたり、転職に有利という点が大きなメリットです。

保育士資格を取得するかどうかは、まずご自分のやりたいことを明確にし、今後のキャリアなどもよく考えて見極めていくことが重要になるでしょう。

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よくある質問

保育士であるメリットにはどんなものがありますか?
保育士資格が持つ具体的なメリットは以下の通りです。

・資格職のため就職・転職に強い
・世間的な評価が高い
・子育てに理解のある職場
・幅広い年齢の子どもと接し育児の知識を身に付けられる
・働き方の自由度が高い
保育士と幼稚園教諭のメリット・デメリットをそれぞれ教えてください。
【保育士】
<メリット>
・接するどもの年齢幅が広い
・担当クラスを複数名で分担することもできる
・保育園に限らず働けるので求人数が多い

<デメリット>
・休日出勤が発生することがある
・保育時間が長く、事務作業の時間は各自で確保する必要がある

【幼稚園教諭】
<メリット>
・事務作業の時間があり、子どもを見守る時間も短め
・休日がきっちりしていることが多い

<デメリット>
・担当クラスは基本一人で受け持つため負担が大きい
・採用試験や求人数自体が少ないため難易度が高い


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URL:https://note.com/2ndlabo/n/n6565a29f667f

2022年4月よりセカンドラボ株式会社に入社。主に病院を中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。

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