救急看護師のお仕事とは?向いている人の特徴からやりがいまで徹底解説
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皆さんは救急看護師にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「テキパキと働いている姿がかっこいい」
「憧れはあるけど、自分に務まるかわからない」
このようにさまざまなイメージや疑問を持っているかと思います。
今回の記事では、救急看護師の仕事内容・役割・やりがい・向いているタイプについて詳しく解説していきます。
救急看護師を目指している方や、憧れはあるが挑戦するか悩んでいるという方は、本記事をぜひご覧ください。
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1.救急看護とは?
ここでは、救急看護とはどのようなものなのか、救急看護師になるために必要なことは何かを紹介していきます。
また、救急看護師におすすめの専門資格も紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
救急看護とは
日本救急看護学会では救急看護を「さまざまな状況において突然に生じた傷害または急激な疾病の発症や急性増悪等によって、医療を必要とする人々に対する迅速かつ適切な看護実践をいう」と定義しています。
定義を噛み砕いた表現をすると、救急看護とは、交通事故によるケガや急性心筋梗塞、脳卒中など、予期せずに発生したけがや病気に対応するための看護活動です。
救急看護は、主に救急外来・救急救命センターなどの救急医療施設で行われていますが、ドクターヘリや災害現場など、医療施設以外でも行われています。
救急看護の特徴として、場所、疾患、臓器、対象の発達段階、診療科、重症度を問わないことが挙げられます。
救急看護師になるには
救急看護師になるのに特別な資格は不要で、看護師の国家資格があれば誰でも目指すことが出来ます。
ただし、救急看護では幅広い疾患・症状の患者さんを扱う上、緊急度・重症度も高いため、看護師にも迅速な判断力、幅広い知識、レベルの高い救急処置のスキルが求められます。
そのため、新卒の看護師など、未経験者がいきなり救急看護を行う部署に配属されることは少ないでしょう。
救急看護師になるには、まずは急性期病棟などで一定の経験を積み、その後、院内の異動や転職で目指すのがよいでしょう。
救急看護師に必要な能力
救急看護師に求められる主な能力は下記の3点です。
- 高い看護スキル
- スピード感のある判断力
- 幅広い幅広い疾患・症例についての知識
救急看護の現場では、重症度や緊急性が高い患者さんを診療科目問わず受け入れ、初期治療を行います。そのため、上記で述べた3点が求められるのです。
また、救急看護はチームで行うため、「コミュニケーション能力」や「協調性」も求められます。
救急看護師におすすめの資格
救急看護師になるために資格は必要ありませんが、認定看護師や専門看護師の資格を取得することで、特定の分野での専門性を高めることができます。
救急看護師におすすめの資格は以下の4つです。
- クリティカルケア認定看護師
- 急性・重症患者看護専門看護師
- ICLS
- JPTEC
クリティカルケア認定看護師とは、2020年度から開始された新たな認定で、「救急看護認定看護領域」と「集中ケア認定看護領域」が統合されたものです。
クリティカルケア認定看護師に期待される能力は以下のようなものです。
- 患者の症状及び重症度・緊急度に応じて、高い臨床推論力と病態判断力に基づき適切な初期対応ができる
- 急性かつ重篤な患者の健康問題をアセスメントし、重篤化回避及び早期回復に向けた看護ができる
- 急性期にある患者と家族に対して、適切な支援ができる
出典:【日本看護協会】専門看護師・認定看護師・認定看護管理者
急性・重症患者看護専門看護師は2004年度に特定された専門看護分野で、危機的状況にある患者に対し、最善の医療が提供できるよう支援する役割が課せられています。
急性・重症患者看護専門看護師に期待される能力は以下のようなものです。
- 危機的状態にある患者に対し、迅速かつ細心の注意を払った看護ができる
- 幅広い知識、高い技術、豊富な経験、優れた判断力、行動力
- スタッフ間の調整力
出典:【日本看護協会】専門看護師・認定看護師・認定看護管理者
「ICLS」とは「Immediate Cardiac Life Support」の頭文字を取った略語で、医療従事者のための蘇生トレーニングコースのことをあらわします。
突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生を習得することを目標としています。
実技実習を繰り返し、蘇生のために必要な技術や、蘇生現場でのチーム医療を身につけます。
「JPTEC」とは「Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care」の頭文字を取った略語で、外傷病院前救護プログラムというトレーニングコースです。
病院到着前の重症外傷患者を主として扱っており、重症患者観察のプロセスなどは疾患全般に応用できる有用なものです。
JPTECは防ぐことができる外傷死亡を無くすため、医療システムの整備や外傷初療標準化の浸透を図っています。
スカウトサービス登録はこちら2.救急看護師の仕事内容・役割
ここからは、救急看護師の仕事内容や役割を解説していきます。
救急看護師の主な仕事内容は以下の通りです。
- 初期治療
- 処置の補助
- トリアージ
- 家族のケア
1つずつ、詳しく解説していきます。
初期治療
救急看護師の最も重要な役割は初期治療の実施です。
救急看護師は、心臓や呼吸が止まってしまった患者への救急蘇生処置、採血、点滴、酸素投与など、さまざまな処置を患者の状態に合わせて素早く行う必要があります。
また、人工呼吸器や心電図モニターの管理なども行う必要があり、幅広い知識とスキルが求められます。
処置の補助
医師の補助はどの診療科でも行う看護師共通の業務ですが、救急看護師はより緊急度・重症度の高い患者への処置の補助を行います。
医師の処置がスムーズに進むようサポートを行うためには、患者の状態を判断し、医師の指示を素早く読み取ることが必要です。
トリアージ
トリアージとは、患者の容態を確認し処置の優先順位を決めることです。
救急看護師には病院に到着した患者に問診と観察を行い、必要な情報を引き出し、優先度を判断する役割があります。
通常、トリアージは医師や救急救命士が行うケースが多いですが、救急医療施設では経験を積んだ看護師が行うこともあります。
家族のケア
救急医療の現場では、突然の病気や怪我に気持ちの整理が追いつかず、取り乱す家族も少なくありません。
そのため、救急看護師には患者家族の心のケアという重要な役割があります。
患者家族の気持ちによりそいながら、患者の容態や今後の見通しを説明する、高いコミュニケーション能力が求められることになります。
上記で説明したように、医療行為が多いのが救急看護師の仕事内容の特徴ですが、他にも
- 一般外来のサポート
- 生活行動の援助
- 救急看護に関する研究
など、業務は多岐にわたります。
スカウトサービス登録はこちら3.救急看護師の給与事情
ここでは、救急看護師の給与事情についてまとめていきます。 結論からお伝えすると、救急看護師の給与は一般の診療科と比べると少し高いと言われています。
なぜ救急看護師の給与が一般の診療科と比べると高いのか、理由を確認していきましょう。
まずは、看護師全般の給与事情についてです。
令和3年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は498.6万円とされています。一般的には地域などにより差はありますが、看護師の平均年収は450~500万円といわれています。
看護師の給料はどれくらい?年収を上げるポイントを徹底解説!
世間一般では「看護師は高給」というイメージが強いですが、本当でしょうか。実際の内訳を見ながら、具体的な数字と共に、その詳細に迫ります。
詳細を見る看護師の基本給は診療科の違いで差が出るケースは少なく、手当の有無で給与の差が出るのが一般的です。
夜勤手当を例として確認してみましょう。
一般外来の看護師には夜勤がなく、病棟看護師には夜勤があります。
夜勤手当は1回10,000円程度で、月4回夜勤をするとなると、夜勤の有無だけで年間50万円程度の差が出ることになります。
次に、救急看護師の給与事情についてです。
救急看護師の場合は、以下の2つが給与が高い理由とされています。
- 一般的に支給される手当の他に、特殊勤務手当・オンコール手当などが支給される
- 救急看護師の職場に多い、3次救急対応の大規模病院はそもそも給与が高い傾向にある
他にも、認定看護師・専門看護師などの資格があれば資格手当が支給されることもありますし、残業手当の有無も収入に大きく関わります。
高収入を希望するのであればどんな手当があるのか、残業はどれくらいあるのかなどもしっかりチェックしておくと良いでしょう。
スカウトサービス登録はこちら4.救急看護師の魅力
ここでは、救急看護師の魅力ややりがいについて解説していきます。
救急看護師の魅力・やりがいは以下の2つです。
- 看護師としてのスキルアップに繋がる
- 救急看護師ならではのやりがいがある
看護師としてのスキルアップに繋がる
1つめの魅力は看護師としてのスキルアップができる点です。
救急医療の現場では、診療科を問わず患者が搬送されるため、幅広い疾患・症例を経験でき、スキルアップにつながります。
また、より良い看護を提供するためには常に学びの姿勢が必要であり、セミナーや勉強会への参加も必須です。学んだことをすぐに活かすことができる環境なので、そこもやりがい感じる救急看護師は少なくありません。
救急看護師は、看護師としてスキルアップしたいという気持ちが強く、勉強熱心な方におすすめです。
救急看護師ならではのやりがいがある
救急医療の現場では、搬送される患者は重篤・重症であるケースがほとんどであり、治療を行い回復した際には
「命を救うことができた」「症状が改善した」「一般病棟へ移って退院できた」など、患者の回復がはっきりと目に見えてわかるため、達成感ややりがいを感じることができます。
患者さんだけではなく患者家族から感謝されるケースも多く、努力が報われ、大きな達成感を感じることは救急看護師の魅力のひとつです。
また、救急看護は他の看護に比べ、短時間で看護ケアの結果が出るので、いつ何時も気が抜けず、大変でもあり、その分やりがいがとても大きいことが魅力です。スピード感が常に求められる環境なので、前回より早く処置できたなど、自分の成長は感じやすいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら5.救急看護師の大変なこと
救急看護師の仕事は、やりがいや魅力も多いですが、もちろん大変なこともあります。
大変なことは主に以下の3つです。
- 常に緊張感がありミスが許されない
- 体力的・精神的にきつい
- プライベートとの両立がむずかしい
常に緊張感がありミスが許されない
救急看護師の仕事はやりがいが大きい反面、常に忙しく緊張感があります。
また、患者の生死が掛かっているため失敗は許されず、現場はぴりぴりとしていて、医師や先輩看護師から叱責されることも少なくありません。
新人の場合、プレッシャーに耐えられなかったり、上手くできない無力さに打ちのめされたりするため、覚悟を持って仕事に臨む姿勢が必要です。
体力的・精神的にきつい
救急看護師は体力的・精神的にきつい仕事です。
まずは体力面についてです。
救急看護師は、夜勤や緊急の呼び出しがありスケジュールがハードになりやすいです。 さらに休日には自己研鑽のための勉強会・セミナーが入ることもあります。
このように、忙しい業務と自己研鑽に励むだけの体力が必要になってきます。
次は精神面についてです。
救急医療の現場に搬送されてくる患者は、全員が助かるわけではなく、助からない命も少なくありません。
患者を看取ることの精神的な痛みは大きく、さらに救えなかった患者の家族から非難を受けることもあります。
このように、救急看護師は体力的・精神的にきついため、十分な体力と強い精神が必要です。
プライベートとの両立がむずかしい
ここまででお伝えしてきたように、救急看護師はとても忙しく、結婚・出産・育児との両立は難しいと言えます。
特に子育てをしながら仕事を続ける場合、家族のサポートが必須なため、ライフスタイルの変化を機に退職する看護師は多いです。
そのため救急看護師は3~5年目の若手が多く活躍しています。
しかし、必ずしも子育てしながら救急看護師として働くことができないわけではありません。
その場合は、家族や職場の理解やサポート、プライベートを削ってでも頑張りたいという覚悟・熱意が重要となります。
スカウトサービス登録はこちら6.救急看護師に向いているタイプ
ここからは、救急看護師に向いているタイプについて解説していきます。
救急看護師に向いているのは以下の特徴を持った人です。
- 向上心がある
- 体力がある
- 気持ちの切り替えが上手
- チームワークを大切にできる
- 救急看護師として働く覚悟ができている
向上心がある
救急看護師には幅広い疾患への知識、救急処置スキル、医療機器の使用方法などが必要なため、学ぶ姿勢が大切です。
医療は日々進化しているため勉強に終わりはなく、向上心を持って常に知識をアップデートしていきたい、という方にはおすすめできます。
また、救急看護師は全ての領域に関する幅広い知識が必要になるため、学ぶ意欲が高くても専門分野を極めて行きたいという人には不向きともいえます。
体力がある
そもそも体力がないと夜勤のある看護師は務まりませんが、その中でも救急看護師は体力勝負です。
素早い行動ができる、テキパキと仕事をこなすことができる人が向いているといえます。
気持ちの切り替えが上手い
気持ちの切り替え・オンオフの切り替えが上手い人も救急看護師に向いているといえます。
救急医療の現場では、命を救うことができなかったり、患者家族から心無い言葉を向けられたり、精神的に辛いことも多いものです。
また、現場は常に緊張感があり、医師や先輩看護師もピリピリしています。
辛い気持ちや落ち込んだ気持ち、職場の緊張感を引きずらず、上手に気持ちを切り替えることができる人は向いているといえるでしょう。
チームワークを大切にできる
医師の処置介助や病棟・手術室との調整など、救急医療の現場では医師や他職種とのチームワークが重要となります。
チームワークを良くするためには、日頃から信頼関係を構築しておく必要があり、高いコミュニケーション能力が求められます。
救急看護師として働く覚悟ができている
救急看護師として働く覚悟があることも重要です。
救急医療に関心があったり、救急看護師に憧れていたりする人は少なくありません。
なぜなら「命を救うことができた」「患者さんが元気になって退院した」など達成感ややりがいが大きいからです。
一方で、ミスは許されない、休日でも勉強しなければならない、頑張っていても現場でなかなか役に立てない、先輩に怒られるなど、救急看護師は責任が重く大変な仕事です。
救急看護師として働く覚悟ができていないと理想と現実のギャップで気持ちが折れてしまうでしょう。
きついことやつらいことも理解した上で、救急看護師として働く強い覚悟を持つことが重要です。
スカウトサービス登録はこちら7.まとめ
今回の記事では、救急看護師の仕事内容・役割・やりがい・向いているタイプについて詳しくまとめていきました。
救急看護師はやりがいがあり、看護師として成長できる仕事です。
救急看護師になるために特別な資格は必要なく、新卒からでも目指すことはできます。
一方で、現場は過酷で常に知識のアップデートをしていく必要があり、安易な気持ちで救急看護師になると理想と現実のギャップで苦しむことになりかねません。
救急看護師の大変なことやつらいことをよく理解したうえで、覚悟を持って目指す必要があります。
救急看護師に興味や憧れのある方は、本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
そのため、新卒の看護師など、未経験者がいきなり救急看護を行う部署に配属されることは少ないでしょう。救急看護師になるには、まずは急性期病棟などで一定の経験を積み、その後、院内の異動や転職で目指すのがよいでしょう。
・初期治療
救急看護師の最も重要な役割は初期治療の実施です。救急看護師は、心臓や呼吸が止まってしまった患者への救急蘇生処置、採血、点滴、酸素投与など、さまざまな処置を患者の状態に合わせて素早く行う必要があります。
・処置の補助
医師の補助はどの診療科でも行う看護師共通の業務ですが、救急看護師はより緊急度・重症度の高い患者への処置の補助を行います。医師の処置がスムーズに進むようサポートを行うためには、患者の状態を判断し、医師の指示を素早く読み取ることが必要です。
・トリアージ
トリアージとは、患者の容態を確認し処置の優先順位を決めることです。救急看護師には病院に到着した患者に問診と観察を行い、必要な情報を引き出し、優先度を判断する役割があります。通常、トリアージは医師や救急救命士が行うケースが多いですが、救急医療施設では経験を積んだ看護師が行うこともあります。
・家族のケア
救急医療の現場では、突然の病気や怪我に気持ちの整理が追いつかず、取り乱す家族も少なくありません。そのため、救急看護師には患者家族の心のケアという重要な役割があります。患者家族の気持ちによりそいながら、患者の容態や今後の見通しを説明する、高いコミュニケーション能力が求められることになります。