ケアミックス病院とは?特徴や働くメリット・デメリットを詳しく解説!
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皆さんはケアミックス病院にどのようなイメージをお持ちでしょうか?「急性期より落ち着いていそう」「一般病院との違いが分からない」など、漠然としたイメージしかない方も多いかと思います。
ケアミックス病院は、複数の病床機能を併せ持ちひとつの病院で治療からリハビリ、看取りまでを行うことが可能です。今回はケアミックス病院について詳しく解説していきます。
働く上でのメリットや大変なこと、向いている人の特徴も紹介しますので、ケアミックス病院への転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.ケアミックス病院とは?仕事内容から給与事情まで
厚生労働省の調査資料によると、ケアミックス病院とは「一般病床と療養型病床または精神病床の混合型の病院」と定義されています。
ケアミックス病院の成り立ちとしては、療養型病院や精神科病院が一般病床を有するようになったのではなく、もともと一般病床を有していた病院が、療養型病床や精神病床に変わり、ケアミックス病院として展開されていることが多いようです。
では、具体的にどんな病院なのでしょうか?その特徴やケアミックス病院で働く際の仕事内容、気になる給与事情についても紹介していきます。
ケアミックス病院とは
厚生労働省では、一般病床と療養型病床の混合型と定義されているとお伝えしましたが、実際の運営上ではもう少し広く捉えられているようです。ケアミックス病院は、複数の病床機能を維持し、急性期医療と慢性期医療(または回復期医療)の両方に対応しています。
病気になり始めの急性期から、病状がある程度安定する慢性期の治療、その後在宅へ復帰するところまで対応が可能なところが特徴です。また、看取りにも対応しているため、病状の変化による転院の必要がありません。
このケアミックス病院は、それぞれの病院に応じて担う機能に違いがあり、タイプ別に分けることができます。
- 急性期病棟+回復期リハビリテーション病棟+療養病棟
- 急性期病棟+地域包括ケア病棟+療養病棟+緩和ケア病棟
- 回復期リハビリテーション病棟+療養病棟
いずれも、ケアミックス病院です。
上記のほかに、訪問看護や介護施設も併設されていることがあります。
一方で、複数の病床機能を備えていても、病床数の割合によってはケアミックス病院の定義を満たさないこともあるので注意してください。
その具体的な割合は、以下の通りです。
- 一般病床の割合が80%以上であれば急性期病院
- 療養病床の割合が80%以上であれば療養型病院
これらは、一般病床と療養型病床の両方を備えていたとしても、ケアミックス病院とは言えません。
複数の病床機能があるからといって、きちんと確認せずに転職し、後から急性期病院だったと気づいたという例もあります。
ケアミックス病院への転職を検討される際には、病床数まで確認するようにしましょう。
ケアミックス病院で働く看護師の仕事内容
ケアミックス病院の看護師として働く場合、どんな仕事内容になるのでしょうか? 複数の病床機能を併せ持つとはいえ、基本的な仕事内容は一般病棟と同様です。
配属される病棟に応じて求められるスキルや知識は変わりますが、主な仕事内容は以下になります。
・血圧、体温、脈拍などの測定
・点滴、注射、採血
・食事、排泄、入浴の介助
・体位変換
・手術補助
・夜間巡回
・患者さんの移送
・カルテ記載
・カンファレンス
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厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は450〜500万円程度であるといわれています。ケアミックス病院も、一般病院と変わらず450〜500万円前後であると考えてよいでしょう。
注意点としては、この平均年収には夜勤手当を含んでいる、というところです。外来での勤務では、夜勤手当が付かないためにこれよりも給与が下がることに注意してください。手当の金額も病院によってさまざまなので、必ず確認するようにしましょう。
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2.ケアミックス病院で働くメリット
さまざまな病床機能を持ち、病院ごとにその特色が違うケアミックス病院。看護師として勤務するにあたって、どんなメリットがあるのでしょうか?ケアミックス病院で働くメリットを具体的にご紹介します。
幅広い看護を経験できる
ケアミックス病院では、急性期から回復期、慢性期と、疾患が現れてから安定するまで一貫して対応できる機能が備わっています。そのため、ひとつの病院に勤務することで幅広く看護を経験することが可能です。
また、基本的には患者さまも他院へ転院することなく、病棟を移動してケアを受ける形となるため、疾患のプロセスへの理解が深まります。
看護師としてのスキルアップはもちろんのこと、自分が理想とする看護師像を探ることができる、という面も大きなメリットです。
ライフスタイルに合わせた働き方ができる
人生を歩んでいく中で、ライフスタイルは必ず変化していきます。女性が働く中で特に大きな変化として挙げられるのは、出産ですね。出産すると、保育園のお迎えなどで決まった時間に勤務を終えて、迎えに行かなくてはなりません。
また急性期病棟などで忙しく勤務している場合は、体力的にも続けていくのが難しいと感じる可能性もあります。ケアミックス病院なら、この場合でも転職をすることなく、病院内で働き方を変更することができます。
これまでが急性期病棟だったならば、慌ただしさや残業の面でも負担の少ない療養病棟へ異動することも可能です。現場の状況次第で希望が通らないこともありますが、その際は前もって希望を伝えたり日頃から相談をしておくなど、先手を打っておくといいでしょう。
さまざまなキャリアプランを実現できる
ケアミックス病院で働くことによって、急性期から回復期や慢性期のケアに携わることができ、さまざまな知識や経験を得ることができます。
業務の中で「最前線の医療に関わりたい」「緩和ケア病棟で患者さまやご家族に寄り添ったケアを提供したい」などの思いが出てくるでしょう。その思いは、自分自身のなりたい看護師像や働き方の選択に繋がります。また、医療職にとって経験は何よりの財産です。
ケアミックス病院で幅広い経験を積むことは、その後の転職やキャリアアップに有利に働きます。
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3.ケアミックス病院の大変なこと
ケアミックス病院はさまざまな経験ができ、技術や知識を高めていくには最適な環境です。しかし、さまざまな病床機能があるからこそ、大変なこともあります。
専門性を高めることが難しい
さまざまな機能があることは、ケアをする側やされる側にとって魅力的なことですが、だからこそ専門性を高めることが難しいという点があります。「もう少し学びたい!」と思っていたのに、現場の都合で異動になってしまうこともあるでしょう。
自分のタイミングで異動できるとは限らないのが、ケアミックス病院で働く場合のデメリットとして挙げられます。また、急性期病棟でも急性期病院と比べて症例数が少ないため、この点においても専門性を高めたいと考える方には物足りないかもしれません。
しかし、幅広い業務を満遍なく経験したいという方にとって、この点はメリットになります。ご自分の働き方や今後の夢などによっても、どう捉えるかは人それぞれです。これを機にご自分が今後どう働きたいのか、気持ちを整理することも検討する際のポイントになるでしょう。
希望通りに配属されるとは限らない
急性期から回復期や慢性期と、一連の業務を経験することで看護師としてのスキルアップや技術をしっかりと身につけることができるケアミックス病院。
しかし、最初から希望に沿った配属先とは限らないのが現状です。部署異動の希望はできても、そのときの現場の状況次第では希望が通らないこともあります。求人の段階では具体的な配属先が指定されていないことが多いため、面接の際には必ず確認しましょう。
家庭の事情などで働き方が限定されている場合や希望が明確にある場合は、面接の段階で出来るだけきちんと伝えることをおすすめします。
病院によって違いがある
ケアミックス病院と一言でいっても、その地域や病院によって特徴が異なります。急性期に力を入れている病院だったり、療養がメインの病院など、患者さまの層に違いが出るのが一般的です。ケアミックス病院だと思って入職したのに、働いてみると実は違っていたということもあります。
ホームページ上でケアミックス病院であることを謳っている病院は少ないため、単にホームページを見ただけではケアミックス病院かどうかはなかなか分かりません。
検討している病院のホームページ上で病床数などを確認し、ケアミックス病院の定義に当てはまるかどうか、自分で判断する必要があります。
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4.ケアミックス病院に向いている人の特徴
急性期病院や慢性期病院とはまた違った働き方が可能となるケアミックス病院ですが、どのような方が向いているでしょうか?以下にケアミックス病院に向いている方の特徴を挙げましたので、参考にしてください。
- 急性期から慢性期まで長期的な視点で看護を実践したい人
- 特定の部署で専門性を高めるよりも幅広い業務に対応できる、ジェネラリストとして働きたい人
- ひとつの職場で長く働きたい人
- プライベートの時間も大事にしたい人
急性期から慢性期まで、長期的な視点でのケアを学び実践したい方にとって、ケアミックス病院は最適な職場です。また、特定の部署だけでは難しい幅広い視点を持つことができるため、スペシャリストよりもジェネラリストを目指す方に向いています。
その他、結婚や出産でライフステージが変わったとき、働き方を変えるために転職活動と家事育児を並行して行うことは容易ではありません。そんなときでも、ケアミックス病院なら状況に合わせて病棟を異動することで、同じ病院で働き続けることが可能です。
病院によって違いはありますが、残業も少ないためプライベートの時間を大事にしたい方におすすめの職場になります。
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5.まとめ
ケアミックス病院は、急性期から回復期、慢性期と患者さまの状態に合わせて幅広い知識や経験を得ることができます。
その他にも、ライフステージに合わせた働き方ができたりするなど、長期的に働くことが可能です。
しかし、複数の病床機能があるがゆえに、専門性を磨くことが難しかったり、必ずしも希望の働き方が出来るとは限らないというデメリットもあります。
またケアミックス病院は、それぞれの病院によってその特徴はさまざまです。急性期や療養など、どこに力を入れているのかで働き方が大きく変わる可能性があります。まずはどんな病院なのか事前に調べ、大まかなイメージを掴むようにしましょう。
「急性期から慢性期まで長期的な視点で看護を実践したい」「家庭やプライベートと仕事を両立したい」 そんな看護師の方は、ケアミックス病院で働くことで希望の働き方が叶うかもしれませんよ。
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よくある質問
配属される病棟に応じて求められるスキルや知識は変わりますが、主な仕事内容は以下になります。
・血圧、体温、脈拍などの測定
・点滴、注射、採血
・食事、排泄、入浴の介助
・体位変換
・手術補助
・夜間巡回
・患者さんの移送
・カルテ記載
・カンファレンス
ケアミックス病院では、急性期から回復期、慢性期と、疾患が現れてから安定するまで一貫して対応できる機能が備わっています。そのため、ひとつの病院に勤務することで幅広く看護を経験することが可能です。
また、基本的には患者さまも他院へ転院することなく、病棟を移動してケアを受ける形となるため、疾患のプロセスへの理解が深まります。看護師としてのスキルアップはもちろんのこと、自分が理想とする看護師像を探ることができる、という面も大きなメリットです。
②ライフスタイルに合わせた働き方ができる
人生を歩んでいく中で、ライフスタイルは必ず変化していきます。 女性が働く中で特に大きな変化として挙げられるのは、出産ですね。出産すると、保育園のお迎えなどで決まった時間に勤務を終えて、迎えに行かなくてはなりません。
また急性期病棟などで忙しく勤務している場合は、体力的にも続けていくのが難しいと感じる可能性もあります。ケアミックス病院なら、この場合でも転職をすることなく、病院内で働き方を変更することができます。
これまでが急性期病棟だったならば、慌ただしさや残業の面でも負担の少ない療養病棟へ異動することも可能です。現場の状況次第で希望が通らないこともありますが、その際は前もって希望を伝えたり日頃から相談をしておくなど、先手を打っておくといいでしょう。
③さまざまなキャリアプランを実現できる
ケアミックス病院で働くことによって、急性期から回復期や慢性期のケアに携わることができ、さまざまな知識や経験を得ることができます。業務の中で「最前線の医療に関わりたい」「緩和ケア病棟で患者さまやご家族に寄り添ったケアを提供したい」などの思いが出てくるでしょう。
その思いは、自分自身のなりたい看護師像や働き方の選択に繋がります。 また、医療職にとって経験は何よりの財産です。ケアミックス病院で幅広い経験を積むことは、その後の転職やキャリアアップに有利に働きます。
小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。