看護師の転職時期「有利な1月,6月」をおすすめしない理由|1年未満の離職はあり?
- 更新日
「いつ転職したら有利なのかな」
「何ヶ月前から動くべきなんだろう」
看護師の転職において多くの方が直面する悩みではないでしょうか。
ネット上の記事では「求人数が多い1月と6月が有利」と当たり前のように書かれています。ですが、この常識は古いです。多くの人が有利と考えてしまうことに罠があります。
この記事では、本当にあなたに合った転職時期を考えるヒントを紹介。在籍年数別のポイントや希望する施設毎の戦略、冬のボーナス後退職の行動計画を解説します。記事を参考にして、理想のキャリアを叶えてください。
- スカウト経由で内定率2.3倍!
- 希望に合った求人”だけ”を厳選してお届け!
目次
求人数が多い「有利な時期」の罠
多くの転職サイトは、「求人数が年間で最大になる1月・6月が有利」と伝えます。選択肢が多いので、あなたに合った職場が見つかります!というのがお決まりのフレーズです。
残念ながらこの常識は古いです。
求人数が多い時期に動くほど、好条件の職場から枠が瞬時に埋まり、競争が激化した後に残るのは「他の人に選ばれていない求人」になってしまうからです。
第一希望の職場に行けず、妥協して他の職場にした結果「やっぱりここじゃない…」と後悔する。これが、多くの看護師を悩ませる「競争率の罠」です。
あなたにとっての本当の「有利な時期」とは?
あなたにとって有利な時期とは、求人数の多さではありません。
1.あなたが希望する職場の求人が出ている時期
2.ボーナス後など、あなたの個人的な希望が叶う時期
この2つこそが、あなたの転職成功を左右する最重要要素です。「〇月の転職は有利」といった過去の常識は捨てて、本当に自分にあった転職のタイミングを一緒に考えていきましょう。
在籍年数と市場価値|短期転職はダメなのか?
転職のタイミングは、「今の職場でどれくらい働いてからにするか」という点も悩ましいと思います。ここに唯一の正解はありません。あなたにとってベストな答えを探す、判断材料を紹介していきます。
短期離職(1年未満)は本当にNGなのか?
転職して半年や1年未満で「もう辞めたい」と悩んで検索しているあなたへ。その決断は、決して逃げではありません。
「せめて1年、3年は我慢すべき」という世間の常識は、キャリアを築く上で一定の合理性はありますが、あなたの心身を壊す理由にはなりません。
「続けた方がいい理由」と「今すぐ辞めたい理由」を冷静に比較し、他の誰に言われたからではない、あなた自身が納得して決断することがすべてです。
| 視点 | 我慢して続ける理由 | 今すぐ辞める理由 |
|---|---|---|
| 市場価値 | 履歴書に「〇年勤務」と書け、定着力を示せる。 | 疲労や体調不良でスキルが伸びず、専門性が停滞する。 |
| 経済面 | ボーナスが満額支給され、失業保険の資格も得やすい。 | 医療費や休職で収入が不安定になる可能性。 |
| キャリア | 困難な環境でも続けた忍耐力をアピールできる。 | 心身の健康リスクを放置し壊れる。 |
上の表で「今すぐ辞める理由(リスク)」が一つでも勝っていると感じたなら、それは外部の常識ではなく、あなた自身の体と心が下した「戦略的な判断」です。我慢して壊れる前に、次の行動へ移るべきです。
市場価値が高い「経験3〜5年目」は分岐点
経験3〜5年目は、単に評価が高いだけでなく、「この先のキャリアの方向性を決める分岐点」でもあります。この時期の強みは以下の通りです。
- 即戦力性の確立: 基本スキルが定着し、自走可能。教育コストが低く、採用側から高評価。
- 柔軟性: 経験が浅すぎず長すぎないため、新しい分野(訪問看護、企業など)への適応力も高い。
この時期に転職を考える際は、以下の2つの方向性から選ぶことができます。
| 選択肢 | 目的 |
|---|---|
| 専門性の追求 | 特定分野の知識・スキルを深め、プロフェッショナルになる |
| マネジメント・育成に進む | 将来的に管理職を目指し、後輩指導やチーム運営力を磨く |
専門性を追求する場合: 認定看護師の資格支援がある専門病院の特定病棟、特定分野に強いクリニック(例:透析、不妊治療など)といった、スキルアップを重視する職場がおすすめです。
マネジメント・育成に進む場合: チーム医療に力を入れている大規模病院や、新しい施設・部署の立ち上げフェーズにある法人などが選択肢になります。
経験10年以上のベテラン層は役割を意識
豊富な経験を持つあなたは、市場価値は高いものの、求められる役割が「即戦力+指導者」にシフトします。プレイヤーとしての能力だけでなく、後輩の育成力やマネジメント能力が期待されます。転職先でも、あなたの豊富な経験を活かし、チームの要となるようなポジションを狙っていきましょう。
役割の明確化とすり合わせ:「プレイヤー」として働きたいのか、「指導者・管理職」として働きたいのかを明確にし、応募先で求められる役割とすり合わせることが重要です。
あなたの希望と採用側の認識がずれてしまうと、ミスマッチから短期離職につながるリスクが高くなります。応募先での期待値と、あなたの希望が一致しているか、必ず面接で話し合いましょう。
病院・クリニック別の転職時期の考え方
希望する転職先によって、動き出す時期は変わります。大まかな傾向で言えば、病院の募集は通年見かけますが、クリニックの場合は欠員補充という形で不定期です。病院の中でも病棟は通年、手術室は欠員補充ということもあります。
【A】人気病院・大規模法人を狙う場合
大学病院や大規模な社会福祉法人など、福利厚生が充実した人気施設は、基本的に「計画採用型」です。毎年、4月や10月の入職に向けて、計画的に募集を行います。
- 求人が出る時期: 1月(4月入職向け)と6月・9月(10月入職向け)
- 競争率: 極めて高い。
競争が激しい時期にいきなり飛び込むのではなく、ライバルが動く前の閑散期に準備を済ませておくのが成功の鉄則です。募集ピークの2〜3ヶ月前に情報収集をスタートし、履歴書や志望動機、面接の練習など事前準備を進めていきましょう。
【B】地域の中小病院・専門病院を狙う場合
地域の中小病院や、透析・リハビリなど特定分野に特化した専門病院は、「計画採用と欠員補充のミックス型」です。特に、病床数が少ない中小病院は、一人でも欠けると業務が回らなくなるため、結果的に通年で常に求人を出している状態にあります。
- 求人が出る時期: 通年で情報が多い(計画採用+緊急の欠員補充)
- 競争率: 好条件のものは一瞬で埋まることがある。
このタイプの病院は、求人情報が途切れないため、大規模病院のように特定の時期に逆算して動く必要がありません。
転職市場の都合ではなく、「ボーナス後」「引越しに合わせたい」といったご自身の都合を優先して、準備を進めることができます。
あなたの退職希望時期に合わせて、心に余裕を持って準備を進める。ただし、好条件の求人を逃さないよう、応募書類だけは完成させておくのが良いでしょう。「自分の都合」と「キャリア」を最もバランス良く両立できる選択肢となります。
【C】クリニック・専門部署(手術室など)を狙う場合
クリニックや病院内の手術室、透析室、ICUなどの専門部署は、基本的に「欠員補充型」です。一人の退職が即、業務に大きな穴を開けるため、採用は時期に関係なく突発的に行われます。
- 求人が出る時期: 不定。突発的な緊急募集が多い。
- 競争率: 採用枠が少ないため、スピードが命。
このタイプの求人を狙う場合、「有利な月」は存在しません。良い求人が出たその時が、あなたにとってのベストタイミングです。
- 応募書類を常に完成させておく。
- 求人サイトのアラート機能やスカウトサービスを利用し、情報が出た瞬間にキャッチする仕組みを作る。
欠員補充の求人はスピード勝負です。準備万端で即座に応募することで、他の応募者が書類を書き始める前に内定を掴むことができます。
「冬のボーナス後退職」から逆算する行動計画
「希望の職場はまだ決まっていない」「とりあえず転職活動を進めたい」という方は、冬のボーナス後(12月末退職)の転職がおすすめです。
12月末に退職し、1月には新しい職場で働きたい場合、転職活動全体で約3〜4ヶ月間の準備期間が必要です。ライバルが動き出す時期を避け、余裕を持って動くためのスケジュールを確認しましょう。
| 時期 | 期間 | 最優先アクション |
|---|---|---|
| 9月〜10月 | 準備期 |
・転職の軸を決める(希望施設タイプの整理) ・履歴書・職務経歴書を完成させる |
| 11月 | 応募・選考開始期 |
・求人に応募し、面接日時を設定 |
| 12月 | 内定・退職交渉期 |
・内定後、条件を確認・調整 ・ボーナス受取後に退職を正式に伝える |
| 1月 | 再就職・入職 | ・新しい職場で勤務開始 |
ボーナス(賞与)を受け取ってから退職を正式に伝えることは、法律上、労働者の権利であり問題ありません。しかし、支給日直後に伝えることは、職場との関係悪化や引継ぎの遅延を招き、円満退職が難しくなります。
実践的な対応として、事前に「退職の意思」を内々に伝えつつ、正式な日付はボーナス支給日以降に設定するなど、職場への配慮を示すのが成功の鍵です。
応募・面接は「月の半ば」を狙う戦術
競争率が高い時期は、採用担当者の時間にも余裕がありません。そこで、「月内でいつ応募・面接に行くか」という部分も重要になります。
- 避けるべき時期: 月初(採用会議、目標設定)と月末(締日、報告業務)
- 狙うべき時期: 月の半ば(第2週〜第3週)
採用担当者は、月の半ばが最も時間に余裕があります。この時期に面接を設定することで、あなたの話にじっくり耳を傾けてもらいやすく、丁寧な選考を受けられる可能性が高まります。これは、競争率を下げるためのテクニックです。
時期が決まったら重要な「準備」チェックリスト
「時期」が決まれば、あなたの転職成功は、あとは「準備の質」がすべてを決めます。
以下のチェックリストで、円満退職と好条件の職場獲得に向けた最終準備を始めましょう。
- 退職の意思を伝える最適なタイミング(ボーナス後、繁忙期前など)を再確認した。
- 上司が納得する「ポジティブな退職理由」を用意した。
- 希望する施設に合わせた、カスタマイズされた応募書類(志望動機)を完成させた。
- 面接で聞かれる「退職理由」や「キャリアプラン」への回答を用意した。
- 現職の有給休暇の残日数を確認し、退職日までの消化計画を立てた。
まとめ:転職は「時期」ではなく「自分の都合」で決める
世間一般で言われる転職に有利な時期「1,6月」は、求人数が多いものの競争率が高く、妥協した職場を選ぶリスクが高まることを解説しました。「多くの人が有利と思っていること」は、既に有利ではないのです。
転職に有利な時期に合わせて転職するのではなく、在籍年数による市場価値や希望の施設タイプ、そしてあなたの都合に合わせて転職するのが、あなたにとって一番良い選択肢になるでしょう。
なんとなく「転職したい」と思ったら、まずは求人を見てみる
「いつか転職したい」「今の職場を辞めたいけど、その後具体的にどうなりたいか分からない」。 そう考えている方にとって、最初の一歩は難しい計画を立てることではありません。
まずは、今のあなたの経験が市場でどれくらい評価されているか、どんな求人情報が出ているのかを気軽に見てみることから始めましょう。それが、あなたのキャリアの次の方向性を決める確実な一歩になります。
スカウトサービス登録はこちら
事業所からスカウトがくる!
- スカウト経由で内定率2.3倍!
- 希望に合った求人”だけ”を厳選してお届け!

