介護職は無資格だと働けなくなる?資格なしでできることや仕事内容を解説
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介護職は無資格や未経験でも採用され働くことができる職種です。実際に介護の仕事を始めてみたいと思っているのに、「資格を持ってないから…」と諦めている人も多いのではないでしょうか。今回は、無資格から介護職として働く場合、実際にどのような仕事をするのか、どのようなキャリアを歩んでいけるのか、詳しく紹介していきます。
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目次
資格なしの介護職ができる仕事
研修の義務化で無資格の介護職は働けなくなる?
無資格の介護職と有資格の介護職の給与はどれくらい違う?
資格なしの介護職に求められるスキル
無資格の介護士には「資格取得支援制度」がある職場がおすすめ
無資格の介護士が転職する際に知っておくべき2つの制度
まとめ|介護職は資格なしでも働ける!
介護職は無資格でも働くこと自体は可能
介護職は無資格・未経験から働くことが可能な職種です。「初任者研修」や「介護福祉士」など、介護系の資格を保有していないと採用されないのではないかと疑問を感じている人も、決して諦める必要はありません。
また、介護業界の採用においては、人柄や熱意を重視して採用をしている事業所も多くあります。「やってみたい」という気持ちが強くあるのならば、十分にチャレンジできる環境といえるでしょう。
資格なしの介護職ができる仕事
資格なしの介護職ができる仕事は、大まかに分けると「介護福祉士の指示による身体介護(身体介助)」と「生活援助」の2つです。詳しく見ていきましょう。
介護福祉士の指示による身体介護(身体介助)
- 利用者の身体に接触して行う介助サービス
- 利用者の日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)、生活の質(QOL)や意欲の向上目的に行う自立支援、また重度化を防ぐサービス
- その他の専門知識・技術を伴う利用者の日常・社会生活上のサービス
身体介護は利用者の体に直接触って行う介助、つまり入浴介助や衣類の着脱、体位変換のことを指します。後述しますが、本来、資格を所持していないと実施することはできません。しかし介護施設内の場合、介護福祉士の指示のもとであれば身体介護を実施することができます。
生活援助
- 掃除
- 洗濯
- ベッドメイク
- 衣服の整理・被服の補修
- 一般的な調理、配下膳
- 買い物・薬の受け取り
一方で生活援助は、食事の準備や片付け、清掃、洗濯、買い物などの利用者に触れないサポートを指します。こちらは無資格者でも問題なく実施できます。
つまり身体介護と生活援助、この両方とも、ほとんどの施設において無資格者でも行うことが可能なのです。その他にも、事務作業やデイサービス等の送迎業務など、無資格でもできる業務はたくさんあります。
また、職場によっては無資格等の場合、「介護助手」や「介護補助」として求人を出しているケースもあります。まずは、介護職員の補助的な役割として介護現場に触れてみるのも良いのではないでしょうか。
介護士の仕事内容を解説!職場ごとの違いや1日のスケジュール例を紹介
今回は、介護士の仕事内容について解説していきます。介護士の仕事といっても、その内容は施設形態によって様々
詳細を見る無資格の介護職ではできない仕事内容
上述のとおり、施設外での、あるいは施設内における独力での身体介護は資格を有していないと実施できない業務です。特に訪問介護の場合は、1人で身体介護・生活援助を実施しなければならないため、初任者研修を修了していることが採用時の要件とされているところがほとんどです。
また資格を持っていると、身体介護以外も含めてより幅広い業務を任されるようになり、キャリアアップにも繋がります。まずは、「介護職員初任者研修」の取得から目指すと良いでしょう。最近では無資格として入職しても、資格の取得をシフト面、金銭面の両面から支援してくれる事業所も多くあります。
訪問介護の仕事内容|必要な資格・給料、メリットや向いている人も解説
利用者宅を訪問し介護サービスを提供する訪問介護。その仕事内容1日の流れ、他の介護事業所との違いを紹介
詳細を見る無資格者の入社後の流れ
無資格で介護職に就職することを考えると、「何も分からないのにやっていけるのかな」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、多くの施設では新人のためのオリエンテーションや研修が行われ、徐々に職場に慣れるようなカリキュラムが組まれています。
ビジネスマナーや接遇マナーなど、社会人としての基本的なマナーから始まり、介護に関する基礎知識や技術、施設ごとの介護理念や職業倫理などを学べるので、初めて介護職として働く人も安心してスタートできます。
また、実際の業務では、先輩介護士のもとで、少しずつ業務を覚えていくのが一般的です。まずは日勤帯で利用者の名前や顔を覚え、施設の1日の流れを掴んでいきましょう。いきなり夜勤に入るケースは少なく、大抵は業務に慣れてきた入職約3ヶ月後から始まります。
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研修の義務化で無資格の介護職は働けなくなる?
2024年4月より無資格者は「認知症介護基礎研修」を受講しないと介護職として働き続けることができなくなりました。詳しく見ていきましょう。
2024年4月からは認知症介護基礎研修の受講が義務に
2024年4月から認知症介護基礎研修の受講が完全義務化されました。対象者は医療・福祉関係の資格を持っていない介護職です。介護職員初任者研修や介護福祉士など資格を持っている人は免除となります。
2024年4月以降に無資格で新たに介護職に就いた人は、1年の受講猶予期間があります。つまり無資格で介護職として働き始めること自体は可能で、働き続けるには採用後1年以内に研修を受講する必要があります。
認知症介護基礎研修の目的・メリット
認知症介護基礎研修の目的は、介護の現場で働く人が認知症の方をより良くサポートできるようになることです。
内閣府の資料によると、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されています。高齢化が進む中で認知症ケアはますます重要になっていきます。
認知症介護基礎研修を受講するメリットは、認知症に関する基本的な知識や適切な対応方法を習得できることです。正しい知識とスキルを身につけることで、介護の負担軽減やトラブルの回避にもつながります。
また、研修を修了すると、一つの資格を保有したことになります。これにより、介護職として自信を持って仕事に取り組めるだけでなく、利用者やその家族からの信頼も得やすくなります。
認知症介護基礎研修の受講方法
認知症介護基礎研修の受講方法は、e-ラーニングと集合研修の2つがあります。e-ラーニングによる受講が主流なので、受講の流れを解説します。
PC・スマホから専用サイトにログインし、動画講義を視聴しながら学習します。各章ごとに確認テストを受け、全問正解すると修了証書が発行されます。150分の動画視聴と確認テストや自己ワークを合わせて、受講時間は計3時間ほどです。
受講の申し込み手続きは、基本的に勤務先を通じて行われるため、詳細については勤務先の担当者や自治体のホームページで確認しましょう。
認知症介護基礎研修の費用
認知症介護基礎研修の費用は、自治体によって異なり、無料から5,000円程度です。テキスト代や受講費が含まれる場合もあります。
研修費は受講者が自分で払うケースもありますが、勤務先が費用を全額負担してくれることがあります。費用負担の有無は事業所の方針によって異なるため、勤務先の規定や方針を確認しましょう。
初任者研修の受講も検討しよう
介護の入門編として知られる資格に「介護職員初任者研修」があります。認知症介護基礎研修とどちらを受講するか悩む方もいると思うので、違いをまとめます。
認知症介護基礎研修 |
介護職員初任者研修 |
学べる内容 |
認知症介護の基礎知識 |
介護全般の基礎知識 |
受講時間 |
150分のカリキュラム+試験 |
130時間のカリキュラム+試験 |
研修費用 |
無料~5,000円程度 |
約4~10万円程度 |
取得までの期間 |
1日で可能 |
最短でも約1ヶ月 |
---|
短期間でコストを抑えながら知識や技術を身につけたい方は、認知症介護基礎研修が良いでしょう。
介護職として長く勤めることを目指す人は、初任者研修がおすすめです。介護事業所の役割や介護サービス、介護保険制度やサービスの仕組みを理解できる上に、介護技術の実技演習や利用者・ご家族・職員間でのコミュニケーション技術を学ぶことができます。
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無資格の介護職と有資格の介護職の給与はどれくらい違う?
無資格の介護職員の平均給与額はどの程度なのでしょうか。以下は厚生労働省が発表している「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」です。
平均給与額(月収) | 平均給与額(年収) | |
介護福祉士 | 331,080円 | 3,972,960円 |
実務者研修 | 302,430円 | 3,629,160円 |
初任者研修 | 300,240円 | 3,602,880円 |
保有資格なし | 268,680円 | 3,224,160円 |
平均給与額は、基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。令和4年の一時金からは、介護職員処遇改善支援補助金に係る「ベースアップ等」として2、3月に支給された額を除く。
資格を全く有していない場合、手当や一時金を含めた平均月給は268,680円となっており、介護福祉士と比較すると6万円以上の差が出ているようです。介護士が一番最初に取得する初任者研修と比較しても、3万円以上の差が出ています。
介護職員として長く勤務していく場合は、何かしら介護系の資格を取得することが給与上昇の近道と言えるでしょう。
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資格なしの介護職に求められるスキル
さて、介護職には無資格や未経験でも携われる仕事が多いことをご紹介しました。 とはいえ当然、どんな人でも介護職員としてやっていける!というわけではありません。無資格・未経験者にも、最低限求められる経験やスキルがあります。
人柄
経験やスキルとは別で語られることも多くありますが、介護職員として働く上で最も重視されるのが「人柄」です。
介護職は、兎にも角にもコミュニケーションが重要な仕事。利用者の方々の信頼を得るためには日々の会話が欠かせませんし、介護を必要とする方が多く入所する施設では、介護職員どうしの連携はもちろんのこと、職種の垣根を超えたチームワークが常に求められます。
したがって、人と話すことに抵抗がないこと、組織として働ける協調性を備えていることが介護職員として働く最低条件であるといえるでしょう。そのため仕事やプライベートを問わず、人と一緒に何かを成し遂げた経験、見知らぬ人と多く絆を深めた経験などがあると有利に働くかもしれません。
体力
ここでいう体力とは、どちらかというと「ストレス耐性」に近いものです。夜勤を含む不規則な労働時間や、利用者・職員との絶え間ないコミュニケーションの中で、体を壊さずシフト通りに出勤できる体力がある人は、それだけで重宝されるでしょう。夜勤の経験がある人や、体を壊さないことに自信がある人は、面接の場でそれをアピールしてみるのも効果的ですね。
よく言われることですが、介護職は体力の要る仕事です。とはいえ何も、人一倍の腕力を兼ね備えている必要はありません。後ほど紹介しますが、最近では介護機器のICT化が進み、介護業務はどんどん省力化しています。
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無資格の介護士には「資格取得支援制度」がある職場がおすすめ
無資格から介護職でキャリアアップを目指すなら、資格取得支援制度がある職場を選びましょう。資格取得支援制度の中身とキャリアアッププランについて解説します。
介護士の資格取得支援制度とは
施設によっては、初任者研修や介護福祉士などの資格取得をサポートしてくれる制度があります。サポート内容は施設によって様々ですが、研修や資格取得に係る費用を補助してくれるものや、資格取得後に祝い金を支給してくれるものなどがあります
初任者研修であれば、施設で研修を実施している場合があるので、わざわざスクールに通わずとも働きながら取得することが可能です。
まずは無資格で入職して、働きながら経験を積み、資格も取得することは可能ですので、気になる方は資格取得支援制度のある施設の求人を見てみましょう。
介護士の資格取得支援とは?働きながら介護資格を取る方法を解説
介護の仕事は資格や経験がなくても始められる仕事です。 しかし、介護業界の人手不足や将来的なニーズに対して、介護の「資格取得支援制度」があることはご存知でしょうか。
詳細を見る介護士の資格取得によるキャリアアッププラン
まず取得しておくべき資格は「介護職員初任者研修」です。受験資格が設けられておらず、難易度もさほど高くないため、働きながらの取得も目指しやすいでしょう。
介護職員初任者研修を取得すると、身体介護業務が可能となり、訪問介護事業所で勤務できるようになります。就職や転職が有利になるだけでなく、給与面での待遇アップも期待できます。
初任者研修のあとは、上級資格として位置付けられる「介護職員実務者研修」がおすすめです。実務者研修を取得した後は「介護福祉士」、「認定介護福祉士」、「介護支援専門員」などを目指すことができます。まずは初任者研修から始め、徐々にステップアップしていきましょう。
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無資格の介護士が転職する際に知っておくべき2つの制度
働きながらの資格取得を支援する制度があります。費用面が気になる方は参考にしてください。
介護職就職支援金貸付事業
介護業界未経験者が、介護や障害者福祉の仕事に転職する際に必要な資金を最大20万円まで無利子で借りることができる事業です。この制度では、無料で介護職員初任者研修等を受講でき、その後、介護現場で2年間継続して働くことで返済の免除もされます。
東京都介護職員就業促進事業
働きながらの資格取得を支援する東京都の事業です。各施設や事業所と雇用契約を結び、勤務時間内に研修を受講することができます。研修を受けている間も勤務時間として換算されるため、給与をもらいながら資格取得を目指せる点が特徴です。
まとめ|介護職は資格なしでも働ける!
介護業界は、長年、人材不足という大きな課題を抱えており、無資格からでも採用されやすい職種です。今後も、無資格者であっても応募可能な求人の数は増加傾向にあり、介護職員を目指す求職者にとっては追い風が吹いている状況といえるでしょう。
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よくある質問
ただ、資格なし・未経験で介護の仕事をはじめる人は沢山います。またそれを手厚くサポートする職場もあります。
初めての仕事は誰でも最初は不安ですが、介護の仕事に興味があれば是非一歩を踏み出して欲しいです。
小松 和貴
セカンドラボ株式会社
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n6565a29f667f
2022年4月よりセカンドラボ株式会社に入社。主に病院を中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。