認定介護福祉士とは?介護福祉士との違いや取得方法・メリットを解説!
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介護福祉士の上位資格とされている認定介護福祉士。まだ新しい資格なので、資格は耳にしたことがあっても、どんな資格なのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、認定介護福祉士がどのような資格なのか、仕事内容や役割、受験資格などについて詳しく紹介します。
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目次
2.認定介護福祉士になるには
3.認定介護福祉士の役割と得られるスキル
4.介護福祉士との違い
5.ケアマネージャーとの違い
6.認定介護福祉士を取得するメリット
7.認定介護福祉士におすすめの就職先
8.まとめ
1.認定介護福祉士とは?
認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格として「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が2015年12月から認証・認定を開始した民間資格です。資格の位置づけとしては「介護職員初任者研修→介護福祉士実務者研修→介護福祉士→認定介護福祉士」となります。
介護福祉士が国家資格であるのに対して、認定介護福祉士は民間資格となりますが、介護福祉士からスキルアップ・キャリアアップしたい方向けの資格となります。資格の狙いは以下の通りです。
・介護福祉士としての資質を高め、利用者のQOLの向上、介護と医療の連携強化、地域包括ケアの推進に活かす。
・他職種との適切な連携を介護サービスに活かす。
・現任研修の受講促進などにより、継続的な自己研磨の拠り所とする。
・介護福祉士の資格取得後のキャリアパスの形成
出典:一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士とは
認定介護福祉士の資格ができるまでは、介護福祉士の資格を取得後に目指せる資格が少なく、介護福祉士としてステップアップを目指せるキャリア形成の道が明確化されていませんでした。認定介護福祉士の資格ができたことにより、経験のあるベテラン介護士がキャリアパスを形成しやすくなりました。
認定介護福祉士は、介護職のチームリーダーとして介護サービスの質を向上する役割を持ちますが、現場での実践的な介護技術だけではなく他職種・地域・利用者のご家族などと連携を図れる能力を持つ介護士を育成する目的もあります。
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2.認定介護福祉士になるには
資格取得の条件
認定介護福祉士の資格を取得するためには、認定介護福祉士養成研修を受講する必要があります。認定介護福祉士養成研修は、「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」があり、それぞれの資格取得条件は以下の通りです。
■認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
・介護福祉士としての実務経験が5年以上あること
・介護職員を対象とした現任研修の受講歴(100時間以上)あること
・研修実施団体のレポート課題または受講試験で一定水準の成績を修めていること
■認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
・認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了していること
・介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー(ユニットリーダー、サービス提供責任者等)の実務経験があること
養成研修カリキュラム
認定介護福祉士養成研修のカリキュラムはⅠ類とⅡ類合わせて600時間です。各科目の講義のスケジュールは実施団体によって異なります。認定介護福祉士養成研修の期間は1年半程です。長期間の研修になるので受講する場合は事前にスケジュールの確認が必要です。Ⅰ類・Ⅱ類のカリキュラムと時間数は以下の通りです。
■認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
Ⅰ類は、医療、リハビリ、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援などについて学べるカリキュラムとなります。研修にかかる時間は345時間です。
認定介護福祉士概論(15時間)
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ(30時間)
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅱ(30時間)
生活支援のための運動学(10時間)
生活支援のためのリハビリテーションの知識(20時間)
自立に向けた生活をするための支援の実践(30時間)
福祉用具と住環境(30時間)
認知症のある人への生活支援・連携(30時間)
心理的支援の知識技術(30時間)
地域生活の継続と家族支援(30時間)
認定介護福祉士としての介護実践の視点(30時間)
個別介護計画作成と記録の演習(30時間)
自職場事例を用いた演習(30時間)
■認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
Ⅱ類は、Ⅰ類で得た知識をもとに、介護の実践力や応用力、チーム運営、サービス管理、人材育成・マネジメントについて学べるカリキュラムとなります。研修にかかる時間は255時間です。
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ(30時間)
地域に対するプログラムの企画(30時間)
介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理(15時間)
チームマネジメント(30時間)
介護業務の標準化と質の管理(30時間)
法令理解と組織運営(15時間)
介護分野の人材育成と学習支援(15時間)
応用的生活支援の展開と指導(60時間)
地域における介護実践の展開(30時間)
受講費用は?
受講にかかる費用も実施団体によって異なりますが、目安としては60万円前後とかなり高額です。一定の条件を満たすことで受講費用が大幅に免除されたり、助成金制度を活用し負担を減らすことも可能です。
「公益社団法人 長野県介護福祉士会」が実施した認定介護福祉士養成研修を例に挙げると、費用は60万9,000円、受講期間は1年9ヶ月です。費用については、長野県介護福祉士会の会員になることで35万7,000円で受講することができます。また、費用は一括払いではなく、3回に分けて納入することになっています。
資格支援を行っている職場では、取得をサポートしてくれるケースもあるので、認定介護福祉士の資格取得を考えている方はまず職場に相談してみることをおすすめします。
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3.認定介護福祉士の役割と得られるスキル
認定介護福祉士の役割
認定介護福祉士に求められる大きな役割は以下の通りです。高い介護スキルや知識だけでなく、利用者や医療職・リハビリ職などの他職種、地域など人と幅広く関わることが求められています。
■現場のマネジメント・人材育成
介護職の小チームのリーダーに対する教育指導、介護サービスマネジメントを行い、介護サービスの質を向上させる役割。
※小チーム:ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム
■他職種との連携
地域包括ケアを推進するため、介護サービス提供において他職種(医師、看護師、リハビリ職等)との連携・協働を図る役割。
■地域における介護力向上のための役割
地域における、施設・事業所・ボランティア、家族介護者、介護福祉士等の介護力を引き出し、地域の介護力の向上を図る役割。
出典:一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士の役割と実践力
認定介護福祉士養成研修で得られるスキル
- 十分な介護実践力
- リーダークラスへの教育・指導、介護サービスのマネジメント能力
- 他職種との連携力
- 地域とかかわる力
出典:一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士の役割と実践力
認定介護福祉士の養成研修では、介護福祉士よりも専門的な介護の実践能力が身につきます。また、認定介護福祉士は介護だけでなく、人材の育成やマネジメント、他職種や地域と連携なども行います。そのため、リーダーシップやマネジメント能力、コミュニケーション能力といったスキルも必要となります。
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4.介護福祉士との違い
資格の違い
認定介護福祉士は民間資格ですが、介護福祉士は国家資格です。介護福祉士は国家資格に合格しなければ資格を取得できませんが、認定介護福祉士は養成研修を修了後、認定されれば取得できます。この点が介護福祉士と認定介護福祉士の大きな違いです。
役割の違い
介護福祉士は介護のプロフェッショナルとして、現場での直接的な介護が主な仕事内容です。リーダーポジションなど、責任のある立場に就くこともあります。一方で、認定介護福祉士は直接的な介護業務は少なく、リーダーの教育やマネジメント、サービス管理など業務が広範囲で多岐にわたります。
必要な実務経験
介護福祉士の資格取得には、介護職としての実務経験が3年以上必要です。一方で、認定介護福祉士の場合、介護福祉士としての実務経験が5年以上必要となります。つまり、認定介護福祉士の資格取得には介護福祉士国家試験に合格し、実際に介護福祉士としての実務経験が必要なので、無資格・未経験では認定介護福祉士にはなれません。
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5.ケアマネージャーとの違い
資格の違い
認定介護福祉士は民間資格ですが、ケアマネージャーは各自治体が認定する資格です。取得には各自治体が実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」への合格と、「介護支援専門員実務研修」の修了が必要です。
また、ケアマネージャーの資格を取得するには、実務経験が5年以上必要になります。この2点が介護福祉士とケアマネージャーの大きな違いです。
役割の違い
ケアマネージャーのメインとなる業務はケアプランの作成です。ケアプランは介護保険サービスを利用する際に必ず必要となるものなので、利用者以外にその家族との関わりも重要になります。この点が認定介護福祉士との大きな違いになります。
必要な実務経験
ケアマネージャーの資格取得には、介護支援専門員実務研修受講試験に合格することと、介護支援専門員実務研修を修了する必要があります。試験を受けるためには実務経験が必要になります。
実務経験の条件は「介護福祉士・社会福祉士・看護師などの保健・医療・福祉系の国家資格をもち、それに基づく業務に従事した期間が5年以上ある」、「生活相談員や支援相談員として、相談援助業務に従事した期間が5年以上ある」などが一般的なものです。無資格・未経験で資格を取得できない点は認定介護福祉士と同じですが、必要な実務経験が異なります。
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6.認定介護福祉士を取得するメリット
認定介護福祉士を取得するメリットは、以下の5つです。
より高い介護サービスを提供できるようになる
認定介護福祉士になることで、より責任のある立場になることができ、他の介護スタッフに対してその立場を活かして教育やマネジメントを行うことができます。
また、養成研修で得られるスキルとして挙げた「十分な介護実践力」「リーダークラスへの教育・指導、介護サービスのマネジメント能力」「他職種との連携力」「地域とかかわる力」を活かすことで、全体の介護サービスを向上させることができ、自分の成長にも繋がります。
他職間との連携で幅広い医療・介護スキルが得られる
また、責任のある立場になることから、看護師やドクター、リハビリ職など他職種のスタッフとの関わりが増えます。そのため、他職種から得られる知識も増え、より幅広い知見から介護サービスを提供できることが期待できます。
現場以外の仕事を増やすことができ、長く働ける可能性が上がる
認定介護福祉士は先にも述べた通り、教育や指導、マネジメントの能力もあると認められています。その能力を使って現場での負担を減らすことも可能です。介護士の職業病の一つに「腰痛」があります。これを原因に介護職を辞める方も少なくありません。
歳を重ねるごとに負担度は高くなるため、長く働き続けることを考えた時に、キャリアアップを含めた、現場以外での仕事を増やすことが大事になります。そういった意味でも長く働く足がかりとして、認定介護士の資格を取得することには大きな意味が出てくるでしょう。
認定介護福祉士の役割において、人材育成は欠かせません。そのため、他の介護スタッフに介護業務について教えることや、講義をする機会も増えます。他の介護スタッフに業務を教えることで自分自身の目指す介護サービスを共有することができ、周りのスタッフ全体でより高い介護サービスの提供を目指すことができます。
給与アップに繋がる
現状、有資格者の人数が少ないため正確なデータはありませんが、認定介護福祉士の資格取得が給与面で優遇される可能性は高いと考えられます。認定介護福祉士が資格手当に反映されるケースは現状では少ないですが、資格を取得していることで業務の幅が広がり、基本給が優遇されたり、役職がつき役職手当が支給されるケースが予想されます。
また、将来的に認定介護福祉士は介護職員処遇改善加算のひとつの基準となる可能性があります。加算の配分にはルールがあり、優先度の高い順に「A.経験技能のある介護職員→B.他の介護職員→C.その他職種」となります。AはBの2倍以上、BはCの2倍以上の賃上げ額にすることが定められているのでAの賃上げ率が最も高くなります。
Aは勤続10年以上の介護福祉士とされていますが、この勤続年数はあくまでも目安であり、経験や技術が十分な介護福祉士を意味します。経験技能のある介護職員の証明の指標として、今後認定介護福祉士の価値が上がる可能性は非常に高いと考えられます。
介護職員処遇改善加算で給料はいくら増える?制度の仕組みを詳しく解説
皆さんは「介護職員処遇改善加算」について知っていますか?言葉は聞いたことがあっても、介護職にどのような影響があるかいまいちわからず、
詳細を見る転職やキャリアアップに有利に働く
認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格ということで、十分なスキルや技術があるという証明になります。そのため、リーダーや管理職など責任のある役職に任命される可能性が高まります。転職時にも有利に働くことが多いので、特に施設長や管理職などへの転職を考えている方にはおすすめの資格です。
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7.認定介護福祉士におすすめの就職先
認定介護士の主な就職先は介護福祉士と変わらず、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、訪問介護事業所、デイサービスなどです。その中でも、利用者の介護度が高い特別養護老人ホームやリーダーとして職場を率いる人材を求めている小規模多機能型居宅介護からのニーズが高いと考えられます。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、自宅での生活が難しくなった高齢者を対象とした施設です。要介護3以上(特例の場合、要介護1・2)の方が入居し、終身に渡る介護が行われます。
業務内容は、食事介助・入浴介助・排せつ介助などの身体介助を中心に、掃除や洗濯、炊事、買い物などの生活援助、機能訓練のためのレクリエーションの実施などがあります。寝たきりの方や重度の認知症の方など、他の施設に比べて要介護度の高い利用者が多いため、高い介護技術や迅速な対応力が求められます。
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能居宅介護は、「通所」「宿泊」「訪問」のサービスを複合的に提供する介護事業所で、高齢者が住み慣れた地域で長く暮らし続けることを支援するために作られています。業務内容は、介護業務やレクリエーションの実施に加え、利用者の送迎や自宅への訪問があります。
比較的介護度の低い利用者が多い施設ですが、通所・宿泊・訪問と3つの機能があるのでオールマイティーに対応できる力が必要となります。認定介護福祉士の資格を持っていることで、スタッフの育成や現場リーダー、統括を任されることもあります。
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8.まとめ
認定介護福祉士の概要や取得の条件について解説していきました。認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格にあたり、高い介護スキルがあることを証明できる資格です。歴史の浅い資格のため、認知度や登録者数は少ないですが、今後需要が増える介護業界ではニーズが高まって行くことが予想されます。
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