【看護師の初任給はいくら?】高い職場の特徴や給与を上げる方法、転職先のおすすめ
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看護師は初任給が高い仕事として知られます。しかし、経験による給与の伸びは少なく、新卒職員と経験10年以上の職員の平均給与差はごくわずかです。初任給の差は今後勤続しても埋まりづらいので、給料にこだわりのある方はご自分の給料と比較して転職を考えてみてはいかがでしょうか。
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目次
2.看護師が初任給額を意識すべき理由
3.初任給以外に意識すべきポイント
4.新人看護師が給料を上げる為にはどうすればいい?
5.転職先としておすすめの選択肢
6.転職に失敗しないための情報
7.初任給だけでなくスキル習得ややりがいにも注目して職場を探そう
1.看護師の初任給っていくら?
看護師の初任給をいくつかのデータから解説します。学歴、性別による違い、また、医療機関の種類による違いなどを見ていきましょう。
学歴による初任給の違い
基本給与額 | 給与総額(税込) | |
高卒+3年課程卒 | 204,950円 | 266,558円 |
大卒 | 210,963円 | 274,752円 |
初任給の時点では、看護専門学校や短大を卒業して看護師国家試験を受験するルートと、看護大学を卒業して看護師国家試験を受験するルート、それぞれで大きな違いはないことが分かります。
性別による初任給の違い
所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
男性 | 256,000円 | 69,100円 |
女性 | 261,200円 | 139,700円 |
※企業規模が10人以上の場合、経験年数0年のデータを参照
男性と女性の初任給にはほぼ違いがありませんが、年間賞与(ボーナス)やその他特別給与額において若干差が見られます。
所属機関による初任給の違い
高卒+3年課程卒 | 大卒 | |||
基本給 | 給与総額 | 基本給 | 給与総額 | |
国立病院 | 20.4万円 | 27.1万円 | 21.3万円 | 28.3万円 |
公立病院 | 21.2万円 | 26.6万円 | 21.9万円 | 27.7万円 |
日本赤十字社 | 21.7万円 | 27.5万円 | 22.3万円 | 28.5万円 |
済生会 | 20.9万円 | 27.2万円 | 21.6万円 | 28.1万円 |
医療法人 | 20.2万円 | 26.4万円 | 20.7万円 | 27.1万円 |
所属機関によっても初任給は差があります。経験年数が増すと給料はアップしますが、初任給の差がそのまま給料の差になることもありますので、生涯収入を考えるなら初任給が高めの職場を選びましょう。
以上、3つのデータから初任給の差について見ていただきました。同じ国家資格を持つ看護師と言えど、学歴や所属機関によって初任給額にある程度差が出ています。生涯年収を考えるうえで、所属機関の初任給の差は職場選択の一つの指標になると思います。給与を大事にしたい人はしっかり確認しておきましょう。
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2.看護師が初任給額を意識すべき理由
看護師は初任給が高い仕事ですが、勤務年数による増加が少ないという特徴があります。以下は勤務年数ごとの月収をまとめたものですが、伸びが少ないことが伺えます。
もちろん、年齢を重ねフルタイム勤務ではなくパートタイムや非常勤といった働き方をする方がいるなどの影響もあります。ただ、初任給の差がそのまま生涯年収の差になると言っても過言ではありませんので、職場選びにおける初任給は大事です。
勤務年数による月収
女性 | 男性 | |||
所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
1~4年 | 27.6万円 | 72.4万円 | 28.0万円 | 75.2万円 |
5~9年 | 29.6万円 | 81.0万円 | 30.8万円 | 86.2万円 |
10~14年 | 30.4万円 | 84.5万円 | 33.3万円 | 106.5万円 |
15年以上 | 32.3万円 | 95.2万円 | 34.4万円 | 99.3万円 |
出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
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3.初任給以外に意識すべきポイント
ご紹介している通り、看護師の職場選びにとって初任給は重要なポイントです。しかし、初任給以外にも年収をアップさせるために検討すべきポイントがあります。
夜勤手当の金額
入社から数か月後には夜勤が始まるため、夜勤手当についても考慮しましょう。新卒として入職する職場は、基本的に夜勤があるため、給与にダイレクトに響いてきます。
転職を考える際には、クリニックや外来勤務も視野に入ってくるかと思いますが、年収にも大きく差がついてしまいます。施設形態の違いだけでなく、夜勤の有無についても注目しましょう。
平均夜勤手当額
三交代制準夜勤 | 三交代制深夜勤 | 二交代制夜勤 |
4,234円 | 5,199円 | 11,368円 |
職場の環境
長期的に働くことで、結果的に給与をアップさせることができます。なるべく苦労せずに給与をアップさせたいなら、働きやすい環境を作ることは一つの手です。
てっとり早く給与の増加を狙うなら転職が一番ですが、必ずしもすべての職場で勤務年数が給与に反映されるわけではありません。そのため、高給与が期待される職場に就職できたとしても、転職することで年収が下がってしまうこともあるでしょう。
実際に看護師の退職理由として、給料を挙げる方もいらっしゃいますが、やりがいや働きやすさも多く挙げられます。つまり、やりがいや働きやすさに注目して職場を選べば、長期的に働くことができ、結果的に高収入にもつながるのです。
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4.新人看護師が高い給料を実現するには何をするべき?
新人看護師が高い給料を目指すためにまず心がけることは下記の2点です。
夜勤手当の金額を確認する
実は看護師の初任給の内、基本給はどの事業所も大きく変わりません。手当部分が大きく関係してくるのですが、その中でも夜勤手当が大きい部分を占めています。
つまり、目先の給与増を狙うなら、夜勤手当の金額に注目することが大事です。ただ同様に回数も確認しておきましょう。やってみないとわからないことですが、夜勤の負担はとても大きいです。回数が多ければ他の人と給与額で差をつけられますが、その分業務にも悪影響を及ぼすことも増えてきます。自分の体力と相談して見極めましょう。
幅広いスキルを習得できる職場を選ぶ
こちらは長期的な目線での心がけです。長い看護師人生ですが、スタートダッシュは特に大事です。一言に「給与が高い」といっても施設形態によって業務は異なり、望んだ職場への入職にはそれぞれ最低限のスキルを身につける必要があります。つまり新人看護師の時にいろいろな経験を積んでおくことで、後々の給与アップの機会を逃さない転職に繋がります。
上記2点のことから、新人看護師には私立の大学病院や急性期病院がおすすめです。急性期病院や大学病院では、夜勤もあり幅広いスキルを習得することが可能。異なる診療科に配置転属されれば、さらに様々な経験を積めます。
また、国立や公立の医療機関はあまり数が多くないので、新卒での就職先として探すことは容易とは言えません。数が多く募集数も多い私立の大学病院や急性期病院で働くことを、第一の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
ただ今後、自分の適性に合った特殊な形態の施設を選ぶことも考えられますし、給料以上に大事な部分が出てくるかもしれません。転職してキャリアアップすることも想定されますので、最初は給料を上げることよりも、まずは幅広いスキルを習得してキャリアを積むことを意識しても遅くはありません。
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5.転職先としておすすめの選択肢
給料にこだわるなら
給料にこだわるのであれば、急性期・精神科病院の検討がおすすめです。初任給が高く生涯年収も他の形態の病院に比べて高くなります。また、様々な対応が求められるため、幅広いスキルや経験を身につけることができ、次の転職先の選択肢も増えます。
スキルの向上を意識するなら
給料よりもまずは看護スキルの向上を目指したいという方には訪問看護がおすすめです。訪問看護は対応する業務が幅広いため、看護師としてのスキルは飛躍的に向上すると期待できます。また、一人の患者さんと長く付き合うことでも、より計画的な看護を提供するスキルを獲得できます。
プライベートを意識するなら
給料を気にせずプライベートを意識したい人は、クリニックへの転職がおすすめです。基本的に夜勤がなく、時間や曜日を限定することもできるため、育児や家族の介護のために一時的に勤務時間を制限したい方にも、クリニックは良い選択肢となるでしょう。また、複数のクリニックや事業所を運営するクリニックなら、給料体系も明朗で働き方のマニュアルなども完備されていることが多いです。
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6.転職に失敗しないための情報
何をもって「転職に成功した」と判断するかは、看護師一人ひとりによって異なりますが、次のような職場への転職は避けたいところです。
医療機関や介護施設によっては残業代に割く予算がなく、「サービス残業」になってしまうところがあります。残業代をもらえるかもらえないかで給与には大きく響くので、残業代についてはよく確認しておきましょう。
上司や同僚など一緒に働く人たちとの関係は今後その職場で働く上で重要になります。転職のタイミングで人間関係まで見抜くことはなかなか難しいですが、職場見学を行うタイミングで看護師と話してみることが、人間関係を見抜く助けになると思います。
患者さんの看護方針の提案をすることは看護師の一つの業務ですが、その職場の方針によっては良い提案であっても聞き入れてもらえないことがあります。職場環境の風通しが良いかどうかについても気にしておきたいポイントです。
失敗を回避するためにも、職場見学を丁寧に行い、不安要素がないかチェックするようにしましょう。
転職先を見つける方法
転職サイトは求人情報はもちろんですが、転職に当たってのノウハウや豆知識について書かれたコラムなども掲載されています。転職が初めてという方は、そういったコラムを読んで転職の知識をつけることも重要です。
気になっている医療機関や施設で知人が働いているという場合は、紹介してもらい転職をすることも一つの手です。求人情報から得ることができない施設の雰囲気やそこで働く人のことなど、あらゆる情報を手に入れることができることは魅力的ですね。
エージェントサービスは求人情報のほかにも、業界内の評判や口コミ情報を持っており、欲しい情報を手に入れることができます。ただし施設にとっては有料のサービスであるため、転職エージェント経由で採用していない施設も多いです。持っている施設の情報数が少ないという可能性があることを知っておきましょう。
転職先を見つける方法は上記の通り様々ですが、内情を知ったうえでの転職であれば、成功へ近づきます。紹介やエージェントサービスの利用はこれらをカバーするには充分です。ただ、自分に合わないと判断しても断りづらいという懸念もあります。
その点、しがらみなく転職先を探すならば、転職サイトがおすすめです。ただ、転職サイトで施設情報を把握しきるのが難しいことも多々あります。なので転職サイトを利用するなら、詳細な情報が記載されているサイトを見極めて使いましょう。
おすすめの転職時期
幅広い選択肢から転職先を選びたい場合は、ボーナス支給の直後を目安に転職活動をしてみてはいかがでしょうか。ボーナスを受け取ってから転職する方が多いため、求人案件も多くなります。
3月もおすすめの時期です。家族の転勤などの事情で年度が変わるときに看護師を辞める方もいますので、求人案件が多くなる傾向にあります。また、大規模な法人などは異動を伴うので、異動の結果欠員補充が必要になり求人が増えるということもあるようです。
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7.初任給だけでなくスキル習得ややりがいにも注目して職場を探そう
いかがでしたか。看護師にとっては初任給に注目して仕事を選ぶことはやはり大切です。なぜならここまでお話した通り、勤続年数による給与の伸びが多職種に比べて小さいからです。できるだけ初任給の高い職場を選ぶことに越したことはありません。
ただし、勤続年数による伸びが小さいと言えど、仕事が長続きすれば勤続年数が増えるため、結果的には高収入につながります。長続きする職場を選ぶのであれば、「幅広いスキルを習得できる職場であるか」、「やりがいのある仕事に従事できる職場であるか」にも注目してみてください。
また、転職も高い給与を得る上では有効な手段です。ですが、高収入だからと言って大して検討もせず飛びつくと痛い目に合うので、慎重に検討して転職活動に取り組みましょう。
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小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。