【看護師管理職の基礎知識】メリット・デメリットや必要なスキルを紹介!
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看護師で「管理職」と聞くとどんなイメージを持っていますか?「自分にはできそうにないし、とにかく大変そう」「なってみたいけどどんなスキルが必要なの?」と反応は様々かと思います。今回は、看護師の管理職に焦点を当てて仕事内容や給料などについて紹介していきます。
これまで持っていた管理職へのイメージが変わったり、これを機に「管理職になることを検討してみよう」と前向きに考えたりするようになるかもしれません。
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目次
2.管理職になると給料はどのぐらい変わる?
3.管理職のメリット・デメリットを紹介!
4.実際に管理職になった看護師の「声」
5.管理職に必要なスキルとは?
6.管理職はやりがいのある仕事!これを機に検討してみよう
1.管理職の看護師はどんな仕事をしている?
看護師の管理職は、どのような仕事をしているのでしょうか。病院で看護師として働く管理職について、看護部長級、看護師長級、看護主任級の3つに分けて見ていきましょう。
看護部長級
看護部長、あるいは看護部長に相当する地位の看護師は、以下の仕事を行います。
看護部業務計画の作成
施設運営の参画
病院長・事務長や現場看護師との交渉・調整
看護部長は病院看護師全員のリーダー的立場です。一般企業の部長に相当し、看護師が行う業務計画を作成する役割も果たします。また、業務計画を病院長や事務長といった上位職(一般企業の役員に相当)に提出して承認を受け、現場看護師に割り振る仕事を具体的に決定していきます。
また看護部長は、看護師代表として施設運営にも携わります。医師や薬剤師などの他の職種の業務との兼ね合いも調整しながら、看護師たちが働きやすい環境構築に努めます。
看護師長級
看護師長、あるいは看護師長に相当する地位の看護師は、以下の仕事を行います。
病棟内看護の目標設定・達成
各看護師の育成・支援
患者のクレーム対応や危機管理
看護師長は各科の看護師を統率する立場です。一般企業の課長に相当し、科に所属する看護師の目標を設定したり達成状況を確認したりします。看護師の育成にも携わり、新人看護師がスムーズに業務を行えるようにプログラムや制度の立案も行います。
また、各科の状況を反映した患者のクレーム対応などの細かなマニュアルを決定するのも、看護師長の担当です。同時に、看護師がトラブルを回避できるように、危機管理についての指針を立てます。
看護主任級
看護主任、あるいは看護主任に相当する地位の看護師は、以下の仕事を行います。
他のスタッフの手本となる一般看護業務
病棟の運営状況把握や問題点の改善
新人スタッフの教育
看護主任は看護師長と看護師をつなぐ役割の看護師です。一般企業の係長に相当し、看護師長が立てたプランやプログラムに沿って看護師の教育や指導を行います。
病棟の運営や問題点などにおいて、看護師の立場あるいは現場の立場でなくては気付かない点をピックアップし、具体的な改善策などを看護師長に伝えます。看護師長は現場の声をまとめ、看護部長に伝えます。
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2.管理職になると給料はどのぐらい変わる?
管理職の給料も気になるポイントです。日本看護協会の「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査」によれば、看護部長級、看護師長級、看護主任級のそれぞれの平均基本給(各役職で基本給の最も高い額の平均)は以下の通りです。
看護部長 | 看護師長 | 看護主任 | |
平均基本給 | 427,573円 | 370,949円 | 327,143円 |
出典:日本看護協会「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」
役職が一つ違うだけで、基本給は月に約5万円、年間では約60万円の差がでます。また、賞与は基本給ベースで計算するので、賞与も大きく差があることがうかがえるでしょう。さらに、この基本給に加え役職手当もつくため、年収の差はさらに大きくなります。
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3.管理職のメリット・デメリットを紹介!
続いて管理職になるメリットとデメリットについて紹介します。将来的に、看護師としてどんな働き方をしたいか考えながら見てみましょう。
メリット
一つ目に管理職になることで、職場の方針に提案できるようになります。現場で少なからず変えていきたい方針などは皆さんにもあると思います。現場の看護師としてはなかなか言えないことでも、管理職になることでそういった意見を言う場面は増えていくでしょう。
また、看護師長以上の役職は基本的に夜勤はありません。日勤のみで働くことができるので規則正しいシフトで勤務ができる点もメリットです。
デメリット
当然のことではありますが、責任が普通の看護師より重くなります。管轄する部署の看護師が起こしたミスなどに対しても、現場の監督者として責任を問われることもあります。
また、現場と上席の板挟みになりやすい点も挙げることができます。現場の看護師と上席の意見が食い違う場合には、双方の考えを聞いて調整しなければいけないので、難しい判断を迫られることもあります。
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4.実際に管理職になった看護師の「声」
実際に管理職になった看護師は、管理職になって良かったと感じているのでしょうか。実際に管理職として働く看護師の声を2つ紹介します。
管理職になることで看護体制の改善に成功!
現場の看護師として働いているときから、病棟の看護体制に改善余地があると感じていました。とはいえ、役職を持たない身としては、具体案があっても立場上なかなか意見を通していくことができず、もどかしい思いを感じることが多かったです。
しかし、管理職になり、現場の意見を取り入れて看護部長に直接交渉し、看護体制を改善することに成功しました。また、年齢が上がるにつれて夜勤を伴う不規則勤務がきつくなってきていたのですが、看護師長になってからは夜勤がなくなり、規則的に勤務できています。これも管理職になって良かったことのひとつです。(51歳・看護師長)
中間管理職としての難しさを実感
看護師として10年以上勤務し、ようやく看護主任になりました。しかし、通常の看護業務が減るわけではなく、その上に他の看護師のマネジメント業務が加わったことで毎日大変です。また、自分が手本にならなければいけないという責任感も生まれ、身体的だけでなく精神的にも毎日押し潰されそうに感じています。
上席と現場の看護師の意見を取り入れながら折衝していくことも、非常に大変な業務です。管理職は責任感とコミュニケーション能力がなければ務まらないと感じる毎日です。(34歳・看護主任)
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5.管理職に必要なスキルとは?
管理職には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。特に必要なスキルを5つ紹介するので、将来管理職になりたいと考えている方は今から準備をしておきましょう。
豊富な現場経験
看護師への的確な指示や問題解決のスキルは、いずれも豊富な現場経験から習得するものです。日々の看護業務をおろそかにすることなく、十分に現場経験を積むことが大切です。
コミュニケーションスキル
管理職になるということは、上席と現場の看護師たちの間に挟まれるということです。どちらか一方を優先するのではなく、どちらの話も丁寧に聞き、こまめにコミュニケーションをとれることが大切です。
強い責任感
管理職とはその名の通り、現場で働く人たちを管理する職です。そのため、常に統括する部署の看護師たちに寄り添い、どんな問題を抱えているのか把握する必要があります。自分の仕事だけでなく、チームに対する強い責任感を持って現場の改善に取り組む気構えが必要です。
俯瞰的に状況を理解するスキル
一部の問題点だけに注目していると、全体の問題に気付けないことがあります。俯瞰的に状況を理解し、問題の根源を的確に分析する能力が求められるでしょう。なお、俯瞰的に状況を理解するためには、統括する現場だけではなく他の部署についての理解も必要です。
課題の発見と改善提案スキル
完璧な職場はありません。問題を解決すると新しい問題が生まれ、また、解決に向かって進んでいかなくてはいけません。問題を見て見ぬふりをするのではなく、常により良い状態を目指して自分から積極的に課題を見つけて改善する力が求められます。
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6.管理職はやりがいのある仕事!これを機に検討してみよう
管理職には強い責任感を持つことに加え、その立場に見合った的確な行動をすることが求められます。人によっては管理職の立場を窮屈に感じたり、自分にはできないと感じたりすることもあるかもしれません。
しかし、職場の方針や改善事項に対して提案したり、現場看護師の育成などの施設運営に関われたりできる、やりがいのある仕事です。充実感をもって仕事に取り組みたいと考えている人は、ぜひ管理職に挑戦してみてください。
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よくある質問
看護部長:427,573円
看護師長:370,949円
看護主任:327,143円
役職が一つ違うだけで、基本給は月に約5万円、年間では約60万円の差がでます。また、賞与は基本給ベースで計算するので、賞与も大きく差があることがうかがえるでしょう。さらに、この基本給に加え役職手当もつくため、年収の差はさらに大きくなります。
一つ目に管理職になることで、職場の方針に提案できるようになります。現場で少なからず変えていきたい方針などは皆さんにもあると思います。現場の看護師としてはなかなか言えないことでも、管理職になることでそういった意見を言う場面は増えていくでしょう。
また、看護師長以上の役職は基本的に夜勤はありません。日勤のみで働くことができるので規則正しいシフトで勤務ができる点もメリットです。
【デメリット】
当然のことではありますが、責任が普通の看護師より重くなります。管轄する部署の看護師が起こしたミスなどに対しても、現場の監督者として責任を問われることもあります。
また、現場と上席の板挟みになりやすい点も挙げることができます。現場の看護師と上席の意見が食い違う場合には、双方の考えを聞いて調整しなければいけないので、難しい判断を迫られることもあります。
小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。