看護師の休日は少ない?休みはいつ?平均休日数や休暇制度、休日の過ごし方を紹介
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医療現場や介護施設には基本的に固定の休みがないところが多いです。交代制の夜勤もあるため看護師の勤務は変則的かつ不規則です。思うように休みが取れない職業というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
ここでは実際の看護師の休日事情について詳しく解説していきます。求人を探す際に注目したいポイントについてもまとめているので転職を考えている看護師の皆さんはチェックしてみてください。
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目次
1.平均的な看護師の年間休日数は?
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の平均年間休日数は116.6日です。階級別に見ると「120日~130日未満」が44.1%で最も多く、次いで「110~120日未満」が31.7%です。
年間休日数 | 件数 | 割合 |
100日未満 | 93 | 2.5% |
100~110日未満 | 574 | 15.5% |
110~120日未満 | 1,173 | 31.7% |
120~130日未満 | 1,630 | 44.1% |
130日以上 | 99 | 2.7% |
無回答・不明 | 130 | 3.5% |
計 | 3,699 | 100.0% |
一般的に大学病院や国立病院のような規模の大きい病院は休日が多く、民間の病院やクリニック、介護施設のような小規模の病院や施設では休日が少ない傾向にあるようです。
また近年では週休3日制を導入する事業所が増えていて、年間休日160日以上の看護師求人を見かけるようになりました。
看護師の有給取得率
日本看護協会「2023病院看護実態調査」によると、看護師の有給取得率の平均は67.7%です。2019年4月に年5日の有給取得が義務化されて以降、年々有給取得率は上昇しているようです。ちなみに厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、全産業の有給取得率の平均は62.1%です。”看護師は有給が取り辛い”というイメージはもう古いかもしれません。
有給休暇には期限があり、有給休暇が付与された日から2年を超えてしまうと、使っていなくても消滅してしまいます。職場も有給休暇が消滅することを防ぐために、古い有給休暇から消化できるよう配慮してくれることも多いです。
ただ、せっかく付与された有給休暇を使わないのは大変もったいないので、前もってスケジュールを組み、計画的に有給休暇を消化していくことをおすすめします。
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2.看護師の休日の過ごし方
夜勤のある看護師の場合、休日は生活リズムを整えたり、休息をしっかり取ることが重要となります。ここでは忙しく働く看護師に多い休日の過ごし方や不規則な休みによるメリット・デメリットを紹介していきます。
休日の過ごし方
■休息を取る看護師の仕事は身体的にも精神的にも疲労が溜まりやすいです。特に夜勤明けの時は次の勤務に向けて生活リズムを整えることが大切です。そのため休日は自宅でゆっくり過ごすという方が一番多いようです。「睡眠を取る」「ドラマや映画を観る」「趣味を楽しむ」など過ごし方は人それぞれですが、無理に出かけず自宅でリフレッシュできる方法を探してみるのも良いですね。
■ショッピング
出かけることでリフレッシュする人もいます。買い物はストレス発散になりますし、平日休みの場合は休日のようにお店が混雑していることもないので思う存分ショッピングを楽しむことができるでしょう。
■看護の勉強をする
看護師として働く上で勉強は必要不可欠です。しかし勤務後は疲れて勉強まで手が回らないということも少なくありません。なのでまとまった時間を確保できる休日を勉強に充てるという看護師の方もいます。とは言えしっかりと休息を取りリフレッシュすることも大切なので、オンとオフのメリハリをつけることが大切です。
メリットとデメリット
シフト制で働く看護師の多くが友人や家族と休みを合わせにくいという悩みを抱えています。夜勤のある看護師は2交代制、3交代制での勤務が基本なので休みはどうしても不規則になってしまいます。
また、夜勤は体力的にもきついので休みが合ったとしても、日中はゆっくり休みたいなど生活リズムのずれが生じてしまうようです。休日出勤のある職場で働いている看護師の場合、いつ呼び出しがあるかわからないので旅行など遠出の予定も立てにくいようです。
夜勤のある職場で働く看護師が友人達との予定を立てづらいのは事実です。ですがシフトの組み方次第では連休を取ることができるので旅行に行くことも可能です。オフシーズンだと宿泊料金がお得になるケースも多く、混雑を避けることができるのでおすすめです。年に一度海外旅行に行くという看護師もいるようです。シフト制でも月に数回は希望休を取れるので、慣れてくると不都合に感じる看護師は少ないようです。
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3.施設形態別にみた休みの特徴
ここまで夜勤のある病棟勤務の看護師の休日事情をメインに説明していきました。看護師と言っても働く場所は様々です。ここでは施設形態ごとの休日の特徴を紹介していきます。
クリニック(診療所)
難しい手術や夜勤のないクリニックは人気の職場です。突発的な残業も少なく、クリニックの休診日が休みになるので勤務が不規則になることはありません。日曜・祝日休みで、年末年始やお盆もカレンダー通りに休めるところが多いので、周りと休みが合わないといったこともありません。ただ、少人数で運営するクリニックの場合、希望休が取りにくいといったデメリットがあります。
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大学病院や国立病院のような大規模病院では年間休日が120日以上あることが多いです。運営体制がしっかりしているので福利厚生も整っていますし、在籍する看護師の数が多いので希望休が取りやすいといったメリットがあります。
しかし、病棟勤務の場合は夜勤がありますし休日に急な呼び出しがかかることもあります。勉強会や研修も休日に開かれるので休日出勤があるということは頭に入れておくと良いでしょう。
また、2交代と3交代では休みの取り方が異なります。病棟勤務の場合夜勤は避けて通れないので休日数だけでなく、実際の勤務サイクルをイメージしてみることをおすすめします。2交代と3交代では勤務日数や勤務時間が異なります。どちらが自分のライフスタイルに合っているのか判断することが重要です。
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訪問看護ステーションでは土日祝日休みを採用しています。ただ、多くの訪問看護ステーションは24時間365日対応できる体制を整えているため、完全に休みというわけではなく土日祝日は交代制で出勤したり、オンコールがあるケースが多いようです。土日休みにこだわりたいという方は事前に確認しておくと良いでしょう。
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4.休みの取り方で気をつけたいこと
シフト制の場合、月に3回程度休みの希望を出せるところが多いようです。あらかじめ予定が入っている場合は希望を出しておくと良いでしょう。シフトが出た後に休みを移動させる場合は、変わりの看護師を探さなければならずシフトを管理する側の負担になるので早めに申し出るようにしてください。
有給を取る際も同じです。有給は権利なので使用すること自体は問題ありません。早めに相談して他のスタッフの負担にならないようにしましょう。
体調不良や家庭の都合などで急遽当日に休まなければならないこともあるかと思います。その場合は速やかに職場に連絡を入れてください。病院には確実に確保しなければならない看護師の人数が決まっているので、病院は代わりに入れるスタッフを探したり仕事の調整をする必要があるからです。
また、シフトを代わってくれたスタッフや迷惑を掛けてしまったスタッフに感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしてください。
5.求人を探す際のポイント
看護師の休日事情について解説していきましたが、実際に求人情報を見てみると病院によって様々な休日制度が取り入れられていることがわかります。ここではそれぞれの休暇制度の違いや実際に休日が多い求人を探すポイントなどを解説していきます。
医療業界でよく使用される休暇制度
■4週8休制医療系の求人でよく見られるのが4週8休制です。これは「4週間(28日)のうち休みが8日ある休暇制度」のことです。変則労働時間制のひとつで、夜勤や半日休暇などで勤務が不規則になる病院や介護施設で採用されていることが多いです。
■完全週休2日制
「毎週必ず2日の休みがある休暇制度」のことです。土日休みという意味ではありません。休診日が平日と日曜日の週2日あるクリニックなどでよく見られます。
■週休2日制
週休2日制は「1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある休暇制度」のことです。完全週休2日制と似ていますが、週休2日制だと週に2日の休日が保障されるのは月に1回だけなので注意が必要です。
年間休日が多い職場を探すコツ
多くの医療機関では4週8休制が取り入れられています。4週8休制の場合、計算すると年間休日は104日になります。ここに夏季休暇と年末年始休暇が加わるので、夏季休暇と年末年始休暇が3日ずつある病院の場合、年間休日は110日になります。
同じ4週8休制を取り入れていても年間休日が120日以上の職場もあります。そこで年間休日の多い職場を見つけるポイントをいくつかご紹介します。
■休暇の種類や日数
夏季休暇や年末年始休暇のように104日にプラスされる休日が多いほど休日数も多くなります。一般的な病院では以下のようなものがあります。
・夏季休暇(3日~5日)
・年末年始休暇(3日~5日)
・慶弔休暇(1日~7日)
・リフレッシュ休暇(3日~7日)
・創立記念日休暇(1日)
・結婚休暇(5日~7日)
・子の看護休暇
・介護休暇
■看護師の夏休み事情
多くの職場では看護師にも夏休みが与えられています。取得できる月は一般的に8月が多く、中には7~9月の間で取得できる職場もあります。取得できる日数は、職場によって異なることが多いですが「3~4日」とする場合が多いようです。
ただし、新型コロナの流行など、状況によっては患者が急増してしまい、夏休みが取得できないといったこともあるようです。そもそも夏休みを制度として導入していない職場も、存在します。休暇を取りながら、メリハリを持って働きたいと考える人は、求人を探す際に休暇制度をしっかりチェックすることをおすすめします。その際に、前年度の夏季休暇はどれくらいだったか確認するのも、ミスマッチを防ぐ一つの方法として考えられます。
■有給消化率
有給休暇とは、労働基準法に定められた賃金の支払いがある休暇のことです。雇入れの日から継続して6ヶ月勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して与えられます。パートやアルバイトなど、非正規雇用であっても条件にあてはまれば、有給休暇取得の対象となります。
消化していない有給は2年で消滅してしまいます。100%消化することはなかなか難しいかもしれませんが、有給の消化率によって実際に休める休日数に差が出るので有給の取得率や消化率がどれくらいあるのか確認しておくと良いでしょう。
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5.まとめ
看護師の休日といっても職場や勤務体制によって差があることがわかりました。職場を探す際に休日の日数は重視したいポイントのひとつですよね。ですが年間休日が多い職場がかならずしも働きやすいということではありません。
働きやすい職場の条件は人それぞれですが、職場を探す際は休日の他にも給与や業務内容、職場の人間関係、残業時間、通勤距離など様々な要素から総合的に判断することが重要となります。
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よくある質問
医療系の求人でよく見られるのが4週8休制です。これは「4週間(28日)のうち休みが8日ある休暇制度」のことです。変則労働時間制のひとつで、夜勤や半日休暇などで勤務が不規則になる病院や介護施設で採用されていることが多いです。
■完全週休2日制
「毎週必ず2日の休みがある休暇制度」のことです。土日休みという意味ではありません。休診日が平日と日曜日の週2日あるクリニックなどでよく見られます。
■週休2日制
週休2日制は「1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある休暇制度」のことです。完全週休2日制と似ていますが、週休2日制だと週に2日の休日が保障されるのは月に1回だけなので注意が必要です。
小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。