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コロナ禍で疲弊する医療・介護従事者 | 看護師・介護職が今求めているサポートとは?

  • 更新日
投稿者:小松 和貴

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの人々の生活に影響を及ぼしていますが、医療・介護従事者の皆さんも多大な影響を受けています。今回「コメディカルドットコム」を利用している看護師・介護職の方々を対象に、コロナ禍での働き方の実態を調査するため、アンケートを実施しました。アンケート結果では、看護師・介護職が抱えるコロナ禍での深刻な問題について、リアルな「声」を聞くことができたので、ここで紹介していきます。

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目次


1.コロナ禍での業務負担と収入面はどう変化した?

コロナ禍での業務負担

コロナ禍での業務負担グラフ

コロナ禍での業務負担について聞いたところ、63.3%が「増えた」と回答しました。また、対象を病院やクリニックで勤務する人に絞ると、「増えた」と回答したのは70.0%という結果になりました。やはり、病院やクリニックは新型コロナウイルス患者への対応の最前線ということもあり、介護施設など他の施設形態と比べても割合が高くなっています。


コロナ禍での収入事情

続いて収入面の変化について聞いたところ、「変わらない」「減った」と回答した人は全体の94.5%でした。また、施設形態別に絞って見ると、クリニック勤務者の42.1%、介護施設通所に勤務している人の34.8%が「減った」と回答しました。患者・利用者が自粛しやすい事業形態や、事業規模が比較的小さい事業所に関しては、事業所としての収益の減少がそのまま職員の給料に反映されやすいと考えられます。


2つの結果を見ると、コロナ禍で業務負担が増えているにもかかわらず、医療・介護従事者たちの頑張りが「給料」という形で反映されにくいようです。


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2.コロナ禍で離職や転職は考えた?

コロナ禍離職転職検討グラフ

「コロナ禍が原因で離職や転職について考えたことがあるか」という質問には、全体の半数以上に当たる54.4%が「ある」と回答しました。また職種別に見てみると、看護師が59.6%、介護職は47.7%という結果になりました。


「看護師」と「介護職」とでは10%以上の差が出ていますが、これは新型コロナウイルス患者に接する可能性の高い看護師の方が、業務を続けていくことに慎重になっているためと考えられます。


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3.コロナ禍で医療・介護従事者が求めるサポート・補償とは?

コロナ禍サポートグラフ

「コロナ禍の勤務に関してサポート・補償を受けられるのであれば、何を希望するか」という質問には、最多の74.1%が「慰労金のような一時金を再支給して欲しい」と回答しました。既に紹介した通り、業務負担が増える中で、収入の増加に繋がっていない状況が如実に現れているようです。


次いで「安心して働けるように感染対策がしっかりした職場環境にして欲しい」が37.0%、「人手が足りないので、現場の人員体制を充実して欲しい」が36.5%と続いており、感染状況に対応した安全な職場で勤務していきたいという要望と、コロナ禍における深刻な人手不足を懸念する声が見て取れます。


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4.コロナ禍で働く医療・介護従事者の「声」

今回のアンケートを通じて、コロナ禍で働く中で医療・介護従事者が感じている生の声を聞くことができましたので、皆さんにも一部紹介します。


マスクとガウン、フェイスガードをしながらの仕事が普通な施設なので、やや体が疲れやすい。入浴介助などは大変で、職員の方が倒れかねない。


働きたいのに働けない(就労日数が減らされた)ので、新しい働き口を探している。


病院の収入源により、賞与が減らされる。また病棟でアウトブレイクを起こし、感染してない人でカバーして働いたにも関わらず、給与に差がない。不平等を感じてしまい、働く気が起きない。


感染対策用ガウンやマスク類を不足無いように手に入り易くして欲しい。


デイサービスや訪問介護に転職したいが、サービス停止や倒産で困っている。


事業所の業績低下により介護職のパートなどが大幅に削減傾向で、その分常勤の職員や看護職も業務量が増えている。例えば送迎の添乗とか施設内の清掃など。


いかがでしょうか。多くの医療・介護従事者がコロナ禍で不満や不安を抱えながら業務に取り組んでいるか分かっていただけたかと思います。上記以外にも多くの回答・意見をいただいており、勤務を続けていくことへの不安や給与に影響が出ているといった内容が多く聞かれました。読者の皆さんにも、こういった「声」が当てはまる方がいるのではないでしょうか。


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5.医療・介護従事者へのサポート・補償は急務!

ニュースなどでコロナ禍の影響により医療・介護従事者の待遇が悪化しているとの声が挙がって久しいですが、今回のアンケート調査でも依然として問題は解決しておらず、医療・介護従事者の離職・転職のニーズにコロナ禍が大きく影響していることが分かりました。


人材不足が慢性化している医療・介護業界で、各医療機関や介護施設側の採用活動を進めたいというニーズも高いため、採用者・求職者の需要と供給はマッチしていると言えるかもしれません。しかし、感染症対策を行いながら同時に採用・求職活動を進めていくことは容易ではなく、採用者側・求職者側共に慎重にならざるを得ない状況が続いています。


将来的にコロナ禍が収束していく中で、離職や転職活動が活発化すると見込まれますが、離職や転職活動が急激に増えてしまうと、感染の再拡大などが起こった場合に、深刻な人手不足を引き起こす可能性が考えられます。そうなる前に、行政や自治体から金銭的な補償や、感染対策・人手不足解消のサポートを行うことは急務であり、医療・介護従事者の待遇を改善し、職場環境を整備していくことが求められています。


アンケート調査概要

実施期間:2021年3月12日~3月22日

調査対象:コメディカルドットコムで、職種を看護師・准看護師・介護福祉士・介護職のいずれかで登録しているユーザー

調査方法:インターネット調査

有効回答数:690件

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セカンドラボ株式会社

URL:https://note.com/2ndlabo/n/n6565a29f667f

2022年4月よりセカンドラボ株式会社に入社。主に病院を中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。

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